「保護犬等の譲渡契約書」にみられる大学教授、環境省、弁護士の呆れた無知無能ぶり

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domestic/inländisch
記事、
・「ドイツのティアハイムは犬の譲渡後に抜き打ち検査をおこない犬を取り上げることこある」という狂人の妄想、
・「ティアハイム・ベルリンの犬の譲渡では単身者はお断り」は妄想作文か?、
・ティアハイム・ベルリンによる、保護動物の譲渡申込書(原文と日本語訳)、
・日本の「保護犬猫譲渡契約」は捏造論文のドイツのティアハイムの譲渡契約書が元なのか?、
・民間団体の保護犬猫譲渡契約の多くは違法であり無効と思われる
の続きです。
連載記事では環境省や弁護士が示している「保護犬猫の譲渡契約」の条項の多くが違法であり、無効と思われることを書きました。その根拠としているのは大学の教員のデマ論文(犬の譲渡システム ―― ティアハイム・ベルリンを事例として ―― 岩 倉 由 貴)と思われます。この論文の根拠は、偽ドイツ獣医師の京子アルシャー氏へのヒヤリングですが、この人物は過去にとんでもないドイツ法の誤訳をしています。その資料を環境省も採用しています。
日本では環境省が主に自治体の、弁護士が民間保護団体が犬等を譲渡する際の譲渡契約書のひな型を公開しています。それらはいずれも、次の条項が盛り込まれています。
1、保護犬等を譲渡する際は、譲渡を受けた者に対して飼養に対して条件を設ける。
2、保護犬等の譲渡後は、譲渡した側が譲渡を受けた側に譲渡した犬等の飼養状態等の情報提供を求め、訪問などをしてそれが守られているか確認する。
3、上記が守られていない場合は、譲渡した側が譲渡を受けた側に犬等の返還を求めることができる。
後者の民間団体が保護犬等を相当額の代金により譲渡した場合はあくまでも「販売」であり、これらの条項が違法であり、無効と考えられることを連載記事で述べました。日本の民法の解釈ではそう判断せざるを得ません。しかし弁護士ですら、「違法で無効」と思われる保護犬等の譲渡契約のひな型を示しています。
その原因は、連載記事で述べた通り、大学の教員によるデマ論文(犬の譲渡システム ―― ティアハイム・ベルリンを事例として ―― 岩 倉 由 貴)の記述と思われます。著者はティアハイム・ベルリンの保護犬の譲渡契約について記述していますが、当のアハイム・ベルリンによる文献は一切示さずに、ニセドイツ獣医師の京子アルシャー氏へのヒヤリングを根拠としています。
獣医師の京子アルシャー氏は、過去に多くの荒唐無稽なドイツ法の誤訳を公開しています。一読して素人でも「誤訳」と分かる稚拙な文章です。このような怪しげな人物の伝聞で論文を書く岩倉由貴氏の能力の低さには驚きます。しかしバ官狂症(環境省)も、ニセドイツ獣医師による誤訳資料を採用しています。動物愛護にかかわると、もともとの知能の8割減になるのでしょうか。その具体例挙げます。
・ドイツ 殺処分ゼロの理由 京子アルシャー 2010年4月13日
現在ドイツの動物保護法では動物の殺行為について以下のように明確に定められている。
§4(1)Ein Wirbeltier darf nur unter Betäubung oder sonst, soweit nach den gegebenen Umständen zumutbar, nur unter Vermeidung von Schmerzen getötet werden.
