「犬猫は特別な存在だから家畜に優越して保護されるのは普遍的価値観」は幻想


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Domestic/Inländisch
「犬猫に限り絶対殺してはならない」という、犬猫ノーキル支持者や、犬猫食に反対している人が多いです。彼らにその理由を尋ねると、概ね次のような回答が返って着ます。「1、犬猫は人類の長い歴史で、伴侶動物として地位を確立した。したがって使役や食料を目的とした他の飼育動物とは異なる」。「2、欧米など先進国ではその考えが定着しており、普遍的な倫理としてほかの国もそれに倣うべきである」です。しかしそれは幻想です。まず「1、」ですが、犬猫、特に犬は家畜化当初は使役が目的であり、ペット目的で飼育されるようになったのは歴史上ごく新しい現象です。「2、」ですが、欧米でも犬猫食がありますし、犬猫の殺処分が行われています。スイスでは犬猫食習慣がありますし、アメリカでは44州で犬猫の食用屠殺が合法です。対してアメリカでは馬の屠殺を連邦法で禁じています。
韓国の犬肉の合法化に反対するFaceBookのTLがあります。そこではサマリーであげた理由で犬肉に反対しています。なぜ犬食は問題なのか。Toshiaki Morioka氏のTL、2014年4月4日、から引用します。
文化相対主義に対する批判
犬は人間と共通の「共生主体」として存在してきた。
家畜は人間から自然の捕食者からの保護を受ける代わりに、人間に対し労働と死を提供する。
一方、犬や猫の場合は原初的に人間とは「相利共生(Mutualism、異なる生物種が同所的に生活することで互いに利益を得ることができる共生関係のこと)」の関係にある。
つまり、犬猫は人との「双利共生となる存在である」は、犬猫食や犬猫の殺処分に反対する人たちの、「犬猫は人との伴侶動物であり、それ以外の家畜とは異なる特別な存在」という主張と同じです。そしてそれが「普遍的な価値観」であるから、犬猫食は禁じられるべきであり、犬猫に限り、殺処分はしてはならないと結論づけています。
しかし、上記のFacebookの管理人である、Toshiaki Morioka氏の主張は、あくまでも個人的な思い込みです。「犬猫が人との共生主体である」「したがって他の家畜に対して優越して保護されるべき」は、その裏付けとなる学説などの証拠がありません。仮に「犬猫が人との共生主体であり、家畜に対して優越して保護されるべき」が、普遍的な価値観であるのならば、圧倒的に多数の国で、犬猫を家畜に優越して保護する法律や制度があるはずです。すなわち「犬猫に限り食用にしてはならない」や、「犬猫に限り殺処分してはならない」です。しかしそうではありません。
さらに、「犬や猫の場合は原初的に人間とは『相利共生(Mutualism、異なる生物種が同所的に生活することで互いに利益を得ることができる共生関係のこと)』の関係にある」も意味不明です。「家畜は人間から自然の捕食者からの保護を受ける代わりに、人間に対し労働と死を提供する」は、「双利共生」ではないのですかね?
