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懲りない赤恥大嘘番組「ワンだランド」。「スイスは殺処分ゼロ」の大嘘~殺処分を行っているスイスのティアハイム



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(Zusammenfassung)
Tierschutzstatistik 2015


 ABC朝日放送のTV番組、「ペットの王国 ワンだランド」が報じる海外動物愛護情報が、ほぼすべてが嘘、誤り、偏向です。昨年12月に「スイス特集」として3回放送されました。既に第1回放送の、「世界一のペット先進国スイスへ スイス流 秘 しつけ」で報じられた、「スイスでは犬はノーリード(これは和製英語で通じませんが)でも良い」が荒唐無稽の大嘘であることは書きました。今回記事以降では、第2回放送で報じられた「1、スイスは殺処分ゼロ」、「2、スイスのブリーダーは大変難しい国家資格がいる」、「3、スイスで犬を入手する人はティアハイムからがほとんど」などが全くの嘘、誤り、偏向であることを書きます。今回は、1、に関して、「スイスのティアハイムでは殺処分が行われている」ことを書きます。


 本記事では、ABC朝日放送「ペットの王国 ワンだランド」スイス特集の第2回放送についての、嘘、誤り、偏向を指摘します。まず本放送で報じられた、「スイスは殺処分ゼロである」ことが大嘘であることを述べます。まず前提として、スイスでは、以下について犬猫の殺処分を法律で定めています。「1、」については前回記事で述べました。
1、禁止犬種や咬傷犬は行政が押収して強制的に殺処分する権限がある(一定数の殺処分数があります)。
2、*1、逃走した、または飼い主不明の浮遊犬などは、行政が射殺する権限が有り、一定数あります。
3、スイスに犬猫などを輸入する際に、検疫の不備があれば犬猫などは押収されて強制的に殺処分されます。

 以上は、行政が直接行う「殺処分」です。さらにスイスでは、民間においても、事実上の殺処分がかなりの数で行われています。4、ティアハイムで一定数の殺処分が行われています。
5、*2、猫に関しては、スイス連邦狩猟法で狩猟対象であり、民間人により射殺などされて駆除される猫の数は約10万匹と推定されています(その数は日本の猫の公的殺処分数の約23倍です)。また徘徊犬(飼い犬)や野犬は行政職員が射殺します。
 今回は、「4、ティアハイムでは、一定数の殺処分が行われています」について述べます。


 スイスのティアハイムでは、かなりの数の殺処分が行われています。ABC朝日放送「ペットの王国 わんだランド スイス特集第2回」では、「スイスでは殺処分がゼロである。なぜならばティアハイムという殺処分を行わない保護施設が有り、飼えなくなった犬猫などのペットを引取り、再譲渡としているからである。スイスでは、犬などのペットの入手はほとんどがティアハイムからである」は、すべてが真っ赤な嘘です。
 スイスには行政が行う公的殺処分がありますし、徘徊犬は飼い主があることが分かっていても行政により射殺されることがあります。ティアハイム自身もかなりの数の殺処分を行っています。また、スイスにおけるティアハイムから犬を入手した割合はわずか4%未満です。この比率は、東京都の保健所+保護施設による譲渡割合の半分よりはるかに少ないのです。

 ティアハイムに関しては、詳細な統計資料が公表されています。スイス全土のティアハイムにおける動物種別の引受数、譲渡数、安楽死(殺処分数)などが、1単位での統計があります。
 SCHWEIZER TIERSCHUTZ STS 「スイス 動物保護団体」による2015年の、スイスのティアハイムの統計資料、Tierschutzstatistik 2015 「スイス 動物保護に関する統計 2015年」から引用します。


Schweizer Tierschutz STS aus der gesamten Schweiz sowie aus dem Fürstentum Liechtenstein.
aufgenommene Tiere
davon Hunde   2015 2628 (vermittelt 1444   zurück an Besitzer 761)
davon Katzen 2015 11145 (vermittelt 7789   zurück an Besitzer 984)
Tiere euthansiert/gestorben   2015   1382   

Schweizer Tierschutz STS 「スイス動物保護団体」による、スイスとリヒテンシュタイン公国の統計(*この統計値、リヒテンシュタイン公国の数値を含む。つまりスイスのみの数値はこれよりも低い)。
引受動物の総数
犬   2015年     2628頭 (うち一般譲渡 1444   飼い主返還 761)
猫   2105年    11145匹(うち一般譲渡 7789   飼い主返還 984)
安楽死(殺処分)および施設内死亡   2015年   1382



 この、スイスのティアハイムにおける安楽死(殺処分)数と施設内死(日本の殺処分統計においては、多くの自治体で施設内死を殺処分数に含めます)が多いか少ないかは、読者様のご判断に委ねます。そもそもスイスにおいては、ティアハイムにおける犬猫の引受数が絶対的に少ないので。日本はスイスの人口の16倍ですので、スイスのティアハイムにおける殺処分数1382頭は、人口比で日本には22,122頭に相当します。スイスではティアハイム以外にも行政による強制殺処分、行政による徘徊犬の射殺、民間人ハンターによる猫の狩猟駆除など多くの殺処分があります。
 しかし明らかに言えることは、「ペットの王国 わんだランド」が報じている、「スイスのティアハイムでは殺処分が行われていない」が嘘であるということです。

