極めて深刻なアメリカの犬咬傷事故~人口当たり発生数は日本の400倍以上


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(Summary)
All Dog Bite Statistics
The number of victims
The most recent USA survey of dog bites conducted by CDC researchers concluded that in 2001, 2002 and 2003 there were 4.5 million American dog bite victims per year (1.5% of the entire population).
Dog bites have risen in number and severity since the 1980s
Dog Bite Statistics(2015)
According to the CDC, more than 4.7 million dog-bite incidents occur in the United States every year.
「日本は欧米に遅れた動物愛護後進国である」というプロパガンダが、動物愛護(誤)団体やマスメディアも巻き込んで日本で流布されています。しかし「動物愛護に先進的」とはいかなることなのでしょうか。日本のマスメディアは、欧米やオセアニア、カナダなどの先進国における犬の咬傷事故の多さについては全くと言っていいほど報道しません。しかし欧米などの先進国は、日本に比較して極めて犬の咬傷事故が多いのです。アメリカ合衆国の発生数は人口比で日本の400倍です。犬の咬傷事故が多いのは「動物愛護に先進的」と言えるのでしょうか。
私が非公開で頂いたコメントの一部を紹介します。非公開ですので、HNや投稿された記事は示しません。コメントのご指摘のとおり、「犬の咬傷事故が極めて多い」のは、私はほかの面でどれほど素晴らしい点があったとしても、「動物愛護に先進的」とは褒められないと思います。
ましてや、西ヨーロッパ(かつてドイツやイギリスの犬の咬傷事故を私は取り上げています)では、犬に幼い子供が咬み殺される事件がしばしば発生します。さらにアメリカ合衆国では、西ヨーロッパよりはるかに重傷・死亡事故が多いのです。
現在のペットの飼育状況や法律を見ても日本はかなりの動物愛護先進国と思われます。
対して海外ではピットブルに噛まれて重症を負ったり幼児が死亡する報道を見ても日本より悪いであろうと想像できます。(*1、こちらのページに取り上げられていない報道です)。
これらの状況で「海外を見習え」とは海外に何か劣等感でもあるのかと疑いたくなります。
*1、僭越ですが、私は今まで特にドイツの犬の咬傷事故などについては何度も取り上げています。
・ドイツの犬咬傷事故は日本の約10倍~ドイツにおける犬の咬傷事故35,000件の分析結果
・飼い主の赤ちゃんを襲った犬は安楽死させられました~ニュージーランド
・続・「ひき逃げ」ならぬ「犬の噛み逃げ」に怒るドイツ国民
・「ひき逃げ」ならぬ「犬の噛み逃げ」に怒るドイツ国民
・武装警察官によって射殺された秋田犬~イギリス
・不適正犬飼育者と犬咬傷事故の激増に苦悩するドイツ~警察官の犬射殺駆除で人身事故が発生(ベルリン)
・不適正犬飼育者と犬咬傷事故の激増に苦悩するドイツ~ドイツ国民の22%が犬による咬傷事故を経験している
・不適正犬飼育者と犬咬傷事故の激増に苦悩するドイツ~ベルリン州の犬咬傷事故数はさらに増加(発生率は日本の10倍以上)
・不適正犬飼育者と犬咬傷事故の激増に苦悩するドイツ~犬咬傷事故発生率はベルリンは日本の約10倍
・続・ドイツの犬の強制殺処分や飼育規制の強化の背景には、深刻な犬による咬傷事故増加がある~ドイツ、ベルリン
・ドイツの犬の強制殺処分や飼育規制の強化の背景には、深刻な犬による咬傷事故増加がある~ドイツ、ベルリン
その他
今回記事では、アメリカ合衆国における犬の咬傷事故が極めて多く深刻であることを述べます。アメリカ合衆国では、毎年詳細な犬の咬傷事故統計が発表されています。All Dog Bite Statistics 「アメリカ合衆国における犬の咬傷事故の全統計 2016年版」。から引用します。
The number of dogs
There currently are 83.3 million dogs in the USA, which are kept by 56.7 million households. (American Pet Products Association, 2013-2014 APPA National Pet Owners Survey Statistics: Pet Ownership & Annual Expenses.)
The number of victims
The most recent USA survey of dog bites conducted by CDC researchers concluded that in 2001, 2002 and 2003 there were 4.5 million American dog bite victims per year (1.5% of the entire population).
Dog bites send nearly 316,200 victims to hospital emergency departments per year (898 per day).
Approximately 750,000 dog bite victims require medical care each year.
In 2015, more than 28,000 reconstructive surgery procedures were performed because of dog bites.
5,900 letter carriers were bitten in 2012.
Dog bites have risen in number and severity since the 1980s
There was an 82% increase in fatal dog attacks from the 1980s to 2012.
There was an 86% increase in hospitalizations because of dog bites from 1993 to 2008.
The number went from 5,100 hospitalizations in 1993, to 9,500 in 2008.
The average cost of treatment was $18,200 per patient.
