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ドイツ連邦裁判所(終審)では犬の交通事故死での慰謝料を「論外」として棄却した







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(Zusammenfassung)
BGH, Urteil vom 20.03.2012 - VI ZR 114/11
Die Verletzung oder Tötung von Tieren sollte bei der Verletzung oder Tötung von Angehörigen oder sonst dem Betroffenen nahestehenden Menschen nicht gleichgestellt werden.


 記事、
判決に見る「犬はあくまでも物のドイツ」、「犬を人並に扱う日本」
猫をエアライフルで撃った男を器物損壊罪で軽い処罰としたドイツの地裁判決〜ドイツの司法判断は動物は物扱い?
犬の過失致死での損害賠償額はドイツは日本より著しく低い〜猟犬の射殺での損害賠償額は16万円台
犬の交通事故死で飼主は加害者に慰謝料を請求したが最高裁は棄却した〜オーストリア
アメリカのほとんどの州ではペットの死傷での慰謝料を認めていない
アメリカで過失で犬を死なせたことにより慰謝料が認められた例外的な判決
アライグマのわなで死んだ犬の損害賠償額は5万円余で慰謝料請求は棄却された〜インディアナ州控訴審判決
アメリカの州最高裁判決ではペットの死の慰謝料を否定、また物損額の認定は著しく低い
アメリカ州最高裁判決「故意で犬を射殺された飼主への賠償額は155$(1万7,000円台)だった」
ペットの殺害での損害賠償額は欧米は驚くほど低い〜アメリカ
の続きです。
 渋谷寛弁護士は「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが認容額は極めて低い」と述べています(明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛)。つまり「欧米ではペットを殺された場合は日本よりはるかに高い慰謝料が認容されている」です。しかしそれは真逆の大嘘です。アメリカ、オーストリアではペットの死による慰謝料の請求は終審判決で棄却されています。さらにドイツでも連邦裁判所(終審 日本の最高裁判所に相当)でも「犬の交通事故死での慰謝料請求は論外」として請求を棄却しています。



 愛誤弁護士、渋谷寛氏のサマリーでも述べた問題のある資料の記述ですが、以下に引用します。明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛


ペットに関する我が国の法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていうるといえましょう。
ドイツ民法典(BGB)第九〇条a1文には「動物は物ではない。」(1990年改正、2文・3文省略)。物と動物の違いに着目しているのです。
日本では動物はあくまでも(不動産以外の有体物なので)物の中の動産に分類されます(民法第85条・86条参照)。
しかし、生命をやどしているか、痛みを感じることができるか否か、この違いを無視すべきではないと思います。
今後我が国においても動物の法律上の地位を可及的に人間と同等に向上させるべきであると考えています。
ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の精神的苦痛即ち慰謝料については、裁判上も認められていますが、認容額は極めて低く数万円にしかならないことが多いようです。
今年の3月28日、宇都宮地裁第1民事部(合議)において、飼いネコを獣医の避妊手術のミスで死亡させられた事例で、ネコの価格賠償50万円、買い主の慰謝料20万円、その他解剖費・弁護士費用等も含めて合計93万円あまりの賠償を命じる判決が出て新聞にも掲載されました。
ペットの死亡事故の賠償慰謝料額も時代の変化を反映して増加しつあるように思えます。
動物が命を絶たれることなく怪我をしたにとどまった場合はどうでしょうか。
動物の精神的苦痛それ自体を損害と考え動物自身の慰謝料を認めることができるのではないかと考えています。



 渋谷寛弁護士は、「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い」と述べています。つまり「欧米ではペットの死亡での飼主の慰謝料は日本と比べてはるかに高額が認容されている」という意味になります。
 しかしそれは真逆の大嘘です。私はこの連載でオーストリア最高裁がペットの過失死での慰謝料を棄却し、ドイツでは民法でペットの死での慰謝料請求を認めていないことを書きました。ドイツでも連邦裁判所(日本の最高裁判所に相当)で、犬の死による慰謝料請求が棄却されています。またアメリカ合衆国ではほとんどの州でペットの死による損害はあくまでも物損で時価評価し、慰謝料を認めていないことも述べました。故意悪意によりペットを殺害されても、慰謝料が棄却された州最高裁判決もあります。

