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「ドイツでは公的殺処分はないが犬猫が狩猟駆除される」は大嘘~ドイツでの警察官による犬などの射殺



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(Zusammenfassung)
Rodorf.de Polizeiliches Grundlagenwissen für Studium und Praxis
Beispiel Ein ausgebrochener Bulle greift in der Innenstadt Personen an.
Polizeibeamte wollen das Tier sicherstellen.
Weil das Tier nicht eingefangen werden kann und um die von dem Tier ausgehenden Gefahren abzuwehren, erschießt ein Beamter den Bullen.
Der Eigentümer ist zurzeit nicht zu ermitteln.
Hat der Beamte rechtmäßig gehandelt?
§ 58 PolG NRW
Damit unmittelbarer Zwang rechtmäßig ist, muss Verwaltungszwang zulässig sein.


 記事、
「ドイツでは公的殺処分はないが犬猫が狩猟駆除される」は大嘘~「国立国会図書館 諸外国における犬猫殺処分をめぐる状況 」
「ドイツでは公的殺処分はないが犬猫が狩猟駆除される」は大嘘~ドイツはすべての州で犬の公的殺処分制度があります
「ドイツでは公的殺処分はないが犬猫が狩猟駆除される」は大嘘~厳格に殺処分を規定しているドイツの狂犬病規則
の続きです。
 日本で流布されている情報「ドイツでは公的殺処分はない。その代わりに犬猫は狩猟駆除されている」が大嘘であることを述べました。ドイツには犬猫の公的殺処分が厳然と存在します。次のようなものです。
1、ドイツでは、飼育禁止犬種、咬傷犬、危険と思われる犬などを行政が強制的に殺処分する制度があり、相当数ある。
2、ドイツの税関法では、検疫不備の犬猫などは当局が強制的に殺処分する権限が有る(日本にはない)。
3、ドイツの警察法では、市中で犬などを危険防止のために警察官が射殺しなければならないとの規定があり、相当数ある。

今回は、「3、」、について述べます。



 日本で流布されている大嘘情報、「ドイツでは(犬猫の)公的殺処分はない。その代わりに犬猫は狩猟駆除されている」の根拠は、国立国会図書館 諸外国における犬猫殺処分をめぐる状況 ―イギリス、ドイツ、アメリカ― 、を根拠としています。しかしこの文書には、「ドイツには公的殺処分はない」とは一言も書かれてはいません。
 結論から言えば、ドイツには犬猫の公的殺処分、つまり、①行政機関が、②法律に基づいた制度として行う、③便益を目的としない犬猫などの飼育動物種の殺害(例えば研究目的などは除外します)、という条件を満たした殺害が厳然と存在し、相当数があります。今回は、「3、ドイツの警察法では、市中で犬などを危険防止のために警察官が射殺しなければならないとの規定があり、相当数ある」について述べます。


 結論から言えば、「ドイツでは(犬猫の)公的殺処分はない。その代わりに犬猫は狩猟駆除されている」は大嘘で、公的殺処分の一つとしてドイツでは、警察官による犬などの市中での射殺があります。
 日本でも警察官が市中で犬を射殺することは希にあります。しかしそれはドイツとは異なり、警察官の職務権限として警察法などにより定められたものではなく、刑法第37条で定める緊急避難として正当化されます。また頻度においても極めて稀で、制度としての「殺処分」とは言えません。対してドイツでは、年間1万1,901(2015年。自動車などの財物も含まれる数字ではありますが、そのほとんどが犬などの動物と思われます)という多さであり、制度としての「殺処分」と言えます。その点が日本とドイツにおける警察官による犬などの射殺の違いです。

 まず、ドイツにおける警察官による犬などの射殺が「警察法により警察官の職務として定められている」点について述べます。ドイツは連邦制で、各州に警察法が制定されています。その中から、ノルトラインーヴェストファーレン州の警察法の条文を「ノルトライン=ヴェストファーレン州警察法の運用指針」から引用します。
 Rodorf.de Polizeiliches Grundlagenwissen für Studium und Praxis 「ドイツ、ノルトライン・ヴェストファーレン州・研究と実践のための警察の知識(ノルトライン=ヴェストファーレン州警察法運用指針)」。


Beispiel Ein ausgebrochener Bulle greift in der Innenstadt Personen an.
Polizeibeamte wollen das Tier sicherstellen.
Weil das Tier nicht eingefangen werden kann und um die von dem Tier ausgehenden Gefahren abzuwehren, erschießt ein Beamter den Bullen.
Der Eigentümer ist zurzeit nicht zu ermitteln.
Hat der Beamte rechtmäßig gehandelt?
§ 58 PolG NRW
Damit unmittelbarer Zwang rechtmäßig ist, muss Verwaltungszwang zulässig sein.

