Domestic/inländisch
最近短期間で、大量の犬が遺棄される事件が相次いでいます。その一因としては、最近の、動物の愛護及び管理に関する法律(最終改正 平成26年5月30日最終改正。以下、「動物愛護管理法」と記述します)の改正が考えられます。該当する改正点は、・行政が犬猫等販売業者からの引取りを拒否できるとの条項が加えられたこと、・愛護動物の終生飼育義務が明記(努力義務で罰則はありませんが)された、です。 該当する、動物愛護管理法(動物の愛護及び管理に関する法律)の、最終改正された条文を引用します。
動物の愛護及び管理に関する法律。
第7条
4項 動物の所有者は、その所有する動物の飼養又は保管の目的等を達する上で支障を及ぼさない範囲で、できる限り、当該動物がその命を終えるまで適切に飼養すること(以下「終生飼養」という。)に努めなければならない。
第22条
4項 犬猫等販売業者は、やむを得ない場合を除き、販売の用に供することが困難となつた犬猫等についても、引き続き、当該犬猫等の終生飼養の確保を図らなければならない。
第35条
1項 都道府県等、その他政令で定める市は、犬又は猫の引取りをその所有者から求められたときは、これを引き取らなければならない。ただし、犬猫等販売業者から引取りを求められた場合その他の第7条第4項の規定の趣旨に照らして引取りを求める相当の事由がないと認められる場合として環境省令で定める場合には、その引取りを拒否することができる。 最近の、犬が大量に遺棄された事件は、次のようなものがあります。
・栃木県宇都宮市
今年10月31日と11月1日に合計44匹の小型犬が河川敷や山中に遺棄される。
・栃木県那珂川町
今年11月5日に、27匹の小型犬が山中に遺棄される。
・佐賀県内
今年10月19日~11月5日に、マルチーズが山中などに30匹遺棄される。
・埼玉県
昨年10月から今年の7月にかけて、チワワなど44匹が河川敷などに遺棄される。
・群馬県高崎市
今年の4月と8月に、チワワやシーズーなど11匹が山中に遺棄された。
これらの犬を遺棄した犯人に関する情報は今のところ得られていないようです。しかし多くが純血種の雌犬であり、不妊処置が行われていないことや、複数回の出産を経ている個体が多いことなどから、遺棄した犯人は、犬の繁殖業者である可能性が高いと思われます。
繁殖明けの雌犬の引取りを行政に求め、拒否された可能性は否定できません。また日本では、ペットの安楽死処置を断る獣医師が多いとも、また増えているとも聞いています。また、高齢になった犬の引き取り手(新しい飼い主)は限られるのが現状です。そのような状況では、犬の繁殖業者が繁殖明けの犬の処分に困り、やむを得ず遺棄せざるを得なくなったと考えるのが自然です。
「行政が犬猫の繁殖業者からの犬猫の引取りを拒否できる」「終生飼育の努力義務が規定された」。これらの動物愛護管理法の改正は、適正飼育者<<<<<余剰ペット、となる構造的な問題に手をつけずに拙速に行った「改悪」ではないのでしょうか。単に、統計上の殺処分数を減らそうとするだけのものです。
適正飼育者<<<<<余剰ペットという構造問題、特に供給側(犬猫などのペットの供給圧力)に手をつけずに、行政による犬猫の引取り拒否を法律で認めれば、行き場のなくなった犬の末路は当然予測がつくはずです。
また日本では、獣医師による安楽死処置はそれほど一般的ではないようです。特に近年では、安楽死処置を拒否する獣医師が増えているとも聞きます。対してアメリカや西ヨーロッパの多くではでは、犬猫などの安楽死処置を獣医師に依頼することに対して忌まわしいことという認識はないと思います。
私は本来であれば、飼い主のあるペットは、飼い主がやむを得ず飼えなくなり、かつ適正飼育ができる新しい譲渡先が見つからなければ、飼い主自らが獣医師に安楽死を依頼するのがベストであると考えています。ただ生かしておくだけの「終生飼育」が動物愛護に適うのでしょうか。極めて劣悪な環境であれば、むしろ安楽死の方が人道的だと思います。
動物愛護管理法の改正時には、多くの動物愛護議員や活動家ら(多くはノーキルを標榜している人たち)の意向が盛り込まれたと思います。「殺すこと」を異常に忌避するのは、日本特有です。日本の動物愛護管理法の、愛護動物の終生飼育義務を定めた規定は世界的に見ても例外でしょう。*1、アメリカ、ドイツ、イギリスなどでは、飼い主が獣医師に自分が飼っていたペットを安楽死させるのは一般に行われています。また、世界最大の動物愛護団体PETAは、「ペットを劣悪な環境で活かすより、安楽死させるほうが人道的である」と主張しています。
