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トキソプラズマの新たに発見された危険性ー5 これほど多くの疾患にトキソプラズマが関わっていたとは





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 「トキソプラズマ感染は統合失調症の原因となる」は、既に定説です。しかし近年では、トキソプラズマが実に多くの疾患に関わっている可能性があるとの学術論文が発表されています。トキソプラズマが関連する疾患は、統合失調症の関連障害のみならず、てんかん、双極性障害(躁うつ病)、うつ病に関連する自殺未遂、アルツハイマー病、パーキンソン病、小児肥満症、拒食症、注意欠陥多動障害、自閉症などの精神疾患、癌、心臓筋疾患、および自己免疫障害の多くに関係しています。関連する自己免疫疾患はNCA関連血管炎、自己免疫性甲状腺疾患、全身性硬化症、関節リウマチ、炎症性腸疾患、および全身性エリテマトーデスなどが疑われています。


 以上の、「トキソプラズマが多くの疾患に関連している可能性が濃厚である」のことは、日本の精神科医の方が多くの学術論文を引用して警告しています。そのブログ記事は、次のとおりです。
精神疾患を予防するために感染症を予防せよ(トキソプラズマ・ゴンディ編 その1 )
精神疾患を予防するために感染症を予防せよ(トキソプラズマ・ゴンディ編 その2 )
精神疾患を予防するために感染症を予防せよ(トキソプラズマ・ゴンディ編 その3 )
 今回は、①でリンクされている、以下の論文から引用します。Toxoplasmosis and Polygenic Disease Susceptibility Genes: Extensive Toxoplasma gondii Host/Pathogen Interactome Enrichment in Nine Psychiatric or Neurological Disorders 「トキソプラズマ症と多くの遺伝子 疾患に対する感受性が高い遺伝子:広汎なトキソプラズマの宿主では、9大精神病または神経疾患においては病原体と生体内においての相互作用が濃縮されている」。2013年。なおこの論文は、US national library of medicine National institutes of Health 「米国国立医学図書館 国立衛生研究所」に収録されたものです。


Toxoplasma gondii is not only implicated in schizophrenia and related disorders, but also in Alzheimer's or Parkinson's disease, cancer, cardiac myopathies, and autoimmune disorders.
During its life cycle, the pathogen interacts with ~3000 host genes or proteins.
The protozoan parasite Toxoplasma gondii which causes toxoplasmosis, is primarily hosted not only in cats but also in mice, rabbits, dogs, farmyard and wild animals, and domestic fowl, and is transmissible to man .
It has been implicated in the pathogenesis of many diseases, most notably schizophrenia , but also with bipolar disorder depression and suicide attempts .
There is also evidence from serological antibody studies that the parasite may be implicated in the aetiology of Alzheimer's and Parkinson's disease and in certain epilepsies of unknown origin .
The parasite has also been implicated in a number of autoimmune disorders including antiphospholipid syndrome, cryoglobulinemia, ANCA-associated vasculitides, autoimmune thyroid diseases, systemic sclerosis, rheumatoid arthritis, inflammatory bowel disease, and systemic lupus erythematosus, possibly related to host/pathogen antigen homology .

トキソプラズマは、統合失調症および関連障のみならず、アルツハイマー病またはパーキンソン病、癌、心臓筋疾患、および自己免疫障害にまで関与します。
病原体(トキソプラズマ原虫)は一生のあいだに、3,000以上の宿主の遺伝子またはタンパク質と相互作用します。
トキソプラズマ症の原因となるトキソプラズマゴンディは、主に猫に寄生しますが、それだけではなく、マウス、ウサギ、イヌ、畜舎の堆肥や野生動物、及び家禽を宿主とし、人間に感染します。
それは多くの疾患、最も顕著なのは統合失調症ですがそれだけではなく、双極性障害(躁うつ病)における、うつ病と自殺未遂の病因に関係しています。
寄生虫がアルツハイマー病と、パーキンソン病とある種の原因不明のてんかんの原因に関係している可能性がある、血清学的抗体の研究の証拠もあります。
寄生虫はまた、抗リン脂質症候群、クリオグロブリン血症を含む自己免疫疾患の多くに関係していますし、ANCA関連血管炎、自己免疫性甲状腺疾患、全身性硬化症、関節リウマチ、炎症性腸疾患、および全身性エリテマトーデスは、おそらく宿主(寄生された人)の病原体抗原との相同性が関係しています。



