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ドイツの犬猫の公的(行政が法律にのっとり制度として施設内で行う)殺処分制度の根拠法






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(Zusammenfassung)
In Deutschland wird eine große Zahl von Hunden und Katzen durch öffentliche und private Einrichtungen eingeschläfert.
In Japan wird jedoch genau die gegenteilige Unwahrheit verbreitet.


 記事、
デマ「ドイツは殺処分ゼロ、ティアハイムは9割以上譲渡で譲渡できなかったものは終生飼育、捨て犬がない」はなぜ繰り返されるのか?
ドイツの犬猫の公的殺処分制度について~もちろんドイツには行政が公的施設で行う殺処分がある。
の続きです。
 犬猫の殺処分とは最狭義では「行政が法律にのっとって」、「行政の制度として存在し」、「便益を目的としない、つまり実験や死体を工業原料として用いる目的ではない(派生的な利用を除外する。例えば殺処分した犬猫の死体をかつては肥料の原料等に払い下げていました)」、犬猫の致死処分という意味で用いられていると思います。前回記事では、この意味での殺処分は、ドイツにおいてもあることをのべました。今回はドイツが公的動物収容所を持ち、そこでの殺処分も行う法的根拠について述べます。



 「ドイツでは殺処分ゼロである」との情報が繰り返し日本で流布されています。結論から言えば、これは全く根拠がないデマです。例えば次のような記事があります。


なぜ犬を捨てる人がいるの? 飼育放棄の原因となる6つの理由に「本当によく考えてほしい」「お迎え前に知っておくべき」 2023年11月27日

動物愛護先進国「ドイツ」の取り組み
今の日本では、残念ながら犬の殺処分をなくすことは難しいでしょう。
そこでここでは、「殺処分ゼロ」を国単位で達成しているドイツの取り組みをご紹介します。
ドイツでは「ティアハイム」という民間の保護施設が国内に500ヵ所以上存在しています。
年間約1.5万頭(*)もの動物がティアハイムに保護され、そのほとんどが殺処分されることなく新たな飼い主に引き取られています。
エサ代や治療費は寄付や会費で賄われており(*1)、社会全体に動物愛護の精神が浸透しています。
そのためドイツは犬猫の殺処分ゼロを実現している国だと言われています。


(*)
Wie viele Hunde kommen jedes Jahr ins Tierheim? [2023] 「年に何頭の犬がティアハイムに収容されますか? [2023年]」 2023年

 ドイツのティアハイムの動物の全種の引受総数は、現在は概ね30万頭程度です。犬は概ね年間8万頭程度がティアハイムに収容されます。ドイツの犬猫の飼育数の総数は2500万頭余り。1.5万頭程度をティアハイムが保護したとしても、全く無意味でしょう。この方の算数感覚は正常なのでしょうか。


(画像)

tierschutzbund kampene rettet die tiehime「ドイツ、動物保護協会 キャンペーン ティアハイムの救助」 2010年

 若干古いですが、ドイツのティアハイムにおける動物の収容数統計ですが、ティアハイムの統括団体であるドイツ動物保護連盟が公表した資料。2009年は、全ティアハイムの犬の引受数は74,900頭、猫は131,900匹でした。現在は全動物種の引受総数は30万頭前後とされています。

ティアハイム連盟 統計


(*1)
記事検索 : ティアハイム 補助金

 当ブログ内での検索結果。ドイツのティアハイムは国際比較でも非常に運営費に占める補助金の割合が高い組織です。動物の飼育費に30日前後の公費が支給されますし、設備投資とその維持費に最高で75%の補助金が支給されるシュレースヴィッヒーホルシュタイン州などもあります。総運営費に占める補助金の割合が50%を超えるかなり施設もあります。日本で「公費は一切受けていない」と流布されているティアハイム・ベルリンも、年間日本円で億円単位の公費が交付されています。


 上記の記事にある記述、「ドイツは犬猫の殺処分ゼロを実現している国」は、先に述べた通り、根拠のない全くの大嘘デマです。その点をドイツ語の典拠(ドイツの法令、政府文書、学術論文、動物保護施設のホームページ、マスコミの報道等の信頼性がきわめて高いもの)を挙げて連載で明らかにしていきます。その前提として、犬猫の「殺処分」の定義を明らかにしておきます。
 前回記事ではその殺処分の定義を、次のように分類しました。


