土地所有者は徘徊する猫を捕獲して行政機関に届けなければならない~ロサンゼルス郡

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(summary)
The County of Los Angeles encourages all pet(cat) owners to act responsibly and have their cats vaccinated, microchipped, treated regularly for fleas, spayed or neutered, and confined to the owner’s property.
記事、
・「ロサンゼルスではTNRが行われている」という、どうぶつ基金協力獣医師の嘘、
・「地域の同意を必要としないロサンゼルス市のTNRプログラム」をぜひ日本も取り入れるべき、
・猫の室内飼いと登録義務、飼育数制限、飼猫でも外猫をだれでも捕獲して行政に届けることが合法~ロサンゼルス市条例、
の続きです。
ロサンゼルス市の条例では、誰でも飼猫等であっても捕獲し、市に届けることができます。飼猫であれば飼主は手数料と、マイクロチップでの登録等が無ければ罰金を支払って返還を受けなければなりません。飼主が引取りに来ない、もしくは飼主のない猫は殺処分もされます。そのために事実上、TNRができないのです。さらにロサンゼルス郡では、「土地所有者は自己所有地で徘徊する猫を捕獲して行政機関に届ける義務がある」と定めています。TNR猫は自由に徘徊して、誰の土地に侵入するかわかりません。そのために事実上、TNRはできません。
ロサンゼルス市はカリフォルニア州の首都市です。さらに市より大きな行政区分の、ロサンゼルス郡の構成市の1つです。ロサンゼルス郡においても徘徊する猫に関する条例があります。
連載記事で述べたことですが、カリフォルニア州をはじめとするアメリカ合衆国の南西部では、風土病とも言える発疹チフスの流行がしばしば起きます。発疹チフスの主な感染経路は、発疹チフス菌に感染した、猫ノミを徘徊する猫が拡散させ、それに人がさされることです。そのためにカリフォルニア州、さらに同州の傘下の自治体では、徘徊猫には厳しい対策をしています。TNRを含めて野良猫への餌やりを禁じる自治体も複数ありますし、野良猫の餌やりを明文化していない自治体でも、「土地所有者に自己所有地内の徘徊猫を捕獲して行政機関に届ける義務」を負わせている自治体もあります。今回取り上げるのは、ロサンゼルス郡です。
ロサンゼルス郡では、公衆衛生局と動物管理局が「徘徊する猫」に関して、政策を公表しています。以下に、ロサンゼルス郡公衆衛生局とロサンゼルス郡動物管理局の連名による公文書方引用します。
・County Policies Relating to Free-Roaming Cats COUNTY OF LOS ANGELES DEPARTMENTS OF PUBLIC HEALTH AND ANIMAL CARE AND CONTROL 「自由に屋外を徘徊する猫に関する郡の方針 ロサンゼルス郡公衆衛生局と動物管理局」
There are two County agencies involved in responding to public complaints about free-roaming cats and the frequently associated problems of accumulated fecal material and flea infestations: the Department of Public Health (DPH), and the Department of Animal Care and Control (DACC).
Potential Public Health Risks
Fleas have been associated worldwide with emerging human infections including flea-borne typhus caused by the bacterium Rickettsia felis.
Since 2006, Los Angeles and Orange Counties have had 122 reported human cases of this disease; all but one of the cases have been linked to the cat flea.
The parasitic diseases include toxoplasmosis, cryptosporidiosis, giardiasis, roundworm, and hookworm.
With many of these diseases, certain groups are at higher risk of serious disease or complications.
The presence of free-roaming cats, by itself, is not a violation of the County Health Code.
However, when DPH finds, in response to a complaint from the public, a flea infestation or accumulation of feces, a Notice of Violation is issued to the property owner/responsible party to abate these conditions.
In response to a Notice of Violation, the responsible party may elect to trap the cats themselves or with the assistance of a licensed pest control company and surrender the cats to a local shelter.