一例ですが、攻撃的なブルドッグが人が集まる市の中心部に出没しました。
警察官は、ブルドッグを確保しようとしました。
しかしブルドッグを捕獲することができず、ブルドッグが及ぼす危険を排除するために、その警官はブルドッグを射殺しました。
所有者は、その時は不明でした。
警察官の行動は、法律の範囲内でしたか?
ノルトライン=ヴェストファーレン州警察法58条
同法条文により、この警察官の射殺の行使は、行政が執行を許可しなければならないのは合法的​​です。


 次に、「ドイツでは犬などを警察官が射殺する頻度が多く、制度としての殺処分と言える」についての根拠を述べます。以下の画像はドイツ連邦警察統計(2016年)です。
 Tier und Sachen 「動物と財物」の警察官による射殺が、統計が2015年には、11,901頭、2014年には10,157頭となっています。ここでは、tier 「動物」となっており、動物種の内訳は示されていませんが、市街地で警察官が射殺する動物の多くは「犬」であると推定されます。警察官が射殺する動物種としては、報道されるもののほとんどが犬だからです。
 

(画像)

 Statistiken zum polizeilichen Schusswaffengebrauch in Deutschland 「ドイツの警察官の銃の発射についての統計」(2016年)から。
 
ドイツ 警察官による犬などの射殺数 (640x258)


  結論を繰り返しますが、「ドイツでは(犬猫の)公的殺処分はない。その代わりに犬猫は狩猟駆除されている」は大嘘です。公的殺処分の一つとしてドイツでは、警察官による犬などの市中での射殺があります。
 ドイツでは、警察官が犬などを射殺することですが、第一に、明確に法令で「警察官の職務権限として定めている」ことがあります。その目的は安全確保です。また第二に、その数が多く充分「制度としての殺処分」として言えることが挙げられます。つまり、「ドイツには公的殺処分の一手段として警察官が犬などを射殺する制度がある」のです。以下に、いくつかのごく最近の、ドイツにおける警察官の犬射殺例のニュースを例示しておきます。


Mehrere Razzien in NRW: Polizei muss Hund erschießen 「ノルトライン=ヴェストファーレン州のいくつかの襲撃:警察官は犬を撃つ必要があります」。2017年3月8日。

In Essen beschlagnahmten sie drei Schusswaffen,darunter eine Schrotflinte.
Außerdem konnten sie Haftbefehle aus Verfahren gegen einen 53-jährigen Tatverdächtigen und seine 52-jährige Ehefrau vollstrecken.
Einen angriffslustigen Dobermann mussten die Polizisten zu ihrer eigenen Sicherheit erschießen.

エッセンでは、警察官らは、ショットガンを含む3丁の銃器を押収しました。
彼らはまた、53歳の容疑者と彼の52歳の妻に対する刑事訴追のための逮捕を行うことが可能です。
攻撃的な犯人の飼い犬ドーベルマンを、警察官は自分自身の安全のために射殺していました。


Laut Polizei in Notwehr Hund erschossen,weil Herrchen randalierte 「酔っ払いの飼い主が大暴れしたので、自己防衛のために警察官は犬を射殺しました」。2017年3月9日。

Weil Herrchen betrunken vor einem Wohnhaus randalierte, musste Hündin Iris sterben.
Sie wurde in Berlin-Tegel von einem Polizisten erschossen.
Laut Polizei in Notwehr.
Die Hündin will ihrem Herrchen beistehen.
Iris ist auf der Stelle tot.

飼い主が家の前で酔っ払って大暴れしていたために、飼い犬の雌犬アイリスは死ななければなりませんでした。
ベルリン、テーゲルで、雌犬アイリスは、警察官によって射殺されました。
警察官の自己防衛のためです。
雌犬アイリスは、飼い主の前に立ちはだかりました。
アイリスは頭を撃たれて、その場で死んでしまいました。


Drei Beamte bei Einsatz verletzt 「出動中に負傷した3名の警察官」。2017年5月12日。

In Mannheim-Neckarstadt wurde in der Nacht zum Montag ein Schäferhund bei einem Polizeieinsatz erschossen.
Gegen 01:00 Uhr ging eine Alarmanlage in der Zielstraße los.
In einer Lagerhalle sahen die Beamten dann einen Unbekannten.
Er kam zur Tür mit einem aggressiven Schäferhund,den er am Halsband festhielt.
Während die Beamten den Unbekannten verhaften wollten, versuchte der Schäferhund weitere Personen anzugreifen.
Gaben zwei Polizisten mehrere Schüsse.
Der Hund wurde dadurch getötet.
Nachdem der Besitzer des Gebäudes vor Ort ankam, stellte sich allerdings heraus, dass die beiden Verdächtigen berechtigten Zugang zum Gebäude hatten.