特に犬は家畜化された原初においては、まさに使役(労働)と食料(死)を目的としていました。北極圏で生活するイヌイットにとっては、犬はそりをひかせる使役目的の家畜であり、食料です。植物がなく草食動物を飼育できない気候条件により、犬がまさに豚や農耕で使役された牛の代わりをしているのです。犬猫が使役や食料を目的とせず愛玩で飼われるようになったのは、人類の歴史上、ごく新しい時期です。
私が海外の法規を調べたところ、犬猫に限り他の家畜に優越して保護する法令は特別多くはありません。日本の動物愛護管理法に規定される、動物取扱業者の犬猫に限った終生飼育義務などがあるくらいです。むしろ最高法規で特定の動物の殺害を禁じる国は、私が調べた限り犬猫よりも、他の家畜で禁じている国の方が多いと感じます。
例えばインドでは、最高法規である憲法で牛の屠殺を禁じています。対してインドでは、憲法では犬猫の保護には全く言及していません。インドでは、牛の屠殺は憲法で厳しく禁じていますが、ナーガランド州などの多くの州では、犬は食用です。さらにケララ州では、年間約50万頭の犬を州が公的制度として殺処分しています。インドの他の州でも、犬は多くが殺処分されています。
またアメリカ合衆国では、馬の屠殺を2014年に連邦法で禁じました。アメリカ合衆国で馬の屠殺を禁じた連邦法が成立した際は、議会では、上院下院とも、「馬は特別な存在であり、他の飼育動物種に対して優越して保護すべきである」と決議されました。カリフォルニア州ではさらに独自の州法で、馬の屠殺と馬肉の商業流通に対しては、大変厳しい刑事罰を科しています。懲役2年以上の重罪となります。
一方アメリカでは、犬猫は、現在44州で食用目的の屠殺が合法です。アメリカは建国以来、連邦議会で「犬猫は特別な存在であり、他の飼育動物種に対して優越して保護すべきである」とされたことは皆無であると断言します。アメリカ合衆国では、犬猫の食用屠殺を例外的に禁じている6州の一つにハワイ州があります。しかしハワイ州では州法で犬の食用屠殺が禁じられているにもかかわらず、実際は犬肉の工業生産が行われています。
イギリスでは犬肉馬肉とも法律では禁じられていませんが、事実上、馬肉は絶対禁忌とされています。日本では、犬猫肉は法律では禁じていませんが、犬猫肉は一般的には忌避されています(実際には犬肉はかなりの量が日本に輸入されており、普通に提供するレンストランも存在します)。それと同様のことがイギリスの馬肉でも当てはまるということです。対してイギリスでは、ロンドンの中華料理レストランなどで犬肉料理を提供する店が存在します。さらに犬猫肉を食べることが一般的なヨーロッパの国にはスイスがあります。
「欧米などの先進国の動物愛護の価値観では、犬猫は絶対殺してはならないのであり、ほかの家畜に対して優越して保護される特別な存在である。ましてや犬猫を食用とするのはとんでもないことである」は、全くの誤りです。次回以降の記事では、次の事柄について、論じます。
1、インド憲法による牛の殺害の禁止と、犬の大量公的殺処分と犬食習慣について。
2、アメリカ合衆国の連邦法における馬の屠殺禁止と、44州で犬猫の食用屠殺が合法である点について。
3、イギリスにおける馬肉タブーとヨーロッパにおける犬猫食について。
(動画)
Shopping for Dog Meat and Bugs in Dimapur | DAY 22 Part 1 「インド、ナーガランド州、ディマプールの市場で犬肉と食用昆虫のお買い物」。2016年8月19日公開。
Dimapur's special Wednesday market was the best we have seen, with king chilis, dried eel and frog, along with live silk worms and fresh dog meat.
ディマプールの特別な水曜日の市場は、巨大なトウガラシ、ウナギの干物、カエル、生きたカイコの幼虫、新鮮な犬の肉などあり、私たちが見た中で最高のものでした。
(動画)
NEW YORK CHINESE RESTAURANTS ARE NOW ALLOWED TO SELL DOG MEAT! 「ニューヨークの中華料理レストランでは、今では犬肉を販売することが許可されています」。2015年1月26日公開。
A New York restaurant has been granted permission to consume and sell dog meat.
A Chinese group successfully argued that the banning of the consumption of dog meat violated their religious rights.
ニューヨークのレストランでは、犬の肉を食べたり売ったりすることが許可されています。
中国人のグループは、犬の肉の消費を禁止することは、彼らの宗教上の権利に違反していると主張しました。
(動画)
People eats dogs and cats in Switzerland 「スイスの人々は犬と猫を食べる」。2015年2月25日公開。
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