「イタリアでは殺処分を禁止している」というイタリア在住者の大嘘~飼犬猫の殺処分は制限がなく、無主物でも傷病、危険なものは殺処分できる

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「イタリアでは殺処分を禁止している」。この文書を読めば、イタリアでは「いかなる場合でも殺処分できない」という意味になります。しかしとんでもない大嘘、デマです。真実はイタリアでは公営私営とも動物収容施設があり、法律では野良=所有者がない犬猫は「1、傷病があるもの」と、「2、危険なもの」は殺処分してよいと明記されています。なお飼犬猫=所有者がある犬猫は私有財産の処分権の見地から、飼主が獣医師に安楽死を依頼して殺処分を行うことはイタリアでは制限されていません。健康な犬猫であっても殺処分できます。
サマリーで示した、「イタリアでは(いかなる場合でも)犬猫の殺処分が禁止されている」という内容のソーシャルメディアの投稿は、次のようなものがあります。
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kumiko 2021年1月19日から。

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Megumi Takeda Face Book から。イタリア在住の高野という人物が「イタリアでは殺市分を禁止している」と日本のソーシャルメディアで拡散していました。「殺処分を禁止した」とすれば「いかなる場合でも殺処分はできない」という意味になりますね。
「国会議員から知りたいと言われた」とのことですが、いつも失笑を買う、スーパーウルトラ愛誤議員の串田誠一氏でしょうか(笑)。この方の情報源はツイッターなどの出所不明な怪しげなものばかりという気がします。ご自身のツィートではツイッターの投稿をよく引用していますし、何しろ国会での発言等でも、海外の動物愛護に関することはほぼ全てでぶっ倒れそうな荒唐無稽なデマ大嘘なので(笑)。

