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続・動物虐待に対する刑罰は、ドイツは日本より厳しいのか~4階から犬を投げ落として殺害した犯人の罰金1,000ユーロ(12万円)に対する論評



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(Zusammenfassung)
Grausame TierquälereiMann wirft Schäferhundaus dem 4. Stock
Da wirft ein Mann eine Hündin aus dem 4. Stock – und muss 1000 Euro Strafe bezahlen .
Der gegen ein viel zu mildes Urteil nur deshalb Einspruch erhoben hat, weil er 1000 Euro(?).


 記事、動物虐待に対する刑罰は、ドイツは日本より厳しいのか、の続きです。本記事では、ドイツの動物保護法と日本の動物愛護管理法の動物虐待に関する規定を比較しました。今回は、ドイツにおける動物虐待に対する刑事処分(刑事処分がなかった例も)を具体的に例示したいと思います。


 前回記事では、ドイツの動物保護法と日本の動物愛護管理法の動物虐待に対する処罰規定の比較を行いました。要約すれば次のとおりになります。
1、法が適用される動物の範囲(ドイツでは人の占有下になければ適用されない。人の占有下にない犬猫を射殺しても、法的責任は問われない)。
2、判決の比較では、むしろ日本の方が厳格である。
3、他の法律、例えば刑法の器物損壊罪、を適用すれば最高刑が懲役3年となり、ドイツの動物保護法と刑罰の重さでは遜色がない。


 上記のうち、「2、判決の比較では、むしろ日本の方が厳格である」例をあげます。Hund aus dem vierten Stock geworfen – Todesstrafe? 「犬の虐待に対する人々の怒り」。2014年8月2日記事、から引用します。
 本事件では、30歳の男が4階マンションの居室からジャーマンシェパード犬を投げ落とし、殺害しました。この男に対する処罰は1,000ユーロ(12万円。1ユーロ=120円)の罰金のみでした。本記事は、この事件に対する、一部の過激な動物愛護家や愛犬家に対する「処罰が寛大すぎる」と言う意見に対する批判です。


Da wirft ein Mann eine Hündin aus dem 4. Stock – und muss 1000 Euro Strafe bezahlen (wogegen der Typ auch noch Einspruch einlegt).
„Für Betreiber von Hühnerfarmen vielleicht die Todesstrafe?“ Ich ahnte noch nicht, was folgen würde.
Wie weit geht die Vermenschlichung von Haustieren eigentlich mittlerweile, wenn man deren Tötung auch rechtlich auf eine Stufe mit der Tötung von Menschen stellen will?
Hund bleibt Hund, Mensch bleibt Mensch.
Es ist überhaupt nichts dagegen zu sagen, wenn jemand die aktuellen Tierschutzvorschriften für unzulänglich hält.
Gerade im Hinblick auf die Massentierhaltung und teilweise wirklich grausame industrielle Tötungsmethoden, bei denen manches Schwein nicht mal tot ist, bevor es weiterverarbeitet wird, gäbe es da erheblichen Verbesserungsbedarf.

男は4階から雌犬を投げ落として殺害したためにー1,000ユーロの罰金が言い渡されています(一方ではその処罰に対して異議申し立てがなされていますが)。
「養鶏場の経営者はニワトリを合法的に殺害することができる」、私はその意見に同意できるかどうか全く分かりませんでした。
ペットの人間化、つまりペットの殺害を人の殺害と同等の法的な扱いを行えという要求は現在、現実にはどれだけ乖離していますか?
犬は犬のまま、人は人です。
それに対して何も言うことはありません。
動物保護上不適切な行為をする人がいるために、現在の動物保護法が存在することに対しては、何もいうことはありません。
特に集約的畜産といくつかの本当に残酷な産業動物の殺害方法の観点からすれば、食肉処理される前の多くの豚は絶命しておらず(ドイツ動物保護法では屠畜される動物の苦痛を軽減するために、「屠畜の際は放血の前に意識を喪失させていなければならない」との規定があります)、それも動物保護法上の多くの改善すべき範疇に含まれるでしょう。



 ドイツにも、「犬(もしくは猫を含める)は、動物の中でも特別な存在である。だからそれらに対する虐待は人に対する行為と同等に処罰すべきだ」と主張している過激な犬(もしくは猫を含める)愛護団体や愛犬(猫)家が少なからず存在しています。この記事は、そのような愛護団体などの意見を批判しています。
 「犬はあくまでも犬であり、人とは異なる。だから犬虐待に対する処罰は人と乖離して当然」、「このような犬虐待事件に対して重罰を科すのならば、鶏や豚などの産業動物の扱いについても、動物保護法上の問題があり、改善しなければならない」との主張です。つまり動物虐待事件の処罰について、「人への加害と同等に犯人を処罰すべきだ」という意見を否定しているのです。ひいては、犬を4階から投げ落として殺害した犯人に対しての処罰が罰金1,000ユーロであることに対して、婉曲に妥当との見解を示しているとも言えます。

