ドイツで警察官が犬などを射殺する数は年間1万5,000頭以上〜なぜこれほどまでに激増したのか

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(Zusammenfassung)
・Statistiken zum polizeilichen Schusswaffengebrauch in Deutschland Stand 11. Juli 2020
Art des Schusswaffengebrauchs insgesamt Tier und Sachen davon 15,475(2019)
私はこのブログ記事で、しばしばドイツの警察官が犬などの動物を射殺する数が年間1万件を超え、極めて多いことを取り上げています。ドイツの各州の警察法では「警察官は安全対策上もしくは動物福祉の観点から危険な、もしくは傷病で苦しんでいる動物を発見した場合はその動物を射殺しなければならない」としています(例えばベルリン州警察法など)。ドイツ連邦警察は警察官による発砲の詳細な統計を毎年公表しています。警察官による犬などの動物の射殺は近年激増しており、最新の統計では1万5,000頭を超えました。
(画像)
サマリーで示した、「最も新しい警察官による犬などの動物の射殺数」ですが、こちらに統計資料があります。出典はドツ連邦警察統計です。Statistiken zum polizeilichen Schusswaffengebrauch in Deutschland Stand 11. Juli 2020 「ドイツの警察官の銃の発射についての統計(ドイツ連邦政府 連邦警察統計)」(2020年)です。
以下の画像が、「2019年の動物及び器物に対する警察官の発砲」の掲載であり、15,475件です。なお、Sachen「器物」に対する発砲もこの数に含まれますが、これは例えば自動車に対する威嚇射撃など例外的です。大手新聞社はこの数値を「すべて動物に対する射撃」と報道しています(例 Polizei schoss 2018 auf weniger Menschen als im Vorjahr 「警察官による対人射撃は2018年に前年よりも減少した」 2019年7月24日)。また報道される事件がほとんど犬であり、また警察官が動物の射殺で出動するのは市街地や高速道路上であることを鑑みれば、動物の内訳の多くで犬が占めると思われます。

ドイツ国内での警察官による犬などの射殺は一貫して増加傾向です。10年前の2009年は8,605件、20年前の1999年は3,240件でした。複数の要因が考えられますが、ドイツでは東欧がEUに加盟後に犬の輸入が自由化され、犬の飼育数が激増したこと(10年余りの期間で5犬の飼育数は500万頭台から2020年には1,000万頭台の大台に乗りました)があると思います。
飼育数が増加すれば、それだけ不適正飼育者も増え、犬の遺棄や咬傷事故を起こす可能性がある犬の遁走も増えるからです。さらに犬の飼育数が増えることは捨て犬や犬の飼育放棄が増え、受け皿となるティアハイムが収容不能に陥り、引受不能のなっていることも考えられます。ティアハイムが引き受け不能であれば、現場で野良犬は先に射殺処分せざるをえないのではないでしょうか。
最近も、警察官による犬の射殺事件が報道されています。暴力犯罪での誤認捜査で無関係な人の住居に警察官が踏み込みましたが、そこで飼われていた飼犬が警察官に吠えかかりました。警察官は犬に銃を発砲し犬は死亡しました。私は近年、ドイツでは、警察官が安易に犬などを射殺する事件が増えたように感じます。
以下に、そのニュースソースから引用します。Beamter erschießt Hündin Polizeieinsatz in Köln eskaliert: Warum musste Nala sterben? 「ケルンでの警察官の公務でのメス犬に対する銃撃はエスカレートします:なぜナラ(警察官に射殺されたメス犬の名前)は死ななければならなかったのですか?」 2021年5月20日
Köln – Es sind Bilder, die schocken.
Ein Hund liegt in seinem Blut, röchelt nach Luft.
Sein Herrchen liegt gebeugt über dem Tier, drückt es verzweifelt an sich.
Im Hintergrund stehen Polizisten auf den Treppen.
Polizei bei Einsatz in Köln-Mülheim.
Beamter erschoss Mischlingshündin Nala.
Es ist 1.13 Uhr am Freitag (14. Mai), als mehrere Anrufe der Polizei eine Schlägerei vor einem Haus in der Formesstraße in Mülheim melden, bei der sich Mann und Frau an den Kragen gehen. Die Beamten rasen hin, treffen mehrere Personen an.
Die Polizisten wollen sich einen Überblick über die unklare Situation verschaffen.
Die Tumulte haben auch Hausbewohner Marcel B. (32) aus dem Schlaf gerissen.
Sie stürmen nach oben, klingeln und klopfen gegen die Wohnungstür. Hündin Nala gefällt das nicht.
Sie bellt los. Der Hund ist auf die Beamten zu und wollte einen Kollegen anspringen.
Der Beamte hat daher zweimal auf den Hund geschossen.
ケルン-衝撃的な写真があります。
犬は血の中に横たわり、息絶えています。
犬の飼い主は犬の傍らに腰を下ろし、必死に抱きしめています。
背後に警察官が階段に立っています。
ケルン-ミュールハイムで公務中の警察官は、雑種犬のナラを公務で撃ち殺しました。
金曜日(5月14日)の午前1時13分、ミュールハイムのフォルメスシュトラーセにある家の前で男性と女性が暴力をふるってケンカをしていたとの通報が警察に何度か電話でありました。
警察官らは何人かの関係者に会うために急行しました。
警察官らは不明確な状況がどうなっているのか知りたいと思っていました。
その騒動により、近くに住むマルセルB氏(32)(註 事件に無関係で、飼犬を警察官に射殺された飼主)は目が覚めました。
警察官らはマルセルB氏の2階の部屋のドアベルを急いで鳴らし、正面玄関をノックしました。
メス犬のナラはそれを不快に感じました。
ナラは吠え始めます。
犬は同僚の察警察官に向かって飛びつこうとしました。
そのためにもう一方の警察官は2回犬を撃ちました。
(参考資料)
・野良犬・野良猫「殺処分と駆除の実態」〜日本・ドイツ、共に殺処分・駆除ゼロは不可能である!
「ドイツ全体で、警官やハンターによる2012年の年間射殺数は、犬が6万5千匹、猫は40万匹に達する」という指摘もあるようです。
良記事なのですが、民間の犬猫の狩猟推計値に警察官による犬猫等の射殺を含めているのが残念です。狩猟法による犬猫の狩猟駆除と警察官による警察法に基づく犬猫などの射殺は根拠法が異なり、別の推計と統計です。
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