「ドイツでは長時間犬に留守番をさせてはならない法律があるので共働き家庭は犬を預けなければならない」というわんちゃんホンポの大嘘記事

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(Zusammenfassung)
Tierschutz-Hundeverordnung
§ 2 Allgemeine Anforderungen an das Halten
「わんちゃんホンポ」というメットメディアがあります。このメディアが配信する海外情報に関する記事では、私は一度も正確なものを見たことがありません。最近でもまさに妄想作文レベルの記事を配信しています。日本とは違う!ペットにまつわる『海外の法律』5選 ですが、私はスウェーデンの法律は確認していません。しかしその他の記述ではほぼ嘘誤りか、デマです。今回は「犬だけを長時間留守番させてはいけない」が嘘であることを述べます。
問題の、わんちゃんホンポの記事から引用します。
・日本とは違う!ペットにまつわる『海外の法律』5選 2022年4月9日
4.犬だけを長時間留守番させてはいけない
ドイツは世界の中でも動物に関する法律が厳しく制定されている国として知られています。
特に「犬だけを長時間、留守番させてはいけない」というルールがあります。
日本でも共働き家庭が増えているため、長時間、犬が1匹でお留守番するという環境が増えてきていますが、これが禁止されているのです。
では、女性も男性も働いている国ではどのように対応しているのでしょうか。例えば、在宅勤務することで対応していたり、国によっては保育園のように、仕事中は犬を預かってくれるサービスを設けているところもあります。
「長時間」という曖昧な規定は処罰がある法令ではありえません。通常勤務時間であればフルタイムで、通勤時間も含めて10時間程度でしょう。ドイツでは「○時間以上犬だけで留守番させてはならない」という法律の規定はありません。ドイツで犬の飼養が具体的に規定されている法令は、ドイツ犬規則(Tierschutz-Hundeverordnung これは省令です。「犬条例」と訳されている資料が多々ありますが誤訳です)です。本規則では、犬の飼主が犬に接する頻度などの義務について定めていますが、「成犬は少なくとも1日2回は接しなければならない」と、「20週齢までの子犬は1日のうち4時間以上は接しなければならない」という規定があります。
成犬であれば、朝晩の給餌やトイレの掃除で一日2回以上は必ず接します。勤務時間等で10時間以上家を空けていても本規則に違反することはありません。また20週齢までの子犬であっても、朝の給餌と7時に帰宅してから給餌と世話をしたり遊べば4時間は十分に接することができます。したがって「共働きの夫婦が犬を飼うときは外部の犬を預かってくれるサービスを利用しなければならない」は、妄想作文です。以下に、具体的に、法令原文を引用します。
・Tierschutz-Hundeverordnung 「ドイツ犬規則(省令)」
§ 2 Allgemeine Anforderungen an das Halten
(1) 2. mehrmals täglich in ausreichender Dauer Umgang mit der Person, die den Hund hält, betreut oder zu betreuen hat (Betreuungsperson), zu gewähren und
3. Abweichend von Satz 1 Nummer 2 ist Welpen bis zu einem Alter von zwanzig Wochen mindestens vier Stunden je Tag Umgang mit einer Betreuungsperson zu gewähren.
2条 犬を飼育するために一般的な要件
1項2号 犬は、飼っている人、世話をしている人、または世話をしなければならない人(飼育者)と十分な期間、1日に数回接触できるようにしなければなりません。
3号 1項2号の例外規定として、20週齢までの子犬は少なくとも1日4時間は飼育者と接触することにより飼育が許可されます。
私は今まで何度も、「わんちゃんホンポ」の海外情報の誤りを編集部に指摘しています。しかし全く改まりません。このネットメディアのライターは、海外情報を記事にする場合は、例えばドイツならばドイツの法令原文や統計、政府文書などのもっとも重要な原典を全く確認せずに、思い込み、想像、妄想で書いてると思われます。マスメディアにおいては、デマの拡散は恥ずかしいことだと思いますし、社会にも有害です。編集責任者はそれを自覚していただきたいです。
問題の記事は、今回指摘した以外でも(私はスウェーデンの法令は確認していませんが)、ほぼ嘘誤り偏向の羅列です。それh次回以降の記事で指摘します。
(動画)
Tierschutz Hundeverordnung ab 1.1.22 - Sinn oder Blödsinn 「犬保護規則での22年1月1日からの改正 そのセンスと無意味さ」 2022年2月3日
Tierschutz Hundeverordnung 「ドイツ犬保護規則(省令)」が大きく改正され、例えばスパイクカラー(金属製の首輪の内側に突起がついたもの)の使用などの禁止が施行されました。
わんちゃんホンポですが、この点でも間違った記事を公開しえいます。ドイツ「動物福祉法」には犬の飼養やブリーダーの数値基準の規定はありません〜わんちゃんホンポのデマ記事 です。本記事ではスパイクカラーなどの禁止を犬保護規則(省令)ではなく、ドイツ動物保護法(Tierschutzgesetz)での改正としていました。ライターはまったく原典を確認していません。コタツ記事でも妄想だけで書くには酷いと思う。
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