「ニュージーランドの動物保護施設は殺処分しない。譲渡率100%」という大嘘



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(Summary)
Advocacy Overdrive – BSL in New Zealand - The Godzone is a Canine Warzone.
New Zealand is also practicing dog breed discriminatory laws.
They have been in place for almost 10 years. Now due to recent media frenzy over dog bite incidents the attitude towards dogs of a certain type are becoming increasingly hostile.
For 2010 - 2011
Central 535 euthanized 76 adopted
Manukau 1754 euthanized 174 adopted
Franklin 147 euthanized 49 adopted
Papakura 258 euthanized 39 adopted
West 458 euthanized 196 adopted
North 186 euthanized 137 adopted


 「ニュージーランドのSPCAオークランド(民間団体の動物保護施設)は殺処分しない。譲渡率は100%である」とマスメディアに記事を寄稿している方がいます。しかしこれはまさに厚顔無恥な大嘘です。また一民間団体の動物保護施設に関する記述ですが、著しく「ニュージーランドが殺処分しない」と誤認させる内容です。ニュージーランド、オークランドの公的アニマルシェルターは詳細な公的統計を発表しています。それによれば*1、オークランドの公的アニマルシェルターの殺処分数は大変多く、人口比で日本の約20倍です。また、保護した犬の譲渡率は20%に及びません。さらに、民間団体のSPCAオークランドも健康上問題のない犬などの殺処分を行っています。
 
*1、オークランドはニュージーランドの人口の3分の1を占める大都市です。この統計でもって、ニュージーランド全体の数値を推測しても良いでしょう。


 私は、ニュージーランドの公的殺処分が大変多く、人口比で日本の公的殺処分の約20倍もの数の犬を公的殺処分していることを記事にしています(安井美沙子元参議院議員の「日本の犬猫の殺処分数は諸外国と比較して格段に多い」との狂気発言~ニュージーランド、オークランド郡の犬殺処分数は人口比で日本の20倍。こちらの記事で引用した数値はオークランド郡の公的殺処分数ですが、オークランド郡はニュージーランドの人口の3分の1を占めており、ニュージーランド全土の殺処分割合として推計して良いと判断しました。
 しかし、一民間のアニマルシェルターである、SPCAオークランド(SPCA Auckland)を取り上げて、著しく「ニュージーランドでは殺処分を行っていない」と誤認させる記事があります。さらに、その記事で取り上げた、SPCAオークランドにおいても、犬の殺処分を行っているとの、ニュージーランドのマスメディアの記事がいくつも見つかりました。つまり、問題の記事に書かれていること~「ニュージーランドでは殺処分は行われている」という誤認を招く表現は問題ですが、それ以前に「SPCAオークランドは殺処分していない」は真っ赤な嘘です。


 問題の記事を引用します。ニュージーランドの動物保護団体、SPCA オークランド訪問 マーティンゆう 2009.06.08。以下に問題の記述を引用します。


SPCA という団体名をご存知だろうか?
1824年にイギリスで誕生した、世界で最も影響力のある動物愛護・福祉団体である。
ニュージーランド SPCA ニュージーランドの動物保護法の下で最大の実権を握る SPCA オークランドを訪れてきた。
ここで保護されている動物の総数は約300頭。
犬や猫をはじめとし、馬や羊、豚にウサギにハムスターや鳥まで様々な動物が新しい家族を求めて暮らしている。
譲渡率はほぼ100%。
年間14,000頭の動物たちが新しい家族とめぐりあい、引き取られていく。
ここでは殺処分は行われない。



 しょっぱなから誤った記述でコケましたね。「SPCAは1824年にギリスで誕生した動物愛護・福祉団体である」ですが、Society for the Prevention of Cruelty to Animals(SPCA)とは、動物福祉を目的とする団体の一般名称です。
 英語版wikipediaの記述では、A Society for the Prevention of Cruelty to Animals is a common name for non-profit animal welfare organizations around the world. SPCA organizations operate independently of each other.Policies regarding animal euthanasia, handling feral cats, and similar issues vary by organization. 「SPCA(動物の虐待防止協会)は、世界中の非営利団体の動物福祉団体の共通名です。SPCA組織は互いに独立して運営されています。動物の安楽死、野生の猫、野良猫の取り扱い、および同様の問題に関する方針は組織によって異なります」とあります。おそらくマーティン・ゆう氏は、オークランドSPCAを、英国王立動物虐待防止協会 The Royal Society for the Prevention of Cruelty to Animals (RSPCA)と混同していると思われます。例えばASPCA(全米動物虐待防止協会)とRSPCAは全く別組織で方針もことなります。多くの国に、SPCAを名乗る独立した組織があります。
 このような基本的な知識もないライターの記事がメディアに掲載され、何ら指摘もされず放置されるということは、いかに日本の動物愛護のレベルが低いかを表していると思います。

