ドイツの国内生産の子犬は激減し年間6万頭台。輸入犬は50万頭でほぼネットで販売される

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(Zusammenfassung)
In Deutschland, jährlich kommen ungefähr 500.000 Welpen dazu, immer mehr illegal und aus dem Ausland.
Als Produktionsstätten für die Welpen gelten zum Beispiel die Nachbarländer Polen und Tschechien.
「ドイツでは犬を入手するにはブリーダーから直接購入することとティアハイムのほぼこの2つの方法に限られる」という日本の情報が蔓延しています。しかしそれは真逆の大嘘です。最新の統計では、ドイツ国内の子犬生産は年間6万頭台にまで落ち込みました。またティアハイムの年間の犬譲渡数は約6万頭台です。対して東欧などから輸入された安価な子犬はほぼインターネットで販売されますが、年間約50万頭です。その他統計には出ていませんが、ペットショップでの販売、個人的に野良犬を保護した、個人的に譲り受ける、自家繁殖の子犬も一定数あるはずです。つまりブリーダーからの直接購入とティアハイムから譲渡を受けるのは、いずれもドイツの犬の入手に占めるシェアは1割程度かそれ未満です。
サマリーで述べた通りドイツでの犬の入手で最も多いのは、東欧などで大量劣悪生産された安価な犬をネットで購入することです。外国産の犬のドイツでの販売はブローカーが行っています。つまりブリーダーの直販ではありません。2017年の推計では、ドイツの犬輸入数は約50万頭と推計されています。
対して2022年の統計では、ドイツ国内のブリーダーが生産した子犬の数は年々減少して6万頭台になりました。2020年の推計では、ティアハイムが譲渡した犬の数は6万頭です。いずれも犬の入手に占める割合は1割程度かそれ未満です。「輸入犬50万頭+国内ブリーダー+ティアハイム」以外にもペットショップでの販売、自家繁殖や知人から譲り受けた、個人的に野良犬を保護したという犬の入手方法も一定数あるはずです。それを考慮すれば、ドイツでの犬の入手の国内ブリーダーとティアハイムのシェアはさらに下がります。したがって日本で喧伝されている「ドイツでの犬の入手はほぼブリーダーから直接購入するかティアハイムから譲渡を受ける」は荒唐無稽な大嘘です。
日本では、ネットの消費者向けの犬等の販売では完全に禁止されています。ですからドイツでも同様と思い込んでいる人が多く、「ドイツではペットショップでの犬販売がない=犬の入手は保護施設かブリーダーの直販しかない」という大嘘に騙されています。ドイツではペット販売に関する独立した法令すらない国で、犬等のネット販売の禁止どころか規制すらありません。
まず「ドイツ国内のブリーダーが生産した子犬の数」についての統計を示します。
・Anzahl der neugeborenen Hundewelpen in Deutschland in den Jahren 2000 bis 2022 「2000 年から 2022 年までにドイツで生産された子犬の数」 2023年9月1日(有料サイトのため、一部がマスキングされています)
Die Statistik bildet die Entwicklung der Anzahl neugeborener Hundewelpen in Deutschland in den Jahren 2000 bis einschließlich 2022 ab.
Im Jahr 2022 wurden in Deutschland insgesamt 69.391 Hundewelpen geboren.
この統計は2000 年から 2022 年までの間の、ドイツの生まれた子犬の数の推移を示しています。
2022年にはドイツでは、合計6万9391頭の子犬が生まれました。(*)
(*)この数は販売数ではありません。ブローカーやペットショップに卸す、流通死も一定数あるので、ブリーダーの直販数はこれよりもさらに少なくなります。
(画像)
Anzahl der neugeborenen Hundewelpen in Deutschland in den Jahren 2000 bis 2022 「2000 年から 2022 年までにドイツで生産された子犬の数」 から
2020年、2021年にはコロナ流行下でのペット特需によりドイツ国内でも子犬生産が持ち直しました。しかし長期的に見ればドイツ国内の子犬生産は減少し続けています。

次に、ドイツでは東欧等の外国から輸入される子犬は年間約50万頭で、ほぼネットで売られているとのソースから引用します。
・Dr. Ralf Unna - "Illegaler Welpenhandel wird zu ernstem Problem!" 「ラルフ・ウンナ博士-ドイツでは、違法な子犬取引が深刻な問題になっています!」 2017年4月22日
Welpenhandel geht in Richtung organisierte Kriminalität.
Rund neun Millionen Hundebesitzer gibt es in Deutschland - und die Zahl steigt.
Jährlich kommen ungefähr 500.000 Welpen dazu, immer mehr illegal und aus dem Ausland.
Als Produktionsstätten für die Welpen gelten zum Beispiel die Nachbarländer Polen und Tschechien.
Von dort werden die Tiere dann in Transportern in die Niederlande und nach Belgien gebracht, wo deutsche Kunden die Tiere für einen Bruchteil des Preises erstehen können, den ein ordentlich gezüchteter Rassehund in Deutschland kostet.
子犬の密売は組織犯罪に変わっています。
ドイツには約900万の飼犬がいて、その数は増え続けています。
毎年約50万頭の子犬が違法に海外から持ち込まれて、増えています。
例をあげれば隣国のポーランドやチェコ共和国が子犬の生産地と考えられています。
そこから動物(犬)はバンで(註 産地偽装のために)オランダとベルギーに運ばれ、ドイツの犬を買う客はドイツで適正に繁殖された血統書付きの犬の数分の1の価格で犬を購入できるのです。
(画像)
QUOKA.de Hunde より。ドイツの大手ペット販売サイトから「犬」で検索。2023年9月12日アクセス

