続・福島みずほ氏の無知蒙昧があまりにもひどすぎる。「イギリスなどは、犬猫の売買を禁止している」「イギリスやドイツなどが、殺処分ゼロを目指しているか実現しています。ドイツは殺処分ゼロ」~真実は「イギリスでは多数の犬猫が銃により殺処分されています」
Domestic/inländisch
前回記事、福島みずほ氏の無知蒙昧があまりにもひどすぎる。「イギリスなどは、犬猫の売買を禁止している」「イギリスやドイツなどが、殺処分ゼロを目指しているか実現しています。ドイツは殺処分ゼロ」~真実は「イギリスでは多数の犬猫が銃により殺処分されています」、の続きです。今回はイギリスでの、犬猫の殺処分の実情を紹介します。イギリスでの犬猫の殺処分は、民間では家畜屠殺用拳銃が多く使用されています。
社会民主党の党首を長年務めた参議院議員である福島みずほ氏のブログですが、海外の動物愛護事情についての無知蒙昧があまりにひどすぎます。福島みずほ氏が自らのブログ、福島みずほのどきどき日記 犬・猫殺処分ゼロを目指してで書かれている、「イギリスなどは、犬猫の売買を禁止している」「イギリスやドイツなどが、殺処分ゼロを目指しているか実現しています。ドイツは殺処分ゼロ」が大嘘誤りであることは、私のブログの読者様はご存知でしょう。
今回は、イギリスでは犬などの殺処分では家畜屠殺用拳銃が一般に用いられ、殺処分の実数が大変多いことを裏付けるイギリスの資料を紹介します。
「イギリスでは日本と比べて犬猫の殺処分数が極めて少ない」と指摘する愛誤が多数存在します。しかしその根拠として挙げているのは、イギリスの公的殺処分統計です。その数値は、民間シェルターでの殺処分数が含まれていませんので、イギリス全体の殺処分数の実数を表しているものではありません。
イギリスは、公的シェルターに収容した犬猫は1週間しか保管しません。その間に殺処分を行うのは、怪我や病気の状態がひどいものや、凶暴なものに限られます。1週間後は、収容された犬猫は全て民間シェルターに移譲されます。移譲先の民間シェルターでは、シェルターによってはほとんどの犬猫が殺処分されます。民間での殺処分数は、公的統計には現れません。「イギリスは日本に比べて極めて殺処分数が少ない」という情報を流布させている人は、そのような背景を知りつつも嘘偏向を承知で日本に流布させているか、無知蒙昧かのどちらかです。
Mayhew International LEGISLATION AND STATISTICAL INFORMATION REGARDING EUTHANASIA OF STRAY DOGS IN THEUK 「メイヒューインターナショナル イギリスの野良犬の安楽死に関する法律と統計情報」から引用します。
イギリスの公的殺処分数統計に現れるのは、下記の引用での、公的シェルターでの保管期間の1週間以内に殺処分された例外のみです。
The two main pieces of legislation concerning the collection and disposal of stray dogs are the Dogs Act 1906 and the Environmental Protection Act 1990.
Responsibilities for dealing with stray dogs, originally assigned to the police , now lie with the local authorities.
The law requires that a stray dog must be held for seven days after seizure by the police or local authorities before disposal.
If unclaimed by its owner after seven days, the dog may be (1) sold or given away to a new owner, (2) sold or given away to a welfare organisation or (3) destroyed humanely .
3 The law also authorises euthanasia before the expiry of the seven days where necessary “to avoid suffering”.
法律、犬法(Dogs Act1906年)環境保護法(Environmental Protection Act1990年)に基づき、野良犬は殺処分前に、警察や地方自治体による捕獲の後7日間、保護されなければならないと定められています。
もともと法律では、野良犬の対処する責任は警察が管轄でした。
現在では地方自治体が行なっています。
法律で野良犬は、7日間は殺処分されずに保護されなければなりません。
7日後に犬の飼い主が返還を求めてこなかった場合は、犬は(1)売却または新しい所有者に譲渡し、(2)売却や福祉団体(民間のレスキューシェルター)に引き渡されます。または(3)人道的に殺処分されることがあります。
法律はまた、必要な「苦しみを回避するためならば」7日以内であっても犬を安楽死することを許可しています。
民間のアニマルシェルターに移譲された後の犬猫は、高位推計で、殺処分率が約半数です。人口比では、イギリスは民間シェルターだけでも、日本の公的殺処分数の2倍もの犬猫を殺処分していることになります。
アニマルシェルターの中でも別格とも言える、大変権威ある、王立愛護団体のRSPCAも例外ではなく、単に収容スペース不足という理由だけで、約半数の犬猫を殺処分していました。さらに殺処分は、家畜屠殺用拳銃が多用されました。なお犬などの殺処分で家畜屠殺用拳銃が用いられるのは、イギリスでは一般的です。ドイツのように、食用目的の屠殺などの例外を除いて、温血動物の殺処分は麻酔下で行わなければならないという、法的規制がないからです。
前述RSPCAが、犬などの殺処分で、家畜屠殺用拳銃が一般に用いられる根拠をあげましょう。日本語でのRSPCAを紹介するサイトがあります。http://www.knots.or.jp/info/overseas/rspca/rspca.htm。日本人が、RSPCAのインスペクターの研修を受けた体験記が記述されています。
なお、「イギリスのアニマルポリス」として紹介し、RSPCAのインスペクターを警察官と誤解するような情報がありますが、RSPCAのインスペクターは民間人です。イギリスに、動物犯罪を専門に扱う、独立した警察機関はありません。
RSPCAが認めている安楽死方法は、中型動物については銃を使用することがある、大動物については銃である。
RSPCAでは保護した猫についてFIVが陽性であったものは全て安楽死の措置を取っているとのことであった。
インスペクタートレーニングコースでは、安楽死及びと殺を行う実施研修があり、全ての生徒たちが自ら手を下し動物の命を絶つことを経験する。
安楽死については非常に大きなテーマであり、インスペクターになるためにはここを避けては通れない。
犬猫については、時には銃という方法になるようである。
動物福祉を進めるにあたっては安楽死方法の見直しは外せない。
さらに、ワールドプレス(wordpress)の、2014年9月1日のインターネット版記事でも、RSPCAが収容動物を家畜屠殺用拳銃のみならず、通常の拳銃により、多くの収容動物の殺処分を行っていたことを報じています。RSPCA Killing Healthy/Treatable Pets with Bolt Guns and Bulletsより引用します。本記事によれば、2011年には、RSPCAが5万3,000もの健康で治療可能な収容動物を殺処分していたことが明らかになりました。
RSPCA Killing Healthy/Treatable Pets with Bolt Guns and Bullets.
