日本は保護犬譲渡が多い国~東京都の保護犬譲渡シェアはドイツのティアハイムと同程度


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(Zusammenfassung)
"Wenn die Deutschen den Hund zu bekommen. Fast alle der Deutschen einen Hund aus einem Tierheim zu bekommen.", Masahiko Ota, Asahi Shimbun Reporter sagt.
Aber es ist eine große Lüge.
Es gibt solche Statistiken.
・tierschutzbund kampene rettet die tiehime
・Heimtierstudie „Wirtschaftsfaktor Heimtierhaltung“ Zur wirtschaftlichen Bedeutung der Heimtierhaltung in Deutschland Prof. Dr. Renate Ohr, UniversitätGöttingenNovember 2014
Tierheim Hund Marktanteil beträgt etwa 10 Prozent, in Deutschland.
日本は、実は先進国の中では保護犬の譲渡が多い国です。特に東京都においては、犬入手に占める保護犬の割合は9.1%です(平成23年度 東京都福祉保険局調べ)。対して、ドイツの犬の入手割合に占めるティアハイムの犬の譲渡割合は1割前後と推測されます。むしろ東京都の方が犬の入手においては、ドイツのティアハイムによる保護犬譲渡より高い可能性すらあるのです。
日本では、「ドイツは飼えなくなったペットの最譲渡のシステムをティアハイムという団体がになっている。ドイツにおける犬の入手は、ティアハイムからが多い」と思われています。マスメディアや評論家によっては、ドイツでの犬の入手は「ティアハイムからがほとんど」と報道しているケースもあります。
例えば、朝日新聞記者である太田匡彦氏は、朝日新聞系の雑誌「アエラ」で、ドイツのティアハイム・ベルリンを記事にしています。氏は、「ドイツで犬を入手する場合は、ほとんどが保護施設(ティアハイム)からである」と同誌で述べています。「恵まれた保護施設ティアハイムがあり、最後まで面倒をみる。ドイツではペットショップから犬を購入する事は殆どなく、こうした保護施設から犬を迎える家庭が殆どである」です。
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「アエラ」の問題の記事。 問題の、太田匡彦氏による記事、AREA '09.9.7号『犬を殺さないドイツの常識』の誌面。

しかし「ドイツではペットショップから犬を購入する事は殆どなく、こうした保護施設(ティアハイム)から犬を迎える家庭が殆どである」は、真っ赤な嘘です。結論から言えば、ドイツのティアハイムが譲渡する犬の割合は、ドイツにおける犬の入手割合では1割前後と推測されます。その根拠は、ドイツの犬の年間取得数は55万~57万頭(再販売を含む。出典*1、*2、*3)であるのに対して、ティアハイムが犬を引き受ける年間の総数は、7万頭台に過ぎないからです(7万4900頭。この数値を用います。出典*1、tierschutzbund kampene rettet die tiehime「ティアハイム連盟 キャンペーン ティアハイムの救助」。2010年。若干古いですが、具体的な数値としてはこれしかありませんでしたので。なお、*4、ハノーファー獣医科大学の2014年学術調査によれば、ドイツ全土におけるティアハイムの犬の引受数は約7万頭としています)。
引き受けた犬が仮に100%譲渡されたとしても、「ドイツではペットショップから犬を購入する事は殆どなく、こうした保護施設(ティアハイム)から犬を迎える家庭が殆どである」はありえないのです。ティアハイムでも一定数の殺処分や施設内死があり、その割合は概ね3割程度です。ですから実際に譲渡された犬の数は5万2000頭程度になります。
とすれば、5万2000(ティアハイムの犬の譲渡総数)/55万(ドイツ全土における犬取得総数)は9.5%となります。どう考えても10%には達しないのです。9%台が妥当ではないでしょうか。
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tierschutzbund kampene rettet die tiehime「ティアハイム連盟 キャンペーン ティアハイムの救助」。2010年。

一方、日本の保健所譲渡と保護団体譲渡の合計が、日本の犬取得総数に占める割合はどの程度なのでしょうか。一例として東京都を挙げます。23年度の調査においては東京都は、保健所+保護団体による譲渡の、全体に占める犬入手割合は9.1%でした。東京都における犬及び猫の飼養実態調査の概要(平成23年度)。新しい数値が欲しかったのですが。これしかありませんでしたのでこの数値を用います。今ではその比率は若干上がっているかもしれません。
東京都の数値に現れるように、日本はドイツと比較して、犬の入手割合において著しく保護犬の譲渡の比率が低いとは思いません。ドイツはヨーロッパの中では、保護犬の譲渡割合が高い国だと思います。例えばスイスなどは保護施設による譲渡割合はほとんど統計上無視しても良いくらい低いのです(例えばスイスのティアハイムの全動物種の譲渡数は2000あまりで、犬の年間取得数は4万頭台)。
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東京都における犬及び猫の飼養実態調査の概要(平成23年度)より、「犬の入手方法」。東京都の保健所+保護団体による譲渡の、全体に占める犬入手割合は9.1%。

