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「日本で繁殖雌犬の余剰が大量発生するのはペットショップがあり動物福祉に遅れているから」というNHKの報道は論外







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(Domestic/Inländisch)

 記事、
「繁殖引退犬の大量余剰」これは動物愛護管理法の悪改正の当然の帰結
国際比較で雌犬の繁殖上限年齢が異常に低い日本~それは動物福祉向上が目的ではないことを意味する
国際比較で雌犬の繁殖上限年齢が異常に低いが交配下限年齢の規制がない日本~動物福祉が目的ではないことが明らか
の続きです。
 NHKは2024年2月5日放送の「NHKクローズアップ現代 さまよう繁殖引退犬 ペット業界の“異変”を追う」という番組を放送しました。その番組では「日本は現在引退繁殖犬の大量余剰問題があるが、その原因は動物福祉に遅れてペットショップがあるからだ」と結論づけています。そして「ペットショップでの犬猫販売が抑制されている、禁止されている動物福祉に進んだ国としてドイツ、イギリス、フランスを挙げています。しかしそれは全くの論外で、無理やりなこじつけです。



 サマリーで示した通り、2024年2月5日に放送された「NHKクローズアップ現代 さまよう繁殖引退犬 ペット業界の“異変”を追う」では、現在日本では繁殖引退雌犬の大量余剰が問題になっていることが報じられました。その理由として、2019年に改正された動物愛護管理法の犬ブリーダーに対する繁殖雌犬の交配年齢の上限や、繁殖業者の従業員一人当たりの世話をする犬の数の上限の制限などがあるとしています。
 本連載では、主に犬ブリーダーの交配年齢の上限を「6歳まで」とした規制強化の悪影響を取り上げます。2019年に動物愛護管理法が改正に基づき、「令和三年環境省令第七号 第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の方法等の基準を定める省令」が制定され、犬の繁殖を行う者は、雌犬の交配の年齢の上限を「6歳まで」と規制が強化されました。(*)

(*)
令和三年環境省令第七号 第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の方法等の基準を定める省令


(画像)

さまよう繁殖引退犬 ペット業界の“異変”を追う 初回放送日: 2024年2月5日 のホームページから

クローズアップ現代


 さらにNHKの本番組では、次のように結論づけています。「日本でこのように繁殖引退雌犬の大量余剰問題が発生する根本原因はペットショップである。動物福祉先進国であるドイツ、フランス、イギリスでは犬猫の販売禁止や抑制を行っている(ために、日本のような繁殖引退雌犬の大量余剰問題は起きない」。そして以下に画像に示す図を提示しています(この図の短い記述でも誤り偏向が盛りだくさんなのですが。それは後ほど詳述します)。
 ペットショップでの犬猫販売があることが「繁殖引退雌犬の大量余剰問題の原因」という因果関係の説明を、NHKはしていません。いきなりの論理の飛躍で驚きます。


(画像)

 さまよう繁殖引退犬 ペット業界の“異変”を追う 初回放送日: 2024年2月5日 から

NHK クローズアップ現代


 結論から言えば、ペットショップでの犬猫販売の有無は、繁殖引退雌犬の余剰とは関係ありません。連載記事ですでに述べた通りその理由はドイツ、フランス、イギリスに比べて、雌犬の繁殖の法令による上限年齢がこれらの国は強制力がある法令はなく、民間の自主規制でも日本に比較して著しく低くことが挙げられます。
 さらにドイツ、フランス、イギリスの犬の平均寿命は日本に比べて著しく低いのです。またこれらの国では、犬の人為的な致死処分に対して、日本に比べて寛容です。ドイツは犬の死因の80%から90%、イギリスは80%超です。特に営利生産の犬ブリーダーは、一般飼主に対して自分が飼育している飼犬の安楽死処置に抵抗はないでしょう。対して日本は国際的にも特異な「犬の繁殖業者は犬を終生飼養しなければならない」という、動物愛護管理法の規定があり、繁殖を引退した犬の安楽死処置がほぼ不可能です。
 ですから雌犬が繁殖を引退してから、寿命を迎えるまでの余命が日本はこれらの国と比較して極端に長いために、必然的に繁殖引退犬の余剰が大量に発生します。以下に、その根拠となる一覧を示します。

犬の平均寿命の各国比較


・イギリス 10.33歳(註 死亡年齢中央値)
Canine Medicine and Genetics Longevity and mortality in Kennel Club registered dog breeds in the UK in 2014

・フランス 11歳
Espérance de vie, calcul en années humaines : tout savoir sur l'âge de votre chien

・ドイツ 11歳
Wie alt werden Hunde?