しかし日本では、海外の動物愛護に関する、真逆の誤った情報が定着しています。「動物の殺処分」に関することは、その最たるものです。その誤った情報が、動物愛護管理法の改悪の根拠となったことは否めません。次回は、日本の「ノーキル派」が主張している、今回で取り上げた動物愛護管理法改正に関係したと思われる、海外の動物愛護に関する嘘について触れたいと思います。
(追記)
この問題については、こちらでも論じられています。
動物福祉と動物あいごと哀誤 2014-11-11in細川弁護士ツイートに対する私見。こちらには、私もコメントしています。
(動画)
一連の犬遺棄事件を報じるニュース。
・佐賀県 2014年11月11日
・栃木・群馬 2014年11月10日
・埼玉 2014年11月12日
*1、
アメリカ、イギリス、ドイツなどの犬猫等を、飼い主自ら獣医師に依頼することは、広く行われています。ただしこの数値は公の統計には現れません。私は、本サイトでの記事は、必ず客観的な根拠に元づくこととしています。したがって今まで「アメリカ、イギリス、ドイツなどでは日本より、飼い主が犬猫等のペットの安楽死を獣医師に依頼することは一般的であり、広く行われている」との記事を書いていません。
しかし、それを裏付ける資料がいくつか集まりましたので、この問題を掘り下げる記事の連載を近くする予定です。例えば公的機関による、獣医師の犬猫等の安楽死に対する日本と外国の意識調査(日本の獣医師の方が、犬猫等の安楽死に対する忌避感が強い)、開業獣医師の全症例に対する安楽死処置の割合(日本よりイギリス、カナダの方がはるかに多い。イギリスでは、なんと50例に一例が安楽死処置です)、です。
なお、①、「ドイツでは殺処分が法律で禁じられている。動物の安楽死は、その動物が末期の病気やケガで、その苦痛を取り除く目的のみで安楽死が許される」、②「ドイツでは動物の殺処分(安楽死)の要件は厳格で、複数の獣医師が『安楽死以外に動物の苦痛を取り除くことができない』と診断しなければ違法である」という情報が日本では流布されていますが、いずれも大嘘です。
①は、ドイツ動物保護法(Tierschutzgesetz)の条文を、最初に著しく誤った日本語訳を広めた者が存在し、その誤訳が定着したものと思われます。②ですが、ドイツの司法判断では、犬などを安楽死させる場合の要件で、動物保護法(Tierschutzgesetz)を広く解釈しています(日本の動物愛護管理法の「みだりな殺傷を禁じる」と同義でしょう)。以上は、アメリカ、イギリス、ドイツなどの犬猫等の安楽死処置についての記事で詳述しますので、それまでしばらくお待ちください。
日本では犬猫の殺処分は、ほとんどが行政が集中して行います。そのため日本で行われる殺処分は、ほとんどが公的統計に現われ、見かけ上の数字が大きくなります。諸外国では、犬猫等の殺処分は、統計に現れない民間人ハンターが狩猟駆除するもの、私的な処分(川に投げ捨てるなど)、犬の飼育者が自ら銃殺する(イギリスのレースドッグの処分など)が多いために、犬猫等の殺処分数が少なく見えるだけです(それとドイツでは、公的殺処分も厳然と存在します。公的統計もあります)。それと、飼い主自ら行う、安楽死処置も、公的統計には現れません。
そのような事情を知ってか知らずか、日本のノーキルを標榜する動物愛護活動家らは、「公的殺処分数」のみで、日本の殺処分数が多いとしています。その欺瞞は、『安楽死」という面からも論じる予定です。
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日本のこれらの遺棄事件を見ると金の匂いがプンプンしますね。
結局、需要者がいるから供給者がいて、こういった悲劇が起こるのかと思います。
だから、営業の自由とか(消費者にとっての)幸福追求権とか問題あるかもしれませんが、
殺処分0を熱望するのなら、犬猫飼育の全面禁止に挑戦してほしいです。
一部の作業犬(警察犬とか救助犬)は残すべきですし、管理は徹底されるので、問題ないでしょう。