マンハイムーネッカー地区でシェパード犬は、月曜日の早朝に警察の捜査中に殺されました。
午前1時に、その街区で警報システムが作動しました。
ある倉庫で警察官らはその後、不審者らを見つけました。
首輪をつけた攻撃的なシェパード犬が、倉庫の入口にやってきました。
警察官らは不審者らを逮捕したかったのですが、シェパード犬はより多くの警察官を攻撃しようとしました。
2人の警察官は、数回の銃撃を犬に行いました。
犬はそれにより殺されました。
建物の所有者がその後現場に到着しましたが、警察官らが逮捕した2人の容疑者は、その倉庫に正当に入ることができることが判明しました。



 繰り返しますが、日本で流布されている大嘘情報、「ドイツでは(犬猫の)公的殺処分はない。その代わりに犬猫は狩猟駆除されている」の根拠は、国立国会図書館 諸外国における犬猫殺処分をめぐる状況 ―イギリス、ドイツ、アメリカ― 、です。この文書では、ドイツの犬猫狩猟駆除をことさら強調し、一方ではかなりの数で行われている公的殺処分の記述は一切ありません。このことは、著しく読者に「ドイツには犬猫の狩猟駆除があるから犬猫の公的殺処分はない」と誤認させます。
 つまり積極的な嘘ではありませんが、「消極的な嘘」文書であり、問題があります。この文書はほかの記述でも、「消極的な嘘」が多数あります。今後の記事で折々取り上げていきます。


(画像)

 ドイツにおける、警察官による飼い犬射殺に抗議するデモ。同様のデモは、ドイツではしばしば開催されます。Nach tödlichen Schüssen auf Hunde in Rüsselsheim: Tierfreunde demonstrieren gegen Polizei。2015年5月1日。

犬射殺 反対 デモ


 
 
(参考資料)

 記事本文では、ニュースソースの新しさに重きを置いたために、「公共の安全確保のための、警察官による犬射殺」とは必ずしも言えない事例をあげました。しかし日本に比べて、ドイツでは警察官が犬などを公共の場で射殺する頻度が大変高いことがご理解いただけると思います。
 私は、ドイツにおける警察官による犬の射殺については、次のような記事も書いています。他の記事では、「市中に遁走した犬」、「リードをしていなかった犬が飼い主の至近距離で警察官に射殺された」事件も取り上げています。

警察官は、パトカーで轢いた瀕死の飼い犬を正当な職務で射殺した~ドイツでは、警察官が犬などを射殺する数は年間約1万2,000頭

ドイツでは、警察官が犬などを射殺する数は年間11,901頭。その数は人口比で日本の犬の公的殺処分数より多い

ドイツでは、警察官が犬などを射殺する数は年間11,901頭~10年間で2倍に激増した要因

ドイツでは、年間50万頭ものペットが捨てられる~ドイツでは、警察官が犬などを射殺する数が年間約1万2,000頭にもなる要因

交通事故で重傷を負った猫を射殺した警察官に飼い主は憤慨~ドイツの警察官が年間約1万2,000もの犬などを射殺する根拠

ドイツの警察官が年間約1万2,000もの犬などを射殺する根拠~まとめ
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メモ

メモ

http://www.focus.de/regional/nordrhein-westfalen/nach-unfall-auf-autobahn-polizist-gibt-hund-gnadenschuss-halter-fordert-10-000-
高速道路上で事故になった犬を警察官が射殺したが、飼い主は1万ユーロの損害賠償を求めた。

http://www.rodorf.de/01_polg/25.htm#18
NRW州警察法運用指針

http://www.hawaiinewsnow.com/story/22615614/chaminade-university
アメリカの大学で、例外なく野良猫への給餌を禁止した例。


プロフィール

さんかくたまご

Author:さんかくたまご
当ブログのレコード
・1日の最高トータルアクセス数 8,163
・1日の最高純アクセス数 4,956
・カテゴリー(猫)別最高順位7,928ブログ中5位
・カテゴリー(ペット)別最高順位39,916ブログ中8位

1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
しかし私が管理人であるサイトは、このページのフリーエリアにあるリンクだけです。
その他のものは、例えば本ブログ管理人が管理人と誤認させるものであっても、私が管理しているサイトではありません。
よろしくお願いします。

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