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動物虐待に対する刑罰は、ドイツは日本より厳しいのか~ドイツ、動物保護法と日本の動物愛護管理法の比較



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(Zusammenfassung)
Grausame TierquälereiMann wirft Schäferhundaus dem 4. Stock
Da wirft ein Mann eine Hündin aus dem 4. Stock – und muss 1000 Euro Strafe bezahlen .
Der gegen ein viel zu mildes Urteil nur deshalb Einspruch erhoben hat, weil er 1000 Euro(?).


 「ドイツでは動物はモノではない。だから命あるものとして虐待に対する刑罰は、動物をモノ扱いしている日本よりはるかに厳しい」という情報が日本に定着しています。しかしドイツ連邦動物保護法(Tierschutzgesetz)の動物の虐待に対する規定は、日本の動物の愛護に関する法律(以下、「動物愛護管理法」と記述します)と比較して、特段厳しいとは思えません。それと決定的な違いは、ドイツ連邦動物保護法は、現に人に占有管理されている状態の動物にしか法律の効力が及ばないことです。日本の動物愛護管理法は、無管理状態であっても、法律で規定する「愛護動物」であれば保護の対象です。ある面では、日本の動物愛護管理法の方が、ドイツ連邦動物保護法より厳しいと言えます。


 ドイツにおける動物虐待の罪が日本よりはるかに重いという「神話」は、インターネット上で非常に多く散見されます。いくつかを例示します。


・わんちゃんホンポ ドイツで犬の殺処分「0」な理由(1ページ目)

*1、スーパーやレストラン、デパート、公共の乗り物の中にいたるまで、ありとあらゆるところで犬と一緒にでかけている人を見かけることができます。
法律とは、まず「動物保護法」「*2、犬の保護条例」それに攻撃的な犬を飼う場合には「*3、攻撃及び危険性の高い犬に関する条例」に記載されている条件を満たしていなければ犬を飼うことができません。
*4、1歳未満の犬を首輪やリードをつないで飼うことも禁止です。
*5、首輪やリードにつないで飼われていることは少ない。
*6、飼っている犬を放置すると「動物保護法」により罰金が科せられ、その上に虐待を加えていた場合には罰金だけでなく禁固刑も科せられるというのですから、日本と比べると細かくて厳しいことがわかります。


このサイトの記事は、ほぼ全てが嘘、誤り、偏向ですが、引用したページだけでも突っ込みどころ満載です(というかツッコミどころしかない)。
*1、ドイツでは、食品スーパーでは犬の入店はできません。デパートでも繊維製品をおいている売り場はほぼ入店お断りです。レストランでも、犬の入店を断るところは多いです。
*2、「犬の保護条例」は、Tierschutz-hundeverordnung を指していると思われますが、これはドイツ連邦省令規則です。ドイツ連邦全土に効力が及ぶ条例ってありますか(笑い)。
*3、「攻撃及び危険性の高い犬に関する条例」は、Gesetz zur Beschränkung des Verbringens oder der Einfuhr gefährlicher Hunde in das Inland (Hundeverbringungs- und -einfuhrbeschränkungsgesetz - HundVerbrEinfG) を指していると思いますが、これはドイツ連邦法です。ドイツ連邦全土に効力が及ぶ条例ってありますか(笑い)。
*4、犬の年齢にかかわらず、ドイツ各州では州法などにより、リード(リーシュ)と首輪の装着を定めています。また飼い主明示を義務付けており、生後6ヶ月以上は犬税登録票の装着も義務付けています。首輪なしでどうやって犬税登録票を装着するのですかね?
*6、ドイツで飼育動物種を虐待した場合は、刑罰の上限は懲役3年までを定めていますが、ほとんどが罰金刑で済みます。私は常にドイツの動物愛護関係のニュースを見てますが、未だかつて動物虐待で実刑になった判例は見ておりません(ティアハイムを含む大規模事業者や極めて大量劣悪飼育のアニマルホーダーでは、執行猶予付き懲役刑の判決はあります。一般飼い主では確認しておりません)。日本の動物愛護管理法でも愛護動物の虐待は懲役2年です。


 このような例もあります。川に猫を沈め殺した犯人に厳罰を!Urging a severe punishment of a man who killed a cat by drowning。2014年に起きた、川に猫を水没させた事件に関して、犯人の厳罰を求める署名サイトに寄せられたコメント。

堂園美智代 「日本の動物虐待に対する罰は、やはり軽いと思います」。
jyunko minegisi 「ドイツのように実刑にすべきです!!」。
nagawa noami 「日本は刑が軽すぎます」。
節子 庄川 「ドイツのように人間も動物も罪の重さを同罪にするべきです!!」。(このコメントを投稿した人は頭は大丈夫?)


