野良猫の対策では日本は最後進国〜奄美市と海外の条例を比較

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(summary)
Free-range cat ban law
The case of Kangaroo Island and Christmas Island, in Australia.
(本記事は6,239ブログ記事中、1位を獲得しました)
記事、
・海外では猫の完全室内飼いを義務付ける条例の成立が相次ぐ、
・オーストラリアの厳しい猫飼育の法律〜完全室内飼いしなければ殺されてもやむを得ない、
の続きです。
これらの記事ではオーストラリアとアイスランドの、飼い猫を規制する条例をいくつか挙げました。いずれも猫の不妊化を義務付け放し飼いを完全に禁止し、放し飼いの猫は行政が捕獲します。飼主は猫の返還を受けるには手数料等を払わなければなりません。更に厳しい条例では、新規の猫の飼育禁止と自体内への猫の持ち込みも定めています。その目的は猫による在来生物の被害を防止するためです。対して日本で猫による捕食被害を受けている島嶼の自治体の猫飼育を規制する条例は全く効果が期待できない内容です。
まず、連載記事で取上げた海外の猫飼育を規制する条例の概要は以下のとおりです。
・海外では猫の完全室内飼いを義務付ける条例の成立が相次ぐ
(アイスランド)
複数の自治体〜猫の放し飼いを完全に禁止。違反者には罰金を科す。
(オーストラリア)
ノックス市〜24時間猫を屋外に放すことを禁止。脱出防止のためのフェンスを設置した場合のみ自己所有地に猫を出せる。監視員が屋外猫を捕獲し、飼主が返還を受けるには多額の罰金が科され、刑事罰を設ける。
・オーストラリアの厳しい猫飼育の法律〜完全室内飼いしなければ殺されてもやむを得ない、
(オーストラリア)
①カンガルー島〜行政は外猫の捕獲殺処分を行う。飼猫のMC化と自体への登録義務。MCで登録していない猫は行政が捕獲殺処分する可能性もある。原則飼猫は不妊化を義務付ける。登録ブリーダーは除外。敷地内もしくは室内飼いを義務付ける。公共の場では、飼猫はキャリーケースに入れなければならない。
②ノックス市〜外猫は捕獲殺処分を行う。飼猫のMC化と自体への登録義務。MCで登録していない猫は行政が捕獲殺処分する可能性もある。原則飼猫は不妊化を義務付ける。敷地内もしくは室内飼いを義務付ける。公共の場では、飼猫はキャリーケースに入れなければならない。新規の猫の持ち込みは禁止。不妊化義務により、現在飼育されている猫が寿命を迎えれば島内の猫はゼロになる。
ノネコによりアマミノクロウサギなどの希少な固有種が食害にあっており、複数の種は絶滅の恐れがある奄美市なども、猫の飼育を規制する条例を制定しています。しかし上記の自治体に比べれば骨抜き条例もいいところで、効果は全く期待できません。具体的に条文を引用します。
・奄美市飼い猫の適正な飼養及び管理に関する条例
第4条 飼い主は,飼い猫の生態,習性及び生理を理解し,かつ,愛情をもって接するとともに,終生にわたり飼養及び管理するように努めなければならない。
2 飼い主は,飼い猫を適正に飼養及び管理することにより,健康及び安全を保持するとともに,飼い猫が飼い主以外の者に迷惑を及ぼすことのないようにしなければならない。
3 飼い主は,人と飼い猫と野生生物との共生に配慮しつつ,飼い猫が野生生物に害を加えることのないようにしなければならない。
4 飼い主は,飼い猫を室内で飼養及び管理し,屋外で飼い猫を放し飼いにしないように努めなければならない。
5 飼い主は,やむを得ず飼い猫を屋外で放し飼いにする場合には,繁殖制限の措置を講じなければならない。
奄美市の、具体的な猫の飼養に関する規制に関する問題点は次の通りです。奄美群島ではその他の自治体でも猫飼養に関する条例を制定していますが、概ね奄美市と同様です。
1、大きな欠陥は本条は罰則規定がない努力義務です。努力規定にとどまれば猫飼養者に規定を順守するのは難しいです。
2、繁殖制限を行えば放し飼いを認めるのも大きな問題です。不妊化したとしても、猫の捕食行動は全く変わらないという学術研究の結果もあります。
奄美群島は世界自然遺産に登録されています。しかし今回記事で取り上げたオーストラリアとアイスランドの自治体は、世界自然遺産には登録されてはいません。にもかかわらず、これらの自治体では在来生物の猫による被害を防止するために実効性のある、厳しい猫飼養条例を制定したのです。世界遺産登録された地域では、オーストラリアはさらに厳しい猫の駆除政策を実施し、マッコーリ島などでは完全根絶に成功しました。その後も猫の持ち込みの禁止と、再導入を監視しています(「奄美大島のノネコの殺処分は世界遺産登録機関であるユネスコの理念に反する」という支離滅裂な主張~「ノネコ殺処分・安楽死計画の根拠は科学的ではない」の非科学性を検証する)。
奄美市等の猫飼養条例は、「生態系保護にも気を使っていますよ」という、単なるアリバイ作りという気がします。世界でも例を見ない、先鋭的で攻撃的、そして狂信的な野良猫愛誤のテロのおそれに日本の奄美市などの自治体は屈したのでしょうか。
このような日本の生態系保全の政策が後手後手の日本は、海外の生態系保全に先進的な国からは非難されるでしょう。科学的な根拠に基づかない、一部のノイジーマイノリティーに政策が歪められる日本は世界に対して恥ずかしくないのでしょうか。
(動画)
Feral cats threatening endangered species on Kangaroo Island after bushfires | ABC News 「山火事の後にカンガルー島で絶滅危惧種を脅かしているす野良猫| オーストラリアABCニュース」 2020年9月13日
For more than 20 years, Barry Green — known as the "KI cat man" — has made it his mission to rid the island of feral cats.
He has trapped, killed and skinned about 1,500 feral cats.
"I've spent a lot of money chasing cats around the island," Mr Green said.
「カンガルー島の猫男」として知られているバリーグリーン氏は20年以上にわたり、野良猫を島から取り除くことを自ら使命としてきました。
彼は約1,500匹の野良猫を捕獲し、殺し、皮を剥ぎました。
「私は島の周辺で猫を追跡するのに多額のお金を費やしました」とグリーン氏は言いました。
このような民間人ボランティアがオーストラリアの野良猫ノネコ駆除を支えています。日本では世界でも例を見ない狂信的な野良猫愛誤が妨害するために、政府機関が捕獲するだけで殺処分すらできません。また世界でも例を見ない、猫の捕食被害を受けている希少生物生息地でのTNRを行われています。
(動画)
Cats,Traps and Decor 「猫 わな インテリア」 2019年3月10日
オーストラリア カンガルー島の猫駆除ボランティアのバリー・グリーン氏。「カンガルー島の猫男」の歴史について。彼は20年間で1,500匹の野良猫ノネコを駆除して皮をはぎ、インテリア小物に加工しました。カンガルー島では英雄です。
(動画)
Black Cat Bowhunt - Super Close Shot 「黒猫をボウガンで狩るー超接近での射撃」 2019年12月12日
オーストラリアでは高齢者も若者も悪性外来種の野良猫ノネコ駆除ボランティアに励んでいます。この動画の方はまだ銃が持てない高校生かな。
(動画)
TG OUTDOORS - Feral Cat VS John 「TG OUTDOORS - 野良猫とジョンさんの対決」 2020年3月21日
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