保護犬による重大咬傷事故~「殺処分ゼロ」は正しいのか?

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(summary)
About serious bite injury by adopted dog (rescued dog).
海外では保護犬による重大な咬傷事故がしばしば発生します。保護施設の職員が犬に咬まれて死んだり、犬を迎えた直後に飼主が襲われる重大事故などです。特に近年、殺処分の減少圧力が高まっているアメリカでは深刻な問題となっています。死亡など重大咬傷事故を起こした犬でも殺処分せずに複数の保護団体を経由させ、「ロンダリング」したうえで犬の経歴を隠して保護犬として譲渡するケースも多くあるとされています。そのような犬は高い確率で、保護施設の職員や新しい飼主に譲渡されたのちも咬傷事故を起こしています。「何が何でも殺処分ゼロとすべき」は最善なのでしょうか。
サマリーで示した、いわゆる「保護犬」による、重大な咬傷事故が海外では多く報道されています。最近の事件を引用します。
・1 dead, 1 injured in dog attack at rescue organization in Oakland Park 「オークランドパークの動物保護施設で犬の攻撃により1人が死亡し、1人が負傷しました」 2022年2月18日
OAKLAND PARK, Fla. – A large mix-breed dog named Gladys killed a woman on Thursday morning at the 100+ Abandoned Dogs of Everglades Florida facility in Oakland Park.
The Broward Sheriff’s Office said the dog also injured another woman who was trying to save the victim.
アメリカ、フロリダ州オークランドパーク – 木曜日の朝、フロリダ州オークランド パーク、エバーグレーズにある、100頭以上の犬の保護施設で、グラディスという名前の大型の雑種犬が女性を殺害しました。
ブロワード保安官事務所によると、この犬は被害者を救おうとしていた別の女性も負傷させたということです。
(動画)
Woman Killed, Another Injured After Dog Attack In Oakland Park 「オークランドパークで一人の女性が犬に殺され、もう一人が負傷しました」 2022年2月18日
上記の事件伝えるニュース
(動画)
Woman dead after being bitten by dog in Oakland Park 「オークランド・パークで犬に咬まれた後に死亡した女性」 2022年2月18日
上記の事件を伝えるニュース
・Family beg police to shoot their own dog dead after it turned on them in horror attack 「自分たちの飼犬に恐ろしい攻撃を受けた家族は警察官にその犬を撃ち殺すように頼んだ」 2022年7月11日 オーストラリアの事件
A family were left begging police to shoot their dog after it turned on them out of the blue in a horror attack.
Michelle and Stephen Quayle had hoped three-year-old blue heeler, Ace would be part of their lives in Perth, Australia for the next decade when they adopted him last month.
Sadly those dreams came to a crushing end when the pet suddenly saw red and sank his teeth into dad Stephen's throat, as Ace launched a sustained assault.
Unable to calm the dog down as he went for the couple and their daughter, the Quayle family called the police who destroyed him with three gunshots.
一家は恐ろしい犬の攻撃で突然襲われた後に、犬を撃つように警察官に願いました。
マイケルさんとスティーフン・クエール氏は、3歳の灰色の体色の悪者のエースという名の犬をオーストラリアのパースで先月養子として迎え入れたときには、この先10年間は、家族の生活の一部になることを望んでいました。
悲しいことにエースが突然執拗な攻撃を始め、エースが興奮して父親のスティーブン氏の喉を深く咬んだにとき、その夢は破滅的な終わりを迎えました。
夫婦とその娘のために犬を落ち着かせることができなかったために、クエール一家は警察に通報し、警察官は3発の銃弾で犬を殺しました。
・Couple savaged by 'sedated' dog just 4 days after they adopted him from rescue shelter 「動物保護シェルターから犬を引き取ったわずか4日後に「鎮静剤を投与された」その犬に襲われた夫婦」 2021年9月19日 イギリス。保護団体が攻撃的な犬を、鎮静剤でおとなしくさせて騙して譲渡した例。
A couple has been left bruised after their adopted dog attacks them just four days after he was adopted.
Sharon Archibald, 57 was left with gaping deep wounds on her arm and a bruised breast after the dog, Moose, latched onto her in a crazed attack.