 今回は、ドイツの連邦裁判所(終審 日本の最高裁判所に相当する)の、犬の交通事故死での慰謝料請求を棄却した判決を取り上げます。この裁判ではリードをしていない犬がトラクターにはねられて重症を負い、安楽死となったことでの争いです。
 犬の飼主は1審で犬が死んだことによる物的な損害と、犬が死んだことによる精神的な苦痛(慰謝料)を請求しました。1審では物的損害を認容しましたが、慰謝料請求は棄却しました。2審では物的損害では原告の犬の飼主にも過失があるとし、請求額の50%(388ユーロ 約5万円)と減額して修正し、慰謝料に関しては1審判決通り棄却しました。さらに原告は慰謝料を求めて上訴しましたが、連邦裁判所は原告の請求を棄却をしました。下級審から終審まで一貫して、本裁判では犬の死による慰謝料請求を認めていません。以下に、連邦裁判所判決文から引用します。


BGH, Urteil vom 20.03.2012 - VI ZR 114/11 「ドイツ連邦裁判所判決 事件番号 VI ZR 114/11 判決言渡し 2012年3月20日」 判決文原文全文

Tenor
Die Revision der Klägerin gegen das Urteil des 16. Zivilsenats des Oberlandesgerichts Köln vom 16. März 2011 ​wird auf ihre Kosten zurückgewiesen.

Tatbestand
Die Klägerin verlangt materiellen Schadensersatz und Schmerzensgeld im Zusammenhang mit der tödlichen Verletzung eines Hundes bei einem Verkehrsunfall.
Am 24. Oktober 2008 spazierte die Klägerin mit einer 14 Monate alten Labradorhündin auf einem Feldweg.
Die Hündin war nicht angeleint.
Der Beklagte, der mit einem Traktor von einer angrenzenden Straße in den Feldweg einfuhr, ​überrollte die Hündin, die dadurch so schwere Verletzungen erlitt, dass sie von einem Tierarzt eingeschläfert werden musste.
Die Klägerin macht materiellen Schadensersatz wegen entstandener Tierarztkosten, Kosten für die Anschaffung eines Labrador-Welpens und außergerichtlicher Rechtsanwaltskosten sowie einen Schmerzensgeldanspruch geltend mit der Begründung, sie habe durch das Erlebnis einen Schockschaden mit schweren Anpassungsstörungen und einer schweren depressiven Episode erlitten.
Das Landgericht hat der Klage hinsichtlich der materiellen Schäden stattgegeben und sie im Übrigen abgewiesen.
Auf die Berufung des Beklagten hat das Oberlandesgericht der Klage hinsichtlich der materiellen Schäden nur in Höhe von 50 % stattgegeben und den Beklagten in entsprechender Abänderung des erstinstanzlichen Urteils verurteilt, an die Klägerin 388 &euro.
Die Berufung der Klägerin und die weitergehende Berufung des Beklagten hat es zurückgewiesen.

Gründe
Das Berufungsgericht ist mit dem Landgericht der Auffassung, dass ein Schmerzensgeld wegen eines Schockschadens nicht in Betracht kommt.
Für die ersatzfähigen materiellen Schäden hafte der Beklagte als Fahrer des unfallbeteiligten Traktors nach § 18 StVG für den Unfall.
Die Abwägung zwischen der Betriebsgefahr des Traktors mit Anhänger und der Tiergefahr des auf einem Feldweg frei laufenden Hundes rechtfertige unter den besonderen Umständen des Falles eine hälftige Schadensteilung.
Aus den vorgenannten, die Schadensersatzpflicht bei Schockschäden eng umgrenzenden Grundsätzen ergibt sich bereits, dass eine von der Revision geforderte Ausdehnung dieser Rechtsprechung auf psychisch vermittelte Gesundheitsbeeinträchtigungen bei der Verletzung oder Tötung von Tieren nicht in Betracht kommt.
Die Verletzung oder Tötung von Tieren sollte bei der Verletzung oder Tötung von Angehörigen oder sonst dem Betroffenen nahestehenden Menschen nicht gleichgestellt werden.
Einer Überprüfung nach diesen Grundsätzen hält das Berufungsurteil stand.