小型犬も狭い所に入る作業に使われますから、いなくなるでもないです。
猫は三味線になりますし、これも必要ですから生き残ります。
例外的に市場に出る犬猫は相当裕福な人でないと入手できませんでしょう。
ここまでして望まれるなら無下にされることもありますまい。
「殺処分をするな。でも飼育は自由にしろ」って二律背反です。
なぜ飼育禁止という抜本塞源の提案ができないんでしょうか。
飼育はしたいけど負担と責任はゴメンだという願望が透けて見えますよっと。
虫様、コメントありがとうございます。
> 需要者がいるから供給者がいて、こういった悲劇が起こるのかと思います。
自由主義経済を採用している限り、需要があれば合法である限り供給があります。
> 営業の自由とか(消費者にとっての)幸福追求権とか問題あるかもしれませんが、
> 殺処分0を熱望するのなら、犬猫飼育の全面禁止に挑戦してほしいです。
犬猫飼育の全面禁止は、実際問題実現不可能でしょうが、飼い主(需要側)の飼育要件を厳格化するなどの規制強化はそれに準じる効果があります。
ペットショップ(供給側)の規制より、飼い主(需要側)に対する規制強化の方が、不適正繁殖(余剰ペットにつながり殺処分増大要因となる)を防止することができ、殺処分減少により効果があります。
日本以外の先進国では、そのようにしています。
ヨーロッパでは、ベルギーが先鞭をつけた、猫の避妊去勢義務、登録、個体識別などの法制化は、オーストリア、スイス、ドイツ、(確かフランスも近年猫の登録義務化したと思います)に拡大しました。
しかし売る側のペットショップの規制強化はありません(ペットショップの生体販売を法律で禁じる国はありません。また犬猫とも8週未満の販売を禁じているのは、ヨーロッパではフランス一国です)。
それは為政者が、供給側より需要側を規制する方が効果が高いと知っているからです。
例えばシンナーの吸引は、需要側を罰することだけでも効果を上げています。
全く自由に購入できる接着剤などにも、有機溶剤は使われていますからね。
そのようなものは、売る側の規制はありません。
なぜ日本の、ノーキル派愛誤が、ペットショップ(供給側)の規制ばかりを求めて、飼い主(需要側)の規制を求めないのかは、彼らがビジネスが目的だからです。
需要を冷やすことはしたくない(愛誤ビジネスで、保護犬猫を売りつける客が減ります)。
ペットショップ(供給側)ばかりに規制を求めるのは、商売敵を潰したいだけですよ。
愛護愛護と綺麗事を言っても、所詮は利権絡みで他者を攻撃する資格はありません。
> 一部の作業犬(警察犬とか救助犬)は残すべきですし、管理は徹底されるので、問題ないでしょう。
しかし使役に向かないもの、障害のあるもの、現役を引退したものを終生飼育する機関があるとは思えませんね。
> 猫は三味線になりますし、これも必要ですから生き残ります。
小型犬もそうですが、実験動物としての需要は一定数あるでしょう。
> 例外的に市場に出る犬猫は相当裕福な人でないと入手できませんでしょう。
いっそのこと、スイスのような超超高額の犬税でもかければいいです。
> 「殺処分をするな。でも飼育は自由にしろ」って二律背反です。
> 飼育はしたいけど負担と責任はゴメンだという願望が透けて見えますよっと。
全く御指摘の通りです。
ご無沙汰しています。
なんだか続いていますね。
最近ずっとこのことについて考えています。
タイトルの通り、全てではないとは思いますが……
どうしてなのか、このようなことは自殺よろしく連鎖しますね^^;
1頭2頭なら従業員のバイト君か、慎重にいくならそのバイト君の友達なんかに頼めば、業者の犬だとはわかりませんからね^^;
しかし、さすがに数が30とか70までいけば、通用しませんよね^^;
小分けにしても時間と労力がかかりますからね。
彼らはそのような手間はかけませんよねw
やはり僕が思う打開策はマイクロチップの義務化と、その情報の徹底管理につきると思っています。
今回の栃木の犬からはチップ装着犬がいたようですが、案の定突き止められなかったようですね。
この杜撰さも日本らしいというか予想通りでしたねw
ただマイクロチップも個人情報保護法だとかシロアリの温床だとかで、すんなりはいかないでしょうね。
環境省の技官もこの前電話でお話した時の感じでは、スウェーデンのガッチリ管理が功を奏してるのを知っていましたね。
