日本は「空前の猫ブーム」なのか?~動物愛誤ジャーナリスト、太田匡彦氏の嘘を暴く


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Domestic/Inländisch
大手のメディアでもこぞって「日本は空前の猫ブーム」と報道しています。その火付け役は、かの動物愛誤ジャーナリスト、太田匡彦氏(朝日新聞社記者)のようです。しかし真実は、統計を見てみれば全くそれに反するのです。猫の飼育数は、ピークの2008年から約1割も減っています。さらに太田匡彦氏は「猫の純血種をペットショップから買うことも多くなった」と自ら執筆した記事で記述していますが、猫の純血種の飼育割合もここ数年は一貫して減り続けています。
問題の、太田匡彦氏は、「日本は空前の『猫ブーム』で、乱繁殖による猫の遺伝性疾患が増えることが懸念されている」と、しばしば記事に書いています。その一例を例示します。朝日新聞系のインターネット記事、Sippoから。猫ブームで懸念高まる 猫に広がる遺伝性疾患 犬と「同じ轍」踏むか。2016年11月5日(文/太田匡彦)、から引用します。
猫を飼おうと思えば、野良猫を拾ってきたり、近所で生まれた子猫をもらったり――というのが一般的だった。
だが空前の「猫ブーム」で、そんな状況に変化が起きつつある。
ペットショップで純血種を買うという消費行動が増え始めたのだ。
結果として、猫の繁殖業者はバブル状態。
だがこのことは、猫の遺伝性疾患の蔓延(まんえん)につながりかねない。
猫ブームが過熱するここ数年。
空前の猫ブームのまっただ中で、猫の遺伝性疾患の現状を追った。
さらに太田匡彦氏は、ABC朝日放送の番組「ペットの王国 ワンだランド」2017年3月26日放送(最終回)、でも出演し、同様の発言をしています。こちらが動画です。動物の命を懸命に救う人たちの活動を振り返る総集編 最終回。4:13~
猫の問題が大きくなっている。
大手ペットショップにしたら、とにかく猫が売れると。
都心に猫持ってきたらほとんど売れちゃう。
地方の店舗には、ほとんど子猫が流通しないぐらい売れている。
繁殖業者は、蛍光灯を一日中12時間以上つけっぱなしにすれば、年3、4回できるようになる。
猫は日光が当たった長さで繁殖できるようになる。
番組でも「猫ブーム」の裏で起こっていた~
太田匡彦氏は、ABC朝日放送「ペットの王国 ワンだランド」においても、Sippoの記事と同様の発言をしています。つまり、「空前の猫ブームで、純血種猫が飛ぶように売れるために、繁殖業者は無理な繁殖をしている」と述べています。これらの報道によれば、「1、日本は現在空前の猫ブームである」は、「猫の飼育が流行し、飼育数が増えている」と言うことになります。また、「2、さらに猫ブームにより、純血種をペットショップで購入することが増えた」は、猫の飼育数が増え、さらに純血種割合が増えた、ことを意味します。
しかし統計を調べてみると、上記の「1、」、「2、」には、全く正反対の結果が現れています。まず猫の飼育数ですが、日本で最も猫の飼育数が多かった年は2008年ですが、その後は一貫して減り続けています。現在は2008年当時より、猫の飼育数は最近10年ほどで約1割も減っています。さらに、純血種割合ですが、「飼育数に占める純血種割合」も比率を下げています。その統計値を以下に挙げます。
(画像)
日本において、猫の飼育数が最も多かったのは2008年です。■現在飼育頭数(拡大推計値)<世帯別> ペットフード協会 犬猫飼育率全国調査 第15回 全国調査結果 平成20年(2008年)犬猫飼育率全国調査

ペットフード協会 全国犬猫飼育実態調査 平成28年 全国犬猫飼育実態調査 「猫の飼育数内訳 2012年~2016年にかけての推移」。直近の統計調査で日本の猫飼育数は984.7万頭であり、もっとも猫飼育数が多かった2008年の1089.0万頭より、約1割も減少しています。

ペットフード協会 全国犬猫飼育実態調査 平成28年 全国犬猫飼育実態調査 「純血種、雑種の割合、及び主な飼育場所 猫の種類」。純血種の猫の飼育割合は減っています。

統計資料からは、次のことがわかります。
1、日本における猫の飼育数は、最も多かった2008年の1,089.0万匹から今日まで減少傾向であり、直近の調査が行われた2016年の猫飼育数は984.7万匹である。8年で約1割も減少している。
2、飼い猫の純血種割合は、最近5年間では割合は減っている。
つまり、太田匡彦氏が繰り返しマスコミで主張している、「1、日本は現在空前の猫ブームである」、「2、さらに純血種をペットショップで買うことが以前より増えた」は大嘘と言うことになります。私は過去にも、太田匡彦氏がメディアで書かれていることの嘘や矛盾点を数多く指摘してきました。残念ながらこの方は、プロのライターでありながら、記事の根拠となる客観的な資料の読み込みをしていないか、それが甘い、さらには正しく引用せずに読者を意図的に誤認させる記事を書きます。さらに思い込み、感情的であり、所与の条件から導く結論に論理的整合性がなく、飛躍があります。
今回取り上げたことがら以外にも、氏が明らかに意図した、読者をミスリードさせる記事も散見されます。折々実例を上げていきたいと思います。
ドイツの最大手ティアハイム、ティアハイム・ベルリンについて、太田匡彦氏は何度もメディアで「この施設は殺処分ゼロ!一匹たりとて殺さない」と断言しています。しかし当のティアハイムベルリンのHPではこのような記述が有り、「収容動物の殺処分を行っています」と公言しています。ティアハイム・ベルリンのHPから引用します。Tierheim berlin FAQ 「ティアハイム・ベルリンHP よくある質問」。
(Q)
Werden Tiere eingeschläfert?
(A)
Wenn ein Tier gemäß der Tierheimordnung des Deutschen Tierschutzbundes nicht behebbare, konstante Verhaltensstörungen zeigt, so dass ein Weiterleben entweder nur mit schweren Leiden verbunden wäre oder eine akute Gefährdung der Umwelt vorhanden ist.
(Q)
動物を安楽死させるのはどのような場合ですか?
(A)
ドイツの動物保護連盟のティアハイムのガイドラインによれば、一定の行動障害を示す動物、深刻な傷病のいずれかが致死処分を行えるとされ、または緊急を要する危険性の回避のためであれば可能です。
(画像)
太田匡彦氏が「アエラ」で書いた記事。「日本の常識はやはり非常識だった。『私たち(ティアハイム・ベルリンの職員)は一匹も殺さない』と動物保護施設の職員は言う。そこには気負いはない。それがドイツでは当たり前のことなのだ」。赤っ恥かく前に、ティアハイム・ベルリンのHPぐらい確認しなさいよ、と私は老婆心ながら思います(呆)。

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