 その他の記述にも突っ込みどころ満載です。「ここ(SPCAオークランド)では殺処分は行われない」ですが、殺処分をしていることを裏付ける記事があります。
 SPCA puts pit bull dogs up for adoption in major policy reversal on euthanasia 「SPCAオークランドは安楽死に対する大きな方針転換により、ピット・ブル犬を里親に譲渡します」。2015年12月6日。


The SPCA has reversed a long-standing policy to automatically put down pit bull dogs.
Homeless pups Blue and Riggs were listed for adoption at Auckland's SPCA, marking a policy change by the animal welfare group.
Until now dogs classified as menacing breeds that came into the SPCA were euthanised immediately.
Dogs deemed menacing breeds according to the Dog Control Act are the Brazilian Fila, Japanese Tosa, Dogo Argentino Presa Canario and the American Pit bull Terrier.
Riggs is making history as one of two pit bulls the SPCA is listing for adoption after changing a policy to kill pit bulls.

SPCAオークランドは、ピット・ブル犬を自動的に安楽死させるという、長年の方針を覆しました。
飼い主のない(ピット・ブル犬の)ブルーとリグは、SPCAオークランドで養子縁組され、SPCSによる方針変更が記録されました。
これまで、SPCAに入った危険とされる犬の品種に分類された犬は、すぐさま安楽死させられました。
犬管理法に基づき危険と見なされる犬は、ブラジリアン・フィラ、ジャパニーズ・土佐、ドゴ・アルゼンチーノ、プレサ・カナリオ、そしてアメリカン・ピット・ブルテリアです。
リグ(犬の名前)は、ピットブルたちを殺処分するという方針を変更した後に、SPCAが養子縁組をしたことを発表した2頭のピット・ブルのうちの1頭として歴史を作りました。



 この記事は、2015年21月6日です。それ以前は、法律で定められたいわゆる危険な犬(闘犬種)は、SPCAオークランドに収容されたならば、すぐさま「自動的に」殺処分されてきたのです。マーティン・ゆう氏の、「ここ(SPCAオークランド)では殺処分は行われない」と記述がある記事は2009年のものです。
 2015年に「初めてSPCAオークランドが2頭のピット・ブル犬を殺処分せずに譲渡した」ことが「歴史的」と報じられています。それ以前は、いかに例外なく特定の犬種がSPCAオークランドに収容された場合は、殺処分されたかがわかります。ですから「ここ(オークランドSPCA)では殺処分は行われない」との記述は嘘がバレバレです。しかも現在も、SPCAオークランドはいわゆるニュージーランドの「禁止犬種法」で定められた犬は殺処分が基本方針です。「例外的に」テストに合格した犬だけを譲渡対象にしているにすぎません。

 その他にも、SPCAオークランドが収容動物を殺処分していることを裏付ける資料があります(下記に提示)。また、「様々な動物が新しい家族を求めて暮らしている。譲渡率はほぼ100%」「年間14,000頭の動物たちが新しい家族とめぐりあい、引き取られていく」ですが、この数値は、SPCAオークランドの年次報告書にはありません。全くに事実無根で、ライターのマーティン・ゆうさんが勝手に捏造した数字であると思われます。それを裏付けられる資料を後に提示しておきました(SPCAオークランドHP)。
 ニュージーランドでは、公的殺処分のみの数でも、人口比で日本の20倍以上の犬を殺処分しています。民間シェルターの殺処分の数を加えれば、さらにその数が増えます。ニュージーランドの殺処分の多さについては、機会があれば以下の資料の分析記事を書きます。それにしても、人口比で数十倍もの犬を殺処分しているニュージーランドを「殺処分を行っていない」というライターには呆れるばかりです。


