トキソプラズマの新たに発見された危険性ー3 トキソプラズマは性感染症でもあるという怖い話
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近年、新たな危険性が次々と発見されているトキソプラズマ症ですが、性感染症でもあることがわかってきました。従来、トキソプラズマの感染ルートは、感染した家畜の肉を加熱が不十分なままたべることと、終宿主であるネコ科動物の糞便とともに排出されたシスト(原虫が硬い殻で覆われた状態のもの)を経口摂取することとされていました。しかし感染した哺乳類のオスの精子とともにシストが交尾中にメスの膣内に排出され、交尾によりトキソプラズマが感染することがわかってきました。哺乳類では、ラット、ネコ、イヌ、ヒツジで交尾によるトキソプラズマ感染が報告されています。当然、ヒトでも性交による感染がありうると考えたほうが良いでしょう。
*トキソプラズマ症~ネコ科動物を終宿主とするトキソプラズマ原虫感染を原因とする疾患。
近年、「トキソプラズマ症は性感染症でもある」との学術論文が、相次いで発表されました。日本の精神科医の方が、トキソプラズマの新たに発見された危険性をブログで指摘しています。精神疾患を予防するために感染症を予防せよ(トキソプラズマ・ゴンディ編 その1 )。
本ブログ記事では、このように記述されています。「ラットでは、トキソプラズマに感染した雄ねずみは、男性ホルモンであるテストステロンが激しく増え、感染していない雄よりも雌ねずみを強く引き付けて、優先的に交尾ができるようになるらしい。精子にはトキソプラズマが含まれているらしい。その結果、性行為を介した雄→雌へのトキソプラズマの垂直感染が可能になる。トキソプラズマは性病としても機能する。犬や猫でもそういった現象が知られている」。
通常メスは、寄生虫に感染したオスを避ける傾向にあります。しかしトキソプラズマに感染したオスは、むしろメスの獲得に積極的になり、メスもトキソプラズマに感染したオスを好むようになるとの学術論文があります。オスがトキソプラズマに感染すれば、行動様式をよりメスを獲得する、メスに好まれるように変えるというのです。
トキソプラズマ原虫が、寄生したオスのテストステロン(男性ホルモン)の分泌を活性化させてメスに好まれるように変化させ、さらには行動様式さえ変化させて、よりメスの獲得に積極的にさせるというのです。もちろん、トキソプラズマに感染したオスがより多くメスと交尾する機会が増えればメスに感染させる~トキソプラズマ感染個体が増える~トキソプラズマ原虫の増殖につながります。さらには、交尾したメスが妊娠すれば、胎児もトキソプラズマに感染します。トキソプラズマ原虫が、自らの増殖拡大のために、宿主の行動様式まで変化させるとは、考えてみれば恐ろしい話ではありませんか。
「トキソプラズマが性交により感染し、メスはトキソプラズマに感染したオスをより好む」という学術論文は、精神疾患を予防するために感染症を予防せよ(トキソプラズマ・ゴンディ編 その1 )、にリンクがあります。Protozoan Parasite Toxoplasma gondii Manipulates Mate Choice in Rats by Enhancing Attractiveness of Males 「原虫寄生虫トキソプラズマゴンディは、宿主のオスのラットの性的魅力を高めることにより、交尾の相手の選択を操作します(寄生した宿主のオスの交尾の機会を増やす)」。2011年。より、以下に引用します。なお、こちらの論文は主に、Nanyang Technological University, Singapore, Republic of Singapore シンガポール南洋理工大学の研究者による研究です。
Females in various species typically avoid males infected with parasites.
Coevolving parasites are likely to attempt to circumvent this obstacle.
We report that Toxoplasma gondii, a sexually transmitted infection of brown rats, enhances sexual attractiveness of infected males.
Parasites can indeed manipulate host sexual signaling to their own advantage.
Recently, Toxoplasma gondii has been reported to be sexually transmitted in sheep and dog .
Toxoplasma gondii is a sexually transmitted infection in brown rats
Parasitic cysts containing bradyzoites could be visualized eight weeks post-infection in epididymis.
