ドイツの犬の死因の9割が安楽死の根拠となる学術調査~治る可能性があっても治療費の負担を嫌い安楽死を選ぶ飼主

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(Zusammenfassung)
Dass Schätzungen zufolge in Deutschland vier von fünf Haustiere durch Euthanasie sterben.
Daher liegt nahe, dass die Dunkelziffer für Behandlungen, die aufgrund mangelnder Ressourcen nicht durchgeführt wurden, oder die Anzahl der Euthanasie aus Mangel an finanziellen Mitteln, deutlich höher liegt.
記事、
・犬の平均寿命が突出して長い日本~犬を終生飼育する日本、すぐ殺す欧米、
・なぜ日本の犬の平均寿命が欧米より長いのか?~日本は世界にまれにみる犬猫の終生飼養義務国、
・ドイツでは9割、イギリスでは8割、アメリカでは7割の犬が殺されて生涯を終える、
の続きです。
前回記事では、ドイツ、アメリカ、イギリスの犬の死因の原因に占める安楽死の率がきわめて高いことを書きました。前回記事では「ドイツの犬の死因の9割が安楽死」との民間のティアハイムなどのソースを提示しました。ドイツにはそれを裏付ける学術調査に基づく資料があります。獣医師と飼主に対する広範囲な調査です。それによればドイツでは8割のペット(犬猫)の死因は安楽死です。しかしその資料によれば「飼主に対する調査では正直な回答は得られていないだろう。その数字よりも大幅に高い可能性がある」としています。また「多くは治る可能性がある疾病でも治療費の負担を避けるために多くの飼主はペットの安楽死を選択している」と結論付けています。
サマリーで示した、
・ドイツのペット(犬猫)の死因の8割が安楽死である。
・ドイツの犬猫の飼主は治る可能性がある傷病でも、治療費の負担を嫌い安楽死を多くは選択する。
・飼主に対するアンケート調査では正直な回答は得られていないだろう。ドイツの犬猫の死因の安楽死は8割よりさらに高い可能性がある。
を裏付ける学術調査の資料から引用します。
なおこの資料はドイツの獣医師向けの専門サイトです。ペット医療保険加入率とペット安楽死率との関連を調べたものです。
・Mehr Tierschutz mit Versicherung? Empirische Studie zu Tierkrankenversicherungen für Hund und Katze aus der Perspektive von Tierärztinnen und Tierärzten sowie Tierhalterinnen und Tierhaltern im deutschsprachigen Raum 「ペット医療保険でより多くの動物が保護されるのか? ドイツ語圏の獣医師とペットの飼主の視点から見た犬と猫のペット医療保険に関する実証的研究」 2020年8月
Results confirmed that insured pets received better medical care and tend to be more likely to die a natural death than uninsured pets.
Einige Berichte deuten darauf hin, dass Entscheidungen zur Beendigung des Lebens eines Tieres auf der Grundlage wirtschaftlicher Faktoren (wirtschaftliche Euthanasie) immer häufiger getroffen werden (Kipperman et al. 2017).
Binder (2011) hält fest, dass Schätzungen zufolge in Deutschland vier von fünf Haustiere durch Euthanasie sterben.
Finanzielle Gründe meint beispielsweise die Sorge, tierärztliche Behandlungen aus wirtschaftlichen Gründen nicht finanzieren zu können.
Dass versicherte Hunde und Katzen eine bessere medizinische Versorgung erhielten.
Ferner zeigten die Ergebnisse dieser Untersuchung, dass einige Tiere durch Euthanasie starben, obwohl noch eine Behandlung möglich gewesen wäre.
Bei Fragen zu kritischen Themen, wie etwa Angaben zu Euthanasie oder finanziellen Faktoren, kann angenommen werden, dass nicht alle Befragten immer ehrlich antworteten.
Daher liegt nahe, dass die Dunkelziffer für Behandlungen, die aufgrund mangelnder Ressourcen nicht durchgeführt wurden, oder die Anzahl der Euthanasie aus Mangel an finanziellen Mitteln, deutlich höher liegt.