The Royal Society for the Prevention of Cruelty to Animals in the UK reportedly killed 53,000 animals in 2011, many of them healthy or treatable.
The RSPCA’s 44% kill rate can not be blamed on an open admission status.
The RSPCA, which routinely kills animals with a bolt gun, also shoots healthy/treatable pets to death as a form of “euthanasia” according to a whistleblower who worked for the organization for 2 years.
家畜屠殺用拳銃や実弾(通常の拳銃)で、健康で治療可能なペットを殺し続けているRSPCA。
イギリスの、動物虐待防止のための王立協会(RSPCA)は、2011年の報告によると、健康もしくは治療可能な5万3千もの多くの動物を殺しました。
RSPCAの44%もの殺処分率は、広く動物を引き受け収容していたことを理由にすることはできません。
日常的に、家畜屠殺用拳銃で動物を殺しているRSPCAはまた、2年間、組織の中で働いいていた者の内部告発によれば、健康で治療可能なペットを、「安楽死」の一類型として銃による射殺を行っています。
以上のようにイギリスのアニマルシェルターでは、極めて多数の犬猫を拳銃などで殺処分をしています。さらにイギリスでは、アニマルシェルターに収容された犬猫のみならず、レースドッグなどの使役犬の殺処分も多く、殺処分には多くが家畜屠殺用拳銃(通常の銃も)が用いられています。
イギリスでは、ドイツのように食肉用屠殺などの例外を除いて、温血動物を殺すときは麻酔を用いることを法律で義務付けていないからです。しかし銃による殺処分は、全米獣医学会や日本の環境省も、安楽死とは認めていません。
福島みずほ氏の、「イギリスやドイツなどが、殺処分ゼロを目指しているか実現しています」とし、日本は残酷な方法で、かつ犬猫殺処分数が多いため、イギリスなどに比べて動物愛護に劣っている」との指摘は誤りもしくは嘘です。
イギリスでは、度々、犬などを家畜屠殺用拳銃(通常の銃も含む)で殺処分することを禁止する法制化運動が行われてきましたが、イギリスでは法改正の動きはないようです。次回は、イギリスでの、レースドッグの殺処分で拳銃を用いることを禁止する法制化運動について紹介します(続く)。
(動画)
家畜屠殺用拳銃による家畜の屠殺。家畜の屠殺の場合は、食肉の安全性のために薬殺(安楽死)は行えないという事情はありますが、家畜で許される殺害方法が犬猫に限り、残虐で動物愛護に反するという理屈も矛盾します。
イギリスでは犬猫などのペットの殺処分で拳銃を用いることを法律で禁止することを求める運動が続けられています。しかし今のところ、イギリスではペットの銃による殺処分を禁じる法改正の動きはありません。rspca bolt gun video.wmv 「RSPCAは家畜屠殺用拳銃で犬を殺処分する」。2009年12月1日。
たまたまウェールズで10頭のジャーマンシェパードが拳銃で殺処分されたことが発覚しただけです。まさに氷山の一角。RSPCAは、年間数千頭の犬猫を同様の方法で殺処分しています。
A video showing use of captive bolt gun and pithing to slaughter livestock, the same method used by the R.S.P.C.A. to 'euthanise' ten German Shepherd dogs rescued by them in Wales.
このビデオは、家畜屠殺用拳銃を使用して、家畜を屠殺している様子を示しています。
R.S.P.C.A.(イギリスで最も権威ある動物愛護団体)は、この拳銃を使用するのと同じ方法(射殺)で、ウェールズで10頭のジャーマンシェパードを「安楽死」という名目で救済しました。
・RSPCAとは
~
英国動物虐待防止協会
・RSPCAのインスペクターとは。
~
日本では、「イギリスのアニマルポリス」と警察官と誤認されるようなを紹介されています。
しかしRSPCAは民間団体であり、その専従従業員であるインスペクターももちろん民間人です。
したがって、直接の捜査逮捕権限はありません。
■ 動物ジャーナル79 2012 秋 先進国って何? (四) 英国篇 その四 青島 啓子
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