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スイスとドイツの犬飼育免許に関する「わんちゃんホンポ」のデマ記事







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(Zusammenfassung)
Bezüglich schweizerischer und deutscher Hundeführerscheine.


 「わんちゃんホンポ」という、犬に関する情報をインターネットで配信するメディアがあります。私はこのメディアの海外の動物愛護情報に関する記事では、正確な記事は一つも確認していません。本メディアは2017年と2020年にスイスとドイツの犬飼育に関する免許制度を取り上げた記事がありますが、いずれも記述はすべてが誤りです。


 サマリーで示した「わんちゃんホンポ」の問題の記事から引用します。


犬の飼い主資格制度~スイスやドイツの法律から学ぶ事~ 2017年10月30日

スイスの飼い主資格
スイスで定められている飼い主の義務とは下記の通り。
犬を飼う前に・・・理論の受講
飼い始めて1年以内に・・・しつけの訓練と実技テスト

ドイツの飼育免許制度
ドイツでの飼育免許は、全ての飼い主に義務づけているスイスとは異なり、危険犬種として指定されているピットブルやブルテリア、土佐犬などいわゆる闘犬種、および咬傷事故を起こした犬の飼い主が対象になります。



犬を飼うのに免許が必要?『海外の免許制度事情』と日本も見習うべきポイント 2022年2月17日

スイス「飼い主資格」
スイスでは、犬を迎える際に「飼い主資格」の取得が義務付けられています。

ドイツ「飼育免許制度」
ドイツでは、闘犬で知られるマスティフやピットブルといった危険犬種を飼育する場合のみ「飼育免許」の取得が求められます。



 これらの2本の記事の内容は、要約すれば次のとおりです。
1、スイスでは国全土ですべての犬の飼育に対して免許が必要。
2、ドイツでは国全土で特定の犬に限り、飼育免許が必要。
3、ただし犬飼育免許が必要な犬は、闘犬や咬傷事故を起こした犬に限る。

 しかし上記は全て誤りです。真実は以下の通り。
1、スイスでは犬の飼育免許制度は2016年に廃止された。つまり2017年、2022年ともスイスでは犬の飼育免許制度はない。
2、ドイツで犬の飼育免許制度があるのは3州のみである(シュレースヴィッヒホルシュタイン州、ニーダーザクセン州、ハンブルク州)。16州のうち13州は犬の飼育免許制度がない。
3、ドイツで犬の飼育免許制度がある州では、それぞれ対象とする犬が異なる。「闘犬種に限る」州はシュレースヴィッヒホルシュタイン州のみ。なお重大咬傷犬は強制殺処分の対象。「全犬種に飼育免許が必要」なのはニーダーザクセン州。「特定の使役犬(猟犬など)のみ飼育免許が必要」なのはハンブルク州。

 これらの点について、出典を挙げます。


Hundeführerschein 「犬の飼育免許」

1、
In der Schweiz war ein Hundeführerschein Pflicht für alle ab dem 1. September 2008 neu angeschafften Hunde, ab 2010 war er schon vor dem Kauf eines Hundes zu absolvieren.
Im Jahr 2016 schaffte das Parlament die Verordnung wieder ab; es konnte nicht nachgewiesen werden, ob die Pflichtkurse zu einem Rückgang von Hundeangriffen geführt hatten.

スイスでは2008年9月1日以降に購入したすべての犬に犬の飼主の免許が義務付けられ、2010年からは犬を購入する前に免許を取得する必要がありました。
2016年に、連邦議会は(犬の飼育免許の取得義務制度の)規制を廃止しました。
犬飼育免許のための講習義務が犬の攻撃の減少につながったことが証明できなかったためです。

2、3、
Bundeseinheitliche Regelungen existieren nicht.
Das Land Hamburg erkennt für die Befreiung von der gesetzlichen Leinenpflicht – neben Gehorsamkeitsprüfungen von anerkannten Sachverständigen ​–die Hundeführerscheine des VDH, des BHV, des Dehra-Zentrums, der Hundeschulen Arbeitsgemeinschaft (HSAG), der IG Hundeschulen sowie die Jagdeignungsprüfung des Jagdgebrauchshundverbandes an.
In Schleswig-Holstein ist ein Sachkundenachweis zum Führen eines als gefährlich eingestuften Hundes notwendig.
Als erstes deutsches Bundesland hat Niedersachsen zum 1. Juli 2013 die Pflicht zu einem Hundeführerschein (Sachkundenachweis) für alle Hundehalter eingeführt.

