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ティアハイム運営指針では「安楽死は傷病が理由の場合は獣医師1人の判断でできる」とされている~「ドイツでは動物の安楽死では数人の獣医師の同意が必要」という環境省の大嘘資料㉞






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(Zusammenfassung)
Wenn die Regierung in Deutschland einen Hund oder eine Katze auf gesetzlicher Grundlage einschläfert, ist unabhängig vom Grund nur das Urteil eines einzigen Tierarztes erforderlich, und die Zustimmung mehrerer Tierärzte ist nicht erforderlich.
Selbst wenn eine private Einrichtung einen Hund oder eine Katze einschläfert, kann dies im Ermessen eines einzelnen Tierarztes erfolgen, wenn der Grund eine Verletzung oder Krankheit ist, und die Zustimmung mehrerer Tierärzte ist nicht erforderlich.


 記事、
「ドイツでは殺処分を行うには複数の獣医師の同意が必要」という環境省の大嘘資料(大笑)㉜
ドイツにおける犬猫等殺処分制度の概要~「ドイツでは犬猫等の殺処分では数人の獣医師の同意が必要」という環境省の仰天大嘘㉝
の続きです。
 環境省による、ドイツの犬猫等の殺処分に関する資料の記述、「ドイツでは犬猫等の殺処分(安楽死)では、複数の獣医師の同意が必要」が真っ赤な嘘であることを前回記事で述べました。行政が行う犬猫等の殺処分では理由を問わず獣医師単独の判断で行えます。行政が行う殺処分では根拠法が複数数ありますが、いずれも「複数の獣医師の同意が必要」という規定は一切ありません。「獣医師1人」と明記されています。民間施設のティアハイムの民間の自主規制(ティアハイム運営指針等=法令に様な強制力がない)では、殺処分の理由が傷病である場合は獣医師1人の判断で行うことができます。傷病以外の殺処分では、獣医師2人を含む委員会の同意を得ることが望ましい(あくまでも推奨事項)としています。今回は「ティアハイム運営指針(民間の自主規制)」の犬猫等の殺処分について示します。



 サマリーでにおべた通り、先にドイツにおける犬猫等の殺処分の制度について、概要を以下に示します。


(公的殺処分)
・行政が法令に基づいて行政が運営する公的動物収容所で行う殺処分。
・公的動物収容所は、動物の飼主の任意による直接の引き取りは行わない。
・所有者不明犬猫等の行政が捕獲したもの(ドイツでは民法上所有者不明の犬猫等の家畜はすべて「遺失物」と解されるために、所有者不明犬猫等の収容は行政しかできない)、および行政が法令に基づいて押収・没収したものは行政が運営管理する公的動物収容所のみが収容できる。
・それらの動物の殺処分の決定は、行政のみに権限がある。
・理由の如何を問わず、殺処分は行政獣医師1人以上の判断同意を要する。


(主な根拠法)
1、Tierschutzgesetz 「動物保護法(連邦法)」
2、各州の犬法 例:Gesetz über das Halten und Führen von Hunden in Berlin (Hundegesetz - HundeG) Vom 7. Juli 2016  「ベルリン州における犬の保持と導くことに関する犬の法律 犬法」(ベルリン州 犬法 州法)
3、Gesetz zur Vorbeugung vor und Bekämpfung von Tierseuchen (Tiergesundheitsgesetz - TierGesG) 「動物の疾病の予防及び管理に関する法律 (動物衛生法 連邦法)
4、Verordnung zum Schutz gegen die Tollwut (Tollwut-Verordnung) 「狂犬病予防規則 (狂犬病規則) 連邦規則」




 上記のうち、
・行政または一般市民により捕獲保護された所有者不明犬猫は、一定期間内に飼主返還や、所有者がなく明らかに譲渡に適さないものは行政が殺処分を行う。残りはティアハイムに移譲される。殺処分決定は行政獣医師1人の同意でできる。
・咬傷犬、行動等により危険と判断された犬、法律で飼育等が禁止されている犬種の押収・没収されたものは、重大咬傷事故の場合は「行政は殺処分を命じなければならない」と法令で規定されている。禁止犬種、軽微な咬傷事故犬、行動等から意見と判断されて押収・没収された犬については犬の気質テストに合格すれば、飼主へ返還されることもある。まれに飼主から所有権をはく奪された犬は民間ティアハイムに移譲され、一般譲渡の対象となることもある
・狂犬病等の感染の有無の検査殺処分、感染症防止のための殺処分は行政獣医師1人以上の判同意が必要。



(民間の動物保護施設=ティアハイムにおける私的な殺処分)
・民間の動物保護施設=ティアハイムは、飼主の任意での引取りを有料で行っている。
・民間団体が私的な施設で行う殺処分。
・法令上は動物保護法16条a に基づき、正当な理由がなければならない(傷病もしくは問題行動と解されるが、条文には具体例は明記されてはいない)。

実際の運用は民間の自主規制により行われる。
・傷病を理由とする場合はいずれも獣医師1人の判断で行えるとされる。
・傷病以外の殺処分では、推奨事項として(=強制はしない。あくまでも可能であればそうすることが望ましい)「獣医師2人を含む委員会での決定が望ましい」としているが、民間の自主規制であるために、法令のような強制力はない。

(民間の自主規制)
5、 Tierheimordnung des Deutschen Tierschutzbundes 「ドイツ動物保護連盟によるティアハイムの運営指針」




 サマリーで示した通り、環境省は令和3年度に「ペット関連産業の健全育成に向けた実態調査業務報告書(資料編)」という資料を作成しています。この資料ではドイツでは犬猫等の殺処分を行うには(行政であれ民間の施設であれ)数人の獣医師の同意が必要」としていますが、荒唐無稽な大嘘です。
 先の私が作成した一覧の通り、ドイツでは行政が行う公的殺処分では「犬猫等の殺処分決定は理由の如何を問わず獣医師は1人の判断で足りる」と、各法令の条文で明記されています。民間のティアハイムでの犬猫等の殺処分では、ドイツ動物保護連盟が「ティアハイム運営指針」を出しており、それによれば傷病を理由とする場合は獣医師1人の同意でよいとされています。それ以外の場合は「2人の獣医師を含む委員会の判断を行うことが望ましい(あくまでも推奨事項)」としています。そのデマ資料を提示します。


(画像)

 最終更新: 2023年10月7日 環境省(動物虐待、殺処分)調査資料 情報公開 から「平 成 29 年度 ド イツ にお ける 動物 保 護の 取組 みに 係る 調 査業 務報 告書 」(特 定非 営利 活動 法 人ア ナイ ス)より 関 係箇 所を 抜粋 4~5ページから

 なおこの資料は、 平成 29 年度 訪独調査結果 平成 29 年 5 月 30 日 特定非営利活動法人アナイス  環境省 「より関係個所を抜粋」とあります。

 「動物の安楽死は複数の獣医師の同意が必要」として、動物保護施設規定として、Muster-Tierheimordnung TVT Tierärztliche Vereinigung für Tierschutz e.V 「ドイツ動物保護獣医師協会による動物保護施設での安楽死に関するモデル規約(民間自主規制ですらなく、民間団体による単なる提案)」を典拠としてしてあげています。しかしこの資料は、動物保護施設(ティアハイム)による規定ではありません。この資料でも、「動物の安楽死では法律上は1人の獣医師の判断でできる」と明確に記述していますが。
 「動物保護施設規定」は、ドイツ動物保護連盟(Deutscher Tierschutzbund)による、「ティアハイム運営指針(Tierheimordnung des Deutschen Tierschutzbundes )」です。こちらでも「ティアハイムが行う動物の安楽死は傷病が理由の場合は獣医師1人の同意と判断で足りる」としています。原文の引用と訳文は、後ほど行います。
 ところでこの環境省の資料では「行政による殺処分」が、民間の自主規制に従う義務がある(笑)という内容の記述です(しかも提示した資料は実は「民間の自主規制」ですらなく、単なる獣医師団体による「提案」です)。あり得ません。資料作成者は余程無知で知能が低い方なのでしょう(大笑)。

スクリーンショット 2024-03-20 204901
アナイス 環境省 ドイツ 殺処分 1
アナイス ドイツ 殺処分 2


 順次、ドイツにおける殺処分規定の法令と民間自主規制を取り上げていきます。前回記事では最も基本となる、「動物保護法(連邦法」)Tierschutzgesetz における犬猫等の殺処分について説明しました。
 同法16条aでは、「不適正飼育者の動物を行政が没収し、所有権をはく奪することができる。動物福祉上必要ならば、飼主の意思に反してでもその動物を安楽死(殺処分)することができる」という規定があります。その動物保護法16条aですが、行政の強制殺処分決定においては「獣医師1人」と、明確に条文の記述があります。その他でもドイツでは、「動物の安楽死では数人の重視の同意が必要」と規定している法令はありません

