「野良猫は低所得低学歴者居住地の都市部に多い」という論文

Please send me your comments. dreieckeier@yahoo.de
Bitte senden Sie mir Ihre Kommentare. dreieckeier@yahoo.de
メールはこちらへお寄せください。 dreieckeier@yahoo.de
(Summary)
As well as for areas that have higher human population densities, cat abundance is greater in areas of lower socioeconomic status.
記事、人口に近い300万匹も野良猫が激増したロサンゼルス~「アメリカの大都市には野良猫がいない」との東大教授の典拠の謎?
・野良猫の数は人口と人口密度に正の相関がある~「野良猫がいるいないは帝国主義と核家族化、介護形態が関係する」の珍説
の続きです。
小野塚知二東京大学教授は「野良猫がいるいないで世界ははっきりと二分できる。野良猫がいないのは帝国主義により動物愛護が進み、核家族化により高齢者介護が施設介護型になった国」としています。野良猫が増える要因について分析した研究はかなりありますが「野良猫の数は人口と人口密度に相関する」が定説です。さらに住民の貧困と低学歴が野良猫を増やすとされています。
「野良猫の数を決定する要因は何か」という研究は実はかなり多くあります。概ね以下が定説です。
1、野良猫(人に飼われていないイエネコ Felis silvestris catus)は多い少ないはあるものの、世界中の都市部に普遍的に存在する。
2、野良猫の数を決める要因としては、その都市の人口と人口密度に正の相関性がある。
3、都市の利用形態も野良猫の数を決定する要因の一つで、住宅地では野良猫が多い。
上記の野良猫の数を決定する要因の他に、非常に興味深い論文が複数公表されています。それは「低学歴で低所得者層の住民が住む都市部では野良猫が多い」というものです。いくつかを例示します。これらの論文はいずれも査読済みで、学術誌に掲載されたものです。
・Domestic Cat Abundance and Activity Across a Residential Land Use Gradient 「住宅地の利用度におけるイエネコの数の多さと活動量」 2021年7月21日 アメリカ、メリーランド州の研究者ら
Free-ranging domestic cats are a detriment to wildlife and humans by preying on native species and transmitting disease.
As a result, removing free-ranging cats from the landscape has become a conservation and public health priority.
Cat abundance was greatest in areas with intermediate human population density and lower educational attainment.
Cat abundance was positively associated with household income.
Flockhart et al. (2016), Canada and reported that cat density was highest in residential areas and increased with increased building density and distance from wooded areas.
The same study also reported greater cat abundance in areas with lower household income, consistent with past research showing that cat abundance is greater in areas of lower socioeconomic status (Calhoon and Haspel, 1989; Finkler et al., 2011).
自由に徘徊しているイエネコは在来種を捕食したり、病気を媒介したりするために野生動物や人間に有害です。
そのために自由に徘徊する猫を環境から取り除くことが、生態系保護と公衆衛生の優先事項となっています。
猫の生息数が最も多かったのは、人の人口密度が中程度で住民の学歴が低い地域でした。
猫の多さは世帯収入と相関関係がありました。
フロックハートら (2016)の研究によると、カナダでは猫の密度は住宅地で最も高く、そして建物が密集して樹木が茂った地域から離れるにつれて猫の数が増加すると報告しました。
同様の研究では、世帯収入が低い地域では猫の生息数が多いことも報告されており、社会的経済的地位が低い地域では猫の生息数が多いことを示した過去の研究と一致しています(Calhoon and Haspel, 1989; Finkler et al., 2011)。
・Human influences shape the first spatially explicit national estimate of urban unowned cat abundance 「都市部の飼主がいない猫(野良猫)が多数存在し、その数が人による影響により変わる。場所による野良猫の推計値が初めて国土全土で明らかになりました」 2021年10月28日 イギリス、ブリストル大学ブリストル獣医学部の研究者らによる
Globally, unowned cats are a common element of urban landscapes.
We use public records of unowned cat sightings to assess important drivers of their abundance from 162 sites across five urban towns and cities in England.
We demonstrate that deprivation indices and human population densities contribute to the number of unowned cats.
In the UK, there are more than 10 million owned cats, however they only make up a subgroup of the total population with many domestic cats unowned.
These cats may be stray cats (abandoned or lost cats that were previously owned) or unsocialised feral cats.
Paired with expert data on unowned cat abundance across five urban towns and cities in the UK, we find that the density of unowned cat populations is greater in areas that are more deprived, as well as for areas that have higher human population densities.
