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ドイツのティアハイムの年間の犬譲渡数は6万頭。輸入犬は50万頭でほぼネットで販売される







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(Zusammenfassung)
In Deutschland kommen jährlich rund 80.000 Hunde in ein Tierheim.
Von diesen Tieren bekommen ungefähr nur drei Viertel innerhalb die Chance auf eine Adoption.


 記事、ドイツの国内生産の子犬は激減し年間6万頭台。輸入犬は50万頭でほぼネットで販売される の続きです。
 前回記事ではドイツ国内ブリーダーが生産した子犬数が激減し、2022年の生産数は6万頭にまで減ったことを取り上げました。ドイツの犬ブリーダーに対する規制が厳しく、安い外国産の子犬との競合でブリーダーが廃業しているからです。ドイツでは年間50万頭の子犬が主に東欧から輸入されており、ほとんどがネット販売されます。前回記事でも述べたことですが、ドイツではティアハイムが年間に譲渡する犬の数も約6万頭で少ないのです。「ドイツでは犬の入手ではティアハイムか、ブリーダーからがほとんど」は大嘘です。



 サマリーで述べた通りドイツでの犬の入手で最も多いのは、東欧などで大量劣悪生産された安価な犬をネットで購入することです。外国産の犬のドイツでの販売はブローカーが行っています。つまりブリーダーの直販ではありません。2020年の推計では、ドイツの犬輸入数は約50万頭と推計されています。
 一方、2022年の統計では、ドイツのティアハイムが譲渡した犬の数は約6万頭とされています。いずれも犬の入手に占めるティアハイムの割合は1割程度かそれ未満です。「輸入犬50万頭+国内ブリーダー+ティアハイム」以外にもペットショップでの販売、自家繁殖や知人から譲り受けた、個人的に野良犬を保護したという犬の入手方法も一定数あるはずです。それを考慮すれば、ドイツでの犬の入手の国内ブリーダーとティアハイムのシェアはさらに下がります。したがって日本で喧伝されている「ドイツでの犬の入手はほぼブリーダーから直接購入するかティアハイムから譲渡を受ける」は荒唐無稽な大嘘です。
 日本では、ネットの消費者向けの犬等の販売では完全に禁止されています。ですからドイツでも同様と思い込んでいる人が多く、「ドイツではペットショップでの犬販売がない=犬の入手は保護施設かブリーダーの直販しかない」という大嘘に騙されています。ドイツではペット販売に関する独立した法令すらない国で、犬等のネット販売の禁止どころか規制すらありません


 以下に、「ドイツのティアハイムの犬の譲渡数は年間6万頭」という資料から引用します。


TIERSCHUTZHUND 5 Gründe, warum manche Hunde besonders schwer vermittelbar sind 「保護犬 一部の犬が引取られるのが難しい5つの理由」 2022年8月29日

In Deutschland kommen jährlich rund 80.000 Hunde in ein Tierheim.
Von diesen Tieren bekommen ungefähr nur drei Viertel innerhalb die Chance auf eine Adoption.
5 Gründe, warum manche Hunde schwer vermittelbar sind
Alte Hunde
Hunde mit Handicap
Traumatisierte und verhaltensauffällige Hunde
Listenhunde
schwarze Hunde

ドイツでは、毎年約8万頭の犬がティアハイムに入所します。
これらの動物(犬)のうち新しい飼主引き取られる機会を得られるのは、約4分の3(6万頭)だけです。
一部の犬が家族として迎い入れられるのが難しい5つの理由
老犬
障害のある犬
心理的なショックを負った犬や問題行動がある犬
禁止犬種法(原則飼育等を特定の犬種で禁止する法律)が適用される犬
黒い犬



 次に、ティアハイムの統括団体である、ドイツ動物保護連盟(Deutscher Tierschutzbund e.V.)が過去に公表した、ティアハイムが収容した動物の統計資料から引用します。元のサイトは削除されましたが、私がスクリーンショットで残しておいたものです。


(画像)

 ドイツ動物保護連盟(Deutscher Tierschutzbund e.V.)による、ドイツの全ティアハイムが収容した動物の種別と数。実際に調査を行ったのは別の研究機関です。犬は2009年は74,900頭でした。2022年の資料によれば約8万頭です。