 なお、ドイツ、イギリス、フランスでは、法令による雌犬の繁殖の上限年齢の規制はありません。多くのデマ資料がありますが、これらの国で法令による雌犬の繁殖年齢の上限はいずれもありません(2024年2月現在)。
 民間のケネルクラブにより自主規制があり、次の通りです。民間の自主規制ですら、日本の法定の繁殖雌犬の上限年齢より、著しく高くなっています。また民間のケネルクラブの自主規制は、生産した子犬の血統書の発行をしないというだけで、必ずしも消費者は血統書を求めてはいません。血統書無しでも商品としての犬は生産できます。

民間の自主規制による雌犬の「交配」(註 「出産」ではない)の上限年齢


・イギリス
The Kennel Club's rules in regards to registration
出産が8歳以上になると見込まれる雌犬の交配の禁止。ただし獣医師が許可した場合は通常認められる(全英ケネルクラブ)

・ドイツ(VDH 全ドイツケネルクラブ)
Zuchttauglichkeitsprüfung
8歳以上の雌犬の交配を禁じる

・フランス 全仏ケネルクラブ(LOF)
Gestation de la chienne et âge avancé
雌犬の9歳以上の交配は禁止。



 その上ドイツ、イギリス、フランスでは、日本に比べて犬の安楽死を行いことに非常に寛容です。ですから特に営利の犬の繁殖業者は法定の犬の繁殖の上限年齢が高い、もしくはないことと相まって生涯ぎりぎりませ繁殖させ、繁殖効率が悪くなれば安楽死処置を行うと考えられます。ですから日本のように、繁殖引退雌犬の大量余剰問題が発生しないのです。以下に、これらの国の犬の安楽死率がきわめて高いことを示す資料から引用します。


Canine Medicine and Genetics Longevity and mortality in Kennel Club registered dog breeds in the UK in 2014 「犬の医学と遺伝学(学術誌) 2014年の全英ケネルクラブに登録された犬種の寿命と死亡率」 2018年

Mortality data on 5663 deceased dogs registered with the UK Kennel Club were collected from an owner-based survey.
The overall median age at death across all breeds was 124 months [10.33 years] .
Of all deaths reported, 79.58% involved euthanasia.
The overwhelming majority of reported deaths in dogs (79.58%) in this study involved euthanasia.
These findings concur with results reported from primary-care veterinary practice in the UK which reported that 86.4% of deaths involved euthanasia.

UK Kennel Clubに登録されている5663頭の死亡犬の死亡率データは、飼い主ベースの調査から収集されました。
イギリスの犬のすべての品種の全体的な死亡年齢の中央値は124か月[10.33歳]でした。
報告されたすべての死亡のうち、79.58%が安楽死に関与していました。
この研究で報告された犬の死亡の圧倒的多数(79.58%)は安楽死に関係していました。
これらの調査結果は、死亡の86.4%が安楽死に関係していると報告したイギリスのプライマリケア獣医診療から報告された結果と一致しています。


* さらにイギリスでは、犬猫の所有者管理者であれば、獣医師資格がなくとも銃による殺処分が合法です。


Mehr Tierschutz mit Versicherung? Empirische Studie zu Tierkrankenversicherungen für Hund und Katze aus der Perspektive von Tierärztinnen und Tierärzten sowie Tierhalterinnen und Tierhaltern im deutschsprachigen Raum 「ペット医療保険でより多くの動物が保護されるのか? ドイツ語圏の獣医師とペットの飼主の視点から見た犬と猫のペット医療保険に関する実証的研究」 2020年8月

Einige Berichte deuten darauf hin, dass Entscheidungen zur Beendigung des Lebens eines Tieres auf der Grundlage wirtschaftlicher Faktoren (wirtschaftliche Euthanasie) immer häufiger getroffen werden (Kipperman et al. 2017).
dass Schätzungen zufolge in Deutschland vier von fünf Haustiere durch Euthanasie sterben.

ドイツではいくつかの報告においては、経済的要因(経済的な理由による安楽死)に基づいて動物の命を終わらせる決定がより一般的になっていることが示唆されています(Kipperman et al.2017)。
ドイツではペットは5分の4(つまり80%)が安楽死で死亡していると推定されています。


* つまりドイツでは「経済的な理由で犬を安楽死させることが一般的」と言うことです。それはすなわち営利の犬繁殖業者は、より繁殖引退犬を経済的理由で安楽死させることが一般的であるということがうかがえます。