世界的に見て飼主のいない猫(野良猫)は、都市の景観の中ではよく見られます。
私たちは飼主のいない猫(野良猫)の目撃に関する公的な記録を使用して、(イギリス)イングランドの5つの都市の町や市の162か所により、猫の多さの重要な要因を評価しています。
私たちはその都市の住民の貧困度と、人口密度が飼主のいない猫(野良猫)の数の多さに寄与していることを実証することにします。
イギリスでは1,000万匹以上の猫が飼われていますが、それらは猫の総数の一部にすぎず、多くのイエネコは飼われていません(つまりイギリスにいるイエネコの多くは野良猫)。
これらの猫は野良猫(以前飼われていたが捨てられた猫、または迷い猫)、または社会化されていないノネコである可能性があります。
イギリスの5つの都市の町や市における飼主のいない猫の生息数に関する専門家のデータと組み合わせると、人口密度が高い地域だけではなく、貧困がより深刻な地域でも飼主のいない猫(野良猫)の生息密度が高いことがわかります。
しかし「アメリカでは非大都市では野良猫がいる=大都市には野良猫がいない」という、多くの野良猫の生息数の要因に関する論文の定説とは真っ向から反する説を唱えている方がいます。小野塚知二東京大学狂授です。私が調べた限り「野良猫は非大都市(人口が少なくかつ人口密度が低い)にはいるが、大都市(人口が多くかつ人口密度が高い)にはいない」という論文は、アメリカはもとよりそれ以外の国でも一切見つかりませんでした。
小野塚知二東京大学教授の「アメリカでは非大都市には野良猫がいる=大都市には野良猫がいない」との、主張はこちらです。この文書以外でも、教授は珍説を得意になって多くの場所で機関銃のように乱射しています。
(画像)
『野良猫のいる社会といない社会 その⽐較と移⾏過程:⼩野塚知⼆先⽣』 2019年1月21日 から。
イギリス、北フランス、ドイツ、オーストリア、スイスには野良猫がいない。
⼀⽅で現在も野良猫がいるのは⽇本や韓国などアジア諸国、イタリアやスペイン、ポルトガルなどの南欧、アメリカの⾮⼤都市などになります。
イギリスや北フランス、ドイツなどでは野良猫の消滅過程が必ずあるはずです。

その他に小野塚知二狂授は、野良猫の数に関して次の説を唱えています。
世界は野良猫がいるいないではっきりと二分できる。野良猫がいるいるいないが二分された要因は以下の通り。
1、帝国主義が進展した国々おいては動物愛護という思想が生まれ野良猫の飼猫化が進み、野良猫が消滅~いなくなった。
2、野良猫がいない国は核家族化が進んでいた。そうではない国は直系家族、複合家族型社会である。
3、核家族化が進んだ国では高齢者介護は施設介護が主になり、独居高齢者が発生せず野良猫が消滅した。
しかしかなり多くの論文を確認したところ、小野塚知二狂授の説とは野良猫の偏在に関しては真逆で、野良猫数を決定する要因として「その国の帝国主義の進展度」、「核家族化」、「高齢者の介護形態」を挙げている論文は皆無でした。
私が多くの論文を確認したところ、野良猫の生息数を決定する要因の定説は次の通りです。「多い少ないの差はあるものの、世界的に都市部では野良猫は普遍的に存在する」~小野塚説とは真逆です。そして野良猫の数を決定する要因は、「人口と人口密度は野良猫数に正の相関関係がある」、「土地利用形態=住宅地には野良猫が多い(給餌者が多くいるため)」、「低学歴低所得者層の居住地では野良猫が多い」としています。
小野塚知二狂授は、ご自身が「野良猫の偏在と野良猫数を決定する要因」の研究を始めるに際して、海外の同様の論文を1つも確認しなかったのでしょうか。特に今回取り上げた論文は「イギリスの野良猫数」に関するものです。小野塚知二狂授は「イギリスでは野良猫は20世紀中葉までに消滅した」と主張していますが???
狂授の研究は、定説とはかけ離れています。それ故に「画期的」という評価を得て科研は補助金決定したのでしょう(笑)。しかしここまで定説と外れる説を唱えるとは勇気がありますね(呆)
(動画)
西成のあいりん地区を徘徊していたらいつの間にか野良猫の観察してた 2020年11月13日
「西成 あいりん地区 野良猫」でyoutube検索すると、驚くほど多くの野良猫に関する動画がヒットします。対して「芦屋市 六麓荘 野良猫」、「大田区 田園調布 野良猫」、「渋谷区 松濤 野良猫」では、野良猫動画は1つもヒットしませんでした。
海外の多くの野良猫の生息数を決定する要因の論文で、「人口が多く密度が高い住宅密集地」、「低所得低学歴層の住民が住む場所」では野良猫が多いという定説は、私は体感的としても非常に納得できます。
(動画)
【西成あいりん地区】西成のねこ【西成で過ごす一週間】 2020年5月16日
(動画)
【西成あいりん地区】野良ねこに餌をあげる人 群がるねこ 遠くから眺めるねこ 今池駅 阪神電車通過【西成あいりん地区の猫】【西成で過ごす2020夏】 2020年9月10日
- 関連記事
-
- 日本はペットショップと犬猫飼育数ともに減っている先進国では例外的な国
- 続・科研に「東京大学 小野塚知二教授ら」の研究費補助に疑義を申し立てることとしました
- 科研に「東京大学 小野塚知二教授ら」の研究費補助に疑義を申し立てることとしました
- 「野良猫は低所得低学歴者居住地の都市部に多い」という論文
- 野良猫の数は人口と人口密度に正の相関がある~「野良猫がいるいないは帝国主義と核家族化、介護形態が関係する」の珍説
- 「野良猫がいるいないで社会は二分できる。施設型介護の国では高齢者が野良猫に給餌できなくなるので野良猫は消滅する」の東大教授の理論は嘘(総括)
- 「核家族化が進んだ国では野良猫は消滅する」という東大教授の「風が吹けば桶屋が儲かる」漫才理論