 さらに、精神疾患を予防するために感染症を予防せよ(トキソプラズマ・ゴンディ編 その1 )、では、「トキソプラズマゴンディは、既に知られている人の26846種の遺伝子のうち2792種(10.4%)の遺伝子とインターラクトーム(生体内での分子レベルでの相互作用)を形成できる」ことが解明されたとの論文がいくつかリンクされています。
 トキソプラズマゴンディが、宿主の遺伝子と、インターラクトーム(生体内での分子レベルでの相互作用)を形成することにが、不顕性(無症状化)を獲得している一因かもしれません。

 トキソプラズマゴンディが容易に脳関門を突破し、脳内に寄生しつつも不顕性(症状が出ない)を示すのは、トキソプラズマゴンディが、宿主の遺伝子と、インターラクトーム(生体内での分子レベルでの相互作用)を形成することによるものと思われます。つまり遺伝子レベルで宿主との親和性が高くなることで、たやすく脳関門を突破し、免疫反応が出にくい、不顕性(症状が出ない)を獲得したわけです。
 しかしそれゆえに、人類はトキソプラズマゴンディの危険性を過小評価し、長らく研究が遅れたとも言えます。近年では、思いもよらなかったトキソプラズマゴンディの危険性が解明されつつあります。潜在的には、さらに多くのトキソプラズマゴンディのリスクが存在している可能性があります。それらの未知なるリスクを回避するためにも、終宿主である猫の管理を見直すべきではないでしょうか(続く)。


(画像)

 Toxoplasma gondii - Life cycle and Invasion 「トキソプラズマゴンディ - ライフサイクルと侵略」。

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ハイジャック

トキソプラズマは免疫系の骨髄性樹状細胞に感染して、神経伝達物質GABAを産生させて移動能を高めて全身へと広がるようです。
免疫系の細胞を乗っ取るとか、悪質にもほどがありますね。

GABAergic signaling is linked to a hypermigratory phenotype in dendritic cells infected by Toxoplasma gondii.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23236276

終宿主に猫を選ぶ時点で性質悪いですが、まるで悪魔みたいな狡猾さです。
昔からの猫の悪いイメージは、トキソプラズマによるところも大きいんじゃないでしょうか。
正にトキソプラズマ・ゴンディという悪魔の使いですもんね。

Re: ハイジャック

名無しさん@13周年様、コメントありがとうございます。

> トキソプラズマは免疫系の骨髄性樹状細胞に感染して、神経伝達物質GABAを産生させて移動能を高めて全身へと広がるようです。
> GABAergic signaling is linked to a hypermigratory phenotype in dendritic cells infected by Toxoplasma gondii.

この点についても、精神科医はブログで日本語で紹介しています。
トキソプラズマの危険性については、折々連載を更新していきます。
ただ私のブログは、広い読者層を対象としているので、専門的なことが続けばアクセスされる方も減ってきますので。
この点については、わかりにくいところもあろうかと。
それとか、トキソプラズマが宿主の遺伝子と相互作用を形成し(インターラクトーム)、多くの疾患の原因になりうるとの証明は、統計学的になされています。
これはかなり難解です。
私も一応統計学は学んでおりますが、そのような情報は割愛します。