(脊椎動物は麻酔下においてのみあるいは状況により痛みを回避することでのみやむを得ず殺されることとする)
この法律に則り、犬や猫を殺すにはまず獣医学的所見という正当な理由が必要である。
現実的な例を挙げると、ティアハイムに収容された犬や猫を一人の獣医師が不治の病と診断のうえ安楽死を決定したとすると、安楽死させられた犬や猫の死体は大学の病理検査に送られ、そこで安楽死を決定した獣医師と同じ病理結果を得られなければ正統な理由なく動物を殺したということで起訴の対象となる(*)。
それでも、やむを得ず動物を殺す際はかならず安楽死でなくてはならない。
現在ドイツの動物保護法から読み取ると安楽死とは「痛みと苦しみを伴わない死」のことであり、家畜の堵殺のみならず犬の場合も麻酔薬を用い痛みと苦しみを回避することでのみ殺すことが許される。
(*)
ティアハイムの統括団体である、ドイツ動物保護連盟は「ティアハイム運営指針」を公表しており「傷病を理由とするティアハイムの収容動物の安楽死は獣医師1人の判断で行える」と明記されています。
上記のニセドイツ獣医師のドイツ動物保護法の誤訳によれば、ドイツでの動物の殺行為は次のように規定されています。「脊椎動物全般は麻酔薬を用いた痛みと苦しみを回避しなければ殺すことができず、家畜のと殺(食用と殺)も麻酔薬を用いた安楽死でなければならない」。
これは正常な知能があれば即おかしいと気が付きます。脊椎動物は哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類を含みますが、例えばドイツではニシンをよく食べます。ドイツではニシンを一尾づつ、麻酔薬で安楽死させたものしか食用に出回っていないのでしょうか。家畜の食用と殺ですが、EUでは害がないホルモン剤や抗生剤の残留した肉ですら食用として流通できません。ましてや動物の安楽死に用いる麻酔薬(多くはペントバルビタール)は強い毒性があり、それが残留した肉を人が食べれば高確率で死にます。
この歴史的悶絶誤訳は、私はしばしば何度かブログ記事にしました。京子アルシャー氏は必死になってそれを削除し、隠していますが悲しいかな、Web魚拓にしっかり残っています。なお正しい日本語訳はこちら(拙訳)です(若干法改正により文章は変わっていますが、内容は同じです)。
Dritter Abschnitt
Töten von Tieren
§ 4
(1) Ein Wirbeltier darf nur unter wirksamer Schmerzausschaltung (Betäubung) in einem Zustand der Wahrnehmungs- und Empfindungslosigkeit oder sonst, soweit nach den gegebenen Umständen zumutbar, nur unter Vermeidung von Schmerzen getötet werden.
第3章
動物の殺害
§4
(1)脊椎動物は効果的な疼痛除去(意識喪失、気絶)の状態の感覚および無感覚状態か、あるいはそうでなければ所与の条件下で合理的な範囲内で苦痛を回避する方法でしか殺すことができない(つまり「脊椎動物は意識喪失下での苦痛を除去した状態か、それができない場合は合理的な範囲で苦痛を回避した方法でしか殺すことができない」です)。
環境省も、このニセドイツ獣医師の誤訳資料を採用しています。一般社団法人 日本動物虐待防止協会 「動物愛護管理法を見直す会」 ですが、Tierschutz-Hundeverordnung 「ドイツ動物保護犬規則(さらに正しくは「省令」)」ですが、京子アルシャー氏は「犬条例」と訳しています。
ドイツ語のverordnungは、英語ではregulation「規則」、ordinance「条例も含めた下位の法令全般を指す」と同義です。後者の意味では「広く条例や規則も含めた、法律gesetzより下位の法令の条例」も含みます。この規則(省令)は、連邦消費者保護省(Das Bundesministerium für Verbraucherschutz)が動物保護法(Tierschutzgesetzes)の委任に基づいて改正した」とあります。最低限の知識があれば、ドイツ全土に効力が及ぶ条例は存在しないと気が付いてもよいと思いますが。