しかし結論から言えば、「イタリアでは殺処分禁止=いかなる場合でも犬猫の殺処分は禁止されている」は大嘘です。イタリアでは公営私営とも犬猫等の動物収容所があり、そこでの犬猫の殺処分ができると法律に明記されています。
犬猫とも、「1、傷病があるもの」、「2、危険をおよぼす可能性があるもの」は、殺処分することが許可されています。その場合は獣医師による、安楽死でなければならないとしています。それれを裏付けるイタリアの法律から引用します。
・Legge Regionale 30 dicembre 2009 , n. 33 Testo unico delle leggi regionali in materia di sanità (BURL n. 52, 3° suppl. ord. del 31 Dicembre 2009 ) 「地方自治体に関する法律 2009年12月30日 地方自治体の公衆衛生に関する法律の条文の全て」
Art. 113 (Eutanasia) 現行法 (イタリア語原文)
1. I cani, i gatti e gli altri animali di affezione ricoverati nelle strutture di cui agli articoli 112 e 114, possono essere soppressi solo se gravemente malati e incurabili, se affetti da gravi sofferenze o in caso di loro comprovata pericolosità.
2. La soppressione è effettuata ad opera di medici veterinari, con metodi eutanasici che non arrechino sofferenza all'animale, preceduti da idoneo trattamento anestetico.
Art. 113 (Euthanasia)(イタリア語を英語に自動翻訳)
1. Dogs, cats and other pets admitted to the structures referred to in articles 112 and 114, may be killed only if seriously ill and incurable, if suffering from serious suffering or in case of proven danger.
2. The killing is carried out by veterinarians, with euthanasia methods that do not cause suffering to the animal, preceded by suitable anesthetic treatment.
第113条(安楽死)
1 112 条および114 条で記述されている施設に収容(=公的及び私的な動物収容施設)された犬猫およびその他のペットは、重度又は治療が不可で深刻な苦痛に苦しんでいる場合、または危険が証明されている場合に限り殺してよい。
2. 殺処分は獣医師によって行われ、適切な麻酔処置が行われた動物に苦痛を与えない安楽死による方法で行われなければなりません。
野良犬猫であれば、何かしらの傷病を持っているほうが普通です。それが「重度で治療不可で、動物に深刻な苦しみがあるかどうか」は多分に主観的です。さらに野犬であれば、人との社会化ができていないものが大半でしょう。ですから人を咬む危険性がほとんどの野良犬にあり、完全に安全なものはほぼないと言えます。野良猫においても、ほぼ全てで傷病があります。また人畜共通感染症に感染していて人に感染させる危険性が常にあります。
つまりイタリアのこの法律の規定は、「殺処分を禁止した(=いかなる場合でも殺処分ができない)」とは言えません。日本でも動物愛護管理法で「みだりな(=正当な理由がない)愛護動物の殺害」を禁じています。それをもって「日本は法律で殺処分を禁止している」と言えますか。
なおこの規定は、施設に収容された野良(=無主物)の野良犬野良猫に関する規定です。飼主がある犬猫=所有者がある犬猫は、この法律の条文は適用されません。
飼主のある犬猫に関しては殺害に関する法令上の規定はなく、私有財産の自由な処分権により、飼主が健康で危険性がない犬猫であっても、獣医師に安楽死を依頼して殺害することは合法であると解釈されています。それを裏付ける論文から引用します。
・Euthanasia of companion animals: a legal and ethical analysis 「イタリアにおけるコンパニオンアニマルの安楽死:法的および倫理的分析」 2006年
Due to the legal classification of animals as property, the owner has the right of ownership over his animal so that he can sell it and kill it (ius vitae ac necis).
In this view a request for euthanasia is licit, whatever the animal's state of health may be.
(イタリアでは)動物は財物として法的に分類されているため、動物の所有者は自分の動物の所有権の自由な処分権があり、動物を売ったり殺したりすることができます (ius vitae ac necis 生殺与奪権)。
この法解釈では、イタリアでは動物の健康状態がどうであれ安楽死(殺処分)の要求は合法です。
前述の、Megumi Takeda Face Book の「イタリアでは殺処分を禁止している」という偏向した、デマ大嘘の部類ですが、それを拡散していている」高野という人物から、私のFace Bookに投稿がありました。高野氏の「イタリアでは殺処分を禁止している=いかなる場合でも殺処分できない」というデマの拡散について審議を調べてほしいという、ソーシャルメディア上で人に頼まれました。私は論文、Euthanasia of companion animals: a legal and ethical analysis 「イタリアにおけるコンパニオンアニマルの安楽死:法的および倫理的分析」をその方に提示したのですが、高野氏から私のFace Bookに投稿がありました。それがそのスクリーンショットです。
(画像)
Megumi Takeda Face Book から。

そかし調べたところ、犬猫等のペットの殺処分の法令の規定は、先に引用したイタリアの法律、Legge Regionale 30 dicembre 2009 , n. 33 Testo unico delle leggi regionali in materia di sanità (BURL n. 52, 3° suppl. ord. del 31 Dicembre 2009 ) 「地方自治体に関する法律 2009年12月30日 地方自治体の公衆衛生に関する法律の条文の全て」以外ではありませんでした。また犬猫の殺処分移管する規定は、2009年以来、犬猫の殺処分に関する規定は今日まで改正はありません。この法律で殺処分の規定をしている適用の犬猫は、対象は野良(=無主物)で、動物収容所に収容されたものだけです。
法律で禁止事項がなければ、それを罰することはできません。すなわち「野良ではない=無主物ではない、飼主がある犬猫の」殺処分においては、イタリアでは今日でも「獣医師に依頼して安楽死により行う」ことを条件に、健康な犬猫であっても制限はないと、引用した論文の通り解釈されます。
なお私は高野氏に「特定の証明された場合の除いては、飼主のある動物もいない動物も不必要に殺害することは刑法で罰制られる犯罪です」の根拠となる法律の条文を示すよう求めましたが、回答はありません。「混乱を起こすような事を拡散するのは有害です」とは、高野氏ご自身そのものじゃないですか(大笑)。
超上から目線でさらにデマを流し、赤恥をさらすのは(笑)。まさに愛誤の厚かましさ、図々しさの醜悪さを示した典型例です。そのままこの言葉を」高野氏にお返ししたい。今からでも根拠法を示していただきたいです。高野氏は私はFaceBookでブロックしておりません。
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