> 昔からの猫の悪いイメージは、トキソプラズマによるところも大きいんじゃないでしょうか。

私が今まで接した、野良猫偏執者は、例外なくPな方と疑わざるを得ませんでした。
夜中の2時3時に人の家のまん前に餌を置いて、私が野良猫に餌をやっていると言いふらしたり、私の車庫のシャッターを勝手にあけたり、マンション住まいの時は執拗に私の車庫で餌やりを続けたり。
いい大人のすることですか。
西宮市議会で問題になった、私営駐車場での自称地域猫活動家で、私営駐車場内で勝手に餌を置く、猫をリリースする、経営者と自治会長が警察官を呼んで咎めたところ、「これは地域猫と言って正当な行為だ」と怒鳴り散らしてその後も餌やりなどを続けた人などです。
警察官も不手際ですがね。
駐車場経営者が市会議員に相談したところ、餌やりは動物愛護推進員を伴い、市会議員の事務所に乗り込んで「地域猫という合法的な行為を妨害するな」と一方的に怒鳴り立てました(西宮市議会議事録にあります)。
昔の人も、猫に異常にに執着する人に、何らかのPの疾患を感じ取って(当時はPという概念がなく「悪魔が乗り移った」理解されていた)いたのではないかと思います。
実際にトキソプラズマ脳症でPだったのかもしれません。
だから魔女と猫が結びついているのだと思います。

追記

古い資料でなくても、このようにあります。
「妊娠前にトキソプラズマ抗体検査を行い、陽性であれば新たなトキソプラズマ感染はないので安全である」。

かつては、「トキソプラズマ感染の症状は、健常者であれば2週間ほど熱が出たりリンパ節が腫れる程度で寛解する。抗体ができればその後は感染しない」とされていました。
しかし感染時の症状が収まった後でも、TXGは多くの臓器に感染し不顕性を獲得して潜伏します。
実際トキソプラズマゴンディに感染しているかどうかは、RT-PCR(細胞増殖法)でも陰性になることが多くわからないのです。
むしろトキソプラズマ抗体が陽性であれば、不顕性感染である可能性が高く、妊娠により免疫力が低下すればトキソプラズマゴンディの活動が活発化し、胎児に感染しやすくなるかもしれないのです。
これは私の見解ですが、おそらく同様の論文があると思います。
その点についても、警告を発したいと思っています。

トキソ恐るべし

相変わらずブログを書く時間が取れていませんが、トキソ恐るべしですね!

私がこの頃懸念しているのは妖怪ウォッチの流行です。

主役がジバニャン、そして耳には切れ込み。

子ども達がマインドコントロールされていそうな嫌な予感がします。

ちなみに私は、戦隊モノも潜在メッセージが「自分の正義感に反する異質な者は多数で攻撃してとどめを刺す事が正義でカッコいい」と子ども達に刷り込んでいる様で好みません。

気を付けて、自分の頭で考える様にしないといけませんね。

まあ、それが出来ないからアイゴなのかも。

リング先記事について

記事中で引用されている学術論文「Toxoplasmosis and ~」は
Hindawi出版社のJournal of Pathogens(病因物質誌)に掲載された
記事が、米国国立衛生研究所(NIH)が運営する米国国立医学図書館の
pubmed(医療系電子図書館)に収載されたもので、記事の内容と
NIHの権威は関係ありません。(日本の国会図書館には週刊ポスト
の記事もありますが、図書館が内容に責任をもっている訳ではない
のと同じです。)Journal of Pathogensはfree-accessの雑誌
(投稿者が10万円近く払って掲載してもらう)で、誰でも
見られるように全文を公開しているので、図書館にも全文が
掲載されているものです。
「権威ある」というのが適切かはわかりませんが、掲載誌を
評価するのであれば、査読の厳しさはどれくらいか
(Natureなどの一流誌では一般に投稿して採用される率は
10%くらいと言われていますが、Journal of Pathogens は24%と
公開されています)IFはどれくらいか(引用される度合い。
総説誌と一般紙は比較しても意味がない。IFによる評価を嫌う人もいる)、
という観点がしばしば用いられます。
ただしJournal of Pathogensは2011年からのようですから
まだIFはろくに算出できないものと思われます。

Re: トキソ恐るべし

猫糞被害者@名古屋様、コメントありがとうございます。

> トキソ恐るべしですね!