 今回は民間の自主規制の「ティアハイムの運営指針」(Tierheimordnung des Deutschen Tierschutzbundes )」の、殺処分に関する記述を取り上げます。以下に「安楽死」に関する記述を引用します。
 なお環境省の資料では、「アニマルシェルター規定」として、Muster-Tierheimordnung TVT Tierärztliche Vereinigung für Tierschutz e.V. 「ドイツ動物保護獣医師協会による動物保護施設での安楽死に関するモデル規約」を提示していますが、誤りです。これはアニマルシェルター=ティアハイム(の統括団体)が作成したものですらなく、当然各ティアハイムに対する強制力はありません。これは獣医師団体がティアハイムに対して、収容動物の殺処分(安楽死)を行う場合の提案、要望を示したものです。その点については後ほど述べます。


Tierheimordnung des Deutschen Tierschutzbundes 「ドイツ動物保護連盟 ティアハイム運営指針」 8ページ から引用

Ⅷ. Einschläfern von Tieren
1. Grundsatz
Grundsätzlich darf im Tierheim kein Tier eingeschläfert werden.
Die Einschläferung (Euthanasie) unheilbar kranker Tiere, die nur unter Schmerzen, Leiden oder Schäden weiterleben könnten, ist ein selbstverständliches Gebot des Tierschutzes.
Die medizinische Indikation ist nur vom [Tierarzt] zu treffen und anschließend darf die schmerzlose Einschläferung auch nur von [diesem durchgeführt] werden.
2. Ausnahmen
In folgenden Ausnahmefällen ist, nach Ausschöpfung aller anderen Möglichkeiten, in Übereinstimmung mit den Bestimmungen des Tierschutzgesetzes die Einschläferung unumgänglich: Bei Tieren, die starke, nicht behebbare, konstante Verhaltensstörungen zeigen, und deren Weiterleben mit schweren Leiden verbunden wäre, oder bei Tieren, die infolge abnormer und nicht behebbarer Verhaltensstörungen eine akute Gefahr für sich oder ihre Umwelt darstellen.
Wenn alle verhaltenstherapeutischen Maßnahmen, diese Tiere an ein Leben mit Menschen oder unter Artgenossen zu gewöhnen, fehlgeschlagen sind und die Einschaltung von Sachkundigen nicht erfolgreich war, muss in diesen Ausnahmefällen die Entscheidung über die Einschläferung von einer Kommission getroffen werden.
Die Kommission muss möglichst aus einem Vorstandsmitglied, den verantwortlichen Sachkundigen (zum Beispiel dem Tierheimleiter und der Betreuungsperson) und zwei Tierärzten, von denen einer nach Möglichkeit Amtstierarzt sein sollte, bestehen.

Ⅷ. 動物の安楽死
1、原則
原則としてティアハイムでは、動物を安楽死させることはできません。
痛み、苦痛を伴う傷病を抱えながら生き続けるしかない末期の病気の動物を安楽死させることは、動物保護上当然の要件です。
獣医学的な対応は獣医師(1人でよい。Tierarzt 獣医師 男性名詞単数形)のみが行なわなければならず、獣医師(1人でよい。diesem  指示代名詞 「あの者」 単数形の男性名詞もしくは中性名詞の指示代名詞)のみが無痛での安楽死を行うことができます。
2、例外
以下のような例外的な場合は、他のすべての選択肢を尽くした後に動物保護法の規定に従えば安楽死は避けられません。
重度で治癒不可能な恒常的な行動障害を示し、その動物が生き続ければ自身に深刻な苦しみを伴う場合、または異常でかつ矯正が不可能な行動障害の結果、動物自身または周辺環境に深刻な危険をもたらす動物。
これらの動物を人間や他の動物との生活に慣れさせるための行動療法がすべて失敗し、専門家の関与も成功しなかった場合のこのような例外的なケースでは、安楽死の決定は委員会によって下されなければなりません。
もし可能であれば、委員会はティアハイムの理事会メンバー、責任ある専門家(動物保護施設の管理者や飼育者など)、および獣医師2名で構成されることが望ましく、可能であればそのうちの獣医師1名は行政獣医師であるべきです。



(画像)

 Tierheimordnung des Deutschen Tierschutzbundes 「ドイツ動物保護連盟 ティアハイム運営指針」 8ページ から

ドイツ動物保護連盟 ティアハイム 運営指針 2024年3月


 つまりドイツでは、法令の様に強制力がない、単なる民間の自主規制においても「理由が傷病の場合の安楽死は獣医師1人決定し実行できる」としています。傷病以外では「獣医師とティアハイムの管理者や飼育責任者を含めた委員会の決定を要する」としています。
 獣医師については、「もし可能であるならば行政獣医師1人を含む獣医師2名を含むことが望ましい」としています。獣医師2名以上による殺処分(安楽死)の決定は、法的強制力がない民間の自主規制でもさらに「可能であればそれが望ましい」とする推奨事項にとどまり、さらに傷病を理由とする場合は除外されます。
 そのような民間の自主規制を、行政事務である公的殺処分で「殺処分は獣医師2名の同意が必要」と、義務規定とするとは、環境省の本資料を作成した人はよほど頭が悪いとしか思えません。中学の公民レベルからお勉強をし直した方が良いと思います。
 さらに「アニマルシェルター規定」として提示した文書は、アニマルシェルターとは直接関係のない、獣医師団体の提案・要望書の類を挙げているのがお笑いです(この文書は次回記事で取り上げます)。さらにさらにこの「獣医師団体の提案・要望書」においても、「殺処分は法律上は獣医師1人の判断で行える」と明記されているのです。漫才でもしているつもりですかね(笑)。このような荒唐無稽なお笑いな調査報告書の作成を委託する、バ官狂症の担当者のオツムも小学生並みでしょう。


(参考記事)

犬などのペットの非対面インターネット販売の規制が全くないドイツ~環境省のデタラメ資料①
続・犬などのペットの非対面インターネット販売の規制が全くないドイツ~環境省のデタラメ資料②
「ベルリンでは1歳未満の犬の販売を禁止した」という誤訳~環境省のデタラメ資料③
ドイツの犬リード義務は厳しく、違反者の犬は射殺されてもやむを得ない~環境省のデタラメ資料④
犬のリード義務が極めて厳しいドイツ~環境省のデタラメ資料⑤
続・犬のリード義務が極めて厳しいドイツ~環境省のデタラメ資料⑥
ドイツ、ニーダーザクセン州の厳しい犬のリード義務~環境省のデタラメ資料⑦  
続・ドイツ、ニーダーザクセン州の厳しい犬のリード義務~環境省のデタラメ資料⑧
ベルリン州の犬の咬傷事故は日本の5.5倍~環境省のデタラメ資料⑨
ドイツの犬の咬傷事故の多さは深刻~環境省のデタラメ資料⑩
悪質ブリーダーに苦しめられるドイツの犬~環境省のデタラメ資料⑪
続・悪質ブリーダーに苦しめられるドイツの犬~環境省のデタラメ資料⑫
「動物保護に反する立法は無効」というドイツ基本法(憲法)の悶絶講釈~環境省のデタラメ資料⑬
「ドイツは基本法(憲法)で実験動物の保護が規定された」という悶絶講釈~環境省のデタラメ資料⑭
「ドイツは基本法(憲法)でペット動物の所有物という観点から解放された」という悶絶講釈~環境省のデタラメ資料⑮
「ドイツでは動物は可能である限り治療が前提となる」という、環境省のデタラメ資料⑯
続・「ドイツでは動物は可能である限り治療が前提となる」という、環境省のデタラメ資料⑰
「ドイツでのティアハイムでの安楽死の統計はない」という環境省のデタラメ資料⑱~殺処分率36%のティアハイムが統計を公表していますが(笑い)
「経済的理由」で収容猫すべてを殺処分したティアハイムの行為は合法~環境省のデタラメ資料⑲
わなで捕らえたのちに飼犬飼猫を殺害することが合法なドイツ~環境省のデタラメ資⑳
続・わなで捕らえたのちに飼犬飼猫を殺害することが合法なドイツ~環境省のデタラメ資料㉑
アニマルホーダーの動物を押収して強制的に殺処分する規定があるドイツ動物保護法~環境省のデタラメ資料㉒
続・アニマルホーダーの動物を押収して強制的に殺処分する規定があるドイツ動物保護法~環境省のデタラメ訳㉓
「ドイツでは犬をつないだまま飼うことが禁止されている」という、環境省の発狂資料(笑) ㉔
続・「ドイツでは犬をつないだまま飼うことが禁止されている」という、環境省の発狂資料(笑) ㉕
ティアハイム・ベルリンはコロナ対策の補助金を受給した〜「ティアハイム・ベルリンは一切公的資金を受けていない」という環境省の発狂㉖
「ドイツでは禁止犬種法施行以来それに基づいて殺処分された犬は5頭」という環境省の大嘘資料~8,000頭程度になる可能性がある㉗
続・「ドイツでは禁止犬種法施行以来それに基づいて殺処分された犬は5頭」という環境省の大嘘資料~8,000頭程度になる可能性がある㉘
ドイツの行政組織は強い権限を持ち司法手続きを経ずに動物の飼主の私有地の強制捜査、動物の没収、強制殺処分までできる㉙
飼主の留守中に犬を持ち去り無断で犬を安楽死させることが合法なドイツの行政組織㉚
飼主の庭から老犬を無断で没収し安楽死させたドイツの行政は合法。飼主は動物虐待で有罪になった㉛
「ドイツでは殺処分を行うには複数の獣医師の同意が必要」という環境省の大嘘資料(大笑)㉜
ドイツにおける犬猫等殺処分制度の概要~「ドイツでは犬猫等の殺処分では数人の獣医師の同意が必要」という環境省の仰天大嘘㉝

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ドイツにおける犬猫等殺処分制度の概要~「ドイツでは犬猫等の殺処分では数人の獣医師の同意が必要」という環境省の仰天大嘘㉝






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Wenn die Regierung in Deutschland einen Hund oder eine Katze auf gesetzlicher Grundlage einschläfert, ist unabhängig vom Grund nur das Urteil eines einzigen Tierarztes erforderlich, und die Zustimmung mehrerer Tierärzte ist nicht erforderlich.
Selbst wenn eine private Einrichtung einen Hund oder eine Katze einschläfert, kann dies im Ermessen eines einzelnen Tierarztes erfolgen, wenn der Grund eine Verletzung oder Krankheit ist, und die Zustimmung mehrerer Tierärzte ist nicht erforderlich.