判決
2011年3月16日のケルン高等裁判所の第16民事訴訟の判決に対する原告の上訴は棄却し、裁判費用は原告の負担とします。

原告の請求
原告は交通事故による飼犬の致命傷に関して、物的な損害賠償および精神的な痛みと苦痛の補償(慰謝料)を請求しています。
2008年10月24日に原告の犬の飼主は、生後14ヶ月のラブラドール犬を未舗装の道を歩かせていました。
その犬にはリードを付けていませんでした。
接する道路からトラクターを未舗装路に侵入させたトラクターの運転手被告はその犬をトラクターで跳ね飛ばし、獣医に安楽死させなければならないほどの重傷を負わせました。
原告は生じた獣医の費用、ラブラドール犬の子犬の取得費用および弁護士費用、ならびに原告が犬が死んだことが原因で重症のうつ病となり、重度の適応傷害を伴うショック症状を発症したという理由で、精神的な苦痛に対する損害賠償(慰謝料)を求めると主張しています。
1審の地方裁判所は物的損害に対する原告の請求を認容し、それ以外の請求(慰謝料)を棄却しました。
被告の控訴に応じて2審の高等裁判所は原告の請求金額のうち物損の過失割合は50%のみとして物損の請求を支持し、被告に対して原告への支払いを388ユーロとして1審判決の修正を判決しました。
連邦裁判所(終審)は、原告および被告のさらなる上訴を棄却します。

判決理由
控訴裁判所は、原告が犬の死で受けたショックによる精神的な傷害と、苦痛の補償(慰謝料)は論外であるとの地方裁判所の判断に同意しました。
被告は事故を起こしたトラクターの運転手として、道路交通法の事故に関する規定の18条に従って、補償の対象となる物的な損害に対しては責任を負います。
トレーラーがついたトラクターの運転の危険性と、野原を自由に駆け回る犬の危険性との過失割合は、本件の特別な状況下ではそれぞれ50%を負うとするのが正しいです。
事故の衝撃による物の毀損が発生した場合の損害に対する責任を狭義に定義する前述の判例法の原則においては、動物が負傷または殺害された場合に心因性の健康障害を含めるとした判例法を拡大解釈した本上訴での請求は、今日においては論外です。
動物の負傷または殺害は、関係者の近親者または他の人の負傷または殺害と同等に扱われるべきではありません。
控訴判決はこれらの原則に従ったものであり、再検討においても正しいと言えます。



 判決文にある、der Verletzung oder Tötung von Tieren nicht in Betracht kommt 「動物に障害を与えることまたは殺害することでの(慰謝料請求)は論外」nicht in Betracht kommt のニュアンスですが。「考慮に値しない、筋違い、問題外」と言った相当きつい表現です。まさに「門前払い」と言った感じです。「踏んだり蹴ったり判決」という名がついた日本の最高裁判決がありますが、私はこのドイツ連邦裁判所の判決を「けんもほろろ判決」と名付けたいです。
 まさに渋谷寛弁誤士の、「日本は法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていて、ペットを何らかの事情により殺された場合の飼い主の慰謝料については裁判上も認められていますが、認容額は極めて低い。特にドイツでは民法90条aで動物と人との法的地位が同等だ」=「欧米ではペットの死亡での飼主の慰謝料は日本と比べてはるかに高額が認容されている(特にドイツでは)」との記述は、精神疾患が疑われます。精神状態が正常であれば、ドイツ等の判例、法令、学説の原典の1つも調べずに、妄想だけでこのような真逆も真逆、荒唐無稽な大デマを公にするなどありえません。渋谷寛弁誤士は、宇宙人に電波で情報提供してもらっているのか、神のお告げが自然に聞こえてくるのでしょうか。精神科を受診することを切におすすめします。