 その他には「ドイツでは犬の死因の90%以上が安楽死である」という資料も複数あります。フランスでは、犬の死因に占める安楽死が占める割合の資料は見つかりませんでした。しかし犬の平均寿命がイギリスとドイツとほぼ同じですので、安楽死は一般的に行われていると推測されます。獣医療が普及した先進国においては、日本のように犬の安楽死がほぼ行われない国では、犬の平均寿命が15歳近くなど著しく高くなるからです。
 NHKが一覧表で示したドイツ、フランス、イギリスでは、繁殖引退雌犬の余剰が大量に発生することはありません。繰り返しますがそれは日本と異なり法定の繁殖雌犬の繁殖上限年齢がなく、民間の自主規制でも著しく高いことがあります。さらにこれらの国では犬の安楽死が容易いことで寿命ぎりぎりまで繁殖させ、お役御免になれば繁殖雌犬を安楽死処置させるからです。NHKの報道の「ドイツ、イギリス、フランスはペットショップでの犬猫販売を禁止もしくは制限している動物福祉に進んだ国だから、繁殖引退雌犬の大量余剰が発生しない」は妄論です。短い記述ですが、NHKのこの一覧表でも偏向誤りがあります。それは次回以降の記事で述べます。
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非公開コメント

イギリス ねこけんぽう

失礼します
仮にドイツフランスの当該言説が正しかったと仮定しても特にイギリスは意味不明じゃないですかね。まあフランスも今年からなのでおかしいんですが・・・
なぜ生後6ヶ月未満の犬猫販売禁止することで。繁殖雌犬の余剰大量発生がなくなるのか・・・犬の寿命って10年ぐらいあるのはだいたいの視聴者でもわかるでしょうし。小野塚教授みたく猫歩きをしていない地域=野良猫がいない地域はさすがにNHKではなく、小野塚教授の発想がある意味凄いわけですが・・・

それとこういう場合税金使っているんですから、ホームページで当該国の法令や条文名リンク先ぐらいあげるべきですよね。公共放送なんですし・・・ 
ビジネスでも観光でも移住でもいいんですが、外国の法令の理解間違えると視聴者が不利益こうむるわけですし

ねこけんぽう
https://www.jiyu.co.jp/shumiseikatsu/detail.php?eid=04130&series_id=s19
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000231.000037885.html
これは小学生も読むのでしょうがないんですが、これも動物先進国のすばらしさを称えるものですが、子どもが影響されるんでしょうね・・・猫と人間以外にも動物はいるんですけどね



Re: イギリス ねこけんぽう

クセル様、コメントありがとうございます。

> 仮にドイツフランスの当該言説が正しかったと仮定しても特にイギリスは意味不明じゃないですかね。まあフランスも今年からなのでおかしいんですが・・・

次の記事で書きますが、ドイツ、フランス、イギリスでは法定の雌犬の繁殖上限の定めはなく、民間の自主規制でも日本より著しく高いです。
さらに日本よりこれらの国は犬の平均寿命が日本よりはるかに低く、繁殖を引退してから死ぬまでの余命がごく短いのです。
ですからこれらの国では、繁殖引退雌犬の余剰問題はほぼ発生しません。

それ以前に、ドイツは特に自国での子犬生産は現在は1割未満とほぼないのです。
ペット犬の供給は、ほぼ東欧などから輸入された安い子犬で、ほぼネットで売られます。
ですから繁殖引退雌犬の問題は、ドイツに犬を輸出している国で発生します。
ハンガリー等の西ヨーロッパ先進国に子犬を供給している国の動物保護法は遅れており、繁殖雌犬はぎりぎりまで産まされて用なしになれば餌を与えられず殺されます。
ですから繁殖雌犬の余剰問題とドイツの法制度は関係ありません。

> なぜ生後6ヶ月未満の犬猫販売禁止することで。繁殖雌犬の余剰大量発生がなくなるのか・・・

その因果関係は説明されていません。


> それとこういう場合税金使っているんですから、ホームページで当該国の法令や条文名リンク先ぐらいあげるべきですよね。公共放送なんですし・・・ 

この短い記述も誤りがあります。
それは次回以降で書きます。


> ねこけんぽう
> これは小学生も読むのでしょうがないんですが、これも動物先進国のすばらしさを称えるものですが、子どもが影響されるんでしょうね・・・猫と人間以外にも動物はいるんですけどね

内容がわからないので何とも言えませんが、凄そうな本が出ましたね。
なぜ猫偏愛者って変な方が多いのでしょう。
トキソプラズマ仮説w
プロフィール

さんかくたまご

Author:さんかくたまご
当ブログのレコード
・1日の最高トータルアクセス数 8,163
・1日の最高純アクセス数 4,956
・カテゴリー(猫)別最高順位7,928ブログ中5位
・カテゴリー(ペット)別最高順位39,916ブログ中8位

1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
しかし私が管理人であるサイトは、このページのフリーエリアにあるリンクだけです。
その他のものは、例えば本ブログ管理人が管理人と誤認させるものであっても、私が管理しているサイトではありません。
よろしくお願いします。

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