「トルコは殺処分ゼロ」はデマ~トルコの野犬大虐殺

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Turkey/Türkei
日本では「トルコでは殺処分ゼロ(犬猫のことと解釈しますが)」という情報が流布されています。しかしそれは誇張しすぎで「嘘」、「デマ」情報と言って差し支えないと断言します。トルコでは2021年に改正された動物保護法が施行されました。その法律では「野良犬はできるだけ生存の機会を与え、手当たり次第に(random)捕獲して殺害してはならない」とあります。random ですが、「(はっきりした目的・計画のない)手当たり次第の」といった意味であり、日本語では動物愛護管理法で用いられている「みだりな」に相当します。実際にはトルコでは、女児が2頭の犬に殺害された事件を受けて、エルドワン大統領は野犬の捕獲と殺害の徹底を命じ、それが実行されています。
まずサマリーで示した「トルコでは(犬猫)殺処分ゼロである」という、ソースから引用します。なお「殺処分ゼロ」とは「いかなる場合でも殺してはならず、殺される数はゼロである」という意味になります。
殺処分ゼロの国トルコ「犬をケアするコミュニティのほうが人間的」気鋭監督が語る理由 2022年3月16日 ammamm web
殺処分ゼロの国トルコ・イスタンブールの街で、人間と自然に共存生活を送っている野良犬たち。
舞台となるトルコは、20世紀初頭に行った大規模な野犬駆除に対する反省から、殺処分や野良犬の捕獲が違法とされている国のひとつ。
上記の記事では「トルコは殺処分や野良犬の捕獲が違法とされている国の一つ」とありますが、この記述だと「いかなる場合でもトルコは(犬猫の)殺処分や野良犬の捕獲が違法」という意味になります。しかし現在トルコではエルドワン大統領の指示のもとに、各自治体体が野良犬の捕獲を行い、公的動物収容所に収容の上殺害したり、その場で殺害しています。
トルコでは昨年末に2頭の犬に女児が殺害された痛ましい事件が起きました。それを受けてエルドワン大統領は徹底した野良犬の掃討駆除を指示しました。それを報じる記事から引用します。
・Protest to demand protection of stray dogs in Turkey 「トルコで野良犬の保護を求める抗議活動」 2022年1月10日
Hundreds of animal rights activists and dog and cat lovers protested on Sunday in Istanbul to urge the Turkish government to stop killing and abusing stray animals.
After a young girl was attacked by dogs, the president tweeted on December 25 “to remove stray animals from the streets and move them to clean and safe environments.
The municipalities seek ways to get rid of dogs as they see them as a burden to them.
They do not hesitate to kill dogs, throw them in the forest, or imprison them in shelters.
The Turkish Animal Protection Law that make it illegal to randomly collect and kill stray animals.
The president’s statement has taken the hate to a whole new level, prompting a “dog massacre.
Turkish authorities have tried to annihilate stray dogs since 1909, leading to mass killings of Istanbul’s street dogs for the last century.
何百人ものアニマルライツ活動家と犬と猫の愛護家が日曜日にイスタンブールで抗議し、トルコ政府に野良動物の殺害と虐待をやめるよう求めました。
女児が犬に襲われた後大統領は12月25日に、「清潔で安全な街に変えるために野良動物を駆除する」とツイートしました。
市町村は犬(の事故は)自分たちの責任と見なしているため、犬を除去する方法を模索しています。
市町村の職員は犬を殺したり、森に遺棄したり、アニマルシェルターに閉じ込めたりすることを躊躇しません。
野良動物を手当たり次第に(random)(*)に捕獲収集して殺すことはトルコの動物保護法では違法です。
大統領の声明は、(野良犬に対する)憎悪をまったく新しいレベルに引き上げて、「犬の虐殺」を促しました。
トルコ当局は前世紀にイスタンブールの野犬を大量殺戮した1909年以来、野良犬を全滅させようとしています。
(*)
・randomとは意味・読み方・使い方
~
「意味・対訳 (はっきりした目的・計画のない)手当たり次第の、でたらめの、行き当たりばったりの」とあります。日本の動物愛護管理法での「みだりな」に相当すると考えられます。つまりこの英文記事は「トルコでは正当な理由があれば野良犬の捕獲殺害は合法」と解釈できます。そうでなければ大統領が野良犬の掃討駆除~殺害を指示することができません。
(画像)
dominic dyer @domdyer70 による投稿から。トルコでの街中での犬射殺の様子です。見た感じでは犬を射殺しているのは公務員では。
Street dogs are being demonised targeted and killed in Turkey.
トルコでは野良犬が標的になり殺されている。

なお現在トルコでは、イスタンブールや首都アンカラなどで野犬の掃討駆除が行われており、捕獲の上アニマルシェルターに収容するのみならず、その場で撲殺するなども行われています。それは複数のイギリスなどの海外メディアが報じています。イギリスではトルコの野良犬大量虐殺に抗議して、現在トルコへの旅行のボイコットを呼びかける運動が行われています。
「トルコは殺処分ゼロの国」とマスコミが報じ、能天気に絶賛しているのは日本だけではないかと思われます。日本では海外の動物愛護に関する情報が正確に報道されたことはほぼ皆無です。次回は「トルコの野良犬大量虐殺に抗議してイギリスで起きた、トルコへの旅行ボイコット運動」について取り上げます。
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