この研究の結果は、ペット医療保険の加入保険者のペットはより良い医療を受けたことが確認され、そして無保険のペットよりも自然死に至る可能性が高い傾向があることが分かりました。
いくつかの報告においては、経済的要因(経済的な理由による安楽死)に基づいて動物の命を終わらせる決定がより一般的になっていることが示唆されています(Kipperman et al.2017)。
Binder(2011)は、ドイツではペットは5分の4(つまり80%)が安楽死で死亡していると推定されていると述べています。
経済的理由は例えば、 獣医の治療に資金を提供することができないとの懸念を意味します。
ペット医療保険加入の犬と猫は、より良い医療を受けました。
この調査の結果では一定の割合で動物は安楽死で死亡したことも示されましたが、(それらの動物の多くは)治療はまだ可能でした。
この調査での安楽死や財政的要因に関する情報などの重要な問題についての質問では、すべての回答者が必ずしも正直に答えたとはいえない可能性があります。
したがって医療費の不足のためにペットの治療が行われなかったという未報告のケースや、医療費の費用の金銭的不足が理由でのペット安楽死の数は、この調査研究の結果よりも(ドイツのペットの死因の割合は安楽死が80%とされていますが)、大幅に多いことは間違いないです。
この学術調査では、ドイツのペット(犬猫)の死因の安楽死に占める割合は80%としていますが、特に飼主に対するアンケート調査では「医療費の支払いができないために安楽死を選択した」という正直な回答は得られていない可能性が高いとされています。そのために「ドイツではペット(犬猫)の死因の80%が安楽死」という調査結果よりも、実数はドイツでは安楽死により死ぬ犬猫の数は大幅に多いだろうとしています。
さらにこの調査では、相当の割合で「治療が可能であっても、経済的理由からペット(犬猫)の安楽死を選択した飼主がある」とも結論付けています。それにしてもドイツの犬猫の死因の80%が安楽死により死亡し、その相当割合が治療可能であったこと、実数はそれより大幅に多いことは間違いない、との結果は日本では驚きに値するでしょう。
(動画)
Einschläferung | Tierarzt Tacheles mit Sebastian Goßmann-Jonigkeit | ZooRoyal 「犬の安楽死について 獣医師セバスチャン・ゴスマン」 2020年11月28日
この動画に出演しているセバスチャン・ゴスマン獣医師は、犬の安楽死について語っています。「傷病によりそれ以上の苦痛を回避するための安楽死は完全に合法である」との他に、「人など他者に危険をもたらすような犬の場合で行動療法により非常にコストがかかる場合の安楽死も合法」、「高齢になって尿失禁をする犬などの安楽死」も合法であり、安楽死を代替案として提案すると語っています。
日本ではドイツの人為的なペット等の致死処分(安楽死)に関しては、事実がきわめて歪曲して伝えられています。大きな誤解があります。死因の9割が安楽死であれば、そのハードルは必然的に低くなります。
(参考資料)
・ドイツ 殺処分ゼロの理由 京子アルシャー 2010年4月13日
著者の京子・アルシャー氏は、ドイツ獣医師を自称しながらお住まいのベルリン州の獣医師名簿に名前の記載がない、「ティアハイム・ベルリンの経営に関与していた」とマスコミに喋りまくっていながら、ティアハイム・ベルリンの理事会と外部委員の名簿に一回もお名前が登場しない謎の人物です。
このブログ記事のドイツ動物保護法のぶったまげそうな誤訳を私は何度か指摘したことがあります。「ドイツ動物保護法では家畜においても麻酔薬での安楽死による屠殺を義務付けている」などです。動物の安楽死に用いる麻酔薬、ペントバルビタールが混入した肉を食べれば、人は高確率で死にます。それ以前にドイツの食肉安全基準では直接毒性がないホルモン剤や抗生剤ですら、混入した食肉の流通はできません。麻酔薬で屠殺した家畜の肉を流通させれば犯罪です。
御本人は必死でこのブログを削除して隠しているようですが(これはweb魚拓)、未だに引用している人がいます。「ドイツでは家畜の屠殺においても麻酔薬による安楽死でなければならない」以外も、記述のほぼすべてが狂人の妄想レベルです。
「(ドイツでは)犬や猫を殺すにはまず獣医学的所見という正当な理由が必要である。ティアハイムに収容された犬や猫を一人の獣医師が不治の病と診断のうえ安楽死を決定したとすると、安楽死させられた犬や猫の死体は大学の病理検査に送られ、そこで安楽死を決定した獣医師と同じ病理結果を得られなければ正統な理由なく動物を殺したということで起訴の対象となる。また例え不治の病だとしても酷い痛みを伴わず投薬など治療を継続することで生活に支障がないとされる動物は安楽死の対象にはならない」。この記述では、「犬猫の安楽死では複数の獣医師の不治の病であるとの診断が必要」とされていますが、ドイツ動物保護法でのそのような条文の記述や解釈はありません。起訴された例もありません。ティアハイムの統括団体のドイツ動物保護連盟やティアハイムベルリンは、「傷病での安楽死は獣医師一人の判断で行える」と明記しています。
この妄想作文等により日本では「ドイツでは犬猫を安楽死させるのも大変厳格でハードルが高い」という誤った認識が定着しています。この文書は大変有害です。また京子アルシャー氏は、ドイツ連邦規則を何度も「条例」と誤訳をし、環境省もその誤訳文書を採用しています。本当に日本の動物愛護界隈は狂っているとしか言えません。
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