 それと渋谷寛弁誤士の、ドイツ民法90条aの解釈「ドイツでは人と動物の法的地位が同等」も、精神疾患が疑われるレベルでしょう。ドイツ動物保護法16条aは、行政が不適正飼育者から動物を取り上げて最終的には殺処分する権限があるとしていますが、同条項での動物の強制殺処分では飼主に補償はありません。その根拠は、ドイツ民法90条aの「動物は物=財物、所有権が及ぶ有体物、ではない」という規定です。
 特別法の規定があれば動物は物=財物、に満たない存在ということです。これは警察官が警察法に基づいて犬などを市中で射殺する場合にも補償がない根拠です。


*連載記事で「ドイツではペットの死により慰謝料を請求した裁判がない」と記述しましたが、本記事で取り上げたとおり連邦裁判所(終審 日本の最高裁判所に相当)での慰謝料を棄却する判決がありました。お詫びします。記事は訂正しましたが、私が気がつかない未訂正の記述があればご一報くださればありがたく存じます。


(動画)

 Dashcam // Katze überfahren / RIP Katze😢😢🤔 「ドライブレコーダーに写る猫/ご愁傷様です」 2019年10月22日

このような飛び出し事故ではドライバーは不可抗力です。自動車が破損していば、この猫にもし飼主がいれば、ドライバーから損害賠償を請求されます。

 


(超訳)

・ドイツ連邦裁判判決 事件番号 VI ZR 114/11 判決言渡し 2012年3月20日」 抄


判決
2011年3月16日のケルン高等裁判所の第16民事訴訟の判決に対する原告の上訴は棄却するわ。裁判費用は原告の負担。

原告の請求
原告は交通事故による飼犬の致命傷に関して、物的な損害賠償および精神的な痛みと苦痛の補償(慰謝料)を請求してんねんけど。
2008年10月24日に生後14ヶ月のラブラドール犬をノーリードで歩かせていた原告の方も悪いやろ。
トラクターで跳ね飛ばされて、獣医に安楽死させられた犬もまあ、お気の毒や。
犬が死んだことが原因で重傷のうつ病となり、重度の適応傷害を伴うショック症状を発症したのは原告の勝手、慰謝料を求めるなどなにゆうてんねん。
1審の地方裁判所は物的損害は認めたがな、あんたにも落ち度があるで。
それ以外の慰謝料請求は問題外で話にならん。
そして物損の認容額を約5万円の半分に減らした控訴審の判断は正しい。
連邦裁判所(終審)は、原告の上訴を棄却するで、めんどくさ。

判決理由
控訴裁判所の原告の、犬の死で受けたショックによる精神的な傷害と、苦痛の補償(慰謝料)は論外で考慮に値しないとの地方裁判所の判断に同意したのは当然や。
被告のトラクターの運転手は半分だけ責任を負うのはやむを得ない。
責任割合は半々やなぁ。
動物の傷害や殺害では慰謝料を認めないというのは、ドイツでは過去のいくつもの判例から判例法が確立してんのよ。
何を今さら、すでに確立した判例法をどう拡大解釈をして大甘に見積もっても、動物の傷害や殺害で慰謝料を請求するなどあり得んわ、もう的外れもいいところ(笑)。
動物の負傷または殺害が、近い肉親などの傷害や殺害と同等に扱われるわけ無いやろ。
控訴審判決は判例法などの原則に従っており、わざわざ連邦裁判所で争う必要なし、門前払い(ち〜ん)。
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1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

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