(ドイツでは)統一された(犬の飼主に対する犬飼育免許の)連邦規制は存在しません。
ハンブルク州は、認められた専門家による服従テストに加えてVDH、BHV、Dehra Center、犬学校ワーキンググループ(HSAG)、IG犬学校の犬取扱者免許、および法定のリード義務の免除のための猟犬協会の狩猟適合性試験を認めています(註 ドイツでは犬のリード義務が各州で厳しく定められていますが、猟犬でのリード義務免除のためには免許が必要ということです)。
シュレスヴィヒホルシュタイン州では、危険と分類された犬を(公共の場では)連れて歩くには能力の証明(免許)が必要です。
2013年7月1日にニーダーザクセン州では、すべての犬の飼い主に犬の飼主の免許(能力の証明)が付与されなければならないとする義務を導入した最初のドイツ連邦州となりました。



 おそらくこのライターは、ドイツの犬飼育免許と、特定の犬の気質テストを混同していると思われます。ドイツでは、法律で原則飼育が禁止されている闘犬種と行動等から危険と判断された犬、咬傷犬は飼主ではなく、犬の気質テストが行われます。それに合格しなければ犬は強制的に殺処分されます。ただし重大咬傷犬は気質テストを行わずに強制殺処分されます。
 今回取り上げた「わんちゃんホンポ」の2本の記事では、指摘した以外でも誤りや著しい偏向があります。しかし長くなりますので、スイスとドイツの犬の飼育免許の記述に限ってのみ指摘しました。取り上げなかったからと言って、その他の記述が正確というわけではありません。


(動画)

 Haustierboom in der Coronakrise: Braucht es einen Hundeführerschein? | heute-show 「コロナ危機下でのペットブーム:犬飼育免許は必要ですか? | 今日の番組」 2021年5月5日

 ドイツブレーメン州では、コロナ危機以降のペットブームで犬の飼育数が激増し、それに伴い犬の不適正飼育者やマナー違反も増えている。そのために犬飼育免許制度の導入が議論されています。ブレーメン州を含む13州では、ドイツでは犬の飼育免許の制度はありません。TVレポーターの犬の行動療法士に対する質問では、「犬の飼育免許なんてナンセンス」という回答でした。なおドイツでは犬のリードが全州で州法により義務付けられています。また公園の芝生に犬を侵入させることは禁止されています。

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そちらもですか……

はじめまして。いつも密かに興味深く読ませて頂いております。

わんちゃんホンボの姉妹サイトと思しき「ねこちゃんホンポ」の記事内容がとにかく酷くて、私も、ついコメント欄で色々指摘したりすることがあるんですけどね。それでもわんちゃんホンポの方はまだマシだと思っていたのですが…あちゃあ、そちらもそんな感じでしたかー。
元々、「こんなに可哀想な犬を保護して今はこんなに幸せ」だの「私の犬はこんなに可愛い自慢」だのが多すぎて、飼育等で役立つ情報が皆無なサイトでしたが(可愛いもの自慢とか犬おもしろ出来事記事とかその程度を載せるサイトだと思っていた)
たまにある情報らしきものでその程度とは。
ライターが聞きかじりの情報を裏を取らず思い込みのみで書くというのが如実に表れていて、これはかなり害悪ですね。真に受ける人も少なからずいるでしょうし、実際、動物愛護団体の一部がさも犬の愛護が進んだ素晴らしい国の如く扱ってますね。特に、ドイツを。

