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猫をエアライフルで撃った男を器物損壊罪で軽い処罰としたドイツの地裁判決〜ドイツの司法判断は動物は物扱い?







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(Zusammenfassung)
Ein 52-Jähriger, der auf eine Katze geschossen hat, muss laut Landgericht Frankfurt am Main 1950 Euro zahlen. In erster Instanz war das Urteil noch deutlich härter ausgefallen.


 記事、判決に見る「犬はあくまでも物のドイツ」、「犬を人並に扱う日本」、の続きです。
 ドイツ、フランクフルト・アム・マイン地方裁判所は、隣人の飼猫をエアライフルで負傷させた刑事裁判で、動物虐待罪より軽い器物に対する損害での罪で被告人に処罰を言い渡しました。最初の略式裁判では被告人は動物虐待の罪で16,100ユーロ(日本円で200万円余り。1ユーロ=130円)の罰金の支払いを命じられましたが、2審の地裁判決では猫をエアライフルで撃つことは動物虐待には当たらず、より軽い器物に対する損害で処罰すべきとしました。被告人には1950ユーロ(25万円余り。1ユーロ=130円)の罰金の支払いを命じました。



 サマリーで示した、「猫をエアライフルで撃って負傷させた男に対して、1審の略式裁判での動物虐待罪での処罰を破棄し、より軽い器物の損害に対する罪で罰金額を大幅に減額した」2審の地裁判決について報道するニュースソースから引用します。
 Mann schießt mit Luftgewehr auf Katze – laut Gericht keine Tierquälerei 「男はエアライフルで猫を撃ちました-裁判所の判決によるとそれは動物虐待ではありません」 2020年12月9日


Mann schießt mit Luftgewehr auf Katze – laut Gericht keine Tierquälerei
Ein 52-Jähriger, der auf eine Katze geschossen hat, muss laut Landgericht Frankfurt am Main 1950 Euro zahlen.
Das Landgericht Frankfurt am Main hat einen 52-Jährigen aus dem hessischen Eppstein wegen Schüssen mit einem Luftgewehr auf eine Katze lediglich wegen Sachbeschädigung verurteilt.
In erster Instanz hatte er vom Amtsgericht noch wegen Tierquälerei eine Geldstrafe von 16.100 Euro (70 Tagessätze à 230 Euro) erhalten.
Schüsse aus einem Luftgewehr auf eine Katze stellen nach Ansicht des Landgerichts Frankfurt jedoch noch keine strafbare Tierquälerei dar.
Das Urteil ist noch nicht rechtskräftig.

男はエアライフルで猫を撃ちました-裁判所の判決は動物虐待は認定しませんでした。
フランクフルト・アム・マイン地方裁判所によると、猫を撃った52歳の被告人は1950ユーロ(約25万円)の罰金を支払わなければなりません。
フランクフルト・アム・マイン地方裁判所は、ヘッセン州エップシュタイン出身の52歳の男を、猫をエアライフルで撃ったことに関して器物損壊により有罪判決を出しました。
1審の判決では被告人は動物虐待により、略式裁判により16,100ユーロ(日本円で200万円余り)の罰金を言い渡されていました。
しかしフランクフルト地方裁判所の見解では、猫へのエアライフルでの射撃は動物虐待罪での刑事犯罪を構成するものでは無いと認定しました。
この判決はまだ確定していません。



 他のいくつかの報道によれば、エアライフルで撃たれた猫の飼主は猫の放し飼いを常態としており、被告人の男に猫による被害を継続して与えていました。私はフランクフルト・アム・マイン地方裁判所は、被告人の男の猫による加害の考慮も含めてより軽い処罰を言い渡したのだと推測します。
 この判決は明らかに動物を負傷させても「動物虐待ではない。単なる器物に対して損害を及ぼしただけだ」と裁判所が認定したということです。リンクした動画は弁護士ユーチューバーの本件訴訟に対する解説ですが、動物を負傷させた事件ではドイツでは、裁判所が動物虐待とはせずに「器物に対する損害」と認定するケースが多いとの発言があります。

(動画)

 Mit Luftgewehr auf Katze schießen ist keine Tierquälerei! Geht’s noch? | RA Solmecke 「エアライフルで猫を撃つことは動物虐待ではありません! ばかじゃないの? | ソルメッケ弁護士」 2021年2月5日 

 ドイツ人弁護士ユーチューバー、ソルメッケ氏による、今回取り上げた事件の解説。動物を殺傷した場合の刑事処罰ですが、ドイツでは案外より軽い、器物に対する損害として処罰されることが多いようです。ドイツは動物は司法判断でも多くの場合は動物は単なる物、という認識なのでしょう。

Im allgemeinen Sprachgebrauch werden alle einem Tier von Menschen zugefügten Schmerzen pauschal als Tierquälerei bezeichnet.
Tatsächlich aber ​fallen viel weniger Fälle darunter.