 記事、「ドイツでは殺処分を行うには複数の獣医師の同意が必要」という環境省の大嘘資料(大笑)㉜
の続きです。
 環境省による、ドイツの犬猫等の殺処分に関する資料の記述、「ドイツでは犬猫等の殺処分(安楽死)では、複数の獣医師の同意が必要」が真っ赤な嘘であることを前回記事で述べました。行政が行う犬猫等の殺処分では理由を問わず獣医師単独の判断で行えます。行政が行う殺処分では根拠法が複数数ありますが、いずれも「複数の獣医師の同意が必要」という規定は一切ありません。「獣医師1人」と明記されています。民間施設のティアハイムの民間の自主規制(ティアハイム運営指針等=法令に様な強制力がない)では、殺処分の理由が傷病である場合は獣医師1人の判断で行うことができます。傷病以外の殺処分では、獣医師2人を含む委員会の同意を得ることが望ましい(あくまでも推奨事項)としています。今回はドイツの犬猫等の殺処分の制度についての概要を示します。



 サマリーでにおべた通り、先にドイツにおける犬猫等の殺処分の制度について、概要を以下に示します。


(公的殺処分)
・行政が法令に基づいて行政が運営する公的動物収容所で行う殺処分。
・公的動物収容所は、動物の飼主の任意による直接の引き取りは行わない。
・所有者不明犬猫等の行政が捕獲したもの(ドイツでは民法上所有者不明の犬猫等の家畜はすべて「遺失物」と解されるために、所有者不明犬猫等の収容は行政しかできない)、および行政が法令に基づいて押収・没収したものは行政が運営管理する公的動物収容所のみが収容できる。
・それらの動物の殺処分の決定は、行政のみに権限がある。
・理由の如何を問わず、殺処分は行政獣医師1人以上の判断同意を要する。


(主な根拠法)
1、Tierschutzgesetz 「動物保護法(連邦法)」
2、各州の犬法 例:Gesetz über das Halten und Führen von Hunden in Berlin (Hundegesetz - HundeG) Vom 7. Juli 2016  「ベルリン州における犬の保持と導くことに関する犬の法律 犬法」(ベルリン州 犬法 州法)
3、Gesetz zur Vorbeugung vor und Bekämpfung von Tierseuchen (Tiergesundheitsgesetz - TierGesG) 「動物の疾病の予防及び管理に関する法律 (動物衛生法 連邦法)
4、Verordnung zum Schutz gegen die Tollwut (Tollwut-Verordnung) 「狂犬病予防規則 (狂犬病規則) 連邦規則」




 上記のうち、
・行政または一般市民により捕獲保護された所有者不明犬猫は、一定期間内に飼主返還や、所有者がなく明らかに譲渡に適さないものは行政が殺処分を行う。残りはティアハイムに移譲される。殺処分決定は行政獣医師1人の同意でできる。
・咬傷犬、行動等により危険と判断された犬、法律で飼育等が禁止されている犬種の押収・没収されたものは、重大咬傷事故の場合は「行政は殺処分を命じなければならない」と法令で規定されている。禁止犬種、軽微な咬傷事故犬、行動等から危険と判断されて押収・没収された犬については犬の気質テストに合格すれば、飼主へ返還されることもある。まれに飼主から所有権をはく奪された犬は民間ティアハイムに移譲され、一般譲渡の対象となることもある
・狂犬病等の感染の有無の検査殺処分、感染症防止のための殺処分は行政獣医師1人以上の同意が必要。



(民間の動物保護施設=ティアハイムにおける私的な殺処分)
・民間の動物保護施設=ティアハイムは、飼主の任意での引取りを有料で行っている。
・民間団体が私的な施設で行う殺処分。
・法令上は動物保護法16条a に基づき、正当な理由がなければならない(傷病もしくは問題行動と解されるが、条文には具体例は明記されてはいない)。

実際の運用は民間の自主規制により行われる。
・傷病を理由とする場合はいずれも獣医師1人の判断で行えるとされる。
・傷病以外の殺処分では、推奨事項として(=強制はしない。あくまでも可能であればそうすることが望ましい)「獣医師2人を含む委員会での決定が望ましい」としているが、民間の自主規制であるために、法令のような強制力はない。

(民間の自主規制)
5、 Tierheimordnung des Deutschen Tierschutzbundes 「ドイツ動物保護連盟によるティアハイムの運営指針」




 サマリーで示した通り、環境省は令和3年度に「ペット関連産業の健全育成に向けた実態調査業務報告書(資料編)」という資料を作成しています。この資料ではドイツでは犬猫等の殺処分を行うには(行政であれ民間の施設であれ)数人の獣医師の同意が必要」としていますが、荒唐無稽な大嘘です。
 先の私が作成した一覧の通り、ドイツでは行政が行う公的殺処分では「犬猫等の殺処分決定は理由の如何を問わず獣医師は1人の判断で足りる」と、各法令の条文で明記されています。民間のティアハイムでの犬猫等の殺処分では、ドイツ動物保護連盟が「ティアハイム運営指針」を出しており、それによれば傷病を理由とする場合は獣医師1人の同意でよいとされています。それ以外の場合は「2人の獣医師を含む委員会の判断を行うことが望ましい」としています。そのデマ資料を提示します。


(画像)

 最終更新: 2023年10月7日 環境省(動物虐待、殺処分)調査資料 情報公開 から「平 成 29 年度 ド イツ にお ける 動物 保 護の 取組 みに 係る 調 査業 務報 告書 」(特 定非 営利 活動 法 人ア ナイ ス)より 関 係箇 所を 抜粋 4~5ページから

 なおこの資料は、 平成 29 年度 訪独調査結果 平成 29 年 5 月 30 日 特定非営利活動法人アナイス  環境省 「より関係個所を抜粋」とあります。

 また「動物の安楽死は複数の獣医師の同意が必要」として、動物保護施設規定として、Muster-Tierheimordnung TVT Tierärztliche Vereinigung für Tierschutz e.V 「ドイツ動物保護獣医師協会による動物保護施設での安楽死に関するモデル規約(民間自主規制ですらなく、民間団体による単なる提案)」を典拠としてしてあげています。しかしこの資料は、動物保護施設の規定ではありません。この資料でも、「動物の安楽死では法律上は1人の獣医師の判断でできる」と明確に記述しています。
 動物保護施設規定は、ドイツ動物保護連盟(Deutscher Tierschutzbund)による、「ティアハイム運営指針(Tierheimordnung des Deutschen Tierschutzbundes )」です。こちらでも「ティアハイムが行う動物の安楽死は傷病が理由の場合は獣医師1人の同意と判断で足りる」としています。原文の引用と訳文は、後ほど行います。
 ところでこの資料では「行政による殺処分」が、民間の自主規制に従う義務がある(笑)という内容の記述です(しかも提示した資料は実は「民間の自主規制」ですらなく、単なる獣医師団体による「提案」です)。あり得ません。資料作成者は余程無知で知能が低い方なのでしょう(大笑)。

スクリーンショット 2024-03-20 204901
アナイス 環境省 ドイツ 殺処分 1
アナイス ドイツ 殺処分 2


 順次、ドイツにおける殺処分規定の法令と民間自主規制を取り上げていきますが、今回は最も基本となる、「動物保護法(連邦法」)Tierschutzgesetz から引用します。同法16条aでは、「不適正飼育者の動物を行政が没収し、所有権をはく奪することができる。動物福祉上必要ならば、飼主の意思に反してでもその動物を安楽死(殺処分)することができる」という規定があります。
 その動物保護法16条aですが、行政の強制殺処分決定においては「獣医師1人」と、明確に条文の記述があります。以下に引用します。


Tierschutzgesetz 「動物保護法(連邦法)」

§ 16a
(1) Die zuständige Behörde trifft die zur Beseitigung festgestellter Verstöße und die zur Verhütung künftiger Verstöße notwendigen Anordnungen. Sie kann insbesondere
1. im Einzelfall die zur Erfüllung der Anforderungen des § 2 erforderlichen Maßnahmen anordnen,
2. ein Tier, das nach dem Gutachten des beamteten Tierarztes mangels Erfüllung der Anforderungen des § 2 erheblich vernachlässigt ist oder schwerwiegende Verhaltensstörungen aufzeigt, dem Halter fortnehmen und so lange auf dessen Kosten anderweitig pfleglich unterbringen, bis eine den Anforderungen des § 2 entsprechende Haltung des Tieres durch den Halter sichergestellt ist; ist eine anderweitige Unterbringung des Tieres nicht möglich oder ist nach Fristsetzung durch die zuständige Behörde eine den Anforderungen des § 2 entsprechende Haltung durch den Halter nicht sicherzustellen, kann die Behörde das Tier veräußern; die Behörde kann das Tier auf Kosten des Halters unter Vermeidung von Schmerzen töten lassen, wenn die Veräußerung des Tieres aus rechtlichen oder tatsächlichen Gründen nicht möglich ist oder das Tier nach dem Urteil [des beamteten Tierarztes] nur unter nicht behebbaren erheblichen Schmerzen, Leiden oder Schäden weiterleben kann.