ティアハイム連盟 統計


 なお「ティアハイムの犬の譲渡率は4分の3(=75%)」ですが、それを裏付ける調査結果があります。2014年に行われたハノーファー大学のティアハイムの犬の安楽死(殺処分)に関する調査ですが、安楽死(殺処分率)が26%と、「ティアハイムが譲渡できなかった犬の割合25%」と完全に一致するからです。以下に、その資料から引用します。


Tierärztliche Hochschule Hannover Bedeutung der Pflege- und Haltungsbedingungen für Gesundheit und Wohlbefinden von Hunden als Fund- und Abgabetierein Tierheimen des Landes Nordrhein-Westfalen 「ハノーファー獣医科大学 ドイツ、ノルトラインーヴェストファーレン州のティアハイムにおける犬の健康と福祉に関する広範囲な調査」 2014年 から引用します。

RUPPERT stellte , dass 26,20% aller aufgenommenen Tiere in Tierheimen euthanasiert wurden.
In 32% dieser Fälle er-folgte die Euthanasie auf Grund unheilbarer Krankheiten, in 68% lag „ein anderer vernünftiger Grund“ wie Bissigkeit, hohes Alter, Ängstlichkeit, langer Aufenthalt oder Platzmangel vor .

ルパートは、記録されたすべての動物(犬)のうち、26.20%がティアハイム内で安楽死させられたことを発見しました。
これらの例の32%では、難病が原因で安楽死に処せられました。
別の安楽死の原因の68%は、非人道的な「別の合理的な原因」であり、犬が高齢であること、行動上の問題に不安があること(攻撃性か)、長期の収容期間や収容スペースの不足などが続きます。



 次に、ドイツでは東欧等の外国から輸入される子犬は年間約50万頭であるとの、ソースから引用します。


Tiermedizin Zoonosen – Gefährliche Tierliebe 「獣医学 人畜共通感染症 動物への危険な愛」 2020年3月3日

Jährlich werden allein rund 500.000 Hunde aus Osteuropa und dem Mittelmeerraum importiert, da wir den Bedarf an Haustieren durch eigene Zucht allein nicht decken können.
Was vielen Hundefreunden nicht bewusst ist: Mit ihnen kommen leider auch potenziell gefährliche Erreger zu uns.

(ドイツでは)自国生産での繁殖だけではペット(犬)の需要に応えられないため、毎年約50万頭の犬が東欧や地中海地域(註 ギリシャなど)から輸入されています。
多くの愛犬家が気付いていないこと:残念ながら、犬たちは潜在的に危険な病原体も私たちにもたらします。



(動画)

 Das Geschäft mit unseren Haustieren | Marktcheck deckt auf SWR 「ペットのビジネス | SWR(ドイツのマスコミ)はペットマーケットのチェックをします」 2020年11月25日

 ドイツでの犬の入手方法は東欧などで大量劣悪生産された安価な子犬を買うことがほとんどです。その数は年間50万頭とされ、主にネットで販売されています。この動画では、マスコミの記者が密輸犬をドイツでネット販売しているセルビア人のブローカーの摘発に同行して取材をしています。 
 またドイツ人が東欧などの外国産の犬を買うのは外国人ブローカーがドイツに持ち込むもののみならず、ドイツ人が東欧にまで出向いてそこで購入するケースも多いです。動画の終りのほうでは、ポーランドの子犬の大規模露天市の様子が収録されています。客はほぼドイツ人です。子犬の露店販売に群がるドイツ人が写っています。

Gerade bei Hundewelpen treibt Corona die Preise in die Höhe.
Pro Tier sind häufig mehr als tausend Euro Gewinnmarge drin.
Immer häufiger stoßen die Bundespolizisten bei ihren Kontrollen auf geschmuggelte Tiere.
Trotzdem: Das illegale Geschäft mit den Hundewelpen wird Schmugglern viel zu einfach gemacht.
Es ist ein lukratives Geschäft, auch für Verbrecher, Hunde unter schlimmen Bedingungen zu züchten, zu vermehren, in Ländern, in denen der Tierschutz nicht ganz so hoch gehalten wird wie in Deutschland.
Und diese Tiere dann übers Internet, was das Ganze noch sehr viel einfacher macht, Hunde können anonym über das Internet in ganz Europa verkauft werden.
Die Tiere sind meistens zu jung, die Tiere sind meistens krank, überhaupt nicht sozialisiert.
Wichtige Impfungen fehlen gegen Tollwut zum Beispiel.
Die Slowakei ist europäischer Spitzenreiter beim Welpenhandel: nirgendwo wird so viel Geld mit der Vermehrung von Hunden gemacht.
Es ist ein unglaubliches Geschäft und groß.
Hunde aus unbekannter Quelle werden mit falschen Papieren versorgt und nach Deutschland verkauft.