うがった見方をすれば、それをやっちゃうと「本当」に棄て犬問題が減る代わりに、生体の売り上げが減り、ペット業界に打撃を与える懸念があるのではないでしょうか^^;
原発よろしく、安全や倫理を取るか経済を取るかなのかもと思います。
象徴の役人は愛護側にも業者側にもいい顔をしているのでしょうね。
本文で8週齢を謳って附則で45日とかは、どっちにもいい顔の典型例でしょうね。
誤字がありましたw
象徴×
省庁○
もるせが様、コメントありがとうございます。
> タイトルの通り、全てではないとは思いますが……
動物愛護管理法の改正のことですか。
影響はゼロではないでしょうね。
それと獣医師も、誤った「○○国はノーキル」という情報を信じて、安楽死処置はいけないことと断る方が増えているのも原因だと思います。
> 1頭2頭なら従業員のバイト君か、慎重にいくならそのバイト君の友達なんかに頼めば、業者の犬だとはわかりませんからね^^;
数が多すぎますね。
廃業や倒産で切羽詰った業者がいるのかもしれません。
もし犬猫生産業者が倒産したのならば、いくら法律で規定しても、終生飼育などできませんよね。
> 打開策はマイクロチップの義務化と、その情報の徹底管理につきると思っています。
販売側だけではなく、飼育者にも厳格に行うことが必要です。
飼育者は、犬猫の入手がどこであれ、マイクロチップでの登録、個体識別を義務付け、違反者には刑事罰を科すぐらいしなければならないと思います。
別に極論ではありません。
ベルギー、オーストリア、スイス、ドイツでは、猫でもそれが義務化されました。
業者だけ厳しくしても、いわゆる猫犬ボラから入手した飼い主や、野良猫を拾った飼い主は把握できません。
> 今回の栃木の犬からはチップ装着犬がいたようですが、案の定突き止められなかったようですね。
やっぱりザルでした。
> 環境省の技官もこの前電話でお話した時の感じでは、スウェーデンのガッチリ管理が功を奏してるのを知っていましたね。
スエーデンですか。
今度調べてみます。
ただ、英語やドイツ語での資料は多分少ないと思います。
> それをやっちゃうと「本当」に棄て犬問題が減る代わりに、生体の売り上げが減り、ペット業界に打撃を与える懸念があるのではないでしょうか^^;
私はそれでも良いと思います。
先ほど述べたとおり、業者に対する規制以上に、飼い主に対しての飼育の資格要件と、犬猫の個体識別、登録(マイクロチップ)を厳格にし、適正飼育化(猫は室内飼い、不妊去勢。犬の飼育環境など)を進めるべきです。
そうすれば、当初は殺処分数は増えます。
飼育環境のレベルを上げれば、飼育できる数が減りますし、飼育できる人も減るからです。
そうなれば、適正飼育の枠内に入りきらないものが当然出てきます。
やむを得ないのではないでしょうか。
そうして適正飼育を進めれば、将来的には殺処分数は減ります。
地域猫(TNR)は、それとは逆行します。
欧米では、適正飼育化が流れです。
そもそもヨーロッパでは、TNRは普及していません。
アメリカは連邦政府に続いて、フロリダ州がTNRを完全否定し、違法としました(2012年~)。
> 本文で8週齢を謳って附則で45日とかは、どっちにもいい顔の典型例でしょうね。
これもザルです。
仔犬の生まれた日をどうやって確認するのですか。
8週齡規制に血眼になっている愛誤ははっきり言ってバカでしょう。
「欧米では8週齡未満の犬猫販売は常識だ」と言っていますが。
嘘つきなのか無知なのか知りませんが。
犬猫とも、8週齡未満の販売を国の法律で禁じているのは、欧米ではフランス一国だけです(ドイツは、犬に限り8週齡未満で母犬と離すことを禁じているだけ。8週未満でも、母犬とともに展示販売することは合法。引渡し時に8週齡に達していれば良い。イギリスでは、法律では犬のみ8週齡未満の販売を禁じています。条例で猫も対象にしているところはあります。アメリカでは一部の州のみ)。
すみません^_^;
スウェーデンについては、英文や現地の記事ではなく、現地在住のライターさんが来日時に開催されたセミナーに参加して、そうなんだ〜 と^_^;
このセミナーのレポートを。
たまにさんかくたまごさんの記事に出てくる、ドイツの誤訳獣医師さんと同じサイトです^_^;