It has risen to an average of over 31 human deaths per year since 2007, with the number reaching 37 in 2012. There were 33 fatalities in 2007, 23 in 2008, 30 in 2009, 34 in 2010, 31 in 2011, 37 in 2012 and 32 in 2013.
犬の数
現在、アメリカ合衆国には8,330万頭の犬がおり、5,670万世帯が飼育しています (米国ペット製品協会、2013-2014年APPAナショナルペット飼い主調査統計:ペット飼育と年間費用より)。
犬の咬傷事故の被害者の数
CDCの研究者らが実施した最近の犬の咬傷に関する米国の調査では、2001年、2002年および2003年に、年間450万人のアメリカ人の犬の咬傷事故被害者(全人口の1.5%)がいると結論付けました。
犬の咬傷事故においては、年間316,200人の被害者を救急病院に搬送します(1日あたり898人)。
毎年、約75万人の犬の咬傷被害者が医療期間による治療を必要としています。
2015年には、犬の咬傷のために28,000以上の形成外科手術が行われました。
2012年に5,900人の郵便配達員が犬に噛まれました。
犬による咬傷は、1980年代から数と重症度が増加しています
1993年から2008年までの犬の咬傷による入院が86%増加しました。
この数字は、1993年の5,100件の入院から2008年の9,500件に増加しました。
平均治療費は患者1人当たり18,200(日本円で約205万円)ドルでした。
1980年代から2012年にかけて、致命的な犬の攻撃(死亡事故)が82%増加しました。
犬の咬傷事故による、2007年の死亡者数は平均で31人、2007年には37人、2007年に33人、2008年に23人、2009年に30人、2010年に34人、2011年に31人、2012年に37人 2013年には32件となりました。
また、直近の推計では、2015年の犬の対人咬傷事故数は470万人とされています(Dog Bite Statistics。2015年8月25日。According to the CDC, more than 4.7 million dog-bite incidents occur in the United States every year. 「CDCによると、毎年470万件を超える犬の咬傷事故がアメリカで発生しています」)。
一方、日本も犬の咬傷事故の統計を、環境省が公表しています。3.動物による事故 (1)犬による咬傷事故件数(全国計:昭和49年度~平成26年度)(環境省調べ)。この資料による、日本の犬の咬傷事故件数は次のとおりです。
(対人の犬の咬傷事故総数)
・平成23年度 4,149件 対人死亡事故 1
・平成24年度 4,198件 対人死亡事故 1
・平成25年度 4,443件 対人死亡事故 0
・平成26年度 4,364件 対人死亡事故 3
*1なお、「平成22年度以前は「被害者数のそれ以外」に飼い犬等の人以外の咬傷事故が含まれている場合がある」とありますので、平成23年度以前の数値は参考にしません。
これらの数値をアメリカ合衆国と日本を比較すると、次のようになります。
・犬による対人咬傷事故総数 アメリカ合衆国(2015年の推計値) 470万人 日本 平成23年~26年 4,289人
・犬による対人死亡事故件数 アメリカ合衆国(2013年) 32人 日本 平成23年~26年平均 1.25人
犬の咬傷事故の範囲の定義や、「日本人は事件を大事にしたくない」という国民性、また保健所に咬傷事故を届けるというハードルの高さ、さらにはアメリカ合衆国に比べて小型犬の飼育比率が高いなどの条件が異なりますので、そのまま統計値を比較することはできないとは思います。しかしそれらを鑑みても、日本よりアメリカ合衆国の方がはるかに犬の咬傷事故発生率が高いと言えます。特に死亡事故はすべて統計に出ますので、そのまま比較して良いと思います。
以上より、アメリカ合衆国は、対人犬の咬傷事故数では、人口比では日本より400倍以上も多いことになります。死亡事故でも、人口当たり約10倍も多いのです。頂いた「現在のペットの飼育状況や法律を見ても日本はかなりの動物愛護先進国と思われます。対して海外ではピットブルに噛まれて重症を負ったり幼児が死亡する報道を見ても日本より悪いであろうと想像できます」とのコメントは、まったく正しいと思います。人の安全を脅かすような犬の飼育がなされていて、実際咬傷事故が多いとなれば、ほかの面がどれほど素晴らしくても、その国の動物愛護のレベルが高いとは思いません。
(動画)
Fatal Dog Bite 「致命的な犬の咬傷」。2016/06/28 に公開。直接的な咬み傷による死亡でなくても、犬からうつされた感染症による死亡もあります。中小型犬といえども、咬傷事故には注意をしなくてはならないでしょう。
Our client, Ken, died after a dog bite left him with life-threatening infections.
Davis Law Group attorney Chris Davis filed a wrongful death lawsuit on the man's behalf, resulting in a $1 million settlement for the man's surviving family.
当法律事務所の顧客、ケン氏は、(犬の咬傷が原因の)致命的な感染症で、犬に咬まれた後に死亡しました。
デイヴィス法律事務所の弁護士、クリス・デイビス氏は、ケン氏に代わってケン氏の死因となった不法行為の訴訟を提起し、ケン氏の遺族のために100万ドルの和解を勝ち取りました。
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