16条a
1項 管轄当局(獣医局)は特定された違反を排除し、将来の違反を防止するために必要な命令を発するものとします。 管轄当局(獣医局)には特に以下の権限が与えられます。
1号 個別の場合において、動物保護法2条の動物の飼育要件を満たすために必要な措置を命令すること。
2号 行政獣医師の報告により、動物保護法2条の動物の飼育要件を満たしていないために動物が著しくネグレクト状態にあるか、重大な行動障害を示している場合においては、飼主が動物を動物保護法2条の動物の飼育要件に従って確実に保管できるようになるまで飼主の費用負担でその動物を飼主から取り上げ、別の場所に保管する(註 多くは自治体が有する公的動物収容所)こと。
動物を別の場所に収容することができない場合か、または獣医局が期限を設定した後にも飼主が動物保護法2条の動物の飼育要件に従って動物を保管することが保証できない場合は、獣医局はその動物を第三者に販売することができます(註 獣医局は飼主から司法判断なしに動物の所有権をはく奪することができるとの意味)。
法律上または事実上の理由により動物の販売が不可能の場合、または「1人の行政獣医師」の判断で動物が重大な苦痛下でしか生き続けることができないと判断した場合か、その動物が治療不可能な傷病がある場合は獣医局は飼主の費用で苦痛を回避する方法でその動物を(飼主の意思に反してでも強制的に)殺処分することができます



 原文中にある、des beamteten Tierarztes ですが、「1人の行政獣医師の」です。まず、des ですが、これは男性名詞、もしくは中性名詞の単数形につく2格(属格)の定冠詞です。続いてTierarztes ですが、これは「獣医師」をあらわす男性名詞のTierarztの単数形の2格変化形です。
 もし「複数の行政獣医師の」という記述であれば、ドイツ語では獣医師(男性名詞)の複数形はTierärzte となります。2格変化ではTierärztes となりますので、der beamteten tierärztes となります。したがってドイツ動物保護法16条a の当該条文 des beamteten Tierarztes では「行政が没収した不適正飼育者の動物の殺処分は1人の獣医師の判断で行える」です。

 次回以降の記事でも、ドイツの法令による犬猫等の殺処分規定、および民間の自主規制によるティアハイムでの殺処分規定を取り上げていきます。ドイツでは動物保護法以外でも、「犬猫等の殺処分では数人の獣医師の同意を必要とする」という規定がある法令は1つも存在しません
 また民間の自主規制でも、ドイツではティアハイムでは「傷病は獣医師1人の判断で、それ以外の殺処分は推奨事項として「可能であれば2名の獣医師を含めた委員会の判断を行うことが望ましい」としています。いずれも「数人の獣医師の同意が義務」とはされていません。アナイスによる環境省の問題の資料を作成した者は、ドイツ語を全く理解していません。おそらく自動翻訳を使っていると思いますが、悲しいかな、自動翻訳は単数複数は訳文に反映されません。このような団体に調査を委託するなど、とんでもないことです。まさにバ官狂症(大笑)。


(参考記事)

犬などのペットの非対面インターネット販売の規制が全くないドイツ~環境省のデタラメ資料①
続・犬などのペットの非対面インターネット販売の規制が全くないドイツ~環境省のデタラメ資料②
「ベルリンでは1歳未満の犬の販売を禁止した」という誤訳~環境省のデタラメ資料③
ドイツの犬リード義務は厳しく、違反者の犬は射殺されてもやむを得ない~環境省のデタラメ資料④
犬のリード義務が極めて厳しいドイツ~環境省のデタラメ資料⑤
続・犬のリード義務が極めて厳しいドイツ~環境省のデタラメ資料⑥
ドイツ、ニーダーザクセン州の厳しい犬のリード義務~環境省のデタラメ資料⑦  
続・ドイツ、ニーダーザクセン州の厳しい犬のリード義務~環境省のデタラメ資料⑧
ベルリン州の犬の咬傷事故は日本の5.5倍~環境省のデタラメ資料⑨
ドイツの犬の咬傷事故の多さは深刻~環境省のデタラメ資料⑩
悪質ブリーダーに苦しめられるドイツの犬~環境省のデタラメ資料⑪
続・悪質ブリーダーに苦しめられるドイツの犬~環境省のデタラメ資料⑫
「動物保護に反する立法は無効」というドイツ基本法(憲法)の悶絶講釈~環境省のデタラメ資料⑬
「ドイツは基本法(憲法)で実験動物の保護が規定された」という悶絶講釈~環境省のデタラメ資料⑭
「ドイツは基本法(憲法)でペット動物の所有物という観点から解放された」という悶絶講釈~環境省のデタラメ資料⑮
「ドイツでは動物は可能である限り治療が前提となる」という、環境省のデタラメ資料⑯
続・「ドイツでは動物は可能である限り治療が前提となる」という、環境省のデタラメ資料⑰
「ドイツでのティアハイムでの安楽死の統計はない」という環境省のデタラメ資料⑱~殺処分率36%のティアハイムが統計を公表していますが(笑い)
「経済的理由」で収容猫すべてを殺処分したティアハイムの行為は合法~環境省のデタラメ資料⑲
わなで捕らえたのちに飼犬飼猫を殺害することが合法なドイツ~環境省のデタラメ資⑳
続・わなで捕らえたのちに飼犬飼猫を殺害することが合法なドイツ~環境省のデタラメ資料㉑
アニマルホーダーの動物を押収して強制的に殺処分する規定があるドイツ動物保護法~環境省のデタラメ資料㉒
続・アニマルホーダーの動物を押収して強制的に殺処分する規定があるドイツ動物保護法~環境省のデタラメ訳㉓
「ドイツでは犬をつないだまま飼うことが禁止されている」という、環境省の発狂資料(笑) ㉔
続・「ドイツでは犬をつないだまま飼うことが禁止されている」という、環境省の発狂資料(笑) ㉕
ティアハイム・ベルリンはコロナ対策の補助金を受給した〜「ティアハイム・ベルリンは一切公的資金を受けていない」という環境省の発狂㉖
「ドイツでは禁止犬種法施行以来それに基づいて殺処分された犬は5頭」という環境省の大嘘資料~8,000頭程度になる可能性がある㉗
続・「ドイツでは禁止犬種法施行以来それに基づいて殺処分された犬は5頭」という環境省の大嘘資料~8,000頭程度になる可能性がある㉘
ドイツの行政組織は強い権限を持ち司法手続きを経ずに動物の飼主の私有地の強制捜査、動物の没収、強制殺処分までできる㉙
飼主の留守中に犬を持ち去り無断で犬を安楽死させることが合法なドイツの行政組織㉚
飼主の庭から老犬を無断で没収し安楽死させたドイツの行政は合法。飼主は動物虐待で有罪になった㉛
「ドイツでは殺処分を行うには複数の獣医師の同意が必要」という環境省の大嘘資料(大笑)㉜

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イギリスで超幼齢子犬を堂々と売る裏ワザ~イギリスで売られる子犬の半数以上が幼齢で違法輸入されたもの






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(summary)
Exposing the truth about the illegal puppy trade in the UK.
What is the trick to [legally selling] too young puppies illegally imported in the UK?