一般的には人間が動物に与えるすべての苦痛は、動物虐待という用語で呼ばれます。
しかし実際には、(それが裁判で認められる)ケースははるかに少ないのです。





(参考資料)

明治大学法曹界 会報(平成14年5月30日発行)に掲載 ペット法学会に参加して 弁護士 渋 谷  寛

 読めば読むほど凄すぎ。荒唐無稽な発狂文書。「ペットに関する我が国の法的な感性は欧米に比べてそうとう遅れていうるといえましょう。今後我が国においても(ドイツのように)動物の法律上の地位を可及的に人間と同等に向上させるべきであると考えています」。だったらそれを裏付ける判例を一つでも出してよってことです。
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No title

判決文を読んでいないので全くの推測でしかありませんが、虐待を認定しなかったのは虐待をするという意思的要素が欠けていたと認定されたのかもしれません。

日本の動物愛護管理法でも44条1項で処罰されるには「みだりに」という要件が必要です。「みだりに」には理由もなくという意味が含まれるので、ドイツの被害者のような例であれば44条1項の要件を満たさない可能性はあります。

ドイツの裁判例が更に参考になるのは虐待に当たらなくても器物損壊罪が成立するという点です。日本でも飼い猫による被害を受けているからといって殺傷に至るとまでなれば器物損壊罪による略式起訴はありそうです。

いずれにせよ「殺傷=虐待」という論理が否定された意味は大きいと思います。

Re: No title

野生動物への餌やり反対 様、コメントありがとうございます。

> 判決文を読んでいないので全くの推測でしかありませんが、虐待を認定しなかったのは虐待をするという意思的要素が欠けていたと認定されたのかもしれません。

弁護士が解説している動画では、「動物保護法17条で動物虐待と認定されるのは、1正当な理由がない、かつ2相当の痛み苦痛を与えること、が構成要件とあります。
その上で「判決では『猫にエアライフルを撃たれた傷は中程度で(かなり治療費はかかっていますが)、虐待と認められる程度の「痛み」は認定されなかった』とある。ばかな?」と発言しています。
その上で「動物に傷害を負わせても動物保護法での虐待と裁判所が認定するのはそれほど多くない』としています。

ドイツでハンターが犬猫を撃った場合で狩猟法に違反している場合(例えば銃の発射が認められていない公道上から撃った、猫を住宅から一定以上離れずに撃ったなど)は、狩猟法違反での処罰のみで、驚くほど軽いです。
罰金で1,000ユーロ台とか。
動物保護法4条の規定で、「狩猟法での狩猟による殺害は動物保護法に規定する殺害の苦痛軽減義務は必ずしも守らなくて良い」ともありますので。


> 日本の動物愛護管理法でも44条1項で処罰されるには「みだりに」という要件が必要です。「みだりに」には理由もなくという意味が含まれるので、ドイツの被害者のような例であれば44条1項の要件を満たさない可能性はあります。
>
> ドイツの裁判例が更に参考になるのは虐待に当たらなくても器物損壊罪が成立するという点です。日本でも飼い猫による被害を受けているからといって殺傷に至るとまでなれば器物損壊罪による略式起訴はありそうです。

略式で動物保護法違反で起訴されて罰金刑が言い渡された後に、2審で器物損壊罪での処罰になったというのも、ドイツと日本は司法制度が異なるということでしょう。


> いずれにせよ「殺傷=虐待」という論理が否定された意味は大きいと思います。

この事件はかなり大きく報道されています。
プロフィール

さんかくたまご

Author:さんかくたまご
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1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
しかし私が管理人であるサイトは、このページのフリーエリアにあるリンクだけです。
その他のものは、例えば本ブログ管理人が管理人と誤認させるものであっても、私が管理しているサイトではありません。
よろしくお願いします。

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