続・「ペットショップが殺処分の原因」という論破王(笑)の論理破綻

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domestic/inländisch
記事、
・「日本ではペットを捨てても処罰する法律がない。ペットショップが売れ残りを保健所で処分している」という論破王の無知蒙昧、
・「ドイツではペットショップの生体販売を禁止している」という論破王の無知蒙昧〜ドイツはペットショップ独自の規制法令すらない、
・「アメリカではペットショップの生体販売を禁止している」という論破王の無知蒙昧〜アメリカの生体販売ペットショップの数は日本の7倍、
・「ペットショップでは犬などは保護動物しか販売できない」というアメリカのザル法〜ひろゆき氏の「アメリカではペットショップでは動物を売ることは禁止」という驚愕デマ、
・「ペットショップが殺処分の原因」という論破王(笑)の論理破綻、
の続きです。
巨大掲示板「ちゃんねる」の開設者、西村博之(ひろゆき)氏。この方は自称か他称かは知りませんが、「論破王」と言われています。しかし最近の犬猫の愛護問題に関する一連のマスコミやYoutubeでの発言はあまりにも無知蒙昧無学で(意図的なデマでしょうか?)、さらに論理も破綻しています。「ペットショップが殺処分の原因なので殺処分をなくすためにはペットショップをなくさなければならない」もそうです。
サマリーで示した、ひろゆき氏の一連のYoutubeでの発言動画を示します。
(動画)
【ひろゆき】ペットショップでペット飼うやつ人間の〇〇【切り抜き】 2021年1月17日
この動画ではひろゆき氏が「アメリカってペットショップに行っても動物置いていない。基本的にはペットショップで売るのは禁止なので。ドイツも違法なの」と述べています。4:00〜
(動画)
【ひろゆき】ペットショップでペットを買う人は●●だと思う…処分される犬猫の現実と独自の対処法をひろゆきが語る【切り抜き/論破】 2021年7月1日
この動画ではひろゆき氏は、「ペットショップが違法の国あるの?アメリカってペットショップ行っても動物置いていないっすよ。基本的にはペットショップで売るのは禁止なので」と述べています。3:30〜
(動画)
【ひろゆき】起業するならコンビニは避けたほうが、、、 Delirium Tremens を呑みながら 2019/03/10
この動画の、46:00〜から、「ペットショップで動物を購入しても面倒くさがって捨てる人もおり、日本にはこれを処罰・制限する法律がない」。「ペットショップでは、売れなくなったやつが野良になったり保健所に流されたりする」との発言があります。
自称か他称か知りませんが、巨大掲示板「2ちゃんねる」の開設者「論破王」ひろゆき氏は、多数の荒唐無稽な論理破綻した発言の動画を公開しています。その中でも犬猫殺処分とペットショップに関する発言の動画はひどいの一言に付きます。ひろゆき氏の発言は、まとめると次のようになります。
1、ペットショップが日本の犬猫殺処分の原因だ。
2、ペットショップで安易に犬猫を買った客がすぐに捨てたり保健所に引き取らせるからだ。
3、またペットショップが売れ残りを捨てそれが野良になり、保健所に持ち込まれる。また保健所に引き取らせたりする。
4、日本ではペットショップや飼い主が犬猫などのペットを捨てたり、保健所に引き取らせることを禁止し、処罰する法律がない。
5、アメリカとドイツではペットショップで生きた動物を販売知ることが禁止されており違法だ。だからこれらの国では生きた動物を置いていない。
ひろゆき氏は、「1、ペットショップが日本の犬猫殺処分の原因だ」という主張の根拠として、「2、3、4、5、」を挙げています。私は連載の記事でこれらの根拠がすべて事実に反するデマであることを証拠を挙げて述べました。今回記事ではアメリカを例に挙げ、ひろゆき氏の仮説「ペットショップが犬猫殺処分の原因」が矛盾していることを述べます。ひろゆき氏は「アメリカでは動物(ペットの生体)をペットショップで売ることを禁止して違法。だからペットショップには動物(生体)を置いていない」と主張しています。実際はアメリカでのペットショップのペットの生体販売の数は大変多いですし、生体販売ペットショップの数は日本の7倍、人口比では2.7倍であることをすでに連載の記事で述べました。
ひろゆき氏の仮説が正しければ、アメリカ合衆国ではペット(犬猫)の殺処分数が少ないはずです。しかしアメリカでは大変犬猫の殺処分数が多いのです。犬猫の殺処分数は年間150万頭で、その数はほぼ同時期の2019年度の日本の公的殺処分数32,743頭の46倍です。人口では約18倍も多いのです。それを裏付ける、アメリカの犬猫殺処分についての資料から引用します。
・Pet Euthanasia Has Declined Sharply In The U.S. 「ペットの安楽死(殺処分)はアメリカ合衆国で急速に減少しました」 2018年4月11日
Currently, some 1.5 million shelter animals are euthanized every year (670,000 dogs and 860,000 cats).
Even though that may seem like a shockingly large figure, it actually represents a sharp decline on the number of animals euthanized a decade ago.
Back in 2012, the total figure was 2.6 million while in 2009, it was 3.7 million.
Today's rate is also a far cry from the 1970s when the number of cats and dogs euthanized in the U.S. stood at over 20 million.
Reasons for the drastic decline in euthanasia include successful spay and neuter campaigns as well as a more general societal change in attitudes towards pets.
現在、アメリカ合衆国では、アニマルシェルターで毎年約150万頭の動物が安楽死(殺処分)させられています(67万頭の犬と86万匹の猫)。
その数字は驚くほど多く見えるかもしれませんが、実際には10年前に安楽死(殺処分)された動物の数が急激に減少したことを示しています。
2012年には260万頭、2009年には370万頭が安楽死(殺処分)されました。
今日の数は、アメリカ合衆国での猫と犬が安楽死させられた1970年代の数とはかけ離れていて、当時は2,000万頭以上ありました。
安楽死(殺処分)が劇的に減少した理由には避妊去勢手術と避妊去勢手術のキャンペーンの成功とともに、一般的なペットに対する取り組みの社会的な変化が含まれます。
(画像)
Pet Euthanasia Has Declined Sharply In The U.S. 「ペットの安楽死(殺処分)はアメリカ合衆国で急速に減少しました」 2018年4月11日 から