1、最狭義の殺処分

 ①行政が、②法律にのっとって、③制度として経常的に、④施設内で行う、⑤便益を目的としない、犬猫の殺処分。例)日本の公的施設で行う殺処分。

2、狭義の殺処分

 ②法律にのっとって、③制度として経常的に、④施設内で行う、⑤便益を目的としない犬猫の殺処分」を、民間施設が行うもの。例)ドイツのティアハイム。
 また①行政が、②法律にのっとって、③制度として経常的に、④施設外で行う、⑤便益を目的としない犬猫の殺処分。例)ドイツの警察官による犬等の射殺。

3、広義の殺処分

 「法律で許可された」、「私人にも認められている」、「経常的に行われている」、「相当数あり」、「便益を目的としない」犬猫の殺害。例)ドイツでの、各州の狩猟法で規定された私人に許可されている犬猫の狩猟駆除。


 今回記事では狭義の殺処分の、ドイツの「1、最狭義の殺処分~行政が、法律にのっとって、制度として経常的に、施設内で行う、⑤便益を目的としない、犬猫の殺処分」について説明します。

 まずドイツの殺処分制度ですが、次の犬猫が殺処分の対象となります。
① 所有者不明犬猫(野良犬猫や迷い犬猫)
②法律違反等で飼主から行政が没収(強制的に取り上げた)した犬や猫。例えば咬傷犬や禁止犬種、不適正飼育のペット等
③狂犬病法規則に基づき、感染が疑われる検査のための殺処分が必要な犬猫
④通関で狂犬病ワクチン等の証明がなされていない犬猫
⑤飼主が飼えなくなった等で、飼主の意思で手放される犬猫


 行政が公的施設で収容し、殺処分を行うのはするのは、①、②、③、④です。

 まず①ですが、所有者が不明の徘徊犬猫(所有者がない野良犬猫、または所有者がある遁走した迷い犬猫)は、ドイツでは行政機関が捕獲して公的施設に収容します。①の犬猫の一次収容は、行政機関が行うか、私人が行う場合は行政機関から許可をえなけばなりません。何故ならばドイツ民法(*)では、所有者不明の徘徊している家畜は、例外なく「遺失物」として扱わなければならないからです。
 根拠法は、Bürgerliches Gesetzbuch 「ドイツ民法」 960条 966条、967条 です。「所有者不明の猫(家畜)は、必ず自治体が引取る義務がある」との、この民法の条文を根拠とした、行政裁判所の確定判決があります。日本では「明らかに所有者があると思われるもの」のみが遺失物法の適用ですので、所有者がないと思われる猫(野良猫)を私人が直接保護して行政機関に申し出ずに飼育する、第三者に譲渡や販売をしても違法ではありませんが、ドイツでは犯罪になります。

 またドイツでは犬猫の公的動物収容所を州自治体が設置する権限については、Gesetz zur Vorbeugung vor und Bekämpfung von Tierseuchen (Tiergesundheitsgesetz - TierGesG) 「動物の疾病の予防及び管理に関する法律(動物衛生法 - TierGesG)」(連邦法) 6条1項2号a) (*1)により定めています。 
 ドイツでは、公的動物収容所に収容された犬猫は一定期間内に、飼主への返還を行います。返還には手数料が徴収されるのは日本の「動物愛護センター」と同じです。またドイツでは、日本と異なり、行政が猫も捕獲と公的動物収容所への収容を行います。一定期間内に飼主返還と、傷病や攻撃性等で一般譲渡が難しいと判断された犬猫は殺処分されます。

 ドイツの公的な動物収容所での殺処分の根拠は、Gesetz zur Vorbeugung vor und Bekämpfung von Tierseuchen (Tiergesundheitsgesetz - TierGesG) 「動物の疾病の予防及び管理に関する法律(動物衛生法 - TierGesG)」(連邦法) 6条1項20号a) により、許可されています。
 所有者不明犬猫の公的動物収容所での飼主返還や、緊急的な殺処分の手続きを終えたのちに、残った犬猫は民間のティアハイムに移譲します。民間ティアハイムは、行政から移譲を受けた犬猫の一般譲渡(販売)を担います。ティアハイムは、さらに傷病や問題行動により譲渡できなかった犬猫、譲渡が難しいと判断された犬猫を殺処分します。ティアハイムの平均の犬の殺処分率は26.2%(2014年 ハノーファー大学調べ)で、2020年度の日本の公的殺処分率の2倍をはるかに超えます。この数字は、公的動物収容所での殺処分が含まれていませんので、実際に殺処分率はそれよりもさらに高くなります。