私は欧米などの先進国の動物愛護に関する情報を頻繁にチェックしていますが、日本はトキソプラズマも含めて猫ズーノーシスに関する情報が極端に少なく、また異常なほど楽観的です。
まさに「後進国」の証左なのではないかと。
最近の研究では、私が今まで紹介した以外でも、新たなトキソプラズマの危険性が多く指摘されています。


> 私がこの頃懸念しているのは妖怪ウォッチの流行です。
> 主役がジバニャン、そして耳には切れ込み。

私は身近に小さな子供がいないので調べてみました。
ジバニャンとは、放し飼い猫がクルマに轢かれて死んで妖怪になったもののようですね。
耳の切れ込みは、交通事故で出来た傷とのことです。
猫を放し飼いにすれば、交通事故にあって死んでしまうという教訓になればいいのですが。


> 私は、戦隊モノも潜在メッセージが「自分の正義感に反する異質な者は多数で攻撃してとどめを刺す事が正義でカッコいい」と子ども達に刷り込んでいる様で好みません。

同感です。
しかし子供向けのものは、大概「正義対悪」の二極化です。
私が子供の頃に見ていたウルトラマンとかサンダーバードはまさにそれです。
子供の頃はそれでいいのかもしれないけれど、年齢とともにいろいろな角度から物事を考察する能力を身につ得ていかなければならないと思います。
その点では、手塚治虫氏は、子供向けの作品でも、うまく取り入れていました。
私が今まで何度か紹介した、元財務官の榊原英資氏の著作があります。
http://www.amazon.co.jp/%E5%B9%BC%E5%85%90%E5%8C%96%E3%81%99%E3%82%8B%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E2%80%95%E6%8B%9D%E9%87%91%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E3%81%A8%E5%8F%8D%E7%9F%A5%E6%80%A7%E4%B8%BB%E7%BE%A9-%E6%A6%8A%E5%8E%9F-%E8%8B%B1%E8%B3%87/dp/4492394850
「何でもズバッ!」と単純に割り切る「二分割思考」は、幼児化であると述べられています。

しかし二分割思考は、頭を使わずにわかったようになれる便利さがあります。
サンダーバードでは、アメリカの自由主義(正義)対ソ連を中心とする共産主義(悪)という図式ですが、結果として自由主義が勝利した今日は、自由主義が全てを解決したわけではありません。
また、あくまでも理論上は共産主義は優れたシステムです。


> それが出来ないからアイゴなのかも。

二分割思考しかできない、精神年齢が低いアイゴを煽り立てるのは簡単なのでしょう。

Re: リング先記事について

サーバント様、コメントありがとうございます。

> 記事中で引用されている学術論文「Toxoplasmosis and ~」は
> Hindawi出版社のJournal of Pathogens(病因物質誌)に掲載された
> 記事が、米国国立衛生研究所(NIH)が運営する米国国立医学図書館の
> pubmed(医療系電子図書館)に収載されたもので、記事の内容と
> NIHの権威は関係ありません。

情報提供ありがとうございます。
アメリカ連邦政府が関わっていたので、権威があると推測しました。
「権威がある」は削除いたします。
プロフィール

さんかくたまご

Author:さんかくたまご
当ブログのレコード
・1日の最高トータルアクセス数 8,163
・1日の最高純アクセス数 4,956
・カテゴリー(猫)別最高順位7,928ブログ中5位
・カテゴリー(ペット)別最高順位39,916ブログ中8位

1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
しかし私が管理人であるサイトは、このページのフリーエリアにあるリンクだけです。
その他のものは、例えば本ブログ管理人が管理人と誤認させるものであっても、私が管理しているサイトではありません。
よろしくお願いします。

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