These cysts were viable; feeding them resulted in sero-conversion of uninfected females .
Mating with an infected male resulted in transmission of infection to females.
Despite invading reproductive organs, Toxoplasma gondii did not adversely affect sexual behavior or fecundity/fertility of infected males.
Likewise, infection did not affect the number of pups, weight of newborns or sex ratio of progeny resulting from mating .
Uninfected females preferred infected males.
Infected males gained greater reproductive opportunities
According to the behavioral manipulation hypothesis, a parasite may be able to alter the behavior of its host for its own selective benefit .
In this report, we show that Toxoplasma gondii is transmitted through sexual intercourse in brown rats, and that the parasite can manipulate mate choice of uninfected females.
This behavioral change plausibly enhances transmission of the parasite from males to females and their progeny.
This is supported by evidence of sexual transmission in sheep and dogs.
様々な動物種の雌は通常、寄生虫に感染した雄を避けます。
共生進化をした寄生虫は、この障害を回避しようしている可能性があります。
私たちは、性感染症であるトキソプラズマゴンディに感染した雄が、性的魅力を高めることを報告します。
寄生虫はまさに、自分に有利な性的発信を、宿主に対して操作することができるのです。
最近は、トキソプラズマゴンディは、交尾で羊や犬で感染することが報告されています。
トキソプラズマゴンディは、ブラウンラットでは性感染症です。
原虫が多数含まれたシストを、感染後8週間後の(ラットの)副睾丸に視認することができました。
これらのシストは、生存可能であり、それらを(交尾により雌のラットに)提供することにより、未感染の雌のラットの血清転換(トキソプラズマ抗体陽性へと変化)をもたらしました。
感染した雄との交尾は、雌への感染の拡大をもたらしました。
トキソプラズマゴンディが生殖器官に侵入にもかかわらず、トキソプラズマゴンディは、感染した雄のラットの行動や生殖能力に悪影響を与えませんでした。
同様にトキソプラズマ感染は、新生児や交尾から生まれた仔の性比や重量に影響を与えませんでした。
未感染の雌は、感染した雄を好みました。
よってトキソプラズマに感染した雄は、より多くの生殖の機会を得ました。
(寄生虫による宿主の)行動操作仮説によれば、寄生虫は、独自の選択的利益のために、宿主の行動を変えることができるのです。
本論文は、トキソプラズマはブラウンラットで交尾を介して感染されていること、および寄生虫(トキソプラズマ)が感染していない雌の交配者の選択を操作することができることを示しています。
この行動の変化はまさに、雌とその子孫、雄から寄生虫の感染を強化します。
本説は、羊と犬の交尾によるトキソプラズマ感染の証拠によって支持されています。
次回は、トキソプラズマが感染宿主の雄の行動を、雌とより交尾する機会を増やすように変化させるのは、人に対しても人格や行動の変化をもたらすとの論文を紹介します。トキソプラズマに感染すれば、男性はリスクを恐れずアグレッシヴになるなどの人格や行動の変化が現れるとされています。それは男性ホルモンの分泌の亢進が原因なのでしょうか。
女性の方々は、野良猫偏執者の男性には気をつけたほうが良いかもしれません。異常な告訴癖、民事訴訟の提訴を行い、女性にストーカー紛いの行為をするので有名な公疫呆人がいます。この方は同時に有名な野良猫偏執者でTNR狂信者です。相当慢性的な、トキソプラズマ感染症を患っていらっしゃるのでしょうね・・・(続く)。
(画像)
Get to know toxoplasmosis with a smile on your face! 「楽しくトキソプラズマ症について学びましょう」。この中では、トキソプラズマに感染した母猫の母乳からトキソプラズマが感染することも述べられています。精液にトキソプラズマのシストが含まれて、交尾により感染するのであれば、母乳による感染も当然考えうることです。
と言うことは、トキソプラズマに感染した乳牛の乳からも、トキソプラズマが感染する可能性があるということです。低温殺菌牛乳は飲まない方が良いかもしれませんね。
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