小野塚知二東大教授の研究の「イギリスでは野良猫が消滅した」の出典とは?~イギリスの野良猫数は900万匹とされている

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(summary)
Cats Protection estimates that there are nine million stray cats and one-and-a-half million feral cats in the UK.
記事、
・野良猫が異常に多いイギリス~第二の都市バーミンガムでは人口と同じ100万匹の野良猫がいる
・野良猫900万匹と異常に多いイギリスはドイツなどと異なり、猫の狩猟は事実上禁止されている
・野良猫900万匹と異常に多いイギリスは行政が野良猫の捕獲収容を行わない特異な国
・野良猫の数が900万匹と異常に多いイギリスでは行政がずさんなTNRを推奨し行われている
の続きです。
イギリスは緯度が高く気候条件が厳しいにもかかわらず、ヨーロッパでは異常に野良猫が多い国です。イギリス全土では野良猫900万匹、ノネコ150万匹がいるという信頼性に高い推計値があります。しかし小野塚知二東京大学教授らが補助金を受給して進めている研究では「イギリスでは20世紀中葉までに野良猫が消滅した」としています。しかしイギリス本国はもとより、ヨーロッパやアメリカの資料等では「イギリスでは野良猫は消滅した。ほぼいない」という資料は1つも見つかりません。
小野塚知二東京大学教授らの、科研から補助金を受けている研究は以下の通りです。
・野良猫の有無と消滅過程に注目した人間・社会の総合的研究方法の開拓
研究機関 東京大学
研究代表者
小野塚 知二 東京大学, エグゼクティブ・マネジメント・プログラム室, 名誉教授 (40194609)
研究分担者 藤原 辰史 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (00362400)
新原 道信 中央大学, 文学部, 教授 (10228132)
山井 敏章 立命館大学, 経済学部, 教授 (10230301)
北村 陽子 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (10533151)
高橋 一彦 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (20197130)
芳賀 猛 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (20315360)
宮崎 理枝 大月短期大学, 経済科, 教授(移行) (20435283)
渡邉 健太 山口大学, 共同獣医学部, 准教授 (20582208)
鈴木 鉄忠 東洋大学, 国際学部, 准教授 (20726046)
梅垣 千尋 青山学院大学, コミュニティ人間科学部, 教授 (40413059)
長谷川 貴彦 北海道大学, 文学研究院, 教授 (70291226)
石井 香江 同志社大学, グローバル地域文化学部, 准教授 (70457901)
西村 亮平 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80172708)
井上 直子 城西大学, 経済学部, 准教授 (80727602)
永原 陽子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (90172551)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2027-03-31
研究の概要
世界は野良猫のいる社会と野良猫のいない社会とに二分できることに着想を得て、野良猫の有無とその消滅過程から、従来はそれぞれ個別に認識されてきた人間・社会の諸特質を総合的に理解する。その上で、他の家畜よりも相対的に人間による介入・改変が及んでいない猫と人との関係を認識し直すことによって、家畜人文学・家畜社会科学という新しい研究領域と方法を開拓する。
学術的意義、期待される成果
世界は野良猫がいる社会といない社会とに二分できるとする問題設定はユニークであり、かつその背景を人類史的視点に立ってさまざまな方面から分析しようとする点は、人文科学だけでなく、社会科学や自然科学の分野にもインパクトを持った研究になるといえる。よって、本研究により家畜人文学・家畜社会科学というこれまでに無い研究領域が開拓されることが期待できる。
小野塚知二教授は科研に補助金を申請する以前に、次の様にのべています。
・淡青 「生殖の統御は完全に正当化しうるか? 野良猫のいる社会といない社会」 2018年12月4日
世界は、野良猫のいる社会といない社会とに二分できる。
具体的には、現在のイギリスやドイツはほぼ野良猫がいない。
イタリア、クロアチア、ギリシア、エジプトなど地中海沿岸諸国と、アジアのほとんどの国々は野良猫がいる。
「動物愛護先進国」のイギリスやドイツでは20世紀中葉から、「飼主のいない不幸な猫」をなくすという趣旨で、野良猫の飼猫化に取り組み、約半世紀で野良猫は消滅した。
(画像)
淡青 から。