(資料)

Auckland SPCA softens line on pitbulls 「SPCAオークランドが、ピット・ブルの扱いを柔軟(例外なく殺処分するという従前の方針を)にした」。2015年12月7日。

The Auckland SPCA has put up its first pitbulls for adoption after reversing its euthanasia policy.
SPCAオークランドは、例外のない安楽死方針を取り消した後に、*1、初めてピットブルを養子縁組しました。


 *1、わずか2頭ですが、安楽死をしなかったことが「歴史的」なニュースになりました。なお、この犬たちは、危険性を判定するテストに合格しています。つまりテストに合格しなければ殺処分されるということです。現在もSPCAオークランドは、「禁止犬種法」で定められた犬種は、安全性のテストに合格しなければ殺処分の方針であり、また行っています。

Advocacy Overdrive – BSL in New Zealand - The Godzone is a Canine Warzone. 「政策の限界を超えたーニュージーランドの禁止犬種法ー神の領域と犬戦争」。2012年2月29日

ニュージーランドの禁止犬種法について。
同法による殺処分だけで、オークランドでは各地域で以下の数の犬が殺処分されました。
禁止犬種に関しては、オークランドでは再譲渡される割合は2割程度で、多くが殺処分されます。
この数値は、公的シェルターと民間シェルター(SPCAオークランドなど)の合計です。
Central 535 euthanized (535頭殺処分 譲渡76頭)
Manukau 1754 euthanized (1754頭殺処分 譲渡174頭))
Franklin 147 euthanized (147頭殺処分)
Papakura 258 euthanized(258等殺処分)
West 458 euthanized (458頭殺処分)
North 186 euthanized(186頭殺処分)



(動画)

 Pet Shops Auckland| Four Seasons Pets Ph 09 485 3003. petstoreauckland 2012/09/24 に公開。ニュージーランド、オークランドのペットショップ、フォー・シーズンズのプロモーション・ビデオ。この中では「私たちは、子犬、猫・・・などの小動物を販売します」と明記されています。日本では一部では「ニュージーランドには生体販売ペットショップはない」「ニュージーランドでは、犬猫はペットショップでは販売されていない」という情報が流布されていますが、真っ赤な嘘です。




(参考資料)

WISH New Zealand
事実関係を調べずに、このような事実無根の情報を拡散することは実に無責任だと思います。

動物を愛する国民らしく、動物愛護団体はSPCA(Society for the Prevention of Cruelty to Animals 動物虐待防止協会)を初め、48の独立団体が存在し、ペットショップでペットを買うよりも、愛護団体から引き取る人が多いです。
SPCAは190年前に元々イギリスで設立された団体(註 SPCAオークランドと、イギリスのRSPCAは独立した組織です)で、ニュージーランドでは130年前に設置され、殆ど寄付金で運営されています。
動物の里親への譲渡率はほぼ100%で、年間約15000匹の動物が引き取られていきます。
驚くことに殺処分は行われていないのです(註 一定数の殺処分が行われています)。


SPCA Auckland SPCAオークランドHP
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No title

やっぱり追加記事を書くべきか?
「SPCAオークランド」の引受動物数15,000も、譲渡率100%も、SPCAオークランドの年次書にはないです(笑い)。

愛誤を信じるな!

こうやって偽情報を愛誤連中に刷り込んでいくのですね。

さんかく様、追加記事お願いします!

Re: 愛誤を信じるな!

フェイル 様、コメントありがとうございます。

> こうやって偽情報を愛誤連中に刷り込んでいくのですね。
> さんかく様、追加記事お願いします!

SPCAオークランドの年次報告書を折々訳します。
細かい数字で統計が出ています。
なぜ「譲渡率100%」という数字が出てくるのか分かりません。
ネットで簡単に分かることなのに、なぜ嘘をつくのでしょうね。
プロフィール

さんかくたまご

Author:さんかくたまご
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1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

・座右の銘は「人の行く裏に道あり花の山」
・好きな生き物 メジロ
・尊敬する人 ガブリエルシャネル(シャネル社創業者)
・好きな言葉 Das Beste oder nichts「最善か無か」。ダイムラー・ベンツ社の企業理念。私自身は何事も中途半端でいい加減です。ですからこの言葉に憧れます。

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