ドイツでは、実はペットショップで犬猫の展示販売を禁止する法令はありません。世界最大の生体販売ペットショップ、Zoo Zalac等の一部の店舗では販売していますが少数です。その理由の大きな要因は、ネット販売の方が価格が安いからです。繰り返しますが、ドイツでの犬の入手はネット販売からがほとんどです。国内ブリーダーやティアハイム(保護施設)からの譲渡はそれぞれ1割かそれ未満で少数です。
日本では、ドイツの犬ブリーダーの規制の厳しさをほめちぎる動物愛護(誤)家が多いです。そして日本も、より厳しいブリーダー規制を立法すべきとしています。しかしドイツの現状を見れば厳しい犬ブリーダー基準では利益が出ず、ブリーダーは廃業が続いています。そして違法な子犬の密輸が増えました。それは動物福祉にも悪い結果となりました。
日本はまだ国境がすべて海を隔てており、出入国では全ての国で入管手続きが必要です。国境間移動が自由なEU域内の様に、安い海外産の子犬が密輸されるということはほぼ考えられません。
しかし法の網の目をくぐる行為はブリーダーの規制を強化しすぎると、それを行い利益を求める者が必ず出てきます。例えば素人が純血種同士の犬猫を飼い、意図せずに(故意であってもそれを証明するのはほぼ不可能)交配して子犬が生まれたようなケースです。第二種動物取扱業者(愛誤団体)がそれらの犬を名目上保護して(子犬を産ませた飼い主には裏で謝礼を渡す)、事実上販売するなどです。第二種動物取扱業者(愛誤団体)であっても、団体によっては犬の譲渡で10万円程度を請求するところがあります。また譲渡費用の他に寄付金を求めるなどもあります。事実上の販売です。
そのような素人繁殖では、血統や遺伝性疾患の管理が正しくできるとは思われません。また個人の非営利飼主は、動物取扱業者のような飼養基準は摘要されません。また行政指導もありません。劣悪な環境での繁殖もありえます。結果として動物福祉の後退を招きます。愛誤団体(第二種動物取扱業者)の第一種の攻撃は、むしろそれを目的としているのではないかと疑います。
「ドイツなどの動物愛護先進国は規制が厳しいブリーダーの直販と保護施設でしか犬猫を入手することができない。ペットショップは禁止すべき」という愛誤の嘘プロパガンダは、裏があると疑った方がよいかもしれません。例えばかつてのアメリカの禁酒法は、密造酒製造を仕切るギャングの金儲けという効果しかもたらしませんでした。それにより社会秩序も乱れました。
次回は「ドイツの犬の入手は保護施設(ティアハイム)からがほとんど、一般的」が嘘であることを取り上げます。2022年の報道によれば、ドイツの全ティアハイムの犬の引き受け数は8万頭で、譲渡された数は4分の3(6万頭)にすぎません。
輸入犬が50万頭で国内ブリーダー生産の子犬が6万頭台。統計資料はありませんがペットショップの販売、自家繁殖、知人からもらった、個人的に野良犬を保護した数も一定数あります。これらを考慮すれば保護施設(ティアハイム)が譲渡した犬のシェアは、1割に満たないと思われます。
しかし「ドイツでは保護施設(ティアハイム)から犬を入手するのが一般的、ほとんど、文化が根付いている」という情報が多いです。「一般的」とは何%でしょうか?80~99%でしょうか?
その事柄についてちゃんと調べて知っている人は、具体的な数値を出します。「年間のティアハイムの譲渡数は〇万頭で、全犬の入手に占める割合は〇%である」です。つまり「一般的、ほとんど、文化だ」という形容動詞形容詞で記述する人はその事柄について無知か、嘘つきのどちらかです。デマサイトの例を挙げておきます。
・ドイツにはペットショップがないって本当? 日本と大きく違うペットの迎え方 2016年9月16日
~
ドイツはティアハイムと呼ばれる保護犬猫収容施設から引き取る文化が浸透。
・【ペット先進国の暮らし#2】 殺処分ゼロの国ドイツと日本の違いを考える 2021年10月29日
~
ドイツではブリーダーさんやティアハイムから迎えることがほとんどです。
・ペット先進国「ドイツ」の動物愛護精神と日本との比較 2022年4月22日
~
ドイツで犬を迎える人のほとんどはブリーダーかティアハイムを利用します。
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