 さらに、スイスのティアハイムでは、ティアハイムの判断での殺処分のみならず、行政命令による殺処分も行われます。このような事件があります。ティアハイムの敷地内に、夜間何者かが2頭の子犬を投げ入れて遺棄しました。行政は、「その犬の素性がわからない。狂犬病の可能性があるため、その犬を殺処分せよ」と命じました。
 スイスの場合は、狂犬病に感染している疑いが少しでもあれば、その犬を殺処分することを命じる場合があります。例えば「捨て犬で素性がわからない」という理由でもです。日本のように、一定期間隔離し、経過観察を行うとうことはしません。スイスのマスメディアの記事、Ausgesetzte Welpen wurden eingeschläfert「見捨てられた仔犬は安楽死させられました」。2015年9月4日、より引用します。


Schock für das Winterthurer Tierheim Rosenberg, wo zwei Hunde über den Zaun geworfen worden sind: Das Veterinäramt liess sie wegen Tollwutgefahr einschläfern.
«Diese Entscheidung ist uns überhaupt nicht leicht gefallen – aber es gab leider keine andere Möglichkeit.»
Die die Hunde, die am letzten Wochenende vermutlich über den Zaun des Tierheimes geworfen sind,eindeutig identifizierte.
«Die Tiere tragen das Virus in sich, es geht aber bis zu 120 Tage, bis die Krankheit ausbricht.»
Trotzdem könnten sie in der Zeit vor dem Ausbruch Menschen und andere Tiere damit anstecken.
Die Welpen so lange zu isolieren, ist für die Junghunde zu belastend.
Die Stadtpolizei Winterthur wollte sich noch nicht zur Täterschaft äussern, die die Hunde am letzten Mittwoch über den Zaun des Tierheimes geworfen hatte.
Die Ermittlungen seien am Laufen.
Im vergangenen Jahr registrierte das Zürcher Veterinäramt pro Woche einen illegalen Import.
Gut ein Drittel der Tiere, meist Hunde oder Katzen, musste eingeschläfert werden.


2頭の犬がフェンス越しに投げ捨てられたヴィンタートゥールのティアハイム・ローゼンバーグでの衝撃。
(行政)獣医師は、その犬は狂犬病の危険があるので安楽死することにしました。
 「この決定は、ティアハイムの全員にとって受け入れがたいことですがー他に方法はありませんでした」。
先週末に、ティアハイムにこの犬はフェンス越しに投げ捨てられたことが明らかにされています。
「この犬が狂犬病に感染していたとしたら、症状が出るまでには最長120日もかかります」。
発症前にもかかわらず(もし狂犬病に感染していたら)、その犬たちは、人や他の動物に潜伏期間中に狂犬病を感染させることが可能だからです。
長期間の仔犬の隔離、それは幼齢の犬にとってはあまりにも負担が大きいです。
ヴィンタートゥール市警察は、誰がティアハイムのフェンス越しに、先週の水曜日に犬を投げ捨てた犯人についてはコメントは差し控えました。
捜査は行っていました。
昨年、チューリッヒ獣医局は、毎週動物の違法な輸入を記録しました。
それらの動物のうちの3分の1以上の、主に犬や猫は安楽死させなければなりませんでした。



(画像)

 リンクのスイスのメディアの記事の画像から。ティアハイムの敷地に投げ捨てられて、最終的に安楽死処分された2頭の仔犬。

スイス ティアハイム 犬 安楽死


(動画)

 ABC朝日放送「ワンだランド」スイス特集~第2回。ペットの王国 ワンだランド スイスが殺処分ゼロを実現できた秘密、ティアハイムへ 2016年12月18日 。スイスの犬猫の引受数は極めて少ないです。その規模からして、余剰ペットをもれなく吸収出来るとは思えません。また殺処分も行っていますし、犬の入手シェアに占めるティアハイムの譲渡は、統計上無視できるほどごくわずか(4%未満。東京都の保健所+保護施設の譲渡の割合の半数にも満たない)です。まさに本番組は、狂った嘘番組。


(動画)

 ABC朝日放送「ワンだランド」スイス特集~第3回。【海外の反応】日本のペット生体販売&殺処分に世界がドン引き・・・。2016/12/25 に公開。スイスでは、日本では全面的に禁止されているインターネットなどによる犬などの生体販売が極めて盛んに行われて、それがメジャーな犬の販売方法です。また、日本より、スイスの方が犬猫の殺処分に関しては厳格におこなっています。まさに本番組は狂気の嘘番組。




(関連記事)

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(註)

