「ドイツでは公的殺処分はないが犬猫が狩猟駆除される」は大嘘~「国立国会図書館 諸外国における犬猫殺処分をめぐる状況 」


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(Zusammenfassung)
Bundesjagdgesetz
§ 23 Inhalt des Jagdschutzes
Der Jagdschutz umfaßt nach näherer Bestimmung durch die Länder den Schutz des Wildes insbesondere vor Wilderern, Futternot, Wildseuchen, vor wildernden Hunden und Katzen sowie die Sorge für die Einhaltung derzum Schutz des Wildes und der Jagd erlassenen Vorschriften.
「ドイツでは公的殺処分はない。その代わりに犬猫は狩猟駆除されている」という情報が日本で流布されています。しかしそれは「大嘘」です。ドイツでは、高位推計では1年間に猫40万~50万匹、犬6万5,000頭が狩猟駆除されているのは真実です。さらに犬の公的殺処分も厳然と存在します。その数は、例えばヘッセン州では、人口比で東京都の6倍にも登ります。つまり真実は「ドイツでは犬猫は合法的に狩猟駆除されており、なおかつ公的殺処分も相当数が行われている」です。なぜ、「ドイツでは公的殺処分がないが犬猫は狩猟駆除される」という偽情報が日本で広まっているのか、その原因について考察します。
「ドイツでは犬猫は狩猟駆除されている。それが公的(行政による)殺処分の代わりとなっている。だからドイツでは犬猫の公的(行政による)殺処分はない」という情報が日本で広まっています。その一部を例示します。
・【動物愛護】ペット先進国ドイツ=殺処分0は嘘?!。2016年7月21日。
ドイツ連邦狩猟法で犬・ネコを合法的に殺せるという事実
ドイツ連邦狩猟法は、狩猟動物を保護する目的で野良犬・猫の駆除を認めており、狩猟者は、合法的に野良犬・猫を殺すことができる。
ドイツ全体の駆除頭数を示す公的統計は存在しないが、年間猫 40 万頭、犬 6 万 5 千頭に達すると指摘する動物保護団体もある。
(出典 国立国会図書館 諸外国における犬猫殺処分をめぐる状況 ―イギリス、ドイツ、アメリカ― 調査と情報―ISSUE BRIEF― NUMBER 830 2014. 9.16.)
狩猟者によって、リード無しの飼い犬や、家から散歩に出た飼いネコも殺されてしまうという事件も起こっています。
ドイツでは飼い犬・猫であっても狩猟者によって合法的に「駆除」されることがあるのが実情なのです。
民間人による駆除が行われ公的保護施設がないから「ドイツ=行政殺処分0」と言えるのでは?
あくまでも行政殺処分が0なんです!
・犬猫の殺処分について。。2015年3月14日。
ドイツでは犬猫が狩猟対象として「民間で合法かつ容易に駆除」されておりますので、わが国の様に「行政による殺処分」は行なわれておりません。
わが国でもドイツと同じく犬猫を「民間で合法かつ容易に駆除」できる様にすれば、ドイツの様に「行政による殺処分」をゼロにする事も可能かと思われます。
参考までに2014.9.16に国立国会図書館の調査及び立法考査局農林環境課が纏めたレポート「諸外国における犬猫殺処分をめぐる状況」より、ドイツにおける犬猫の民間による駆除の実例を紹介しておきます。
上記に挙げた資料では、「ドイツでは犬猫は狩猟駆除されている。それが公的(行政による)殺処分の代わりとなっていて、だからドイツでは犬猫の公的(行政による)殺処分はない」の根拠として、国立国会図書館 諸外国における犬猫殺処分をめぐる状況 ―イギリス、ドイツ、アメリカ― 、を挙げています。概ね他の、「ドイツでは犬猫の狩猟駆除はあるが公的(行政による)殺処分はない」とする資料でも、これを根拠としています。この文書が発表されたときは、「ドイツの動物愛護信奉者」のあいだには衝撃が走りましたが、私はそれよりも2年も3年も前に、ドイツの犬猫狩猟駆除を日本に紹介しています。
結論から先に言えば、「ドイツでは犬猫の狩猟駆除はあるが公的(行政による)殺処分はない」は誤り、大嘘です。後ほどその根拠を列挙しますが、「ドイツには犬猫が狩猟駆除されている」は真実ですが、さらにかなりの数の「犬の公的(行政による)殺処分」が厳然と行われています。つまり、「ドイツは犬猫は狩猟駆除されており、さらに犬は公的(行政による。以下「公的」とします)殺処分されている」が真実です。
