ティアハイムの倒産が激増しているドイツ~ペットの供給過剰という構造問題(資料編)


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(Zusammenfassung)
Die Reportage - Welpen zum Schnäppchenpreis
NDR Fernsehdokumentation Polen
前回記事、ティアハイムの倒産が激増しているドイツ~ペットの供給過剰という構造問題では、ドイツのティアハイムの倒産が相次いでいること、そしてその背景には、ペットの供給過剰があることを述べました。それを裏付ける、ドイツの放送局、NDRが製作した秀逸なTVドキュメンタリー番組があります。この番組では、ポーランドとドイツ間の国境間移動が自由になった2007年以降、ポーランド人がドイツ人向けに激安の子犬を生産販売して、群がるようにドイツ人が買っている様子を取材しています。
まず問題のTVドキュメンタリー番組ですが、その録画と内容(ドイツ語)、それの日本語訳を付けました。 Die Reportage - Welpen zum Schnäppchenpreis (1/2) 「ルポルタージュ 子犬を激安価格にするためには(1/2)」。2014年4月14日公開。NDR(ドイツのTV局)制作。
純血種の子犬をなぜ50ユーロ~という激安価格で売ることができるのか。その劣悪なポーランドの生産現場と、激安子犬を群がるように買い求めるドイツ人。そしてその問題点を取材した、秀逸なTVドキュメンタリーです。
(動画)
Angekettet und in Keller gesperrt. Gefüttert, mit verwestem Fleischresten und Innereien.
Vollge kotete Käfige, aneinandergereiht wie Legebatterien.
Bilder eines illegalen Hundezuchthofes in Polen.
Der Gestank hier drin ist unterträglich.
Rassehunde für wenig Geld.
Mindestens 1000 Euro zahlt man bei einem deutschen Züchter für einen Cocker-Spaniel.
Hier auf dem Welpenmarkt lediglich um die 90 Euro. Reinrassig soll der Hund angeblich auch sein.
Auch gefälschte Impfpässe werden uns vorgelegt.
Wir fahren nach Lipno in Nordpolen.
Dort soll ein alter Bauernhof zur Hunde-Zuchtstation umfunktioniert worden sein.
Die Polizei begleitet uns.
Die Zustände, unter denen die Tiere hier leben müssen, schockieren uns.
Hier ist alles voller Kot.
In den Wassertöpfen ist kaum noch Wasser drin.
Das wurde wahrscheinlich Tage nicht mehr erneuert.
Wir finden Pässe bereits verkaufter Hunde, Dokumente über angebliche Impfungen.
Sie sind unvollständig oder gefälscht.
Dieser Preis von 200, 300 Euro oder vielleicht ein bisschen mehr, der hat schon seinen Preis.
Dass diese Hunde viel billiger verkauft werden als von seriösen Züchtern.
Und jeder, der sich überlegt, einen Hund im Internet zu kaufen, sollte sich einfach mal ansehen, was dahinter steckt.
地下に鎖でつながれて閉じ込められる。
腐りかけた肉と内臓の餌が並びます。
養鶏場のバタリーケージのように並んだ狭いケージ。
それがポーランドの違法な犬の飼育場のイメージです。。
ここでの悪臭は耐え難いです。
ポーランド人は、わずかなお金を得るために犬を繁殖しているのです。
ドイツのブリーダーでは、コッカースパニエルの価格は少なくとも1000ユーロ(11万5000円。1ユーロ=115円)はします。
