奄美群島は野生生物保護のために猫のTNRを廃止し、早急に捕獲排除へ方針転換せよ~希少生物保護を目的とした猫TNRは、1990年代に既に大失敗していた
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(Summary)
Domestic problems of stray cats.
Teuri Island of Hokkaido is a breeding ground for a very important seabird ,in japan.
Birds of endangered species are prey to stray cats.
TNR is to reduce the stray cat that had no effect at all(in the 1990s).
記事、
・奄美群島は野生生物保護のために猫のTNRを廃止し、早急に捕獲排除へ方針転換せよ
・奄美群島は野生生物保護のために猫のTNRを廃止し、早急に捕獲排除へ方針転換せよ~緊急性を要する野生生物保護のために、効果が完全に否定された手法を採用するという狂気
の続きです。日本ではかつて環境省が島嶼で行った、ノネコの食害から希少な野鳥を保護するためにTNRを行いました。しかしその試みは完全に失敗し、ノネコの捕獲~島外排除に方針転換しました。この事例が、私が徳之島でのTNRに反対する理由の一つです。
北海道には、天売島という希少な野鳥の繁殖地があります。ウィキペディア天売島。天売島は希少な海鳥類の大変重要な繁殖地です。特に絶滅が危惧されている環境省指定絶滅危惧種のウミガラス = オロロンチョウの、国内唯一の繁殖地です。島の面積の約5分の1が鳥獣保護区です。
しかし天売島は、島外から持ち込んだ飼い猫がノネコ野良猫化し、希少な野鳥を捕食しています。そのために環境省が野鳥保護のために、1990年代に大規模なノネコ野良猫のTNRを行いました。1990年代初頭に約5年かけて、島に生息するノネコの総数に匹敵する200匹の不妊去勢を実施しました。しかしTNRを初めて10年後には、ノネコ野良猫の総数は300匹と、1.5倍にむしろ増加したのです。
ノネコ野良猫は、その後捕獲~島外排除と方針転換されました。幸い希少な野鳥類は、オロロン鳥をはじめ、絶滅をまぬがれました。しかしノネコ野良猫の捕獲~島外排除後も、完全には猫は排除されてはおらず、今でも猫による野鳥の捕食被害は続いており、深刻な状況です。
天売島のTNRの失敗については、私はこのような記事を書いています。
・天売島野良猫考~TNRは1990年代には既に失敗していたー1
・天売島野良猫考~TNRは1990年代には既に失敗していたー2
天売島では、ほぼ島に生息するノネコ野良猫の総数200匹に匹敵する数のTNRを行いました。それにもかかわらずTNRが失敗(猫がむしろ増えた)した理由は、次のように分析されています。
・短期間でずべての猫のTNRを「行わなかったために、TNR未実施の猫による繁殖が、TNRの効果を上回ってしまった。
・どうしても罠で捕獲できない個体が生じた。罠を仕掛けても不妊去勢済みの個体ばかりかかるようになり、不妊去勢の取りこぼし個体を放置することとなり、それらの個体の繁殖力がTNRの効果を上回った。
さて、奄美群島の徳之島のアマミノクロウサギをノネコ野良猫の捕食から保護するためのTNR活動ですが、私はTNRに頼ればノネコ野良猫の減少~ゼロ化は全く期待できず、早晩アマミノクロウサギの絶滅もありうると危惧しています。なぜならば徳之島は、前述、北海道の天売島より、TNRが失敗する要素が多いからです。
第一に、徳之島の猫の絶対数の多さです。徳之島は、野生化した猫が3,000匹生息していると推定されています。天売島の推定200匹よりはるかに多い数です。生息数が多ければ、それだけ捕獲できない絶対数(TNRの取りこぼし)が多くなります。
第二に、徳之島は天売島と比べてはるかに面積が大きいことです。天売島の面積がわずか5.50k㎡であるのに対し、徳之島は247.77k㎡もあります。面積がそれだけ広ければ、猫のすべてを捕獲するのはより困難です。
さらに徳之島の亜熱帯の植生は樹木が密生しており、天売島よりより猫の捕獲が困難であると考えられます。
第三に、気候条件です。天売島は亜寒帯で、熱帯が原産のイエネコ種にとっては冬はかなり生存するには厳しいです。TNRの取りこぼしにより繁殖しても、幼齢個体が冬を越せず死んでしまうこともあるでしょう。それに対して徳之島は亜熱帯気候で、冬の寒さで猫の幼齢個体が死ぬということはないと思います。
以上より奄美群島の徳之島は、北海道の天売島よりもはるかに、TNRで猫を減らすことは困難なのです。天売島で、TNRによる猫を減らす試みが完全に失敗したことを思えば、徳之島で成功することはありえないでしょう。さらに、ノネコ野良猫の状態での猫の寿命は約5年とされています。TNRをしたところで、猫の捕食活動は何ら変わりません。TNRをした個体であっても、アマミノクロウサギをはじめとする野生動物を死ぬまでの数年間は殺傷し続けます。
徳之島でのアマミノクロウサギの絶滅の危機は、既に「数年後にはありうる」状態です。すでに一刻の猶予も許されない状況です。すでに猫を減らす効果が完全に否定されたTNRという手法で、さらに不妊去勢をした個体であってもアマミノクロウサギなどを変わらず殺傷し続けることを鑑みれば、悠長に実証実験をしている猶予はありません。徳之島のアマミノクロウサギを猫の捕食から守るには、即刻猫の捕獲~島外排除か、駆除しかありません。
(画像)
旭山動物園の天売島の猫TNRと野鳥に関するパネル展示。天売島の野良猫の生息数は、当初は100匹程度でした。1990年に島内の野良猫は、環境省推定では約200匹に増加したと推定されています。それを1992年から約5年をかけて、200匹の不妊去勢を行ったのです。しかし20年後の現在では、島内の野良猫生息数は約300匹に増えました。

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