国立国会図書館 諸外国における犬猫殺処分をめぐる状況 ―イギリス、ドイツ、アメリカ― 、ですが、「他方、ドイツ連邦狩猟法は、狩猟動物を保護する目的で野良犬・猫の駆除を認めており、狩猟者は、合法的に野良犬・猫を殺すことができる」との記述はあります。これは間違いはありません。しかし、「ドイツでは犬猫の狩猟駆除を認めているために、公的殺処分が行われていない」とは、一言もありません。
嘘には「積極的な嘘」と「消極的な嘘」があります。「積極的な嘘」とは、例えばNHKなどの巨大メディアが「ドイツでは(生体販売)ペットショップがない(註 ドイツには、日本より多くの生体販売ペットショップがあります)」など、明らかに真実に反することを述べることです。対して「消極的な嘘」とは、「それを伝えなければ事実誤認する可能性が高いにもかかわらず、意図的に伝えない」ことです。国立国会図書館 諸外国における犬猫殺処分をめぐる状況 ―イギリス、ドイツ、アメリカ― 、は後者の「消極的な嘘」文書です。「ドイツにおける犬猫の狩猟駆除」をことさら強調し、一方では、厳然と存在する「ドイツの犬の公的殺処分」に一言も触れていないのは、事実誤認を誘導するからです。
次回以降の記事では、以下の「1、」「2、」「3、」の、ドイツの公的殺処分について順次説明していきます。これらは全て法に基づき、行政が「制度」として行っているもので、「公的殺処分」そのものです。
いずれも、「例外的な数」とは言えず、例えばヘッセン州では、人口比で東京都の6倍の犬を「1、」により殺処分していました。これはヘッセン州が公的統計として公表しています。また、ドイツ連邦警察の統計では、2015年には、警察官が犬などを射殺した数は、11,901(この数には「自動車などの財物」も含まれますが、ドイツのマスメディアの報道などから推察すれば、ほとんどが動物、tierと思われます)頭です。
1、ドイツでは、飼育禁止犬種、咬傷犬、危険と思われる犬などを行政が強制的に殺処分する制度が全州にあり、相当数ある。
2、ドイツの税関法では、検疫不備の犬猫などは当局が強制的に殺処分する権限が有る(日本にはない)。
3、ドイツの警察法では、市中で犬などを危険防止のために警察官が射殺しなければならないとの規定があり、相当数ある。
4、ドイツの狂犬病規則では「狂犬病の『疑いがある』」と言うだけで、犬猫等は行政が押収、強制殺処分~病理検査を行う権限があります。症状が出ていなくても、「狂犬病陽性動物と接触した」と言うだけでもです。ドイツの狂犬病規則による殺処分規定は、日本の狂犬病予防法よりはるかに厳格です。
(動画)
Katzenmord in Waltrop / PETA 「ヴァルトロップでの猫殺し」。2012/03/14 に公開。PETAドイツによる制作。養鶏場内で経営者が猫を射殺していることを、死体置き場の猫の死体を発見したことにより追求しています。しかしドイツでは通年、狩猟可能なエリアでは飼い猫の可能性があったとしても、猫の射殺は全く合法です。PETAの調査員が「その猫は飼い猫かもしれないと認識しているか」と養鶏場経営者に訪ねたところ、「そうかもしれない」という回答でした。
確かにドイツでは、犬猫は通年狩猟可能エリア内では、射殺などによる駆除が合法です。しかしドイツには、それのみならず、行政が制度として行う「公的殺処分」もかなりの数があります。
PETA-Ermittler machen grausamen Fund in Kadavertonne eines Jagdreviers.
Dort befanden sich erschossene und sogar erschlagene Katzen.
PETA(動物愛護団体)の調査員は、狩猟の現場での死体置き場で陰惨な発見をしました。
そこには、射殺され、殺害された猫がありました。
(画像)
Aktuelle Seite: HomeVereinsinfoAktuell。ドイツ、ザールラント州。飼い主の至近距離で、ハンターにより射殺されたラブラドール犬「ボニー」の死体。犬にはリードをしていなかったために、ハンターの法的責任は不問とされました。ハンターは、「犬をキツネに見間違えた」としています。ドイツの反狩猟団体のサイトから。

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