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オランダは人口比で日本の89倍の犬を殺処分、殺処分率も極めて高い〜「オランダは殺処分ゼロ」というわんちゃんホンポのデマ記事







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(Netherlands/Niederlande)

 記事、
「アメリカは犬の飼育頭数はうち7割〜8割が大型犬」というわんちゃんホンポの大デマ記事
オークランド(ニュージーランド)の犬の殺処分数は人口比で日本の45倍〜わんちゃんホンポのデマ記事
「オーストリアでは動物の陳列販売は禁止」という、ワンちゃんホンポのデマ記事
「イギリスではペットショップでの生体販売は禁止」というわんちゃんホンポのデマ記事
オランダは人口比で日本の89倍の犬を殺処分している〜「オランダは殺処分ゼロ」というわんちゃんホンポのデマ記事
の続きです。
 頻繁に驚くようなデマ記事を掲載する、「わんちゃんホンポ」というサイトがあります。最近も「愛犬と一緒に移住してみたい国ランキング」という記事がありますが、書かれていることはほど全てが嘘です。記述について順次取上げていきます。今回は「オランダは殺処分ゼロを実現した」が真っ赤な嘘であることを述べます。オランダは特に犬の殺処分数が極めて多い国で、最新の推計値では、公的殺処分数だけでも人口比で日本の89倍もの犬を殺処分しています。また飼主自ら獣医師に私的に安楽死を依頼する数も多いのです。



 頻繁に驚くようなデマ記事を掲載する、「わんちゃんホンポ」というサイトですが、最近の記事で海外に関する情報の記述のほぼ全てがデマという記事があります。その記事と、誤りの箇所を示します。なお私がわからない言語の国のことは調べていません。ですから私指摘がなくともその記述が正しいと言うことではありません。


愛犬と一緒に移住してみたい国ランキング 2021年10月29日

アメリカは、生体販売の禁止などが進められている動物保護先進国としても知られる国です。
犬を飼いたいと思った人がまず訪れる場所は、ペットショップではなくアニマルシェルター(保護施設)。
犬の飼育頭数においては世界的に見ても多くうち7割〜8割が大型犬だといいます。

『ニュージーランド』♪
SPCA(Society for the Prevention of Cruelty to Animals)をはじめとする多くの保護団体が存在し、殺処分は一切行われない。

『オーストリア』
いずれも動物の陳列販売は禁止。
そして一番人気の犬種は雑種、アニマルシェルターでのお迎えが一般的。

『イギリス』!
ペットショップでの生体販売は禁止。

殺処分ゼロを実現した『オランダ』!
ペットショップなどでの陳列販売はされていない。

『デンマーク』!
屋外飼育や鎖に繋いでの飼育の禁止。
ペットショップなどでの生体販売の禁止。
動物が動物らしく生きるための権利を守る!

『カナダ』!
一部の地域ではペットショップでの生体販売は禁止。



 前回記事では、「殺処分ゼロを実現した『オランダ』!」が真っ赤な嘘であることを述べました。オランダは殺処分数が極めて多い国で、前回で引用したオランダのアニマルライツ団体の資料では、、特に犬の公的施設とアニマルシェルターでの殺処分数は人口比で日本の89倍もあります。また飼主自ら獣医師に依頼する安楽死も極めて多い国です。オランダの犬猫の殺処分に関する、前回引用したオランダのアニマルライツ団体の2019年の資料は次の資料です。

Heel Holland Doodt - het doden van dieren - 2019 「オランダにおける動物の殺害の総数ー2019年の動物の殺害ー

 さらにオランダは、特に犬の公的施設での殺処分率が極めて高いのです。2014年にオランダ、ユトレヒト大学獣医学部が、オランダの犬の公的施設の収容数や殺処分数、率などの詳しい調査を行っています。以下に引用します。

 Medical differences between stray and owner surrendered dogs in Dutch animal shelters J.M. Janse, Veterinary Medicine student, Utrecht University, January 2014 「オランダの動物保護施設における野良犬と飼い主が飼育放棄した犬の獣医学的差異 J.M. Janse ユトレヒト大学獣医学部 2014年1月」(英語)

In the Netherlands there are about 1,5 million dogs.
Around 25 000 dogs are taken in by animal shelters yearly.
These dogs are owner surrendered dogs, stray dogs and confiscated dogs.
A stray dog is a dog unaccompanied by a responsible person in a public area.
This might include dogs who are lost or dogs who are abandoned by their owners.
in 2011 48% of all dogs in a shelter were owner surrendered and 26% were stray dogs.
The remaining dogs in the shelter were confiscated for various reasons, or were born in the shelter or came from another shelter.
2,3% of all dogs was euthanized for medical reasons or their disorder caused death.
The odds of dying or being euthanized is a factor 6,28 higher for stray dogs compared with owner surrendered dogs.
4,2% of stray dogs and 0,4% of owner surrendered dogs died due to their disorder(s) or were euthanized.
Notaro et al found a euthanasia percentage of 26,5% in dogs brought in the shelter by citizens, a percentage of 54,3% in dogs brought in by animal control officers and a percentage of 31,6% in owner surrendered dogs.
However, dogs brought in by animal control officers include besides stray dogs also confiscated dogs.
Stray dogs brought in by citizens did not differ from owner surrendered dogs in percentage of euthanasia.