The majority of cats in County shelters are cats that have been surrendered to DACC by private owners who can no longer care for their cats, or by property owners who remove cats causing a nuisance on their property.
In the event a cat required to be held at a shelter is not retrieved by its owner or adopted, the County will, as a last resort, euthanize the cat.
Citations may be issued for failure to comply with this order.
The County of Los Angeles encourages all pet owners to act responsibly and have their cats vaccinated, microchipped, treated regularly for fleas, spayed or neutered, and confined to the owner’s property.
自由に徘徊する猫と、放置された蓄積された糞やノミの蔓延に関連した、頻繁に発生する問題に関する一般の苦情に対応するために、郡には2つの機関があります:それは公衆衛生局 (DPH) と動物管理管理局 (DACC) です。
(自由に徘徊する猫の)潜在的な公衆衛生上のリスクについて
(猫につく)ノミは世界中で、細菌リケッチアフェリスによって引き起こされるノミが媒介する発疹チフスを含む、新たに確認されたヒト感染症と関係があるとされています。
2006年以来、ロサンゼルス郡とオレンジ郡では、この病気の122人の症例が報告されていますが、1例を除くすべての症例でネコノミが関係しています。
寄生虫症には、トキソプラズマ症、クリプトスポリジウム症、ジアルジア症、回虫、および鉤虫が含まれます。
これらの病気の多くで、特定のグループは深刻な病気や合併症のリスクが高くなります。
自由に徘徊している猫そのものは、郡の保健法には違反していません。
しかし公衆からの苦情があり、それに対処した公衆衛生局(DPH 日本の保険所に該当する) が(猫による)ノミの蔓延や猫の糞の放置を発見した場合は、この状態を改善するための違反の通知が土地の所有者/管理者に通知されます。
違反の通知に応じて土地所有者等は、自己所有地の猫を自分で捕獲するか、または認可された害獣駆除会社の助けを借りて捕獲したうえで、猫を地元のアニマルシェルターに引き渡すことのいずれかを選択することができます。
ロサンゼルス郡のアニマルシェルターにいる猫の大部分は、猫の飼育ができなくなった個人の飼主か、または自己所有地に被害を及ぼしている猫を除去した土地所有者によって、動物管理局(DACC) に引き渡された猫です。
アニマルシェルターに収容しなければならなくなった猫が飼主によって引取られず、または一般に譲渡されなかった場合は、ロサンゼルス郡は最後の手段としてその猫を安楽死させます。
この命令に従わなかった場合は、(土地所有者には)裁判所から召喚令状が出されることがあります。
ロサンゼルス郡は、すべてのペット所有者が責任を持って行動し、猫にワクチンを接種し、マイクロチップを挿入し、定期的にノミの駆除を受け、避妊または去勢し、所有者の所有地内に閉じ込めておくことを推奨しています。
前回記事(猫の室内飼いと登録義務、飼育数制限、飼猫でも外猫をだれでも捕獲して行政に届けることが合法~ロサンゼルス市条例)では、「誰であってもロサンゼルス市内で自由に徘徊している猫、それが明らかに飼主がある放飼い猫であっても捕獲し、市の期間に届けることができる(許可)」という、ロサンゼルス市の条例を取り上げました。さらにロサンゼルス郡条例では、「私有地内に限れば土地所有者は自由ぬ徘徊している猫がいたのならばそれを捕獲して(害獣駆除委業者に委託することも可)、行政機関に届けなければならない」と、義務規定を設けています。