 正直、私がこの事件のニュースを読んだ時は、罰金額を一桁間違えたと思いました。しかしドイツでは、動物虐待の処罰は、それほど厳しいとは思えません。
 例えば「飼い犬をチェーンカラーで木に首吊り状態にして森に遺棄した」ケースでは、犯人の夫婦に対しての処罰は、それぞれが罰金600ユーロ(7万2,000円)、800ユーロ(9万6,000円)でした(Hund im Wald ausgesetzt - Tierhalter zu 800 Euro Geldstrafe verurteilt 「森の中に捨てられた犬ー800ユーロの罰金を言い渡された飼い主」。2016年2月17日)。

 さらにドイツでは、人の占有下になければ、犬猫は狩猟対象です。対して日本の動物愛護管理法が40条2項で定める「愛護動物」であれば、人が所有していない状態であっても、所有者がなくても保護の対象です。その点(先に述べた「1、法が適用される動物の範囲(ドイツでは人の占有下になければ適用されない。人の占有下にない犬猫を射殺しても、法的責任は問われない)で、ドイツの動物保護法と日本の動物愛護管理法は決定的に異なります。人が占有管理していない、さらには所有者のない動物にまで保護が及ぶ日本の動物愛護管理法の方が、むしろ厳格だと言えるのです。
 例えば、飼い主からわずか3mしか離れていない状態のラブラドール犬を射殺したハンターは、その犬にリードをしていなかったために(飼い主が犬を占有管理していなかったと司法は判断したため)、法的責任は問われませんでした。また首輪をして、明らかに飼い犬と判別できる犬(リードをせずに飼い主から離れていたため)を射殺したハンターは無罪になりました。ハンターは、首輪に飼い主の電話番号が明記されていたにもかかわらず、森に埋めて遺棄しました。次回は、その点について論じます(続く)。


(画像)

 記事、Hund aus dem vierten Stock geworfen – Todesstrafe? 「犬の虐待に対する人々の怒り」。2014年8月2日記事から。なおビデオはこちらにあります。Grausame TierquälereiMann wirft Schäferhundaus dem 4. Stock

4階 犬を投げ落とす
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熊本殺処分再開

全国に殺処分ゼロの欺瞞を振りまいてきた
本家熊本が去年の12月から犬の殺処分を開始し
猫の殺処分は外注していたことがわかりました。

外注したら殺処分ゼロなんておかしいですね。

神奈川県の黒岩知事方式みたいです。

Re: 熊本殺処分再開

猫糞被害者@名古屋 様、コメントありがとうございます。

> 全国に殺処分ゼロの欺瞞を振りまいてきた
> 本家熊本が去年の12月から犬の殺処分を開始し
> 猫の殺処分は外注していたことがわかりました。

別に驚きませんよ。
予想していたことでした。

イギリスも似たようなものです。
公的施設は1週間後に、民間施設に収容した犬を移譲します。
1週間のあいだに殺処分される犬は、よほど傷病がひどいとか、凶暴で咬傷事故を起こした犬に限られます。
この数は、1単位の正確な統計値が出されています。
また、公的施設に収容される犬は、迷い犬もしくは野良犬だけです。
飼い主持ち込みや猫は一切受け付けません。
ですから公的施設での殺処分数は少ないです。
民間施設に移譲後に「本格的に」拳銃などで殺処分が行われます。
民間施設での殺処分は、公的施設の数十倍との推計値があります。
しかし民間施設の殺処分は、正確な統計はありません。
それと同じですね。

ところで、そのイギリスの公的施設による殺処分の数値を引用して、「イギリスは日本と比較して殺処分が大変少ない」とする人が大変多いです。
無知蒙昧なメディアや愛誤団体ならともかく、大学の研究でもこの数値を用いています。
イギリスでの殺処分と日本の殺処分を比較するのならば、実数で比較しなければ意味がないでしょう。
大学の研究者ですらこの有様ですからね。
いかに日本の動物愛護の知的レベルが低いかの証明です。
なお、大学の研究論文ですら、法律名を誤訳しています。
Tierschutz-Hundeverordnungを「犬保護条例」としています。
これは、Tierschutzgesetz「動物保護法(連邦法)」に付随した、規則です。
例えて言えば、狂犬病予防法に付随した、狂犬病予防規則との関係と同じです。
で、ドイツ連邦共和国全土に効力が及ぶ条例ってなんだ???
それほど日本では「動物アイゴ~アイゴ~」と喚いているやからは、無知蒙昧バカが多いとうことです。
それが日本の動物愛護のレベルです。
まさに動物愛護後進国。