http://www.dogactually.net/blog/2013/09/1-15.html
もるせが様
> スウェーデンについては、英文や現地の記事ではなく、現地在住のライターさんが来日時に開催されたセミナーに参加して、そうなんだ〜 と^_^;
>
http://www.dogactually.net/blog/2013/09/1-15.html
これだけ情報提供して頂いただけでも助かります。
多分、英語もしくはドイツ語(北欧の事柄に関しては、ロシア語でもたまに情報があります。でもロシア語圏の国は動物愛護に興味がないのか、動物愛護に関する情報そのものが少ないです)で情報がヒットすると思います。
全くなければ、(書き手の。この方は・・・)偏向とかがかなりある可能性があります。
私は北欧のことは詳しくありませんが、西ヨーロッパでは常識(ドイツ語圏やイギリス、フランスなど)の、禁止犬種規定がなかったような記憶があります(もしかしたら最近規制ができたかもしれません)。
犬の飼育に関しては、私は規制がむしろゆるいと感じています(得られる情報は少ないのですけども)。
追加情報です。
この藤田さんは、自身でカーリーコテッドレトリバーを飼っていて、その犬のトレーニングをデンマークのトレーナーのヴィベケ・S・リーセという方に頼んでいて、このセミナーの際もヴィベケさんに帯同して来日したようです。
ヴィベケさんは日本で数冊の著書とDVDを出しています。
ご参考になればと思います。
もるせが様
> 追加情報です。
ありがとうございます。
参考にさせていただきます。
デンマークは、犬の管理に関しては、厳しい国ですからね。
販売日齢規制については、環境の審議会(小委員会)で検討された
際に示された文献の抜粋を見る限り、犬の発達・健康に関する根拠
は読み取れましたが、猫に関しては具体的にどのような悪影響が
あるのか示されていません。
http://www.env.go.jp/council/14animal/y143-05/mat03.pdf
環境省資料ではまとめとして「幼齢な犬・猫を販売すると、後々、
吠え癖、噛み癖等の問題行動を引き起こす可能性が高まる
と考えられる。」
と記述されていますが、犬・猫と言っておきながら問題行動の内容は
犬についてのものです。
日齢販売を規制したい人の見解として見受けられるのは
「幼齢個体のかわいさを商品価値として売り込み、衝動買いを
招いて不適切な飼い主に買われる」
「親から引き離されるのはかわいそう」
というものですが、前者は飼い主側の問題であって
販売店を規制する理由としては合理性を欠き、
後者は、動物の生態に基づく発達への悪影響が証明されない
限り独善の域を出ません。発達への悪影響というのであれば
愛玩品種の先天疾患なども大きいですが、禁止されていません。
営業時間規制が「深夜にペットを買うような人間はろくでも
無い人間だ。」という愛護の方の主張に端を発し、あやふやな
科学的根拠にすり替えられたように、猫の販売日齢規制も同じ
ようなすり替えに感じられます。
あやふや故に、弁護士を立てて抗議された途端にたった数ヶ月
でネコカフェに限って規制を撤廃し、また、日齢による影響を
今になって追跡調査を行っているのです。(本来規制前に行う
べき調査)
サーバント様、コメントありがとうございます。
> 販売日齢規制については、環境の審議会(小委員会)で検討された
> 際に示された文献の抜粋を見る限り、犬の発達・健康に関する根拠
> は読み取れましたが、猫に関しては具体的にどのような悪影響が
> あるのか示されていません。
私もその資料には簡単に目を通していますが、そのような内容だったと記憶しています。
> 犬・猫と言っておきながら問題行動の内容は
> 犬についてのものです。
はい。
> 日齢販売を規制したい人の見解として見受けられるのは
> 「幼齢個体のかわいさを商品価値として売り込み、衝動買いを
> 招いて不適切な飼い主に買われる」
> 「親から引き離されるのはかわいそう」
「犬猫の幼齢個体を販売すれば、その個体の問題行動の原因となる」との規制の根拠とはずれてしまっていますね。
ましてや猫については、幼齢個体の販売の悪影響は学術的に確認されていません。
いつの間にか感情論にすり替わっています。
> 営業時間規制が「深夜にペットを買うような人間はろくでも