京子アルシャー氏は上記のようなドイツ法の噴飯誤訳に加えて、ドイツ獣医師であることや、ベルリン自由大学(Freie Universität Berlin)の獣医学部の卒業が確認できません。またお住まいのベルリン州獣医師名簿にお名前の記載がありません(Tierärzte)。さらに氏は「ティアハイム・ベルリンの経営に長年携わってきた(ということは役員でしょうが)」とマスコミ等に発言していますが、私がティアハイムベルリンに問い合わせたところ、役員はおろか(公表している役員名簿にお名前があったことがない)、外部委員や従業員も該当する人物は一切いませんでした。
このような怪しい人物の与太話が根拠で、当のティアハイム・ベルリンのホームページやドイツ語文献を一切確認せずに、デマ論論文を書く、岩倉由貴という人物の能力には疑念が生じます。
蛇足ですが、環境省の職員が「欧米では(保護犬の)譲渡前の不妊去勢手術は一般的」と公言していますが大嘘です。ドイツの司法判断では、ティアハイムが譲渡する保護犬が幼齢で去勢手術ができない場合に、譲渡先に去勢を義務付ける契約は無効で、一律に去勢して譲渡するのは違法ととしています。また犬では、ティアハイムの譲渡では去勢済みはそれほど多くありません(「ドイツのティアハイムでは犬を去勢済みで譲渡している」という、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの狂人の妄想作文)。
バ官狂症は一体何処から情報を得ているのか疑問です。怪しげなニセドイツ獣医師でしょうか。私は犬猫の去勢を推進するのは賛成ですが、自治体の保護犬譲渡においてのガイドラインでは、譲渡先に義務付けるとしています。誤った情報源から、環境省の保護犬猫の譲渡契約ガイドラインで、飼主に対する権利侵害が起きないか心配です。
(画像)
ドイツのオンライン販売ポータルから、ティアハイムの保護犬販売のページ(Tiermarkt Hunde Hunde aus dem Tierheim / Tierschutz Rassehunde aus dem Tierheim / Tierschutz (1.736) Mischlingshunde (Tierschutz))から。2022年11月29日アクセス
「350ユーロ(約5万円) 未去勢 独身者歓迎」とあります。このサイトでも、ティアハイム・ベルリンの犬販売サイトでも、犬は未去勢の方が多いです。また、犬の譲渡システム ―― ティアハイム・ベルリンを事例として ―― 岩 倉 由 貴 では「ティアハイムの犬の譲渡では独身者は断られる」としていますが?

蛇足ですが、犬の譲渡システム ―― ティアハイム・ベルリンを事例として ―― 岩 倉 由 貴)の、以下の記述も大デマです。これらの点については、私は過去に何度もブログ記事で取り上げています。
ティアハイムの最大の特徴は殺処分が行われないことである(*1)。
この殺処分が行われないという点がドイツの施設が注目される最大の要因であるが,厳密に述べれば,安楽死は行われている。その数が絶対的に少ないのである。
安楽死を行う際にも,ティアハイムの所長,ティアハイムにて動物の世話を担当している動物飼養士,獣医師や警察といった最低でも3人の見解が求められる(*2)。
ティアハイムは殺処分を行わない施設であるため,飼い主が見つからないという理由だけで処分されることはない。
(*1)
2014年のハノーファー大学の調べでは、ティアハイムの犬の殺処分率は26.2%で日本の公的殺処分率より高い。
ドイツのティアハイムの犬の殺処分率は日本より高い~「先進国の中でも日本は殺処分が多い」という大嘘サイト「ぺトこと」
(*2)
ティアハイムの統括団体であるドイツ動物保護連盟は「ティアハイムの運営指針」を公表しており、その中で「収容動物の殺処分は傷病を理由とする場合は獣医師1人の判断でよい」と明記されています。なぜティアハイムの収容動物の殺処分で警察が関与するのか意味不明。あり得ません。手に負えない攻撃的な犬の射殺をティアハイムが警察に射殺を依頼することはありますが。
・ドイツのティアハイムは基本的に殺処分を行わないというデタラメ~三菱UFJリサーチ&コンサルティング
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