ロサンゼルス郡条例の、「土地所有者/管理者は、自由に徘徊している猫を捕獲(害獣駆除業者に委託することも可)して行政機関に届けなければならない」という規定は、ロサンゼルス市の許可条項より、より外猫の排除に効果があると思われます。「私有地内の徘徊猫を土地所有者等は捕獲して行政機関に届けなければならない」となれば、私有地内での餌やりを封じることができます。また公有地で餌やり(仮にそれがTNRに伴うものであっても)を行えば、猫は自由に移動しますので、誰かの家の庭にも侵入します。祖なればその家の所有者は、その猫を捕獲して行政機関に届けなければならないのです。ロサンゼルス郡のこの条例の規定は、ロサンゼルス市の条例とともに、餌やり(TNRに伴う者であっても)を封じる効果が非常に高いと思われます。
ロサンゼルス郡とロサンゼルス市の、外猫の排除を目的とした条例の厳しい規定を連載で取り上げました。連載で何度か言及しましたが、カリフォルニア州をはじめとするアメリカ合衆国南西部では、白人が移住する以前から発疹チフスが風土病としてあり、しばしば流行します。発疹チフスの感染は、チフス菌に感染したネコノミを猫が拡散させ、それに人が咬まれることにより拡大します。そのためにカリフォルニア州傘下の自治体では、例外なく猫の給餌を禁じる(明文化していなくても「事実上の」)条例を設けているところが多く、外猫には寛容ではありません。
日本のマスコミの報道や愛誤団体の情報拡散では、アメリカ、カリフォルニア州が「TNRの評価が高く、盛んに活動が行われている」とありますが、それらは嘘です。カリフォルニア州の発疹チフス流行に関しては、私は次のような記事を書いています。
・TNRマネジメントにより発疹チフスが流行したアメリカの事例~野良猫は公衆衛生上の脅威である
・アメリカでのTNRは、人への発疹チフス感染をもたらした
・「TNRは公的殺処分を減らす」と言う大嘘
・TNRのあまりにも悲惨な結末~オレンジカウンティーの発疹チフス流行
・TNRにより発疹チフスを拡大させた団体は刑事訴追に直面している~アメリカ、カリフォルニア州オレンジカウンティー
(画像)
「ネズミの国だけに?アメリカのディズニーランドに住みついた野良猫たちとそのサイドストーリー(※追記あり)」(2014年11月23日)の記事にある、カリフォルニア州のディズニーランドで行われていたTNR活動を絶賛している、知能が正常に満たない便後死の呆れたツイッターの投稿。この方は、悪質なデマ拡散をしている、狂信的なペット法学会会員です。
カリフォルニア州アナハイム市のディズニーランドで行われていたTNR活動は裁判所から2008年に中止命令が出されていました。根拠は今回取り上げたロサンゼルス郡の条例と同様の、「土地所有者等は自己所有地内の徘徊猫を捕獲して行政機関に届けなければならない」とする規定に違反したためと思われます。TNR活動は夜間にこっそりと違法に続けられていました。しかし2014年頃に周辺自治体でネコノミを原因とする発疹チフス流行があり、周辺自治体が野良猫への給餌禁止条例を相次いで制定したことにより、2015年に園内の野良猫をすべて捕獲して殺処分しました。また同時期にフロリダ州のディズニーランドで、狂犬病陽性猫に従業員が咬まれる事件も発生しており、その後はディズニーランドは一切TNRを行っていません。しかしアメリカのディズニーランドのTNR活動をさも「公に認められたもの」と誤認させ、絶賛する報道や動画投稿が続いています。
違法な行為として裁判所から中止命令が出され、さらに周辺自治体に感染症拡散の一因となった可能性があり、7年間続けても猫が減らなかったのです。そして収拾がつかなくなり、結局は園内の猫をすべて捕獲して殺処分しました。それが「いいTNRの宣伝になる」とは、さすがは反社根性の団体のメンバーが言うことは違いますね(笑)。
林 太郎から。裁判所で中止命令が出され、周辺自治体で猫が原因の発疹チフスが流行しているにもかかわらず違法に続けられ、結局は収拾がつかずに園内の猫をすべて捕獲殺処分した、カリフォルニア州のディズニーランドのTNRが「いい宣伝になる」とは。さすがに反社根性で、デマの拡散や違法行為を繰り返しているペット法学会の会員は常人とは違う。

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