上記の統計資料に関する記事は2018のもので、先に引用した2019年度の日本の公的殺処分数、32,743頭とほぼ同時期のものです。劇的に減ったとはいえ、アメリカは人口比で18倍も日本より犬猫の殺処分が多いのです。ひろゆき氏の「ペットショップが殺処分が原因」であれば、ペットショップでの生体販売を禁じているアメリカのほうが格段に日本より殺処分が多いのは矛盾します。実は、アメリカは日本よりはるかにペットショップが多いのですが(笑)。
ひろゆき氏の仮説が矛盾している点が他にもあります。合衆国は1970年代には犬猫を年間2,000万頭も殺処分していましたが、2009年は370万頭、2012年は260万頭、現在は150万頭と劇的に減っています。ひろゆき氏の「ペットショップの生体販売が殺処分の原因」が正しければ、アメリカ国内でも、犬猫の殺処分の減少とともに生体販売ペットショップが減っていなければなりません。しかしアメリカでは生体販売ペットショップが順調に増えているのです。
(画像)
IBISWorld Industry Report 45391 Pet Stores in the US 「IBISWorld 業界調査報告書45391 アメリカ合衆国のペットストア 2012年」 (31ページ) アメリカの大手シンクタンクのペットショップ統計 から

論破王(笑)ひろゆき氏は「生体販売ペットショップが犬猫殺処分の原因」と主張しています。それが正しいとすれば、アメリカ合衆国で生体販売ペットショップが一貫して増加しているのに対して、なぜ犬猫殺処分数が反比例して激減しているのでしょうか。論破王ひろゆき氏には、ぜひ納得できる説明を理路整然としていただきたいです(笑)。
先に引用した統計資料では、アメリカでの犬猫殺処分が激減した要因として、「不妊去勢の普及」と、「ペットに対する社会の意識変化」を挙げています。ペットショップが殺処分の原因とは一言も言及していません。
ひろゆき氏は無知蒙昧無学でありながら、なんら調べることすらせずに荒唐無稽なデマを垂れ流し、それをもとに論理破綻した主張の動画をいくつも公開しています。傍から見れば恥ずかしい限りですが、このような偽インフルエンサーを支持する衆愚がかなりいるので有害です。さらにひろゆき氏のような、悪質なデマをデマと知りつつ、それをプロパガンダに利用する愛誤も一定数存在します。
このような知性の劣化は「動物愛誤」に限ったことなのでしょうか。偽インフルエンサー(知能知識が優れているわけではない)とそれを支持する衆愚の存在、それらによりデマが定着するのが日本の現状です。私は大変憂慮しています。
なお蛇足ですが、この連載で書き忘れたことがあります。動物愛護管理法12条1項では、ペットショップなどの第1種動物取扱業者は犬猫の終生飼養を義務付けています。実際に第1種動物取扱業者は犬猫の仕入れ、出産、死亡、譲渡等の内訳を毎年保健所に届けなければならず、犬猫の遺棄や殺処分、保健所引取ができません。
このように犬猫に限り、業者の終生飼養を法律で義務付けている国は日本以外ではおそらくないと思います。日本の犬猫を扱う第1種動物取扱業者ほど、国際的に犬猫を殺処分できない、捨てることができない国はないと思います。
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