*1、「スイスでは逃走した、または飼い主不明の浮遊犬などは、行政が射殺する権限が有り、一定数あります」については、こちらの記事で取り上げています。

懲りない赤恥大嘘番組「ワンだランド」スイス編~スイスではリードから犬を放して遁走させた場合は、警察官などにより射殺されます

*2、「猫に関しては、スイス連邦狩猟法で狩猟対象であり、民間人により射殺などされて駆除される猫の数は約10万匹と推定されています(その数は日本の猫の公的殺処分数の約23倍です)」については、こちらで記事にしています。

スイスは日本の約23倍の数の猫を殺処分している!(スイスの狩猟駆除数は年間10万匹で、人口比で日本の公的殺処分の約23倍)
「スイスでは殺処分ゼロ」と言う、痛すぎる赤恥大嘘ブログ 猫編ー1


(資料)

 なお、スイスの犬猫の殺処分制度に関しては、過去にこのような記事を書いています。併せてお読みくださればありがたく存じます。

「スイスでは殺処分ゼロ」と言う、痛すぎる赤恥大嘘ブログー1
「スイスでは殺処分ゼロ」と言う、痛すぎる赤恥大嘘ブログー2
「スイスでは殺処分ゼロ」と言う、痛すぎる赤恥大嘘ブログー3
「スイスでは殺処分ゼロ」と言う、痛すぎる赤恥大嘘ブログー4
「スイスでは殺処分ゼロ」と言う、痛すぎる赤恥大嘘ブログ 猫編ー1
「スイスでは殺処分ゼロ」と言う、痛すぎる赤恥大嘘ブログ 猫編ー2
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「わんだランド」に抗議しました

「ワンだランド」苦情申し入れ先
https://cipher.asahi.co.jp/pet_comment/


本番組の2016年12月18日「スイス特集」の内容であるが、スイスに関する情報はほぼ全てが嘘誤りである。
「スイスでは飼えなくなった犬猫などは殺処分をしない動物保護施設、ティアハイムが引き取る。だから殺処分ゼロを実現している」と報道している。
しかし1単位まで正確に示したティアハイムの収容動物数やその殺処分などの内訳の統計資料がある。
それにはティアハイムの殺処分数が示されている。(http://www.tierschutz.com/media/tierschutzstatistik/pdf/01_statistik2015_gesamt.pdf)。
もちろん傷病や攻撃性的な犬などは殺処分されるが、健康上問題のない、咬傷事故も起こしていない子犬も殺処分されている。(http://www.20min.ch/schweiz/zuerich/story/Ausgesetzte-Welpen-wurden-eingeschlaefert-27399031)。
本番組の嘘の羅列はあまりのひどい。番組制作者は恥を知らないのか。反省せよ。http://eggmeg.blog.fc2.com/blog-entry-858.html

記事とは関係ないのですが、この記事を読んで悩みました。
http://www.news-clicker.com/archives/9328497.html
これってハンターのせいじゃなくて飼い主が繋いだりクレートに入れないまま目を離したのが一番悪いんじゃと。
ハンターは離れていた犬を射殺しただけ。

なんで飼い主の責任は問われないんでしょうね。

Re: タイトルなし

昇汞 様、コメントありがとうございます。

> 記事とは関係ないのですが、この記事を読んで悩みました。

この記事でもって「日本では動物虐待の罪で実刑になることはない。海外と比べて甘い」と盛り上がっているSNSなどがあります。
アメリカは連邦国家の中でも、州の独立性が高い州です。
州によっては、犬猫の狩猟そのものを禁じているところ、野生化したものであれば違法なところ、私有地内で家畜など非被害を及ぼすなどがあれば飼い犬野犬問わず射殺して良いところなどあります。
多分、ハンターは、犬の射殺に対して積極的に認める州から来たために知らなかったのではないかと推測します。


> ハンターは離れていた犬を射殺しただけ。
> なんで飼い主の責任は問われないんでしょうね。

飼い主も過失がありますね。
ところで、咬傷犬の強制殺処分でも、アメリカの方がドイツより概して寛容です。
多くの条例で「2回ルール」を採用していますから。
一回目は相当重大な咬傷事故を起こしても殺処分しない。
2回目には殺処分するというルールです。
ドイツは「行動が危険と思われる」だけでも押収~殺処分する権限が行政にありますから。
なぜドイツが「動物虐待の罪が重い」「犬に優しい」と日本で言われているのかわかりません。
蛇足ですが、カリフォルニア州には、一定の上演を満たした犬にリードをしなくて良い自治体がいくつかあります。
しかし日本では「ドイツではリードをしなくて良い」と喧伝されてます。
ドイツは全土でリード義務ですし、罰則も厳しいです。
日本で拡散されている情報は全く理解できません。
プロフィール

さんかくたまご

Author:さんかくたまご
当ブログのレコード
・1日の最高トータルアクセス数 8,163
・1日の最高純アクセス数 4,956
・カテゴリー(猫)別最高順位7,928ブログ中5位
・カテゴリー(ペット)別最高順位39,916ブログ中8位

1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
しかし私が管理人であるサイトは、このページのフリーエリアにあるリンクだけです。
その他のものは、例えば本ブログ管理人が管理人と誤認させるものであっても、私が管理しているサイトではありません。
よろしくお願いします。

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