東京の犬の殺処分率はドイツのティアハイムの半分以下~「東京都はドイツのティアハイムを見習え」というTOKYZEROキャンペーンの噴飯主張


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私は何度かドイツのティアハイムの実質的な殺処分率は約3割であると、書きました。2014年のハノーファー獣医科大学の、ドイツ、ノルトライン=ヴェストファーレン州における、ティアハイムの学術調査によれば、ティアハムの犬の平均殺処分率は26.2%です。この数字には、施設内での自然死は含まれていません。日本の自治体が殺処分率を計算する場合は、施設内死を含めています。ティアハイムの施設内死を殺処分数に含めれば、概ね3割程度になると思います。一方、東京都の犬の殺処分率は、平成26年で10.4%でした。つまり東京都はドイツのティアハイム平均より、犬の殺処分率が3分の1も少ないのです。
サマリーで述べた通り、東京都の犬の殺処分率は10.4%です(東京都福祉保健局 東京都動物愛護相談センター 事業別動物取扱状況 平成26年度処分状況)。
(来所返還 179+現地返還 18+譲渡 252+殺処分 52=501)/殺処分 52=10.4%となります。以下が、東京都福祉保健局 東京都動物愛護相談センター 事業別動物取扱状況 平成26年度処分状況より引用した一覧です。
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対して、年次報告書を公表しているティアハイムの一例。tierheim-altentreptow「ティアハイム・アルテントレプトゥ」のHPに掲載されている年次報告書から。
2014年には、犬猫総収容数140に対して、殺処分(Euthanasien)が34頭、施設内死(verstorben)が15頭でした。総収容数に占める殺処分+施設内死の割合は35%です(日本の自治体の殺処分数の計算方法に基づく)。概ね年次報告書を出しているティアハイムとしては、平均的な数値だと思います。当ティアハイムと東京都の殺処分率を比較すれば、東京都の犬の殺処分率は3分の1です。

一方、ドイツの犬の殺処分率ですが、2014年にハノーファー獣医科大学による、ドイツ、ノルトライン=ヴェストファーレン州のティアハイムの広汎囲な学術調査があります。Tierärztliche Hochschule Hannover Bedeutung der Pflege- und Haltungsbedingungen für Gesundheit und Wohlbefinden von Hunden als Fund- und Abgabetierein Tierheimen des Landes Nordrhein-Westfalen 「ノルトライン=ヴェストファーレン州のティアハイムにおける、行政が拾得押収した、財政補助のある犬の健康と福祉のための世話や飼育環境の意義」。2014年。
この中では、ドイツ、ノルトライン=ヴェストファーレン州における、行政により収容を受託した犬に関する殺処分の統計調査があります。殺処分率は、26.20%でした。なお、この数値には、施設内死は含まれていません。日本の自治体の多くは、殺処分率は施設内死を含めます。ティアハイムの殺処分率に施設内死を加えれば、3割は超えると思います。年次報告書を公表しているティアハイムによれば施設内死は相当数あるからです。以下に、ティアハイムの殺処分に関する記述を引用します。
Die vom DEUTSCHEN TIERSCHUTZBUND E. V. (1995) erstellte Tierheimordnung hat klare Kriterien für das Töten von Tieren in Tierheimen festgelegt.
dies ist nur in Ausnah- mefällen zulässig.
Wie im Falle einer massiven Überbelegung,verur- sacht durch Langzeitinsassen, verfahren werden soll.
RUPPERT stellte , dass 26,20% aller aufgenommenen Tiere in Tierheimen euthanasiert wurden.
In 32% dieser Fälle er-folgte die Euthanasie auf Grund unheilbarer Krankheiten, in 68% lag „ein anderer vernünftiger Grund“ wie Bissigkeit, hohes Alter, Ängstlichkeit, langer Aufenthalt oder Platzmangel vor .
ドイツ動物保護連盟E. V.によるティアハイム規則(1995年)は、ティアハイムにおける動物の殺処分のための明確な基準を定めています。
殺処分は、例外的な場合にのみ許可されています。
しかし著しい過剰収容の場合と同様に、動物の長期の収容によってもその基準は徐々に緩和されます。
ルパートは、記録されたすべての動物(犬)のうち、26.20%がティアハイム内で安楽死させられたことを発見しました。
これらの例の32%では、難病が原因で安楽死に処せられました。
別の安楽死の原因の68%は、非人道的な「別の合理的な原因」であり、犬が高齢であること、行動上の問題に不安があること(攻撃性か)、長期の収容期間や収容スペースの不足などが続きます。
つまり、東京都は、犬の殺処分率はドイツのティアハイムの3分の1であり、極めて殺処分率が低いと言えるのです。なお、このティアハムの殺処分率の数値は、行政から収容を受託した犬に限ります。つまり「引受を拒めない」という点では条件は同じです。
しかし「東京都は殺処分が極めて多い。殺処分ゼロのドイツのティアハイムを見習え。東京都が殺処分ゼロを達成するためには、『東京都動物相談愛護センター』をドイツのティアハイム的施設に転換せよ」と、まさに*1、噴飯と言える主張を繰り返している無知蒙昧な団体があります。TOKYO ZERO キャンペーンです。この団体のHPから引用します。
殺処分ゼロを実現するにはまず、東京において。
動物福祉先進国・ドイツには、捨てられた犬や猫たちが幸せに暮らせ、そこで新たな飼い主を待つための動物保護施設「ティアハイム」が存在します。
一般の人が気軽に足を運べる明るい施設、利便性の高い立地となっており、もちろんそこでは日本のような殺処分は行われていません。
東京にも、ティアハイムを!
東京の「動物愛護相談センター」を、抑留して殺処分するための施設から、ドイツの「ティアハイム」のような保護して譲渡するための施設に転換していくことが必要だと、私たちは考えています。
*1、噴飯(フンパン)とは - コトバンク、「《おかしくて、食べかけの飯をこらえきれ ずに噴き出す意から》がまんできずに笑ってしまうこと」。まさに、TOKYO ZERO キャンペーンの主張は噴飯モノ。私は今は食事中ではなくコーヒーを飲んでいますので、思わず「ブーッ!」と飲みかけのコーヒーをパソコンのモニターに吹き出してしまうという感じですかね。
それにしても、何らかの主張を公にするのであれば、その前に少しは資料を調べるべきでしょう。この団体は既に記事にしましたが「特定非営利活動団体」の認証を得ていないのに「特定非営利活動法人」を詐称して募金集めをした団体です(詐欺罪が成立する可能性があると私は思います)。このような無知蒙昧、違法で恥知らずな団体が堂々と存在しています。さらにそのような噴飯団体をマスメディアが持ち上げています。まさに日本の動物愛護は底辺というべきです。
(画像)
あまりにもひどすぎる強靭な恥知らずリスト

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