> 無い人間だ。」という愛護の方の主張に端を発し、あやふやな
> 科学的根拠にすり替えられたように、猫の販売日齢規制も同じ
> ようなすり替えに感じられます。
深夜12時まで営業していた、梅田の繁華街にあるペットショップが叩かれていました。
「このような店では、風俗関係者が買う」という愛誤の発言で物議を醸しました。
営業時間規制は諸外国ではどうなのでしょうね。
私が調べた限り、イギリス、ドイツではありません。
フランスは調べていません。
> あやふや故に、弁護士を立てて抗議された途端にたった数ヶ月
> でネコカフェに限って規制を撤廃し、
猫カフェに限り、営業時間規制を撤廃するのであれば、そもそも営業時間規制そのものが根拠薄弱ということです。
>日齢による影響を
> 今になって追跡調査を行っているのです。
それと日齢制限は、現状の日本のペット犬猫の流通では、実行性がありません。
日齢をどうやって確認するのですか。
犬の品種は多く個体差もありますので、日齢など1週間くらいは簡単にごまかせます。
法律に反するか否かは、一日でも日齢を満たしていれば白で、一日でも満たさなかれば黒です。
見た目で「日齢規制を満たしていないのではないか。怪しい」では、立件できません。
日齢制限を実効性のあるものにするためには、犬猫の生産者を免許制にして生産台帳の備え付けを義務化するなどしなければなりません。
このような無意味なことに血眼になる愛誤議員とその支持者には、呆れるばかりです。
動物愛護に関する立法は、感情論が先走り、内容が矛盾していても成立してしまう稀有な分野です。
それと立法を求める愛誤支持者の主張も、感情ばかり先走って、矛盾、曖昧、嘘を根拠にしても平気です。
例えば、「8週齡規制は欧米では常識」とはよく支持者のブログでも見られた記述ですが、「常識」とは、欧米の国のうち、8週齡規制があるのはどの国なのか、その対象が犬だけなのか、犬猫両方なのか、明確に書かれたものはただのひとつもありません。
8週齡規制を求め、「欧米では常識」と主張するのならば、それを採用している国はどこで、欧米のすべての国のうちいくつあって、その法律と該当する条文をあげ、犬猫ともか犬だけかも言及するのが当然でしょう。
さらに彼らは、8週齡規制でも、犬と猫を混同していますし。
改正された動物愛護法は崩壊したブリーダーや業者の発生を防ぐにはかなりいい法律だと思ったのですが残念です。
こうした一部の崩壊したブリーダーや業者のために真面目に仕事をしている業者やブリーダーがバッシングをうけるのですね‥
さんかくたまごさんは今後今回起きた犬の死体放棄事件を防ぐためにはどのようにしたらいいと考えていますか?
名無しさん、コメントありがとうございます。
> 改正された動物愛護法は崩壊したブリーダーや業者の発生を防ぐにはかなりいい法律だと思ったのですが残念です。
逆ですね。
ブリーダーや業者の崩壊の発せ防止にはなりません。
むしろ崩壊を促進します。
動物取扱業者に対する終生飼育は、業者のコスト増を招きます。
それは厳しい経営状態の業者の破綻を招きます。
>一部の崩壊したブリーダーや業者のために真面目に仕事をしている業者やブリーダーがバッシングをうけるのですね‥
残念ながら、そういう面はあるでしょう。
> さんかくたまごさんは今後今回起きた犬の死体放棄事件を防ぐためにはどのようにしたらいいと考えていますか?
動物愛護管理法改正では、業者の終生飼育義務(罰則規定はありませんが)と、保健所の業者からの引取りを制限することを認めました。
それより先にすべきことがありました。
ブリーダーを免許制にして、犬猫等の生産大腸の備え付けを義務付けることと、マイクロチップの施術をブリーダー段階で義務化し、登録も義務化すること。
そして、飼い主嬢法の登録をその都度行うこと。
それを刑事罰でもって義務付けること、です。
私は記事の中でも書いていますが、犬猫などの愛護動物を終生飼育する義務を定めている法律を持つ国は、先進国ではおそらく日本だけでしょう。
つまりこの規定は、無理があるということです。
私は飼い主(所有者)が、やむを得ず殺処分する場合は、より苦痛の少ない、麻酔薬による安楽死を望みます。
獣医師が、安楽死処置を断らないことが必要だと思います。
それと終生飼育義務は、無理があります。
立法関係者は、再考していただきたいと思います。