省令規則(Tierschutz-Hundeverordnung)を「条例」と約した大学研究者の例。
全体でも、ひどい内容ですが。
http://www.shitennoji.ac.jp/ibu/docs/toshokan/kiyou/54/kiyo54-31.pdf#search=%27%E7%8A%AC%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E6%9D%A1%E4%BE%8B+%E5%9B%9B%E5%A4%A9%E7%8E%8B%E5%AF%BA%27
もう、豆腐の角に頭をぶつけて氏ね、と言いたい。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: もやもやします

鍵コメ様、コメントありがとうございます。


非公開ですが、とても良いコメントだと思いましたので、失礼ながらかなりの部分で公開とさせていただきました。
ご都合が悪ければ非公開にします。


> 先日、2月20日放映「好きか嫌いかいう時間」で
> 猫愛護の活動家と愛護派の女性議員(都議?国会議員?すみません、失念しました)と愛護派の弁護士が、
> 犬猫愛護を語っていました。

あとで調べてみます。
塩村文夏都議でしょうか?


> ドイツでは殺処分0として保護施設を映していましたが、飼い主のいない犬猫は射殺してよいという都合の悪い事実にはいっさい触れていませんでした。

保護施設(ティアハイム)では、平均で3割程度の犬を殺処分しています。
ティアハイムは、行政から受託した動物の扱いについては公開義務があります。
検索すれば、普通に3割以上の殺処分のティアハイムの年次報告書がいくらでも見つかります。
さらにドイツは、行政が行う公的殺処分も普通にあります。
日本と異なり、咬傷犬は行政が強制的に殺処分する法的権限があります。
自治体比較では、人口比で日本より公的殺処分が多い州もあります。


> また、殺処分される猫のほとんとが野良子猫で、主な原因は無責任な野良猫への餌やりで野良子猫が増えたせいだという話はいっさいなしで、パピーミルの話を持ち出して、まるでペットショップと関連があるかのような流れでした。

これは偏向ですね。
仮にペットショップを全廃しても、殺処分の減少効果はそれほどないでしょう。


> 純血種は人間の英知をかけた守るべき文化だと思うので、雑種マンセーみたいな言い方が気分が悪いです。

飼育動物の品種は、人知をかけて長年にわたり固定化したものです。
優れた形質を固定化したとも言えます。
また、文化という側面もあるでしょう。
なお、私はイギリスは最も純血種志向が強い国だと思います。
ドイツもドッグショーが盛んです。


> パピーミルは良くないですが、家の中で家族と一緒に生活させ、出産も2年に3回以下にして、ショーに出陳しているような真面目なブリーダーさんから純血種を買うのはなにも問題がないと思います。

同感です。
私は犬猫を飼うとすれば、むしろその方が良いと思います。
高価であれば買う前によく考えますし、安易に捨てません。


> 雑種が丈夫で良いと主張する方もおられますが、かえってへんな病気があることもありますし、ペット用に品種改良された品種のほうが気質的に飼いやすいし、見た目の好みもありますからね。

それも同感です。
野良、特に猫はウイルス性白血病やFIVのキャリアが多いです。


> 千葉県の愛宕山自然動物園のニホンザルが外来種と交雑してしまったので、交雑種を駆除した記事が載っていました。
> お気の毒ではありますが、日本固有種保存のために止むを得ない処置だと思います。
> が、姿形が人間に近いサルの殺処分はあまり文句を言う人もいないのに、どうして犬猫はあんなにヒステリックになるのだろう?

日本は、犬猫に限って殺すことに異常なほど罪悪感が有る、国際的にみても特異な国です。


> 野良猫だって天然記念物に危害を加えたりして環境破壊をしているのに…

大変深刻な問題です。
アマミノクロウサギやヤンバルクイナの問題でも「猫だけは絶対殺すな」という方がおられます。


> 小池都知事も殺処分ゼロと言っていますが、譲渡会のPRをするだけなんでしょうか?

動物愛護教育を推進するとおっしゃっていますね。
それが根本ですが、効果が出るまでに時間はかかるでしょう。


> 猫を飼う人だって好みがあるわけで雑種を飼え飼え言われても嫌な人はお金をもらっても嫌ですよね。
> 無責任な人たちのしりぬぐいのために税金を使って保護活動も良いですが、その前に無責任な餌やりを禁止してほしいものですね。

同感です。


> これからも真実をひとりでも多くの方に知ってもらえるようにがんばってください。

応援ありがとうございます。
プロフィール

さんかくたまご

Author:さんかくたまご
当ブログのレコード
・1日の最高トータルアクセス数 8,163
・1日の最高純アクセス数 4,956
・カテゴリー(猫)別最高順位7,928ブログ中5位
・カテゴリー(ペット)別最高順位39,916ブログ中8位

1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
しかし私が管理人であるサイトは、このページのフリーエリアにあるリンクだけです。
その他のものは、例えば本ブログ管理人が管理人と誤認させるものであっても、私が管理しているサイトではありません。
よろしくお願いします。

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