 記事、
イギリスとドイツには法令によるは虫類の保管数値基準はない~相変わらずのEvaと殺処分ゼロ議員らの無知無学(笑)
続・イギリスとドイツには法令によるは虫類の保管数値基準はない~相変わらずのEvaと殺処分ゼロ議員らの無知無学(笑)
イギリス、北アイルランドでは猫の販売最低週齢規制すらない~「イギリスは幼齢動物の売買の禁止」という杉本彩氏の無知w
8週齢未満の犬猫がオンラインで合法的にバンバン売られているイギリス~「イギリスは幼齢動物の売買の禁止」という杉本彩氏の無学w
の続きです。
 毎回会合を開くたびに、聞いた者が悶絶死しかねない大嘘デマが盛りだくさんの資料を公表してくれる杉本彩氏代表のEvaと、氏がアドヴァイザー(笑)を努める「犬猫の殺処分ゼロを目指す動物愛護議員連盟」ですが、またもやお約束通りやらかしてくれました。動物愛護法改正PT 犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟 第17回総会(2024.02.29) ですが、「動物愛護」を標榜する団体、議員らとは思えない無知無学ぶりを晒しています。今回は次回に続き、杉本彩氏の「イギリスは幼齢動物の売買が禁止」の無知を取り上げます。イギリスは一定規模未満の個人ブリーダーは法的規制を受けません。ですから多くの「8週齢未満の犬猫」が、インターネットで合法的に売られています。さらに小規模個人ブリーダーを偽装して、密輸子犬が幼齢で売られています。イギリスでは販売される犬の約半数が密輸子犬という推計があります。



 前回記事、8週齢未満の犬猫がオンラインで合法的にバンバン売られているイギリス~「イギリスは幼齢動物の売買の禁止」という杉本彩氏の無学w では、イギリスの子犬販売の現状について述べました。まとめると次の通りです。

1、イギリスでは認可を要する犬ブリーダーの規模要件がゆるい(例えばスコットランドでは年4産まで認可が不要。1回の出産で10頭の子犬を産めば年40頭の子犬を販売しても認可が不要で、最低販売週齢等の法規制も受けない)。
2、無認可ブリーダーによる子犬販売の割合は、イギリスの犬販売全体に占める割合は88%と圧倒的に多い。
3、無認可ブリーダーは「1」で述べた通り法規制を受けないので、ネットで販売される子犬の3分の1は7週齢未満である。


 さらに驚くことですが、「イギリス国内の小規模犬ブリーダーを偽装して密輸された子犬が多く売られています。「イギリスで売られている約半数の子犬が密輸犬で、その数は51万頭である」という推計があります。「イギリスで売られる子犬の88%が(表面上は)イギリス国内の小規模未認可ブリーダー生産のもの」ですが、うち6割は密輸子犬で、実際にはイギリス国内生産された子犬は4割しかないということになります。
 密輸子犬を無認可犬ブリーダー生産の子犬に偽装して、イギリス国内で「国内産」の子犬として販売する手口が報道されています。それは短期賃貸の不動産物件を利用して、密輸犬またはイギリス国内のパピーファーム(子犬農場。パピーミルと同義)で劣悪大量繁殖された子犬を、個人が愛情をもって繁殖した子犬と偽装するのです。以下にマスコミの記事から引用します。


Cruel puppy-smuggling gangs use posh Airbnbs to trick buyers 「残酷な子犬密輸ヤクザは短期貸しの別荘を利用して購入者を騙します」 2023年9月27日

Cruel puppy-smuggling gangs are hiring “swanky” short-term lets such as Airbnbs to trick buyers into thinking the pets have come from clean and loving homes, according to the RSPCA.
The animal-welfare charity claims the tactic is increasingly being used by large, organised criminal gangs when selling dogs from puppy farms, places where numerous dogs are continually bred and often kept in poor conditions.
Puppy farms in countries such as Romania and Poland breed dogs for sale, often in squalid conditions, and then separate them from their mothers while too young to travel, meaning their immune systems cannot withstand infections.
pups are then issued with fake vaccination certificates, but often fall ill soon after being sold to unsuspecting UK buyers.
It’s even feared that the lack of vaccinations could allow rabies to return to the UK.
In 2021, the Scottish Society for the Prevention of Cruelty to Animals seized eight puppies from a property listed on Airbnb in Glasgow.

RSPCA(イギリスの権威ある動物福祉団体)によると残酷な子犬密輸組織は、ペットが清潔で愛情豊かな家庭で繁殖されたものであると購入者を騙すために、Airbnb(註 短期賃貸の貸別荘会社)などの「おしゃれな」短期賃貸の不動産物件を利用していると言います。
RSPCAは多数の犬が常に繁殖され、しばしば劣悪な環境で飼育されているパピーファーム(子犬農場。パピーミルと同義)生産の犬を販売するためにも、組織化された大規模な犯罪組織によってこの戦術がますます多く悪用されていると主張しています。
ルーマニアやポーランドなどの国のパピーファームは、多くの場合は劣悪な環境で販売用の犬を繁殖させ、輸送するには幼すぎて免疫システムが感染症に耐えられないうちに母犬から引き離します。
その後子犬には偽のワクチン接種証明書が発行されますが、疑いを持たないイギリスの購入者に販売されるとすぐに病気になることが頻繁にあります。
ワクチン接種の不足により、イギリスに狂犬病が再び蔓延する可能性さえ懸念されています。
2021年にスコットランド動物虐待防止協会は、グラスゴーのAirbnb(註 短期貸し別荘会社)に掲載されていた不動産物件から、子犬8頭を押収しました。



 イギリスの子犬の違法輸入については2023年に、FOUR PAWS in the UK という動物保護団体がレポートを出しています。上記の情報を裏付ける資料です。以下に引用します。


Tricks of the Trade: exposing the truth about the illegal puppy trade in the UK 「子犬取引の裏技: イギリスにおける子犬の違法取引の真実を暴露する」 2023年10月11日

Puppy smuggling is considered an extremely lucrative business as profits are high, prosecutions low, and punishments not harsh enough to deter smugglers.
Data suggests that up to 510,000 puppies are unaccounted for in the UK.
Although it is not possible to put a definitive figure on how many of these animals are illegally imported, evidence suggests that there has been a large increase in the number of puppies being brought into the UK for sale, particularly from Eastern Europe.
Puppy Smuggling: A European Supply Chain
The investigation revealed the inherent health risks within the trade to both people and animals, and the practices that dealers, breeders and vets use to bypass existing regulations.
Forged Paperwork
Two thirds of the breeders visited by investigators offered to supply illegitimate EU pet passports for puppies with falsified data to facilitate the transport of underage puppies into the UK under the Pet Travel Scheme (PETS).
Furthermore, one third of breeders stated that they regularly sell puppies without the legally required pet passports or rabies vaccinations.
One particular vet visited by investigators issued passports for puppies knowing that they were too young to have these legal travel documents.
Passport data was also falsified, including false declarations that the rabies vaccination had been administered.
Additionally, the vet recorded the puppies as being six weeks older than they actually were and falsified information on the anti echinococcus treatment and veterinary examination.
Shockingly, it is estimated that half the puppies entering the UK market are likely to be imported or come from unlicensed breeders.

子犬の密輸は利益率が高く、刑事訴追がほぼなく、罰則も密輸業者を阻止するほど厳しくないために非常に儲かるビジネスとみなされています。
データによると、イギリスでは最大51万頭の子犬が出所が不明です(註 おそらく最大51万頭の子犬が密輸されている)
これらの動物のうち、何頭が違法に輸入されているかについては明確な数字を出すことはできませんが、販売のためにイギリスに持ち込まれる子犬の数が、特に東ヨーロッパから大幅に増加していることを示す証拠があります。
子犬の密輸:ヨーロッパの供給網
調査により人と動物の両方に対する子犬取引に内在する健康上の危険性と、子犬販売業者、生産者、獣医師が既存の規制を回避するために悪用している慣行が明らかになりました。
偽造書類
調査員が訪問したブリーダーのうち3分の2は、ペットトラベルスキーム(PETS イギリスの旅行者の子犬持込の特例)を利用して幼齢の子犬のイギリスへの輸送を容易にするために、データが偽造された子犬用の違法なEUペットパスポートを提出しました。
さらに犬生産者の3分の1は、法的に義務付けられているペットパスポートや狂犬病予防接種を受けさせずに子犬を定期的に販売していると述べています。
調査員が訪問したある獣医は、子犬が幼なすぎて合法的な渡航書類を取得できないことを承知の上で、子犬にペットパスポートを発行しました。
狂犬病ワクチンを接種したという虚偽の証明などの、パスポート情報も改ざんされました。
さらに獣医師は子犬の出生日を実際より6週齢をさかのぼって記録し、抗エキノコックス治療(註 イギリスでは犬の輸入ではエキノコックスの陰性証明が必要なため)と、獣医師の検査に関する情報を偽造しました。
驚くべきことにイギリスの市場に参入する子犬の半数は輸入されたものか、無認可のブリーダーからのものである可能性が高いと推定されています。



(動画)

 Eastern European vets involved in smuggling puppies to UK 「東欧の獣医師がイギリスへの子犬密輸に関与していた」 2017年7月19日

A new investigation has revealed the shocking ways they're being bred and brought in to the UK.
Examples included four-week-old puppies being sent on a 30 hour journey with umbilical cords still attached.

