「ねこちゃんホンポ」の呆れたデマ記事~「ドイツでは猫の放飼いが常識」の追記

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(Zusammenfassung)
Nahezu alle Informationen über den Tierschutz in Deutschland, die von den japanischen Medien berichtet werden, sind eine Lüge.
記事、
・「ドイツでは猫の放飼いが常識」は偏向もしくはデマ記事、
・未去勢猫の放飼い禁止の法制化が進むドイツ~「ドイツでは猫の放飼いが常識」は偏向もしくはデマ記事、
・ドイツでは「自由に外に出歩かせることが保護猫の譲渡条件」は呆れた創作~ティアハイムの保護動物の譲渡契約のひな型、
・ドイツでは保護動物の飼主に飼育制限を設ける契約は無効との判決が確定している~ドイツでは「自由に外に出歩かせることが保護猫の譲渡条件」はデマ、
の続きです。
私がしばしば取り上げる、「ねこちゃんホンポ」と「わんちゃんホンポ」という犬猫に関するネットメディアがあります。このメディアの記事で記述されている海外の動物愛護情報は、私が確認した限り、すべてがとんでもいない大嘘、デマでした。連載記事では、「ねこちゃんホンポ」の「日本とは逆。ドイツでは猫を外に出すのが常識」と、保護猫譲渡でも猫を自由に外に出すことが条件になっている」という内容の記事が、著しい偏向と嘘であることをのべました。本記事はその他の記述でもデマ誤りが多数あります。
サマリーで述べた通り、「ねこちゃんホンポ」の記事、ドイツの人と猫の暮らし の、以下の記述が待ったののデマであることを連載記事で述べました。
日本とは逆!ドイツでは(猫を)外に出すのが常識?!
日本では、保護猫を里親に出すとき“完全室内飼い”を条件にしているところが多いですし、実際に完全室内飼いの方が猫にとって安全であると考えられています。
これが、ドイツになると全く逆で、ドイツの保護猫は“外に自由に出歩かせること”が譲渡条件に含まれているのです。
今回は、「ねこちゃんホンポ」の本記事の他の記述でも、ほぼ全てで誤りであることを述べます。
(ドイツでは)犬を飼っている人はおよそ700~850万人、猫を飼っている人はおよそ800~1500万人と、猫を飼育しているお家はドイツ全域の約22%にも及ぶのです。
この記述に合致するドイツ語資料は全くありませんでした。さらに「猫を飼っている人はおよそ800~1500万人と、猫を飼育しているお家はドイツ全域の約22%」との記述は矛盾します。
ドイツの世帯数は4,150で、1世帯当たりの人数は1.9人。22%世帯の人口は約1,800万人です。(*)したがって「猫を飼っている人はおよそ800~1500万人」という数値と矛盾します。なおドイツの犬猫飼育数は犬が1,030万頭、猫が1,670万頭という統計はあります。また2021年のドイツで猫を飼っている世帯の割合は22%ではなく26%です。(*1)
(*)
・Bevölkerung und Haushalte 2021年3月23日
(*1)
・Die Liebe zum Heimtier hält unvermindert an
日本では猫ちゃんが敷地内でおしっこやうんちをすると苦情が出て怒られますよね。
ところがドイツでは、生き物だから仕方がないととってもアッサリした考え方をしています。
ドイツでは日本とは比べられないほど、猫の放飼いに対する厳しい司法判断がされています。したがって「ドイツは日本と比べて猫の放飼いに寛容」は偏向、もしくはデマです。
・ドイツの野良猫餌やりと猫の放飼いに対する厳しい判決~「欧米では野良猫の餌やりはやりたい放題」というペット法塾の狂気のデマ
・「野良猫へ餌やりすれば3,000万円超(25万ユーロ)の制裁金か6か月までの拘留を課す」というドイツの判決
・野良猫が原因の交通事故で給餌者が賠償命令を受けた判決~ドイツ
ドイツには「ティアハイム」という企業や個人の寄付により賄われている民間の動物保護施設があり、ここでの殺処分はゼロであるとうたわれています。
ドイツのティアハイムの統括団体のドイツ動物保護協会は「ティアハイムは傷病の動物、問題行動がある動物、緊急性がある場合はその動物を殺処分しなければならない」と、ティアハイム運営指針で明記しています。(*2)またティアハイムの犬の殺処分率は2014年のハノーファー大学の調査では26.2%とされており、その率は日本の公的殺処分率約15%より高いのです。(*3)さらにドイツのティアハイムは、国際比較では公的補助が高いのです(記事検索 : ドイツ ティアハイム 補助金)。
(*2)(*3)
・ドイツのティアハイムは基本的に殺処分を行わないというデタラメ~三菱UFJリサーチ&コンサルティング
ドイツでは、犬や猫を飼うときはペットショップを使わずこういった保護施設(ティアハイム)やブリーダーから引き取ります。
ドイツでの犬猫の保護施設からの入手シェアは約10%で、日本と変わりません。(*4)またドイツのブリーダーの犬の生産は年間7万頭台です。(*5)対して安価な外国産の犬を主にネットの非対面販売で販売する数は年間50万頭です。(*6)
(*4)
・「犬の大量生産販売とオークションは日本独特」という、太田匡彦氏の大嘘~イギリス、ドイツ編
(*5)(*6)
・ドイツの年間犬輸入数は50万頭で、犬の販売シェアで最も多いのが輸入犬のインターネットなどによる販売
(動画)
問題の「ねこちゃんホンポ」の記事では「(ドイツでは)命をお金で売買することは『ほぼない』」は著しい偏向です。ドイツは生体販売ペットショップの数は約4,100あり(Zoofachgeschäft)、その数は日本(総務省統計では2016年の生体販売ペットショップの数は5,041店舗)の1.2倍です(ペットショップ数売上共激減している日本は先進国では例外〜「日本はペットショップが減らない」という杉本彩氏らの狂気。以下の動画は、世界最大のドイツにある生体販売ペットショップです。もちろん犬猫も売っています。
「ねこちゃんホンポ」の問題の記事は、ライターが出典を一切調べずに、単なる思い付き妄想で書いたものと思われます。公に情報を提供する責任があまりにも希薄としか言いようがないです。「ねこちゃんホンポ」、「わんちゃんホンポ」の記事は、問題の記事以外でも、特に海外情報では正確な記事は私が確認した限り皆無です。マスメディアは情報を提供する者としての自覚を持つべきだと思います。
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