科研のページにある通り、小野塚知二狂授らの研究内容は、まず最初の「1、問題設定」ですが、「世界は野良猫のない国と野良猫のいる国に2分され、野良猫のない国の筆頭はイギリスとドイツである」です。しかし本連載で述べてきた通り、「イギリスには野良猫がほぼいない。20世紀中葉までに消滅した」という出典は、本国イギリスの英文資料はもとより、ドイツなどのドイツ語文献、アメリカの学術文献等でも一切ないのです。逆に「イギリスは大変野良猫が多い。野良猫は900万匹、ノネコは150万匹いる」という資料は多数あります。
日本語で検索したところ、「イギリスでは野良猫がほぼいない。消滅した」という情報は、ほぼ小野塚知二教授のこの主張をもとにした資料しか見つかりません。ただし私がこの連載を始めてから急に検索順位を上げた資料があります。それは京田辺市の資料です。京田辺市が在外国人に委嘱した国際交流員による、京田辺市のホームページに掲載されているコラムです。それに「イギリスでは野良猫がない」とのがあります。またこのサイトは国立国会図書館のデータベースに収録されており、おそらく小野塚知二狂授らの研究の出典として用いられたと、私は推測します(私の推測が誤りならば関係者の関係者に方々にお詫びします)。なおこの短いコラムですが、書かれていることは全て荒唐無稽なデマの羅列です。これを書かれた方はイギリス人の、ランド イヴォンヌ (2010~2011)氏と思われます。以下にスクリーンショットを示します。
(画像)
イギリスのペットに対する意識 2011年5月18日

・イギリスのペットに対する意識 2011年5月18日
イギリスには英国王立動物虐待防止協会(RSPCA)があります。
1、この協会の活動により、イギリスの公園には野良犬・猫は1匹もいないというくらいです。
2、イギリスでは、ペットストアで犬・猫を売るのは禁止されています。
3、犬や猫を飼いたいときはRSPCAで無料で譲り受ける。
上記の「1」、「2」、「3」は全て大嘘、デタラメです。私の推測ですが、小野塚狂授らはこの資料の「1」の、「イギリスの公園には野良犬・猫は1匹もいない」との記述をもとに、「イギリス全土では野良猫が消滅した」との根拠としているのではないでしょうか。
本連載で述べてきた通り、イギリスでは「野良猫が900万匹、ノネコが150万匹いて大変多い」とされ、多くの資料があります。出典を一切示さない、1個人の感想、ヨタ話を「イギリス全土で野良猫がいない、消滅した」との根拠とし、それを課題として設定して研究を進めるとは、頭狂大学狂授らの痴性にはあきれるばかりです。そもそも問題のコラムで取り上げられているRSPCA自身が「イギリスでは野良猫が900万匹もいて猫の増加が危機的」と、述べています。
・The Importance of Neutering Your Cat 「あなたの猫を不妊化することの重要性」 RSPCAホームページ 2020年6月8日
There are over 9 million stray/feral cats in the UK.
It is important for many reasons to neuter your cat including that by doing so, it will help charities like ours deal with the yearly cat crisis we face.
イギリスには900万匹以上の野良猫がいます。
猫を去勢手術することは、さまざまな理由から重要で、それは私たちのような慈善団体が毎年直面している猫の危機(野良猫が増えて制御できなること)に対処するのに役立ちます。
さらに、この京田辺市のホームページに掲載されているコラムの「2、イギリスでは、ペットストアで犬・猫を売るのは禁止」ですが、大嘘です。このコラムが掲載されたのは2011年ですが、当時はイギリス(uk)のペットストアでの犬の販売は8週齢以上であれば許可されていました。また猫は、販売の最低週齢規制すらありませんでした。当時はロンドンの老舗デパート、ハロッズ内にある、ペットストアで子犬子猫が売られていました。2018年のペットショップ業界団体の調査によれば、イギリス国内の約7パーセントのペットショップが犬もしくは猫の販売をしていました。
2020年4月からイギリスのうちイングランドで、ペットストア(ショップ)では、犬猫は「生後6ヶ月以上でなければならない」という法律が施行されました。その後スコットランドとウェールズでも2021年に9月から同様の法律が施行されましたが、現在も北アイルランドではペットストアでは8週齢以上であれば犬猫は販売できます。(*)したがって2011年時点で「イギリス(は4か国からなる連合国家。そのイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの全てで犬猫は週齢月齢問わず全てでペットストアでの販売が禁止という意味になる)では犬猫はペットストアでの販売が禁止されている」は、荒唐無稽な大嘘です。
(*)
・Your legal guide to buying a pet 「イギリスでペットを買うための法律ガイド」 2022年2月17日
「3、犬や猫を飼いたいときはRSPCAで無料で譲り受ける」も大嘘(*1)です。RSPCSAは例えば犬の譲渡手数料は最低150ポンドで、さらに健康診断や感染症の検査の実費が徴収されます。
このような出典を一切示さない、まさに便所の落書き以下のコラムをいまだにネット上に公開している京田辺市の痴性には呆れますが、それを根拠に研究課題にする(と私は強く疑っていますが)頭狂大学の痴脳の底辺ぶりと言ったら(笑)(笑)(笑)。次回以降の記事では、出典を示して「2」、「3」が悶絶死レベルの大嘘であることを示します。
(*1)
・Adoption fees RSPCAホームページ
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