新たな調査により、子犬たちが繁殖されイギリスに持ち込まれている衝撃的な方法が明らかになりました。
生後4週間の子犬がへその緒がついたまま、30時間もの旅に送られる例もありました。


 このケースではリトアニアからイギリスへの子犬の密輸出が取り上げられています。「税関をバレずに通過するために幼い子犬に鎮静剤を使用して眠らせる」ことも、ニセペットパスポートの偽造と共に行われています。旅行者を装った自動車のトランクや貨物の底に鎮静剤で眠らせた子犬を押し込めて隠し、通関手続きそのものを回避するということでしょう。

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「ドイツでは殺処分を行うには複数の獣医師の同意が必要」という環境省の大嘘資料(大笑)㉜






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(Zusammenfassung)
Wenn die Regierung in Deutschland einen Hund oder eine Katze auf gesetzlicher Grundlage einschläfert, ist unabhängig vom Grund nur das Urteil eines einzigen Tierarztes erforderlich, und die Zustimmung mehrerer Tierärzte ist nicht erforderlich.
Selbst wenn eine private Einrichtung einen Hund oder eine Katze einschläfert, kann dies im Ermessen eines einzelnen Tierarztes erfolgen, wenn der Grund eine Verletzung oder Krankheit ist, und die Zustimmung mehrerer Tierärzte ist nicht erforderlich.


 環境省はドイツの犬猫の殺処分に関する資料を公表しています。その中で「ドイツでは犬猫等の殺処分(安楽死)では、複数の獣医師の同意が必要」と記述されています。しかしそれは真っ赤な嘘です。まず行政が行う犬猫等の殺処分では理由と問わず獣医師1人の判断で行えます。行政が行う殺処分では根拠法が複数数ありますが、いずれも「複数の獣医師の同意が必要」という規定は一切ありません。「獣医師1人の判断」と明記されています。民間施設のティアハイムの自主規制(ティアハイム運営指針=法令に様な強制力がない)では、殺処分の理由が傷病である場合は獣医師1人の判断で行うことができます。傷病以外の殺処分では、獣医師2人と、飼育担当者等を含めた委員会の同意を得ることが望ましい(=あくまでも推奨事項で強制力はありません)としています。


 サマリーで述べた通り、環境省は令和3年度に「ペット関連産業の健全育成に向けた実態調査業務報告書(資料編)」という資料を作成しています。この資料は今回指摘する以外の事柄でも、荒唐無稽な嘘デマ満載のとんでもない資料です。今回指摘するのは行 政( シ ェ ル ター )に よ る 殺 処分 安 楽 死 は 数 人の 獣 医 の 同 意が必要」との記述が真っ赤な嘘であることを述べます。
 さらに、シ ェ ル タ ー の 運 営 は 行 政 では な く 民 間 団 体( 動 物 保 護 協 会 ,ド イ ツ 動 物 保 護 連 盟( Deutscher Tierschutzbund)」という記述も誤りです。この資料の作成者は、ドイツにおける犬猫等の殺処分の制度に関して全く無知です。先ずその記述のある資料から示します。


(画像)

 最終更新: 2023年10月7日 環境省(動物虐待、殺処分)調査資料 情報公開 から「平 成 29 年度 ド イツ にお ける 動物 保 護の 取組 みに 係る 調 査業 務報 告書 」(特 定非 営利 活動 法 人ア ナイ ス)より 関 係箇 所を 抜粋 4~5ページから

 なおこの資料は、 平成 29 年度 訪独調査結果 平成 29 年 5 月 30 日 特定非営利活動法人アナイス  環境省 「より関係個所を抜粋」とあります。連載記事では、この資料の誤りを指摘しています。

 また「動物の安楽死は複数の獣医師の同意が必要」として、動物保護施設規定として、Muster-Tierheimordnung TVT Tierärztliche Vereinigung für Tierschutz e.V 「ドイツ動物保護獣医師教会による動物保護施設での安楽死に関するモデル規約(民間自主規制ですらなく、民間団体による単なる提案)」を典拠としてしてあげています。しかしこの資料は、動物保護施設の規定ではありません。この資料でも、「法律上は動物の安楽死では1人の獣医師の判断でできる」と明確に記述しています。
 動物保護施設規定は、ドイツ動物保護連盟(Deutscher Tierschutzbund)による、「ティアハイム運営指針(Tierheimordnung des Deutschen Tierschutzbundes )」です。こちらでも「ティアハイムが行う動物の安楽死は傷病が理由の場合は獣医師1人の同意と判断で足りる」としています。原文の引用と訳文は、後ほど行います。
 ところでこの資料では「行政による殺処分」が、民間の自主規制に従う義務がある(笑)という内容の記述です(しかも提示した資料は実は「民間の自主規制」ですらなく、単なる獣医師団体による「提案」です)。あり得ません。資料作成者は余程無知で知能が低い方なのでしょう(大笑)。

スクリーンショット 2024-03-20 204901
アナイス 環境省 ドイツ 殺処分 1
アナイス ドイツ 殺処分 2


 結論から先の述べれば「行 政( シ ェ ル ター )に よ る 殺 処分 安 楽 死 は 数 人の 獣 医 の 同 意が必要」との記述は真っ赤な嘘です。ドイツでは犬猫等の行政による殺処分は複数の法令により規定されていますが、行政が行う殺処分の場合はいずれも理由の如何を問わず、獣医師の同意は1人でよいとされています。またこの記述は、資料作成者がドイツの犬猫殺処分の制度を全く理解していません。

 ドイツは「1、所有者不明の野良犬猫、徘徊犬猫の必要に応じた殺処分」(*)、「2、アニマルホーダーなどの不適正飼育者から所有権をはく奪して取り上げての犬猫等の強制殺処分」(*)、「3、禁止犬種法に基づく飼育が禁止されている犬種の違法飼育のものの没収、咬傷犬、行動等から危険と判断される犬の強制殺処分」(*1)、「4、狂犬病以外の感染症の疑いがある犬猫等の強制殺処分」(*2)、「5、狂犬病の疑いがある犬猫の没収と強制的な検査殺処分」(*3)は行政組織が、公的動物収容所に犬猫等を収容して行います。その場合の殺処分は、獣医師は1人の判断で行えると、各根拠法に明記されています。「複数の獣医師の同意が必要」という条文は、ドイツには存在しません。
 公的動物収容所で必要な殺処分を行い、「1」では所有者がある犬猫等は所有者に保管手数料を徴収した後に返還し、所有者がないものでかつ傷病で緊急性が高い、もしくは攻撃性等により明らかに譲渡に向かないものは行政が殺処分し、残ったものを一定期間後(州により若干異なる、30日前後)に民間ティアハイムに移譲します。公的動物収容所は一切保護同部tの一般譲渡は行いません。「3」は、犬の気質検査に合格すれば飼主に返還される場合もありますが、重大咬傷事故や犬の気質検査に不合格の場合は強制的に殺処分されます。

(*)
Tierschutzgesetz 「動物保護法(連邦法)」

 本法16条a では「不適正飼育者の動物を行政は没収して動物福祉上必要とあらば飼主の意思に反してでもその動物の安楽死を行政が行える」という規定があります。その判断も「行政獣医師1人」と明記されています。

(*1)
Gesetz über das Halten und Führen von Hunden in Berlin (Hundegesetz - HundeG) Vom 7. Juli 2016  「ベルリン州における犬の保持と導くことに関する犬の法律 犬法」(ベルリン州 犬法 州法) 等

 禁止犬種や咬傷犬、行動等などから危険と判断された犬を行政が強制的に殺処分する権限は、各州の「犬法」で規定されています。同様の犬法がドイツ全州ありますが、「行政命令による危険な犬の強制殺処分には複数の獣医師の同意が必要」という規定はありません

(*2)
Gesetz zur Vorbeugung vor und Bekämpfung von Tierseuchen (Tiergesundheitsgesetz - TierGesG) 「動物の疾病の予防及び管理に関する法律 (動物衛生法 連邦法)

(*3)
Verordnung zum Schutz gegen die Tollwut (Tollwut-Verordnung) 「狂犬病予防規則 (狂犬病規則) 連邦規則」

 ドイツには全自治体に行政が運用する公的な動物収容所があります。ただしハード(施設)を持たない自治体は民間のティアハイムに行政権限で没収した犬猫等の収容保管を委託します。その場合でも犬猫の扱いの権限(運営)は自治体の行政組織にあります。 
 シ ェ ル タ ー の 運 営 は 行 政 では な く 民 間 団 体( 動 物 保 護 協 会 ,ド イ ツ 動 物 保 護 連 盟( Deutscher Tierschutzbund)」の記述も誤りです。「ドイツ動物保護連盟(Der Deutsche Tierschutzbund e. V. )」とは、民間の動物保護施設のティアハイムの統括組織であり、政治活動や啓発活動、さらには寄付金を集めて傘下のティアハイムに分配する活動等を行い、実際には動物保護施設の運営は行っていません。動物保護施設(アニマルシェルター)を運営しているのは、下部組織のティアハイムです。
 民間ティアハイムは、飼主の任意で犬猫等を有料で引取ることができます。民間ティアハイムは、所有者不明犬猫の一次引取は法律上できません。公的動物収容所から移譲を受けた保護動物と、飼主から直接引き受けた動物の一般譲渡活動をします。ドイツでは犬猫は民法上遺失物なので、一次保護は自治体組織しかできません。行政組織の公的動物収容所は、飼主の任意による犬猫等の引き取りはしません

