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続・「トライアル中の保護動物の治療費は譲り受け予定者が負担する」はドイツは司法判断で完全否定






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(Zusammenfassung)
Das Amtsgericht Kassel hatte über einen Fall zu entscheiden, in dem die jetzige Klägerin mit einem Verein (dem Beklagten) einen „Schutzvertrag“ im Rahmen der Übernahme eines Hundes geschlossen hatte.
Das Amtsgericht Kassel gab der Klägerin in dem konkreten Fall recht.


 記事、「トライアル中の保護動物の治療費は譲り受け予定者が負担する」はドイツは司法判断で完全否定 の続きです。
 動物保護団体が保護動物を譲渡する際に「トライアル期間」を設けるケースが多いようです。そのトライアル期間の保護動物の医療費の負担ですが、保護動物の譲受を希望する者がすべて負担するという契約をしている保護団体が多いようです。その内容の「トライアル契約書」を弁護士が監修してひな形を作成し、公開しています。しかし「譲受予定者がトライアル期間の保護動物の医療費をすべて負担する」という契約は民法に反します。またドイツでは「保護団体が保護動物をトライアル等に出した場合の引渡し前からあった疾病の治療費はすべて保護団体が負担しなければならない」という判決が確定しています。今回は、そのドイツの判決文原文を引用します。



 サマリーで示した、「保護団体が保護犬を譲渡した場合、引渡し以前からあった疾病の治療費は全額を保護団体が負担しなければならい」とした、ドイツ地方裁判所の確定判決を引用します。この保護犬譲渡では、契約の際に「すべての医療費は譲受人が負担する」と明示されていました。
 この裁判では日本の保護犬の「トライアル」ではなく「本譲渡」に該当します。当然のことながら、保護犬の所有権が完全に保護団体に属する「トライアル」では、ドイツの裁判例では「引渡し前からあった保護犬の疾病は保護団体が全額負担しなければならない」と言うことになります。今回は判決文の原文の要約と日本語訳のみ示します。解説は次回以降の記事で行います。


AG Kassel, Urteil vom 24.01.2019 - 435 C 2900/18 カッセル地方裁判所 2019年1月24日判決 - 事件番号 435 C 2900/18

Tenor
Der Beklagte wird verurteilt, an die Klägerin 889,29 € nebst Zinsen in Höhe von fünf Prozentpunkten.
Der Beklagte hat die Kosten des Rechtsstreits zu tragen.
Das Urteil ist vorläufig vollstreckbar.

Tatbestand
Die Klägerin begehrt die Erstattung von Behandlungskosten für einen Hund.
Die Klägerin übernahm am 13.05.2018 vom beklagten Verein einen Chihuahua-Hund namens A.
Hierzu schlossen die Parteien am selben Tag eine Vereinbarung auf einem vom Beklagten gestellten Formular, welches mit "Schutzvertrag" betitelt ist.
Diesem Vertrag wird die Klägerin als "Übernehmer" und der Beklagte als "Übergeber" bezeichnet.
Nach dem Vertrag hatte die Klägerin eine "Schutzgebühr" i.H.v. 350,00 € zu entrichten.
Im Vertrag ist dazu ausgeführt, dass sich diese Schutzgebühr aus mehreren Positionen zusammensetze, unter anderem aus der Position "medizinische Versorgung".
Nach der Abholung, ab dem Folgetag, stellte die Klägerin mehrere Besonderheiten fest, nämlich einen starken Geruch aus dem Maul sowie Krampfanfälle.
Die Klägerin suchte daraufhin mit dem Hund mehrfach einen Tierarzt auf.
Im Zuge der Untersuchungen wurde tierärztlich festgestellt, dass der Hund an Epilepsie und an einem Wasserkopf leide, weiter mussten acht entzündete Zähne sowie Zahnstein entfernt werden.
Die bisherigen tierärztlichen Behandlungen wurden mit zwischen dem 16.05.2018 und dem 20.08.2018 erstellten Rechnungen über insgesamt 889,29 € der Klägerin gegenüber berechnet.
Die Klägern bezahlte diese Beträge und verlangt nunmehr die Erstattung dieser Beträge sowie die Erstattung der ihr vorgerichtlich entstandenen Rechtsanwaltskosten i.H.v. 147,56 €.
Die Klägerin behauptet, ihr seien die Erkrankungen des Tieres vor der Übergabe nicht mitgeteilt worden, weder von den Vertretern des Beklagten, noch von der Pflegerin.
Sie meint, deswegen wegen der Tierarztkosten ein Schadensersatzanspruch gegen den Beklagten zu haben.