コロナの影響で、特に子犬の価格が高騰しています。
多くの場合では、子犬1頭あたり1,000ユーロ以上の利益が得られます。
ドイツ連邦の警察官が、検問中に密輸された動物に遭遇するケースが増えています。
それにもかかわらず、子犬の違法ビジネスは密輸業者にとってあまりにも簡単なものになっているのです。
ドイツの様に動物保護が進んでいない国(東欧など)で、劣悪な環境で犬を飼育・繁殖させることは、たとえ犯罪者になったとしても儲かるビジネスなのです。
ヨーロッパの全土でインターネットで犬を匿名で販売できるようになったために、違法な犬の密輸ビジネスの全てが非常に簡単になり、通常インターネットで販売される犬は幼齢、病気で、まったく社会化されていません。
たとえば、重要な狂犬病ワクチンの接種が行われていないなどです。
スロバキアは子犬取引におけるヨーロッパのリーダー国であり、犬の繁殖でこれほど多額のお金が儲かっている国は他にありません。
それは信じられないほど大きなビジネスです。
出所が不明の犬に虚偽の書類がつけられ、ドイツに売られます。





 ドイツでは、ペットショップで犬猫の展示販売を禁止する法令はありません。世界最大の生体販売ペットショップ、Zoo Zalac等の一部の店舗では販売していますが少数です。その理由の大きな要因は、ネット販売の方が価格が安いからです。繰り返しますが、ドイツでの犬の入手はネット販売からがほとんどです。国内ブリーダーやティアハイム(保護施設)からの譲渡はそれぞれ1割かそれ未満で少数です。
 ドイツにおける輸入子犬の数は年間50万頭です。「ティアハイム+ブリーダー直販」以外の犬の入手はその他にペットショップから購入、自家繁殖、知人からもらった、野良犬を自分で保護したなどが一定数あります。ですから「ティアハイムが譲渡した犬6万頭」は、ドイツにおける犬の入手シェアでは、1割を下回ります。なおこの比率は日本の保護犬入手比率とほぼ変わりません。

  ドイツにおける犬の入手シェアでは、ティアハイムもブリーダーの直販も1割かそれ未満なのです。しかし日本では、「ドイツでは犬の入手はティアハイムで譲渡を受けるか、犬ブリーダーからがほとんど」という荒唐無稽なデマが蔓延しています。繰り返しますが、ティアハイムの犬の年間譲渡数は約6万頭です。ティアハイムでは子犬が少ないというのが大きな理由でしょう。東欧を中心とする外国からの犬の輸入が増え、ティアハイムは保護犬の譲渡では競合で負けており、譲渡数が逓減傾向です。
 
ティアハイムの犬の引き受け数は年間約8万頭です。それがすべて譲渡されたとしても、ドイツ国内のブリーダーの生産子犬と合わせても「ドイツでは犬の入手はティアハイムから譲渡を受けるのとブリーダーから直接購入するのがほとんど」にはなりません。「ほとんど」とは、「80%~90%」と解釈できるからです。


 「ドイツでは保護施設(ティアハイム)から犬を入手するのが一般的、ほとんど、文化が根付いている」としているデマサイトをいくつか例示しておきます。
 その事柄についてちゃんと調べて知っている人は、具体的な数値を出します。それ以前に典拠を示すでしょう。「年間のティアハイムの譲渡数は〇万頭で、全犬の入手に占める割合は〇%である」です。つまり数値で表すことが切る事柄で「一般的、ほとんど、文化だ」という形容動詞形容詞で記述する人は、それについて無知か、嘘つきのどちらかです。

ドイツにはペットショップがないって本当? 日本と大きく違うペットの迎え方 2016年9月16日

ドイツはティアハイムと呼ばれる保護犬猫収容施設から引き取る文化が浸透。

【ペット先進国の暮らし#2】 殺処分ゼロの国ドイツと日本の違いを考える 2021年10月29日

ドイツではブリーダーさんやティアハイムから迎えることがほとんどです。

ペット先進国「ドイツ」の動物愛護精神と日本との比較 2022年4月22日

ドイツで犬を迎える人のほとんどはブリーダーかティアハイムを利用します。
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1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
しかし私が管理人であるサイトは、このページのフリーエリアにあるリンクだけです。
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