 では、具体的に両国の動物虐待に対する罰則規定を比較します。

1、ドイツ

Tierschutzgesetz
Elfter AbschnittStraf- und Bußgeldvorschriften
17§
Mit Freiheitsstrafe bis zu drei Jahren oder mit Geldstrafe wird bestraft, wer
1 ein Wirbeltier ohne vernünftigen Grund tötet oder
2 einem Wirbeltier
a)aus Rohheit erhebliche Schmerzen oder Leiden oder
b)länger anhaltende oder sich wiederholende erhebliche Schmerzen oder Leiden zufügt.
18§
(4)
Die Ordnungswidrigkeit kann in den Fällen des Absatzes 1 Nummer 1 und 3 Buchstabe a, Nummer 4 bis 8, 11, 12, 17, 20, 20a, 22 und 25, des Absatzes 2 sowie des Absatzes 3 Nummer 1 Buchstabe a und Nummer 2 Buchstabe a mit einer Geldbuße bis zu fünfundzwanzigtausend Euro.

第11章 罰則と罰金のルール
17条
次の犯罪においては、何人においても最長3年の懲役、もしくは罰金が科されます。
1 合理的な理由なく、脊椎動物(哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類)を殺すこと、または、
2 長期にわたり、または反復して相当野の痛みや苦しみを負わせること。
18条
(4) 犯罪となりうるのは、1項及び2項におけるa、4項から8、11、 12、 17、 20、 20a、 22 そして25項、第2項及び第3項の1a及び2aは、最高で25,000ユーロ(1円=120円。300万円)の罰金になります。


2、日本

動物の愛護及び管理に関する法律
第六章 罰則

第四十四条  愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。
2  愛護動物に対し、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、又はその健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行つた者は、百万円以下の罰金に処する。
3  愛護動物を遺棄した者は、百万円以下の罰金に処する。
4  前三項において「愛護動物」とは、次の各号に掲げる動物をいう。
一  牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる
二  前号に掲げるものを除くほか、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの


 単純に比較すれば、一見ドイツの動物保護法(Tierschutzgesetz)の方が、罰則規定が厳しいように思えます。しかし私は、条文のみを比較して「ドイツの方が日本よりはるかに厳しい」とは言えないと思います。それは次の理由によります。それらについては、次回以降の記事で、順次述べていきます。
1、法が適用される動物の範囲(ドイツでは人の占有下になければ適用されない。人の占有下にない犬などを射殺しても、法的責任は問われない)。
2、判決の比較では、むしろ日本の方が厳格である。
3、他の法律、例えば刑法の器物損壊罪、を適用すれば最高刑が懲役3年となり、ドイツの動物保護法と刑罰の重さでは遜色がない。


 では、具体的にドイツにおける動物虐待事件と、処罰の具体例をあげます。4階のマンション居室から、ジャーマンシェパード犬を投げ落として殺害した事件では、犯人の処罰は、わずか1,000ユーロ(12万円)の罰金のみでした。
 Hund aus dem vierten Stock geworfen – Todesstrafe? 「犬の虐待に対する人々の怒り」。2014年8月2日記事。以下がその画像です。ビデオはこちらの記事に掲載されています。Grausame TierquälereiMann wirft Schäferhundaus dem 4. Stock


(画像)

4階 犬を投げ落とす


 上記の、「犬を4階から投げ落として殺害した犯人の処罰はわずか1,000ユーロ(12万円)だった」事件の他でも、ドイツにおける動物虐待事件での処罰は例えば、「犬を森の木にチェーンカラーで首吊り状態にして遺棄した事件では、犯人の処罰は600ユーロ(7万2,000円)でした。
 また人の占有下になければ犬猫は野生化した状態とみなされ、ドイツ連邦狩猟法により狩猟対象となります。リードをしていなかったラブラドール犬を、飼い主からわずか3mという至近距離で射殺したハンターは、一切刑事責任は問われませんでした。また、放し飼いの飼い猫を飼い猫と知りつつ射殺したハンターも、一切法的責任が不問とされています(2015年以降のノルトライン=ヴェストファーレン州を除く)。次回はこれらの事件について翻訳し紹介します(続く)。
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1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
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