Gründe
Die Klage hat Erfolg.
Insbesondere ist zwischen den Parteien kein Kaufvertrag über den vorgenannten Hund zustandegekommen.
Denn das Wesen eines Kaufvertrages ist gemäß § 433 Abs. 1 S. 1 BGB die Verschaffung des Eigentums an der Kaufsache bzw. an dem gekauften Tier an den Erwerber.
Die Parteien bezeichnen sich darin nicht als Käufer und Verkäufer, sondern als Übergeber und Übernehmer.
Auch wird kein Kaufpreis vereinbart.
Als Entgelt fließt nach dem Vertrag nur eine Schutzgebühr.
Diese setzt sich aus fünf verschiedenen Positionen zusammen, die gerade nicht das Entgelt für das vertragsgegenständliche Tier umfassen, sondern die medizinische Versorgung, den Transport, Pensionskosten, eine Schutzgebühr und eine einjährige Fördermitgliedschaft.
Das Eigentumsrecht bedeutet gemäß § 903 BGB, dass der Erwerber einer Sache oder eines Tieres das Recht hat, im Rahmen der Gesetze nach eigenem Gutdünken so zu verfahren, dass kein Dritter, insbesondere der Verkäufer, darauf keinen Einfluss hat.
Eine solchermaßen nur noch durch das Gesetz eingeschränkte Herrschaftsordnung über das Tier soll nach dem Vertrag
der Klägerin als Übernehmerin jedoch gerade nicht zukommen.
Insbesondere sind die einem Eigentümer typischerweise zustehenden Rechte zur Veräußerung oder unentgeltlichen Weitergabe untersagt, verbunden mit der Pflicht, bei einer unvermeidbaren Abgabe des Tieres, dieses dem Beklagten entschädigungslos zurückzubringen.
Vielmehr muss sie diverse Kontrollen dulden, etwa hinsichtlich der Art und Weise der Tierhaltung, den Verlust sowohl dem Beklagten anzeigen als auch der Polizei melden, Umzüge anzeigen und muss selbst bei einer notwendigen Tötung dies gegenüber dem Beklagten nachweisen.
Darüber hinaus muss sich der Übernehmer nach dem Vertrag für zahlreiche Fälle eines Verstoßes gegen die einzelnen Regelungen neben etwaigen gesetzlichen Sanktionen auch einer Vertragsstrafenzahlung gegenüber dem Beklagten unterwerfen.
In ihrer Gesamtheit führen diese Regelungen neben den anderen hier nicht näher erwähnten Vertragsregelungen dazu, dass der Beklagte sich über den Übergabezeitpunkt hinaus maßgebliche Befugnisse über das weitere Schicksal des vertragsgegenständliches Tieres vorbehält, die eine Eigentümerstellung entgegenstehen.
Folglich bleibt der Beklagte in der Pflicht, die Kosten der notwendigen medizinischen Versorgung weiterhin zu tragen.
Nach dem Regelwerk des Vertrages ist dem Beklagten jedoch in der vorliegenden Konstellation ein schlichtes Bestreiten mit Nichtwissen nicht gestattet.
Denn die Klägerin unterliegt nach dem geschlossenen Schutzvertrag Auskunfts- und Mitteilungspflichten.


判決主文
被告(動物保護団体)は原告(保護犬譲受者)に対し、889.29ユーロと年5パーセントの割合による金員を支払え。
被告(動物保護団体)は訴訟費用を全額負担しなければならない。
本判決は仮に執行することができる。

事件の事実
原告(犬の譲受人)は原告が支払った犬の治療費を被告(動物保護団体)に請求している。
原告(犬の譲受人)は、2018年5月3日に、チワワ犬Aを被告動物保護協会から引き取った。
それに対して両当事者は同日に、被告(動物保護団体)が提供した書式に基づいて「犬保護契約」との契約を締結した。
本契約書では、原告(犬の譲受人)を「譲受人」、被告(動物保護団体)を「譲渡人」と記載している。
契約によれば原告(犬の譲受人)は、以下の金額の「犬保護料」(350ユーロ)を支払わなければならなかった。
契約書には、この保護料は「医療」項目を含むいくつかの項目の合計費用であると記載されている。
原告(犬の譲受人)が犬を引取った翌日以降に、原告(犬の譲受人)は、当該犬の口からの強い臭いや発作などのいくつかの犬の異常に気づいた。
(犬の譲受人)は、犬を数回獣医師のところへ治療に連れて行った。
検査の結果、獣医師はこの犬がてんかんと水頭症を患っていると診断しその後原告(犬の譲受人)は、その犬の虫歯8本の抜歯と歯石も除去しなければならなかった。
獣医師への治療費は2018年5月16日から2018年8月20日までの間で合計889.29ユーロであり、原告(犬の譲受人)に請求された。
原告(犬の譲受人)はこれらの金額を支払っており、現在、これらの金額の被告(動物保護団体)への請求と、裁判で負担した以下の額の訴訟費用の147.56ユーロを被告に対して請求している。
原告(犬の譲受人)は犬の引渡し前には、被告(動物保護団体)の代理人からも以前の飼育者からも、犬の病気について知らされていなかったと主張している。
したがって原告(犬の譲受人)は獣医師に支払った治療費を理由に被告(動物保護団体)に対して損害賠償請求権があると主張している。