日本では、最大手のマスメディアを始め、多くの愛護団体などは「ドイツはティアハイムという動物保護施設があり、不要ペットの再譲渡が大変よく機能している。ドイツでは、犬を入手する場合はほとんどがティアハイムという動物保護施設からである」ということを繰り返し報道し、その情報が拡散されています。しかし、具体的に「ドイツでのティアハイムが引き受ける保護動物の数はどの程度なのか」、そして「ドイツ国内でのペットの入手の割合では、ティアハイム(保護施設)からの割合がどの程度なのか」を具体的な数値を上げているものは皆無です。おそらく、具体的な数値(ティアハイムの保護動物引受数やドイツにおけるその入手割合の推計値)をあげたのは私が日本で初めてではないかと思います。
嘘つきは、具体的な数値を上げません。「ほとんど」「極めて稀」などの形容詞を多用します。前述の太田匡彦氏は「アエラ」で、「ドイツで犬を入手する場合は、ほとんどが保護施設(ティアハイム)からである」と述べています。太田匡彦氏は、講演会などでは日本の動物愛護に関する統計数字やグラフなどを多用するようです。なぜ氏が、力を入れている「ドイツの動物愛護」とりわけ「ティアハイム」に関しては、「ほとんど」などの感情に訴える形容詞を多用し、数字を一切出さないのでしょうか。私は大変疑問に感じます。あ、「一匹も殺さない(=0)」は具体的な数字でしたね(大爆笑!)。
*1、tierschutzbund kampene rettet die tiehime「ティアハイム連盟 キャンペーン ティアハイムの救助」。2010年。
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この資料は若干古いですが、ティアハイムの経営危機についての報告です。この中で、ドイツ国内のティアハイムの引受動物数の推移のグラフ(1995年~2009年)があります。
犬は1995年がドイツ全体で83,700頭だったのが一貫して減り続け、2009年には74,900頭にまで減っています。
新しい統計値が欲しかったのですが、探してもこれしか見つかりませんでした。
現在では、ドイツ全土におけるティアハイムの犬の引受数はさらに減っていると推測しますが、やむを得ずこの数値を用います。
全ドイツの、ティアハイムの犬の引受数は、2009年は、74,900頭でした。
過去数年間にわたり、犬の引受数が低減しているので、現在ではさらに減少している可能性が高いです。
*2、Heimtierstudie „Wirtschaftsfaktor Heimtierhaltung“ Zur wirtschaftlichen Bedeutung der Heimtierhaltung in Deutschland Prof. Dr. Renate Ohr, UniversitätGöttingenNovember 2014「ペット研究 ペットの所有における『経済的要因』 ドイツのペットの所有の経済的重要性」。レナーテOHR教授、ゲッティンゲン大学 2014年9月。
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ドイツ国内における犬の営利生産数は、31万5、000~33万5,000頭と推定される。
成犬(再販売)も含めたドイツの犬の民間での取得数は高位推計で、およそ55~57万頭と推測される。
これら数値は、あくまでもペット用(家庭用)の犬です。
*3、Daten zur Hundehaltung「犬の入手に関するデータ」(VDH ドイツケンネル協会)。2015年。
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ドイツにおける新規取得犬(仔犬)数は、年間約50万頭と推定されるが、そのうちの10万頭は輸入犬である。
一次取得(仔犬)に限れば、ドイツにおける営利事業者(ブリーダー、ペットショップ、飼い主が外国のペットショップ、露天販売で購入するなど)からの入手は83.7~87.3%である。
*4、Tierärztliche Hochschule Hannover Bedeutung der Pflege- und Haltungsbedingungen für Gesundheit und Wohlbefinden von Hunden als Fund- und Abgabetierein Tierheimen des Landes Nordrhein-Westfalen 「ノルトライン=ヴェストファーレン州のティアハイムにおける、行政が拾得押収した、財政補助のある犬の健康と福祉のための世話や飼育環境の意義」。2014年。
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ハノーファー獣医科大学による大規模なティアハイムに関する学術調査。
この調査によれば、ドイツ国内におけるティアハイムの犬の引受数は約7万頭とされる。
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