ドイツの犬毒餌事件と日本の猫虐待は同根である
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Domestic/inländisch
私は一連の記事でドイツでは、飼い犬を狙った毒餌が公共の場に仕掛けられる事件が大変多いことを書きました。例えば人口が300万人余りのベルリン州では、2014年の1年間だけで91箇所で毒餌が見つかり、数十頭の犬が殺傷されました。2014年のベルリンの毒餌事件では私が知る限り、犯人は逮捕されていません。最近はさらに状況が悪化したようで、ローカルニュースも含めれば、ドイツとその周辺国での飼い犬を狙った毒餌事件のニュースが毎日のように見つかります。日本では、野良猫やいわゆる地域猫といった屋外の猫の虐待事件がしばしば発生します。ドイツの犬の毒餌事件と日本の猫虐待事件は対象は異なるものの、全く同根です。
(関連記事)
・犬嫌悪者の毒餌攻撃に怯えるドイツの犬の飼い主~ベルリンでは、1年間に91箇所で毒餌が見つかり、多数の犬が殺傷された
・犬嫌悪者の毒餌攻撃に怯えるドイツの犬の飼い主~ドイツにおける多くの犬毒餌事件
・続・犬嫌悪者の毒餌攻撃に怯えるドイツの犬の飼い主~ドイツにおける多くの犬毒餌事件
・ドイツの犬の飼い主を恐怖に陥れた、gegenhund.org 「反犬サイト」の毒餌作成ガイド
・ドイツのgegenhund.org「反犬サイト」の、「犬の毒餌ガイドは合法」と検察庁は決定しました
・ドイツのgegenhund.org「反犬サイト」の、「犬の毒餌ガイドは合法」の根拠
・飼い犬を狙った毒餌事件の多発での、ドイツの犬の飼い主の対抗措置とは
・犬に対する毒餌攻撃に対して、飼い主に厳しい論調のドイツのマスメディア
・「犬の毒餌ガイド」を掲載した、ドイツのgegen.hund.org「反犬サイト」は正義か?
・ドイツ最大手のメディアは、犬の毒殺方法を指南したgegenhund.org「反犬サイト」を、限定的ながら支持しました
・飼い犬を狙った毒餌事件を、ドイツ人はどのように思っているのか?
関連記事で述べた通り、ドイツにおいては飼い犬を狙った毒餌事件が極めて高い頻度で発生しています。犬の飼い主に恐怖を与えていますが、犯人の逮捕はまれなようです(私がインターネット上で検索したところ、最近数年間では、犬の毒餌犯が逮捕されたというニュースは見つかりませんでした)。
一方日本では、野良猫やいわゆる地域猫の類の屋外猫を虐待した事件がしばしば発生します。ドイツでは飼い犬、日本では猫ですが、どちらも同根です。つまり、犬猫というペットの不適正飼育(野良猫への給餌も不適正飼育の範疇に入れます)による、無関係な人に及ぼす被害が深刻化していることが背景にあります。
最近もこのような事件がありました。蹴られた?猫の死骸=練馬の路上、虐待2匹目か―東京[時事]。2015年4月16日(なお、ニュースはすぐに削除される可能性がありますので、「続き」で魚拓を取りました)。
ドイツでは犬、日本では猫が殺傷のターゲットとなっていますが、ドイツではフリーローミング猫は私的駆除が合法であるために、猫の被害が顕在化しないのでしょう。対して犬は、不適正飼育が横行しています。主に、オフリード犬が咬傷事故を起こすことと、公共の場での犬糞放置です。飼い犬は、都市部ではオフリードであっても、合法的に射殺できないことから、犬による被害者が、毒餌を仕掛けているものと思われます。
ドイツでは、全土において犬は市街地であれば、公共の場であればリードを付けることが義務付けられています。しばしば監視員がオフリード犬の飼い主に対して科料(罰金)を徴収してます。また、犬種によっては、口輪の装着がなければ公共の場に出せません。しかし守らない飼い主が多いのです。そのために、ドイツでは犬による咬傷事故数が犬の飼育数比で日本の10倍です。しかも幼い子供や赤ちゃんが犠牲になり、死亡事故も度々起きます。
また犬糞放置は、処理費用や衛生被害で社会問題化しています。ベルリン州では、来年から犬糞回収用バッグを持参していない犬を連れた飼い主に対して、その場で過料を徴収するという州法が来年から施行される予定です。