 次回以降の記事では、具体的に法令の条文を挙げて、環境省の本資料の記述「「行 政( シ ェ ル ター )に よ る 殺 処分 安 楽 死 は 数 人の 獣 医 の 同 意が必要」が、真っ赤な嘘であることを述べます。また民間の自主規制(運営指針、ガイドライン。法令のように強制力がない)ですらも、傷病が理由であれば、犬猫等の殺処分(安楽死)は、獣医師は1人の判断で足ることも典拠を示して述べます。


(参考記事)

犬などのペットの非対面インターネット販売の規制が全くないドイツ~環境省のデタラメ資料①
続・犬などのペットの非対面インターネット販売の規制が全くないドイツ~環境省のデタラメ資料②
「ベルリンでは1歳未満の犬の販売を禁止した」という誤訳~環境省のデタラメ資料③
ドイツの犬リード義務は厳しく、違反者の犬は射殺されてもやむを得ない~環境省のデタラメ資料④
犬のリード義務が極めて厳しいドイツ~環境省のデタラメ資料⑤
続・犬のリード義務が極めて厳しいドイツ~環境省のデタラメ資料⑥
ドイツ、ニーダーザクセン州の厳しい犬のリード義務~環境省のデタラメ資料⑦  
続・ドイツ、ニーダーザクセン州の厳しい犬のリード義務~環境省のデタラメ資料⑧
ベルリン州の犬の咬傷事故は日本の5.5倍~環境省のデタラメ資料⑨
ドイツの犬の咬傷事故の多さは深刻~環境省のデタラメ資料⑩
悪質ブリーダーに苦しめられるドイツの犬~環境省のデタラメ資料⑪
続・悪質ブリーダーに苦しめられるドイツの犬~環境省のデタラメ資料⑫
「動物保護に反する立法は無効」というドイツ基本法(憲法)の悶絶講釈~環境省のデタラメ資料⑬
「ドイツは基本法(憲法)で実験動物の保護が規定された」という悶絶講釈~環境省のデタラメ資料⑭
「ドイツは基本法(憲法)でペット動物の所有物という観点から解放された」という悶絶講釈~環境省のデタラメ資料⑮
「ドイツでは動物は可能である限り治療が前提となる」という、環境省のデタラメ資料⑯
続・「ドイツでは動物は可能である限り治療が前提となる」という、環境省のデタラメ資料⑰
「ドイツでのティアハイムでの安楽死の統計はない」という環境省のデタラメ資料⑱~殺処分率36%のティアハイムが統計を公表していますが(笑い)
「経済的理由」で収容猫すべてを殺処分したティアハイムの行為は合法~環境省のデタラメ資料⑲
わなで捕らえたのちに飼犬飼猫を殺害することが合法なドイツ~環境省のデタラメ資⑳
続・わなで捕らえたのちに飼犬飼猫を殺害することが合法なドイツ~環境省のデタラメ資料㉑
アニマルホーダーの動物を押収して強制的に殺処分する規定があるドイツ動物保護法~環境省のデタラメ資料㉒
続・アニマルホーダーの動物を押収して強制的に殺処分する規定があるドイツ動物保護法~環境省のデタラメ訳㉓
「ドイツでは犬をつないだまま飼うことが禁止されている」という、環境省の発狂資料(笑) ㉔
続・「ドイツでは犬をつないだまま飼うことが禁止されている」という、環境省の発狂資料(笑) ㉕
ティアハイム・ベルリンはコロナ対策の補助金を受給した〜「ティアハイム・ベルリンは一切公的資金を受けていない」という環境省の発狂㉖
「ドイツでは禁止犬種法施行以来それに基づいて殺処分された犬は5頭」という環境省の大嘘資料~8,000頭程度になる可能性がある㉗
続・「ドイツでは禁止犬種法施行以来それに基づいて殺処分された犬は5頭」という環境省の大嘘資料~8,000頭程度になる可能性がある㉘
ドイツの行政組織は強い権限を持ち司法手続きを経ずに動物の飼主の私有地の強制捜査、動物の没収、強制殺処分までできる㉙
飼主の庭から老犬を無断で没収し安楽死させたドイツの行政は合法。飼主は動物虐待で有罪なった㉛

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8週齢未満の犬猫がオンラインで合法的にバンバン売られているイギリス~「イギリスは幼齢動物の売買の禁止」という杉本彩氏の無学w






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There are many puppies and kittens for sale online in the UK that are legally under 8 weeks old.


 記事、
イギリスとドイツには法令によるは虫類の保管数値基準はない~相変わらずのEvaと殺処分ゼロ議員らの無知無学(笑)
続・イギリスとドイツには法令によるは虫類の保管数値基準はない~相変わらずのEvaと殺処分ゼロ議員らの無知無学(笑)
イギリス、北アイルランドでは猫の販売最低週齢規制すらない~「イギリスは幼齢動物の売買の禁止」という杉本彩氏の無知w
の続きです。
 毎回会合を開くたびに、聞いた者が悶絶死しかねない大嘘デマが盛りだくさんの資料を公表してくれる杉本彩氏代表のEvaと、氏がアドヴァイザー(笑)を努める「犬猫の殺処分ゼロを目指す動物愛護議員連盟」ですが、またもやお約束通りやらかしてくれました。動物愛護法改正PT 犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟 第17回総会(2024.02.29) ですが、「動物愛護」を標榜する団体、議員らとは思えない無知無学ぶりを晒しています。今回は杉本彩氏の「イギリスは幼齢動物の売買が禁止」の無知を取り上げます。イギリスは一定規模未満の個人ブリーダーは法的規制を受けません(犬はイングランド、ウェールズ、北アイルランドは年2産、スコットランドは年4産まで)。ですから多くの「8週齢未満の犬猫」が、インターネットで合法的に売られています。さらに現在イギリスでは犬猫の販売シェアで圧倒的に多いのがネット販売です。対して日本は犬猫とも生後8週齢以上でなければ販売できません。



 サマリーで示した、動物愛護法改正PT 犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟 第17回総会(2024.02.29) ですが、動物愛護を標榜する団体と国会銀らとは思えない、驚愕すべき無知無学のさらしものです。主なものは次の通りですが、他にも用語の誤った使い方や、二酸化炭素死の作用機序についての誤りの記述等もあります。


1、ジャパンケネルクラブからの血統書をとる場合、私が知る限りだが、お金を出せばミックス×ミックス、ミックスがどんなに掛け合わされていても血統書が出る→✕

 ジャパンケネルクラブは、いわゆるミックス犬(純血種の同品種以外の交配により産まれた子犬)の血統書は発行しません。そもそも純血種の保存のための団体なので。

2、(杉本彩) イギリスみたいに幼齢動物の売買の禁止が実現すれば→✕

 イギリスはイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4ヶ国からなる連合体です。3つの法域、つまりイングランド+ウェールズ、スコットランド、北アイルランドがあり、それぞれが独立した立法権を有します。北アイルランドでは犬はブリーダーの直販や自家繁殖していないペットショップとも8週齢から販売できます。猫はブリーダー直販も自家繁殖していないペットショップとも、販売最適週齢の法令の規制はありません。日本は犬猫とも最低販売週齢は8週齢以上と法令により規制がありますので、イギリスのうち、北アイルランドは日本より猫の幼齢販売がゆるいと言えます。

3、(2)改正動物愛護法の施行状況及び次期動物愛護管理法へ向けた主要な検討課題について関係者ヒアリング(PEACE 命の搾取ではなく尊厳を 東様)
■2019年改正動物愛護法で未施行の部分
●爬虫類
体がまっすぐになれないような小さな食品パックに入れられて売られている。
ドイツやイギリスなど海外の飼養設備の数値基準を参考に、数値を決定してほしい。
→✕

 日本の動物愛護管理法の改正の議論ですから、当然「ドイツやイギリスなど海外の飼養設備の数値基準」は、法令による強制力がある基準としか理解できません。結論から言えば、ドイツとイギリスには、爬虫類の飼養、保管、販売における飼養設備の法令による数値基準は存在しません


 今回は杉本彩氏の、「2、イギリスみたいに幼齢動物の売買の禁止が実現すれば」との発言の無知について述べます。イギリスは認可を必要とするブリーダーの規模要件が日本と異なり大変緩いのです。イギリス(united kingdom the uk UK)はイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4ヶ国からなる連合国家です。イギリスではイングランド+ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの3つの法域に分かれており、それぞれが独立した立法権を持ちます。イングランド、ウェールズ、北アイルランドでは年2産まで認可を得る必要がなく、法的規制を受けずに犬を販売できます。例えば1回の出産で10頭の子犬を産めば年20頭の子犬を販売しても法的規制を受けません。スコットランドでは年4産までならば犬ブリーダーは登録の必要がなく、1回の出産で10頭の子犬を産めば年40頭の販売まで法的規制を受けません。
 「法的規制を受けない」ということは、「犬猫の販売の最低週齢は8ヵ月」等の規制も免れるということです。そのためにイギリスではネットで8週齢未満の子犬子猫が多数、堂々と合法的に販売されています。