判決理由
本訴訟は原告(犬の譲受人)の主張が完全に認められた。
特筆すべきは当該犬については、当事者間で売買契約が締結されていないことである。
ドイツ民法典 (BGB) の433条1項1号によれば売買契約が成立するには、購入した商品または購入した動物の所有権が買手に移転することを要する。
両当事者は自らを買手と売手としてではなく、譲渡人および譲受人として契約書に示している。
また、両当事者においては犬自体の購入価格についても合意がない。
契約によれば、犬に対しては単に保護費という名目的な料金のみが支払われている。
これは5つの異なる項目で構成されており、対象の犬そのものの代金の支払いは含まれていないが、犬にかかった医療費、輸送費、収容期間中の飼育費、保護費、動物保護団体の1年間の賛助会員権が含まれている。
ドイツ民法典 (BGB) の第 903 条によれば所有権とは、財物または動物の購入者が第三者が侵害せず、特に売り手の影響が影響を及ぼすことがなく、法律の枠内でその財物、動物に対して適切と考えられる行動をする権利を有することを意味する。
契約では、法律によってのみ制限される動物の管理が約されるべきであるが、本契約では犬の譲受人である原告には、法律の枠を超えて不利な条件となっている。
特に所有者が一般的に有する財物や動物を無償で譲渡したり販売する権利は、本契約ではやむを得ない場合は動物を補償なしで被告(動物保護団体)に返還する義務と併せて禁止されている。
むしろ本契約では原告(犬の譲受人)は犬の飼育方法などのさまざまな被告(動物保護団体)の要求を受け入れなければならず、犬を失った場合は被告(動物保護団体)に報告するのみならず警察にも届け出て、その後の経過を被告(動物保護団体)に報告しなければならず、たとえその犬の殺処分が必要な場合でも、これを被告(動物保護団体)に証明しなければならないと本契約に定めている。
さらに本契約によれば、譲受人(原告)は法的制裁に加えて、個別の規定に違反した多くの条項に違反した場合はそれに対して、被告(動物保護団体)に対する契約上の違約金の支払いもしなければならない。
本契約においては本訴訟で言及されていない他の契約上の制約に加えて、これらの被告(動物保護団体)が原告(犬の譲受人)に課す制約の全ては、被告(動物保護団体)が犬を引渡した以降も契約の対象となる犬のその後の扱いについて重大な権限を留保することを意味し、原告(犬の譲受人)の犬の所有者としての地位を妨げている。
したがって、被告(動物保護団体)は(その犬を原告譲受人に犬の所有権を移転したことにはならず、被告が当該犬の所有者であり続けているから、犬の医療費は所有者が負担すべきであり)引き続き必要な医療費を負担しなければならない。
(犬に引渡し以前から疾病があったことを被告動物保護団体が知らなかった場合は被告動物保護団体は医療費を負担しないという)本契約の規定があるにもかかわらず、犬の引渡し時の状態を被告(動物保護団体)が「知らなかった」と否認することは許されない。
原告(犬の譲受人)への、締結された保護契約に基づく(犬の健康状態等の)情報提供および通知は(被告動物保護団体の)義務の対象となる。



 次回以降の記事では、上記の「ドイツ カッセル地方裁判所」の確定判決を、判決理由としているドイツ民法典等の条文も含めて解説します。ドイツの民法典等が必ずしも日本の法律に一致するとは限りませんが(もともと日本の法の近代化においては、民法等はプロイセン法を元にしており、ドイツ民法典とルーツが同じです。基本的な設計は非常に近いと思います)、参考になります。
 上記のドイツ地裁の判決に従えば、(おそらく細川敦史弁護士によるものと思われますが)、日本で広く用いられている「保護犬猫譲渡・トライアル契約書」は、ほぼ無効です。日本の民法に従っても著しく譲受人(予定者)に一方的に不利であり、問題が多く争えば無効となる可能性が高い内容です。

保護犬・保護猫のトライアルの仕方
保護犬・保護猫の正式譲渡における注意点




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1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
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