オランダには、約150万頭の犬がいます。
年間約25 000頭の犬が、アニマルシェルターに連れて行かれます。
これらの犬は飼い主に所有権放棄させたか、野良犬および行政に押収された犬です。
野良犬とは、公共の場所で責任ある者が同伴していない犬です。
これには、行方不明の犬や飼い主に所有権放棄させた犬などがあります。
2011年のアニマルシェルターに収容された全犬の48%が、飼い主に所有権放棄させたものであり、26%が野良犬でした。
アニマルシェルターのほかの犬は、様々な理由で行政から押収されたか、アニマルシェルターで生まれたか、別のアニマルシェルターから来たものです。
オランダでは、オランダ国内の全犬(150万頭)のうち、年間2.3%(3万4,500頭)が医学的な理由で安楽死させられたか、または医学的な理由による障害が死亡の原因となりました。
死亡または安楽死させる確率は、飼い主に所有権放棄させた犬と比較して、野良犬の方が6.28倍高くなります。
(オランダの全犬のうち)野良犬の4.2%と飼い主に所有権放棄させた犬の0.4%が、傷病により死亡したか、または安楽死させられました。
Notaroらによれば、一般市民がアニマルシェルターに持ち込んだ犬の安楽死の割合は26.5%、動物管理官が持ち込んだ犬の割合は54.3%、飼い主に所有権放棄させた犬の割合は31.6%でした。
しかし、動物管理官によって持ち込まれた犬には、野良犬以外に行政により押収された犬も含まれます。
一般市民によって持ち込まれた野良犬は、安楽死の割合においては、飼い主に所有権放棄させた犬と違いはありませんでした。



 まとめると以下の通りになります。
オランダの公的な動物収容所に収容される犬(飼い主持ち込み、行政による野良犬の捕獲、行政による飼主からの押収など)は、年間2万5,000頭であり、それぞれの公的動物収容所での犬の安楽死(殺処分)率。
1、一般市民が持ち込んだ割合は26.5%
2、動物管理官が持ち込んだ割合は54.3%
3、飼い主に所有権放棄させた犬の割合は31.6%である。


 対して日本の公的な犬の殺処分率は15%です(犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況(動物愛護管理行政事務提要より作成) 対象期間:令和2年4月1日~令和3年3月31日(2020年4月1日~2021年3月31日))。この日本の公的な犬の殺処分率15%と比べれば、オランダは殺処分数の多さもさることながら、殺処分率も大変高いのです。

 オランダでは私が確認した限り、犬の殺処分数に関する資料は次のようなものがあります。

Medical differences between stray and owner surrendered dogs in Dutch animal shelters J.M. Janse, Veterinary Medicine student, Utrecht University, January 2014 「オランダの動物保護施設における野良犬と飼い主が飼育放棄した犬の獣医学的差異 J.M. Janse ユトレヒト大学獣医学部 2014年1月」(英語)
〜 
 この資料では、「オランダでの犬の殺処分数は年間3万4,500頭」としています(150万頭✕2.3%)。

Bert van Straten: Nederland euthanaseert ‘50.000’ gezonde honden per jaar! 「オランダでは毎年健康な犬を5万頭殺処分する!」 2015年

Heel Holland Doodt - het doden van dieren - 2019 「オランダにおける動物の殺害の総数ー2019年の動物の殺害ー

 この資料では、オランダの年間の犬の殺処分数は4万5,000頭としています。

 概ねオランダの犬の殺処分数は年間3万4,500〜5万頭であり幅があるものの、大変多いと言わざるを得ません。人口比で言えば、日本の68倍〜99倍です。なお私が確認した限り、オランダ語、英語、独語では「オランダでは犬猫の殺処分がゼロである」という内容の資料は一つも見つかりませんでした。
 しかし日本では「オランダは犬猫の殺処分がゼロである」という情報が大変多いです(オランダ 殺処分 ゼロ 「オランダ 殺処分 ゼロ」の検索結果)。これらの資料で原文での出典を示したものは一つもありません。うち、いくつかは私は版元に「オランダでは殺処分がゼロ」という、出典を求めていますが、一度も返事がありませんでした。


(動画)

 Vlog Bert van Straten - "... Euthanasie van een agressieve teckel, live in beeld" 「攻撃的なダックスフント 安楽死のライブ動画」 2021年4月20日
 
 オランダの、犬猫安楽死の動画は大変多く公開されています。「重大な疾病を抱えた高齢犬の年齢をより高く偽ってアニマルシェルターに引き取らせ、安楽死を依頼した」などの動画もあります。

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1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
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