 今回はドイツの「①所有者不明犬猫(野良犬猫や迷い犬猫)」の一次保護は行政もしくは私人が行う場合は行政機関が許可しなければ行えないことと、行政機関による公的な動物収容所での犬猫殺処分が行える根拠法について取り上げました。狂犬病規則においても所有者不明犬猫は「感染の疑いがある」ものは公的動物収容所での強制殺処分の対象になりますが、それは「③狂犬病法規則に基づき、感染が疑われている検査のための殺処分が必要な犬猫」の説明で詳述します。


(*)
Bürgerliches Gesetzbuch 「ドイツ民法」

§ 960 Wilde Tiere 「ドイツ民法 960条」 (3) Ein gezähmtes Tier wird herrenlos, wenn es die Gewohnheit ablegt, an den ihm bestimmten Ort zurückzukehren. 「3項 家畜はは飼主を失い、元の飼育場所に戻る習慣がなくなれば野生動物とみなす」
 つまり「飼主の有無が不明な場合は家畜は所有者があることが否定できず、遺失物としての扱いを受けなけらない」との意味です。行政裁判所の確定判決があります。

捕獲した所有者不明猫を自治体は必ず保護しなければならないという判決~ドイツ、ミュンスター行政裁判所
 本記事では「原告の野良猫を捕獲した者が自治体に猫の引取りを求め、拒絶されたことにより自治体に捕獲した猫の引取を求めた裁判の判決を取り上げています。ミュンスター行政裁判所は民法960条、966条、967条を根拠に「所有者不明の家畜(猫)は遺失物であり自治体に引き取り義務がある」としました。


(*1)
Gesetz zur Vorbeugung vor und Bekämpfung von Tierseuchen (Tiergesundheitsgesetz - TierGesG) 「動物の疾病の予防及び管理に関する法律(動物衛生法 - TierGesG)」(連邦法)

§ 6 Ermächtigungen zur Vorbeugung vor und Bekämpfung von Tierseuchen
(1) Das Bundesministerium wird ermächtigt, durch Rechtsverordnung mit Zustimmung des Bundesrates, soweit es zur Erfüllung der Zwecke des § 1 Satz 1 erforderlich ist, Vorschriften zu erlassen
2. über
a) den Betrieb oder die sonstige Einrichtung, in dem oder in der mit Tierseuchenerregern umgegangen wird,
20. über das Töten
a)seuchenkranker oder verdächtiger Tiere,

§ 6 動物の病気を予防しそれを防止するための認可
(1) 連邦省は1条1項の目的を達成するために必要な範囲で連邦上院の同意を得て、規則(省令)により規制を発布する権限を有する。
2号 上記においては、
a) 病気の動物の病原体を取り扱う等の施設の設置、
20号 上記の施設に収容した動物の殺処分について
a) 感染症に罹患している動物、またはその疑いのある動物の殺処分



 このようにドイツでは、Gesetz zur Vorbeugung vor und Bekämpfung von Tierseuchen (Tiergesundheitsgesetz - TierGesG) 「動物の疾病の予防及び管理に関する法律(動物衛生法 - TierGesG)」により法律で、公的動物収容所の設置を行えることが定められています。またその動物収容所では「感染症に感染している疑い」がある動物の殺処分も認めています。「疑い」があるだけで殺処分をしてよいのですから、野良動物はほぼその疑いがあるでしょう。
 しかし日本では荒唐無稽なデマが蔓延しています。それは「ドイツでは行政ではなく民間が犬猫の保護を行う(=行政は行わない)」、「ドイツでは犬猫の公的(行政が行う)殺処分がない。そのための施設もない」です。連載記事で引用している「わんちゃんホンポ」の3流メディアの記事以外に、バ環境省の審議会委員の弁護士や、国会議員ですが、この驚くべきデマを狂ったように拡散しています。
 繰り返しますが、ドイツでは所有者不明犬猫の一次保護は行政もしくは私人であれば行政が許可しなければできません。「犬猫の公的殺処分」ですが、連邦法で州自治体等が公的な犬猫等の動物収容所の設置を行うことを認めています。また公的な動物収容所での犬猫の殺処分の許可も法律で明記されています。
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1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
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