ドイツにしろスイスにしろ、実際は愛護が進んでいるというより、日本と事情が違うっていった方が正しいと思うのですけどね。
いや、むしろ日本より犬猫に対して容赦がない。
だって、ドイツ(スイス)って、狂犬病清浄国「ではない」ですから、野外で犬に噛まれたり、野良猫に引っ掻かれたりしたら「狂犬病になる可能性はゼロではない」んですよね。比較的、狂犬病の発生が多い東欧とかから狂犬病(その他の病気も)持った犬(猫)が陸路で進入もあるし、ネット販売で東欧の劣悪パピーミル産の犬を購入して、輸入手続きなしでドイツ国内(スイス国内)に持ち込むのも可能ですし。どこからでも病気が持ち込まれる可能性が常にあるから。
 となると、飼い犬・野犬・野良犬、(そして野良猫)いずれかに関わらず、人を積極的に噛み付くような犬(そして引っ掻くような猫)は、捕まえてから殺処分というまどろっこしいことよりも、その場で射殺や狩猟駆除って手段になっちゃう。(そしてドイツは日本より銃や狩猟に対する敷居が遙かに低い)

欧州に夢見すぎといいますか、狂犬病清浄国の日本で平和ボケし過ぎといいますか。

Re: そちらもですか……

よー様、コメントありがとうご会います。

> はじめまして。いつも密かに興味深く読ませて頂いております。

ありがとうございます。


> わんちゃんホンボの姉妹サイトと思しき「ねこちゃんホンポ」の記事内容がとにかく酷くて、私も、ついコメント欄で色々指摘したりすることがあるんですけどね。

私はねこちゃんホンポはあまり読みません。
わんちゃんホンポもFBやツイッターでシェアする方がいて、それで目についた記事を読む程度です。
しかし確認したかぎり、海外情報では完全に正確な記事は一つもありませんでした。


> ライターが聞きかじりの情報を裏を取らず思い込みのみで書くというのが如実に表れていて、これはかなり害悪ですね。
真に受ける人も少なからずいるでしょうし、

ライターを擁護するとすれば、スイスの犬免許に関してはNHKがまだ廃止されていない2014年に報道しています。
その後2016年にこの制度は廃止されましたが、朝日放送系の「ワンだらんど」(放送終了)と言うTV番組で、廃止後も「スイスでは犬の免許がある」と報道していました。
損情報の横流しなのですが、廃止を確認しないのは落ち度です。


> ドイツにしろスイスにしろ、実際は愛護が進んでいるというより、日本と事情が違うっていった方が正しいと思うのですけどね。
> いや、むしろ日本より犬猫に対して容赦がない。

それは正解でしょう。


> だって、ドイツ(スイス)って、狂犬病清浄国「ではない」ですから、野外で犬に噛まれたり、野良猫に引っ掻かれたりしたら「狂犬病になる可能性はゼロではない」んですよね。

特にドイツはかつては狂犬病多発国で、1991年には狂犬病の症例が3500もありました。
むしろ東欧より多いくらいです。
隣国のオーストリアも狂犬病は多かったのです。
西ヨーロッパで国全体で犬猫とも狩猟駆除が合法な国はドイツとオーストリアの2カ国です。
スイスは猫のみ通年全土で狩猟駆除が合法です。
狂犬病が関係してると思います。


> 欧州に夢見すぎといいますか、狂犬病清浄国の日本で平和ボケし過ぎといいますか。

日本は狂犬病清浄国ですから、そうでない国のことが理解できないのでしょう。
ドイツの狂犬病方に基づく犬猫等の押収と強制殺処分は厳格です。
症状が出ていなくても、感染動物と接しただけで強制殺処分となります。
その様な国で、「公的殺処分がない」、「公的な殺処分場もない」わけがないのです。
寝ぼけるのもいい加減いしろと言いたい。
プロフィール

さんかくたまご

Author:さんかくたまご
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1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
しかし私が管理人であるサイトは、このページのフリーエリアにあるリンクだけです。
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よろしくお願いします。

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