ドイツでも日本でも、犬猫に危害を与える者に対して、動物愛護家を自称する人たちは一方的に非難します。「ペットを虐待する側が100%悪い」です。しかしその背景に、ペットの不適正飼育による被害を省みることがありません。ペットの殺傷は、ドイツでの人命に対する危険や犬糞の衛生被害、日本での野良猫による糞尿による衛生被害や鳴き声などの環境被害により、受忍限度を超えた被害を受けた側の反撃とも言えるのです。
もちろん犬や猫であっても、残酷な殺傷は可哀想ですしもちろん倫理に反します。また法律にも違反します。しかしそれを盾にし、無関係な人に対して不適正飼育のツケを回して当然、というのが不適正飼育者です。矛先は、不適正飼育者ではなく、動物に向かいます。
ドイツでの犬の毒餌や、日本の猫虐待の根本的な解決は、犯人を責め、検挙して重罰に処すことではありません。ペットを適正飼育して、無関係な人に対して被害を及ぼさないことです。
例えば、ドイツであれば、飼い犬は外に出すときは必ず短いリードにつなぎ、危険な犬種や大型犬は口輪をすれば良いのです(これは法律でも定められています)。そうすれば、犬は毒餌を食べることはできません。また口輪をしていれば、咬傷事故は起きようがありません。さらに、非犬飼育者の迷惑にならないように、犬糞は必ず持ち帰ることです。
日本であれば、猫は必ず室内飼いすることです。そうすれば、公共の場や他人の土地で被害を及ばすことはありえませんし、虐待されることもありません。
しかしドイツにおいても日本においても、不適正飼育者は、犬猫を殺傷した犯人を一方的に責めるだけです。意地でも不適正飼育を強行します。ドイツでは「毒餌を食べないトレーニング」にお金をかけてまで、犬にリードを付けようとしない飼い主がいます。日本でも、猫が被害に遭っているのに外飼いを強行する飼い主が多いです。
これらの犬猫殺傷事件が摘発されることは極めて稀です。日本では比較的警察が捜査を行い、犯人が逮捕されるケースが多いですが、ドイツではほぼ犯人検挙に至っていません。実際問題不適正飼育の強行は、犬猫を苦しめています。私は、むしろ犬猫殺傷の実行犯より、不適正飼育者の方が、動物虐待者と思います。
(参考資料)
ドイツでは、フリーローミング猫は、私的駆除が合法です。ですから猫の放し飼いによる被害は顕在化しにくいです。犬も狩猟区域内では、リードから放せば射殺しても合法です。過去に何度も、飼い主の至近距離でオフリード犬が射殺されましたが、刑事民事とも不問とされました。
・BESITZER KLAGT AN | Ein Jäger hat meine Katze abgeknallt!「飼い主は抗議 ハンターは、私の猫を射殺した」。2014年6月6日。
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ドイツ大手メディアのインターネットニュースです。このメインクーンの飼い主は、1,000ユーロの飼い猫を、近隣の知人から射殺されて憤慨してます。しかしハンターは、刑事上の責任は不問とされました。猫を射殺したハンターは、この猫が飼い猫であり、飼い主も知っていたとされています。
(画像)
上記の記事で、射殺された愛猫メインクーン「レモン」の写真を掲げる飼い主。

東京都練馬区の路上で、何者かに蹴られたとみられる猫の死骸が見つかったことが16日、警視庁練馬署への取材で分かった。同区内では今月、小学校で切断された猫の死骸が発見されており、同署が動物愛護法違反容疑で関連などを調べている。
同署によると、15日午前10時半ごろ、同区光が丘で、家にいた男性が猫の大きな鳴き声を聞いた。表に出ると、路上で飼っていた猫が死んでいた。目立った傷はなかったが、何者かに蹴られるなどした可能性もあるという。
同区では9日、現場から約5キロ離れた区立小学校の敷地内で、首を切られた猫が見つかっている。
[時事通信社]
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