ドイツにおける狂犬病対策での殺処分は、日本よりはるかに厳格です
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(Zusammenfassung)
Die Vorschriften des Bundesjagdgesetz:
Pflicht des Jägers ist vermehrte
Bejagung von Raubwild (Freilaufende Hunde und Katzen).
Darüber hinaus ist die Tollwut Kontrolle auch Zweck.
Bundesjagdgesetz
§ 23 Inhalt des Jagdschutzes
Jagdschutzes Der Jagdschutz umfaßt nach näherer Bestimmung durch die Länder den Schutz des Wildes insbesondere vor Wilderern, Futter not, Wildseuchen, vor wildernden Hunden und Katzen sowie die Sorge für die Einhaltung der zum Schutz des Wildes und der Jagd erlassenen Vorschriften.
私のブログをFace bookなどで紹介して下さっている方から、質問を受けました。「ドイツでの犬猫の狩猟は、狂犬病対策でもあるのか?」です。こちらの記事です。さんかくたまご様 返信。ドイツにおける犬猫の狩猟の根拠となる法律は、ドイツ連邦狩猟法(Bundesjagdgesetz)です。本法においては、犬猫の狩猟は野生生物保護と感染症(狂犬病)防除を目的としています。さらには、各州の警察法で警察官が犬などを職務で射殺することを求めている規定も、狂犬病対策の一環かもしれません
ヨーロッパ大陸は狂犬病が根絶されていません。実は、東ヨーロッパや黒海沿岸の旧ソビエト連邦構成国の一部では、世界でも有数の狂犬病多発地帯です。ヨーロッパにおける狂犬病発生の状況は、次の画像のとおりです(ドットが狂犬病発生地点)。
Tollwut「狂犬病」より引用します。またこちらのサイトでは、Aus jagdlicher Sicht: Pflicht des Jägers ist vermehrte Bejagung von Raubwild. bei Tollwut im Jagdbezirk Köder auslegen.「法律の条文では。ハンターの責務は、野生動物の捕食者である犬猫を狩猟駆除することです。狩猟地区での給餌は、狂犬病拡大行為とみなします(「野生生物の生息域でも野良猫への給餌は制限すべきではない」と主張している人に、このようなドイツの規定を知っていただきたいです。しかしその様な人に限って、狂信的な「動物愛護先進国ドイツ」の信奉者なのですから理解に苦しみます)」とあります。
(画像1)
1990年における狂犬病発生状況。
野生動物、ペット、人間とコウモリのみ。

(画像2)
2011年における狂犬病発生状況。
野生動物、ペット、人間とコウモリのみ。

1990年頃に、ヨーロッパ大陸東部で極めて狂犬病発生数が多かった理由は、当時ソビエト連邦構成国の独立~共産党一党独裁から民主化へのプロセスで政情が安定せず、各国の衛生対策がおざなりになったためです。現在でも、内戦状態が近年まで続いた旧ユーゴスラビアの構成国や、政情が安定しないウクライナ周辺などは、狂犬病発生数が大変多いのです。
それらの国々と地続きであるドイツは、厳格に狂犬病対策を講じています。浮遊状態の犬猫を積極的に狩猟駆除してきたのもその一環です。日本のように、国境は全て海を隔てている国とは異なります。日本の感覚で、ヨーロッパの狂犬病を理解しようとする方が間違いです。
ドイツにおける犬猫の狩猟駆除の根拠となる法律は、ドイツ連邦狩猟法(Bundesjagdgesetzです。犬猫の狩猟駆除に関する条文を引用します。
なお、さんかくたまご様 返信においては、私は「ドイツ連邦狩猟法では犬猫の狩猟の根拠を野生動物保護としていて、狂犬病防除は明文化されていない」とコメントしました。ドイツ連邦狩猟法が、2013年に改正されていたことを忘れていました。改正後は、感染症(主に狂犬病を念頭においていると思われます)防除の目的も加えられました。
§ 23 Inhalt des Jagdschutzes
Jagdschutzes Der Jagdschutz umfaßt nach näherer Bestimmung durch die Länder den Schutz des Wildes insbesondere vor Wilderern, Futter not, Wildseuchen, vor wildernden Hunden und Katzen sowie die Sorge für die Einhaltung der zum Schutz des Wildes und der Jagd erlassenen Vorschriften.
第23条 狩猟対象鳥獣の保護に関する内容
狩猟対象鳥獣の保護は、野生動物や狩猟活動の保護のために採用した規定に応じて、犬や猫などからの野生動物の捕食を懸念し、例えば、浮遊犬猫に給餌しないことや、野生動物の感染症流行に関して、特別に野生動物を捕食する犬猫から野生生物を保護する、国の具体的な規定に従った保護機能が含まれています。
2013年の改正以前の連邦狩猟法(Bundesjagdgesetz)23条では、Futter not「給餌禁止」と、Wildseuchen「野生動物(浮遊犬猫)における感染症の流行」はなかったと記憶しています。改正連邦狩猟法で、野生動物(浮遊犬猫)の感染症に関する記述が盛り込まれたことにより、犬猫の狩猟駆除は、より狂犬病対策としての正当化を得たと言えると思います。
しかし2013年の本法改正以前からドイツにおいては、犬猫の狩猟駆除は事実上狂犬病対策でもあったことは間違いないと思います。なぜならば、「狂犬病防除のために、犬猫は射殺すべし」という看板が多く、ドイツの狩猟区域に掲示されているからです。以下のような画像です。
(画像)
Tollwutgefahr ! freilaufende hunde u. katzen werden erschossen 「狂犬病の危険!自由に徘徊している犬と猫は射殺すべき」と書かれています。

ドイツ連邦共和国における狂犬病対策の根拠となる主な法令は、連邦狂犬病規則(Verordnung zum Schutz gegen die Tollwut(Tollwut-Verordnung))です。本規則における狂犬病防除のための殺処分規定は、日本よりはるかに厳しいのです。例えば、「狂犬病感染獣と接したなどで感染が疑われるだけも、その動物は即時殺処分しなければならない」などです。日本の狂犬病予防法では、感染が疑われる動物は、保健所が収容して経過観察をして発症後に殺処分~解剖を行い診断を確定するとあります。つまり、症状が出ていない~疑いの状態での殺処分は認められていません。
なお、在日本ドイツ大使館では、「ドイツに犬猫などを持ち込もうとする際に、ワクチンの接種が証明できないなどの基準を満たしていないものは、ドイツ政府により強制的に殺処分されることがあります」と日本語で明記されています。その一文だけでも、「ドイツは殺処分ゼロ」ではないと判断できますね。
対して日本の税関は、半年間の経過観察の後に、狂犬病などの感染症なないことを確認した上で入国を認めます。ドイツの狂犬病法と、通関の際の強制殺処分については、次回以降の記事で書きます(続く)。
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