しかしポーランドでは、子犬の市場ではたったの約90ユーロ(=1万350円。TVの映像では、子犬が50ユーロで露天で売られていましたので、記事では「50ユーロ(=5750円~)で売られている」としました)なのです。
純血種の犬には間違いありません。
しかし提示されるワクチン証明書は偽物です。
私たち(TV取材クルー)はポーランド北部のリプノに行きました。
古い農場を改造した、犬繁殖場があります。
警察官が私たちに同行しました。
犬たちがこのような状況で生きていられるのは、私たちにとってはショックでした。
ここではすべてが糞でいっぱいです。
水のボウルの中には、ほとんど水が入っていません。
おそらく水は、毎日取り替えていないでしょう。
私たちは、疑わしい予防接種についての書類、犬販売用の許可証などの書類もまた見つけます。
それらは不完全か、または改ざんされています。
200から300ユーロ、この価格より多分高いでしょうが、このような値段で(犬がインターネットで主にドイツに)売られています。
評判の良いブリーダーから買う犬よりも、はるかに安く売られています。
そしてインターネットで犬を買おうと考えている誰もが(ドイツ人に対して)、その背景にあるものを考える時間を持つべきです。
これが現在の、ドイツの犬販売の現状です。日本のメディアや動物愛護団体は「ドイツでは犬の繁殖や販売に関しては厳しい法律の規定があり、それゆえに犬が劣悪飼育・繁殖~劣悪な環境で販売されることはない。ドイツには優良なブリーダーが買主の適適性など見極めてから販売する」などとしています。また「ドイツでは犬の販売の規制が厳しく、ペットショップでの販売もないので、ドイツで犬を入手する場合はティアハイムという保護施設からがほとんどである」ともしています。
しかしこのような(嘘)情報をたれながしているマスメディアや動物愛護団体はヨーロッパの事情に対して全く無知で口から出まかせを言っているか、それが「嘘」であるということを認識していながら「嘘」を付いているかのどちらかです。
前回記事、ティアハイムの倒産が激増しているドイツ~ペットの供給過剰という構造問題、で述べた通り、ヨーロッパには、シェンゲン協定が存在します。これは協定締結国間においては、国境の移動を自由とするものです。またドイツとポーランドはEU加盟国ですので、原則ヒトモノカネの移動が自由です。
例えて言えば、日本と韓国、ロシア、中国などが地続きで自由に国境間移動ができるということです。そしてそれらの国で自由に割安な商品を「円」で買うことが出来て通関手続きもなしに日本に持ち帰れるということです。日本で例えばペットショップでの犬の生体販売を仮に禁じたとしても、もしそのような状況であれば、韓国などが純血種の子犬を6000円くらいで売っていたら韓国などで犬を飼う人が増えるでしょう。厳しい条件を課すブリーダー(ドイツのブリーダーもいわゆるパピー・ミルが多数存在し、劣悪繁殖やインターネット販売をしていますが)で価格が20万円超の犬や、保健所からの譲渡や、条件が厳しい保護施設で例えば3万円などでは不人気の雑種の成犬を買う人は限られます。
「東欧から激安の子犬の輸入が激増している。それがペット供給増大の原因であり、ティアハイムの経営を圧迫している」。それが現在のドイツの現状です。おもにポーランドなどの東欧から輸入された犬は、ドイツでは犬の入手先シェアの20%と推測されています。なお、スイスでは約半数との公的統計があります。
対して、ドイツ国内での犬の入手シェアに占める、ティアハイムの割合は1割前後と推計されます(この点については根拠となる資料を元に、次回以降の記事で詳述します)。さらにドイツ国内における、東欧からの輸入犬の割合は高まると思われます。それがティアハイムの経営悪化の大きな要因です。
(画像)
あなたに出会うまでの7つのお話しより。「ドイツでも、全ての飼い主に対して、犬を守るための飼養管理基準が適用されるため、日本のような大量生産・大量販売はビジネスとして成り立ちません。日本の生体販売は、きわめて特異的に発展しています。大量販売を前提とした大量生産、その間を取り持つペットオークション、そして売れ残りや繁殖能力が衰えた親を大量遺棄することで成り立っているビジネスなのです」。
このTOKYOZEROキャンペーンは趣旨がよくわからない団体です。HPの記述を読む限り、運営者は余りにもひどい無知蒙昧か病的な虚言癖か、動物愛護以外の何か他に目的があるかのいずれかとしか考えられません。無定見な賛同者も、正直言って根拠のない妄想を信じるとは知能が満たないのではないかと、残念ながら私は思います。なおドイツはドイツ国内だけで年間30万頭以上の犬が営利生産されています。日本の約3倍の数です。東欧の輸入を加えれば40万頭です。アメリカは年200万頭の犬が営利生産され、4000ものパピー・ミルが存在するとされています。アメリカでもヨーロッパでも、犬などのペットオーションは盛んに行われています。日本は先進国の中では、犬の大量営利生産・販売に遅れた国です。

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