It was only until her husband, Michael Archibald, 63, restrained the dog that the attack stopped.
The hopeful couple from Scotland had adopted the dog from a rescue shelter found on Facebook and despite stating their concerns, they were given the pet in a car park, with no home check even days later.
They allege the dog has been 'sedated' or medicated, in order for the pet to be delivered to the couple with no issues.
養子縁組されてからわずか4日後に、養子の犬が飼主の夫婦を攻撃したため、夫婦はけがを負いました.
シャロン・アーチボルドさん(57 歳)は、犬のムースが狂ったような攻撃で咬みついてぶら下がり、腕に大きな深い傷を負わされてその傷跡が残りました。
犬の攻撃は、夫のマイケル・アーチボルドさん(63)が犬を拘束するまで止みませんでした。
スコットランド出身の犬に期待していた夫婦はフェイスブックで見つけた動物保護シェルターから犬を引き取りましたが、心配だと言ったのにもかかわらず、駐車場で犬を引き渡され、数日たっても家の確認すらを受けませんでした。
夫婦は犬が問題なく夫婦に引き渡されるように、犬が(保護団体により)「鎮静させられていた」、または鎮静薬が投薬されていると主張しています。
イギリスでは犬の殺処分数は横ばいです(そのほかのペットは増加傾向)。しかし特にアメリカ合衆国では、近年犬猫の殺処分の減少への圧力が強くなっています。アメリカの犬猫殺処分は日本と同様に、先進国では最も減少している国の部類です(しかし絶対数はいまだに多い。人口比で日本の10倍以上)。その傾向はオーストラリアでもそうです。
そのためにアメリカでは、動物保護団体が過去に咬傷事故を起こした犬であっても、それを隠して一般飼主に譲渡することが増えているとの弁護士等の指摘があります。死亡咬傷事故を起こした犬ですら、その履歴を隠すために複数の動物保護団体を経由させる「犬レンダリング」を行い、一般譲渡しているケースさえありました。そのような犬は新しい飼主に譲渡されたのちも、咬傷事故を起こしています。咬傷事故を起こした犬をそのように一般譲渡して、生後間もない赤ちゃんや女子学生がその犬に殺された痛ましい事故もあります。
「殺処分ゼロ」の方針を打ち出したアメリカの地方自治体の中には、犬の咬傷事故が激増しているところがあります。またアメリカの弁護士らは、「動物保護団体が咬傷事故を起こした犬の履歴を知りながらそれを隠して譲渡し、その犬が咬傷事故を起こした場合は刑事民事とも責任を問われる」と警告しています。また、すでにアメリカ合衆国では、動物保護団体が咬傷事故を起こした犬の履歴を隠して譲渡し、譲渡先で咬傷事故を起こしたケースでは、動物保護団体に責任を認める控訴審判決があります。次回以降の記事ではそれらについて述べます。
日本でも現在極めて「殺処分ゼロ」の圧力が高まっています。すでに捕獲したばかりの野犬を何の訓練もせずに、一般譲渡することが行われています。また野犬に給餌し、それが増えても行政が愛誤団体の妨害により捕獲ができない事態に陥っているところもあります。
「殺処分ゼロ」が絶対に正しいのでしょうか。すでにその弊害が表面化しているアメリカ合衆国などの事例を他山の石として、考えていきたいと思います。
(動画)
【税金は命を救うために】動物愛護一筋の串田誠一を国会へ【犬猫殺処分ゼロ】(この動画が公開されたのは2022年7月3日です)。
「犬猫殺処分ゼロ」だけを訴えてわずか3万票余りで当選した、愛誤串田誠一参議院議員。かつての衆議院議員時代の国会発言では、ほぼ全てが海外の動物愛護に関する法律制度等ではデマ、誤りでした。この街頭演説でもデマ、誤り、無知の羅列です。この街頭演説の内容については問題点をすでにいくつか指摘しましたが、それ以外でも折々取り上げます。
串田誠一氏は法曹資格をお持ちですが、アメリカで指摘されている、「危険な保護犬を一般譲渡し、譲渡先で死亡などの重大咬傷事故を起こした」件について、法的な見解をお聞きしたいものです。
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