 さらにイギリスでは、ペットの購入の92%がオンライン販売からという推計があります(2021年 イギリス下院議会議事録から)。そしてネットで犬猫を販売しているのはほぼ法的規制がない、認可が必要としない小規模な個人ブリーダー、もしくは小規模個人ブリーダーの名義を借りたパピーファームです。なぜならばイギリスでは認可を受けた大規模犬ブリーダーは、子犬の非対面ネット販売が禁止されているからです。
 その上主に動物福祉に遅れた東欧のパピーミルで劣悪大量生産された子犬が、イギリスに多数密輸されています。それらの子犬は小規模個人ブリーダーの名義を借りて、ネットで販売されています。それらの子犬は8週例に満たない幼齢のものが多数を占めます。
 対して日本は年2頭以上販売すれば第一種動物取扱業の認可を要し、法的規制を受けます。そのためにほぼすべての犬猫販売は、8週齢以上でなければできません。また犬猫の第一種動物取扱業者のネット販売が禁止されています。
 ですから実際にはイギリスよりも日本のほうがはるかに、幼齢動物の販売に関しては法律の規制が厳しく実数ははるかに少ないと思われます。杉本彩氏の「イギリスみたいに幼齢動物の売買の禁止が実現すれば」の発言はまさにイギリスの実情に対して無知無学丸出しで、恥さらしというしかありません。杉本彩氏の無知無学のくせに超上から目線の偉そうな物の言いは、もう滑稽を通り越して醜悪です。以下に、それらを裏付ける資料から引用します。


Online Animal Sales: Regulation Volume 705: debated on Monday 13 December 2021 「イギリス下院議会議事録 動物のオンライン販売規制に関する議論 2021年12月13日」

Peter Dowd:
It is estimated that 92% of pets are sold online, with most taking little responsibility in the sale.
Christina Rees:
There is no specific legislation on acquiring a pet online; however, the Animal Welfare (Licensing of Activities Involving Animals) (England) Regulations 2018 cover, among other things, dog and cat breeding and selling animals as pets, as licensed by local authorities.
Dog breeding is defined as “three or more” litters a year or where that is regarded as a business by a local authority.
In April 2020, Lucy’s law amended the regulations to prohibit the commercial sale of dogs and cats under six months other than by the breeder.
However, the regulations do not apply to private animal sellers.
Andy Carter:
Estimates suggest that as many as 88% of puppies born in Great Britain are bred by unlicensed breeders.
Margaret Ferrier:
This year’s Cats Protection “Cats and Their Stats” report found that there had been a huge increase in online sales of cats, with 68% of new owners purchasing their cat online.
Alex Davies-Jones:
The most popular way to get a new pet is online, with some 92% of all pet sales happening onlin via websites.
(Motion lapsed, and sitting adjourned without Question put).

ペーター・ダウド議員:
(イギリスでは)ペットの 92% がオンラインで販売されていると推定されており、そのほとんどは販売に責任を持っていません。
クリスティーナ・リース議員:
イギリスではペットをオンラインで購入することに関する特別な法律はありませんが、「動物福祉 (動物を扱う活動の認可に関する) (イングランド法) (the Animal Welfare (Licensing of Activities Involving Animals) (England) Regulations 2018)では、地方自治体の認可対象となるペット動物としての繁殖と販売のみが対象となっています。
犬の繁殖は年間に「3回以上」の同腹仔の出産(註:イングランド、ウェールズ、北アイルランド。スコットランドは年5産から規制対象)が対象であり、地方自治体によって事業とみなされる場合に法規制を受ける事業者と定義されます(註:つまりそれに達しないブリーダーは法的規制を受けない)。
2020年4月に、いゆるルーシー法により自家繁殖者以外の生後6ヵ月未満の犬と猫の商業販売が禁止されるとの規定が法改正されましたが、この規制は(一定規模未満の)個人の動物販売者には適用されません。
アンディ・カーター議員:
推定によると、イギリスで生まれた子犬の88%が無認可のブリーダーによって繁殖されています。
マーガレット・フェリエ議員:
今年の Cats Protection(=猫保護団体)の「猫とその統計」レポートでは、猫のオンライン販売が大幅に増加しており、新しい飼主の 68%がオンラインで猫を購入していることがわかりました。
アレックス・デイヴィス-ジョンズ議員:
新しくペットを飼う最も一般的な方法はオンラインで、ペット販売全体の約92%がウェブサイト経由でオンラインで行われています。
(動議は失効し、質疑は行われずに閉会しました)(*)


(*)
イギリスでは「法規制を受ける規模未満の小規模犬猫ブリーダーのネット販売に関して、8週齢未満の犬猫の販売を禁止する等の新たな立法を検討すべき」という議論がありましたが、実現していません。


A quarter of puppies are taken from their mothers too young - which is linked to dogs barking excessively and destroying things 「(イギリスで販売される)子犬の4分の1は、あまりにも幼いうちに母犬から離されます。それは犬の無駄吠えや物を壊すなどの問題行動に関係しています」 2020年8月6日

A quarter of puppies in the UK are being separated from their mothers before they are eight weeks old.
Taking puppies from their mothers too soon has been linked with behavioural problems including barking excessively and destroying things.
Experts believe they miss out on learning self-control, which they are taught by their mother.
A study by Dogs Trust and Bristol University, looking at 1,844 puppies, found one in four was taken from their mother before the age of eight weeks.

イギリスの子犬の4分の1は、生後8週齢になる前に母親から引き離されています。
母犬から子犬を早期に分離させることは、無駄吠えや物を破壊したりするなどの問題行動と関係しています。
専門家は、母犬から教えられる自制心を学ぶことを(早期に母親から離したことで)逸したと信じています。
ドッグトラスト(註 イギリス最大手の犬保護団体。Dogs Trust)とブリストル大学が1,844頭の子犬を調べた研究では、4頭に1頭が8週齢前に母犬から取り上げられたことがわかりました。



How Online Loopholes Fuel The Cruel And Illegal Puppy Trade In The UK 「オンライン販売での法律の抜け穴によるイギリスでの残酷で違法な子犬取引を加速させる仕組みとは」 2023年11月11日

A NEW report by an animal welfare organisation reveals that almost half of all puppies sold on Gumtree were illegally imported from Eastern Europe, where they were bred in poor conditions and transported thousands of miles in cramped cages.
According to the report, the demand for puppies has soared since the start of COVID-19, with 3.2 million families welcoming a pet into their home.
Many of these pets were acquired online, with over 24,000 adverts for dogs circulated in just 12 months (between June 2020 and June 2021), a 732% increase from the previous period.
The report found that almost a third of all online classified adverts selling dogs were attempting to trade in illegally imported puppies.
Almost a third of puppies sold below the age of seven weeks, compared with just 7% of puppies aged nine weeks or older.

動物福祉団体による新たな報告書では、ガムツリー(註 イギリスの大手オンライン販売サイト)で販売されている子犬のほぼ半数が東ヨーロッパから違法輸入されたものであり、劣悪な環境で飼育され、狭いケージの中で何千マイルも輸送されていたことが明らかになりました。
報告書によると新型コロナウイルス感染症の流行が始まって以降は子犬の需要が急増しており、320万世帯がペット(犬)を家に迎え入れたと言います。
これらのペット(犬)の多くはオンラインで入手されたもので、わずか12ヵ月(2020年6月から2021年6月までの期間で) で24,000件を超える犬のオンライン広告が掲載され、前期比で732%も増加しました。
報告書によると、犬を販売するオンライン広告のほぼ 3分の1が違法に輸入された子犬の取引を試みていたことが判明しており、それらの子犬の約 3分の1が生後7週齢未満で販売されていたのに対し、生後9週齢以上の子犬はわずか7%でした。



(画像)

 Foreverpuppy.co.uk(イギリスの子犬オンライン販売サイト)から。2024年3月18日アクセスによるスクリーンショット

 5週齢や6週齢の子犬が出品されています。一応、8週齢以降の発送とはしていますが、注文の際に「すぐにでも欲しい」とメールすれば8週齢未満でも発送してくれるはずです(笑)。これが動物愛護先進国イギリスの現状です。

イギリス 子犬 オンライン販売 8週齢未満


 動物愛護法改正PT 犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟 第17回総会(2024.02.29) は、既に指摘した事柄以外でも、まさに無知無学の恥さらしてんこ盛りの資料です。Eva代表の杉本彩氏と殺処分ゼロ議員連盟の国会議員他らは恥ずかしくないのでしょうか。
 それ以前にデマ嘘情報の流布は、日本の健全な動物愛護の進展や立法の妨げになります。彼らは自身が無知無学であることを自覚し、有害なデマの拡散は慎むべきです。一旦ほかのテーマに移りますが、この資料に関しての指摘はあまりにもひどいのでまだ続きがあります。
 

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プロフィール

さんかくたまご

Author:さんかくたまご
当ブログのレコード
・1日の最高トータルアクセス数 8,163
・1日の最高純アクセス数 4,956
・カテゴリー(猫)別最高順位7,928ブログ中5位
・カテゴリー(ペット)別最高順位39,916ブログ中8位

1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
しかし私が管理人であるサイトは、このページのフリーエリアにあるリンクだけです。
その他のものは、例えば本ブログ管理人が管理人と誤認させるものであっても、私が管理しているサイトではありません。
よろしくお願いします。

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