麻薬捜査中に税関職員に射殺された犬~警察官が犬などを射殺する数は年間1万5,000頭以上のドイツだが

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(Zusammenfassung)
Der Zoll hat bei einer Drogenfahndung den Hund eines Verdächtigen erschossen.
記事、年間1万5,000頭以上の犬などを警察官が射殺するドイツ。これは公的殺処分と言ってもよいのでは?、の続きです。
前回記事では、ドイツでは警察官が犬などを射殺する数は、年間15,475頭(2019年)ということを述べました。今回は麻薬犯罪の捜査中に、税関職員が被疑者の犬を射殺した例を取り上げます。年間15,475頭の犬の射殺は警察統計によるものですから、税関職員によるものはこの数に含まれないと思われます。日本の2021年度の犬猫殺処分数は14,457頭です。もちろんドイツにも、施設内での公的殺処分もあります。
サマリーで述べた、「ドイツにおける犯罪捜査中で警察官などが被疑者の犬を射殺した」事件が最近も相次ぎました。このような事件はドイツではしばしば発生し、報道されます。今回取り上げるのは税関職員が麻薬犯罪捜査中に、被疑者の犬を射殺した事件です。ニュースソースから引用します。
・Hund bei Razzia in Colditz erschossen? Das sagt der Zoll 「コルディッツ(ドイツ、ザクセン州)で攻撃してきた犬が射殺された? 税関職員はそう言っています」 2023年3月30日
Wie Zoll-Pressesprecher Frank Schröter auf Anfrage telefonisch bestätigte, wurde durch die Einsatzkräfte ein „Schäferhund-Mischling“ durch Schusswaffen der Einsatzkräfte tödlich verletzt.
Der Hund hätte sich demnach gegenüber den Einsatzkräften „aggressiv“ gezeigt.
Bei der Razzia wurden bei einer Dursuchung in mehreren Objekten in der Gemeinde Colditz 5,5 Kilogramm Crystal, 32.000 Euro Bargeld, fünf Kurz- und zwei Langwaffen sowie zwei hochwertige Fahrzeuge der Marken Lamborghini und Mercedes Benz G-Klasse AMG sichergestellt.
Darüber hinaus konnte eine professionelle Indoor-Cannabisplantage mit etwa 2.600 Pflanzen unterschiedlicher Wachstumsphasen aufgefunden werden.
税関の広報官である、フランク・シュレーター氏が電話での確認要請に応じて述べたことによれば、「(被疑者の)ジャーマンシェパードの雑種犬」は、税関の捜査官の銃器によって致命傷を負いました。
犬は、税関の捜査官に対して「攻撃的」な態度を示していたと思われます。
コルディッツでの強制捜査中に、5.5 キログラムの麻薬の結晶、32,000ユーロの現金、5丁の拳銃と 2丁の長銃、2台のランボルギーニとメルセデスベンツGクラス AMGの高級車など、いくつかの物品が捜査中に押収されました。
さらにさまざまな成長段階にある約2,600株の大麻がある、屋内の大麻栽培専門施設が見つかりました。
前回記事では、ドイツ連邦警察による統計を取り上げ「ドイツでは警察官が犬などの動物を射殺する数が15,475頭(2019年)」であることを述べました。もちろん、この数は警察官によるものだけで、その他の公務員が行う犬などの射殺は含まれません。
例として今回は最近あった、税関職員が麻薬捜査中に被疑者の飼犬を射殺した事件と取り上げました。日本でも麻薬捜査官が麻薬の取り締まりのために逮捕権が付与され、銃の使用が認められているのと同じです。
その他ドイツでは、消防署が迷い犬や危険な犬の収容を担っている州が多くあります。それらの州の中には、危険な犬を射殺することが消防署員に職務権限で定められている州もあります。消防署員が犬を射殺した事件は合法も含めて、ドイツではかなり報道されています。
法令の定めがなくても、慣行で消防署員がライフル銃を携行して犬などを射殺していた自治体もありました。その件では結局うやむやにされ、責任が不明のまま終わりました。私は過去に、ドイツの消防署員が犬などを法的根拠がない(法令で消防署員にも犬などへの銃撃を認めている州もあります)のに慣行的に行っていた例を記事にしています。
・消防署が組織的に違法に犬などを射殺していたドイツ
・続・消防署が組織的に違法に犬などを射殺していたドイツ
先の述べた通り、「年間(2019年)の警察官による犬などの動物の射殺数は15,475頭」は当然ながら関税職員や消防署員などの他の公務員によるものは含まれません。しかしながら警察官以外でも統計が公表されていないだけで、その他の公務員が職務で犬などを射殺した数は、ドイツでは相当数あると思われます。
以下の動画は、メクレンベルク‐フォアポンメルン州の事件で、先に上げた私の記事のリンクで取り上げた事件です。同州のロストック市では法的根拠がないまま消防署員が犬などの対応のためにライフルを携行し、射殺も行っていました。
(動画)
Skandal: Feuerwehr erschießt Wolfshund | Crimespot Doku 「スキャンダル:消防署員はオオカミ犬を射殺しました」 2021年3月30日
上記の事件を取り上げたTVドキュメンタリー。人に飼われていたオオカミ犬が遁走して、数時間後に消防署員に射殺されました。そのオオカミ犬(オオカミと犬の雑種)の飼主の嘆きを取り上げています。ドイツでは、消防署も犬猫の捕獲と公的動物収容所への収容業務を行っています。ドイツには全州で公的な動物収容所があり、殺処分も行われています。危険と判断すれば、消防署員が犬などを射殺することもあります。しかしこのビデオで射殺された犬の飼主はメクレンベルクフォアポンメルン州の方で、同州では消防署員には動物の射撃のための銃の携行は法令では認められていませんでした。しかし慣行として長年行われていました。ビデオで写っている消防署の車両に書かれた、Tier Notruf という記述は、「動物 緊急通報」という意味です。
射殺されたブルーというオオカミ犬は飼主のもとから遁走後、目撃された住民により消防署に通報がありました。それにより消防署員がオオカミ犬を射殺しました。
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