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「ドイツではペットショップの生体販売を禁止している」という論破王の無知蒙昧〜ドイツはペットショップ独自の規制法令すらない






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domestic/inländisch

 記事、「日本ではペットを捨てても処罰する法律がない。ペットショップが売れ残りを保健所で処分している」という論破王の無知蒙昧、の続きです。
 巨大掲示板「ちゃんねる」の開設者、西村博之(ひろゆき)氏。この方は自称か他称かは知りませんが、「論破王」と言われています。しかし最近の犬猫の愛護問題に関する一連のマスコミやYoutubeでの発言はあまりにも無知蒙昧無学で(意図的なデマでしょうか?)、さらに論理も破綻しています。例えば「日本ではペットショップで買った犬猫を捨てても処罰・制限する法律がない」、「ペットショップは売残りペットを保健所で処分する」、「アメリカとドイツではペットショップで生体を売ることが禁じられているのでない」などです。



 サマリーで示したひろゆき氏の問題発言ですが、「アメリカとドイツではペットショップで生体を売ることが禁じられているのでない」と発言している動画を以下に示します。


(動画)

 【ひろゆき】ペットショップでペット飼うやつ人間の〇〇【切り抜き】 2021年1月17日

 この動画ではひろゆき氏が「アメリカってペットショップに行っても動物置いていない。基本的にはペットショップで売るのは禁止なので。ドイツも違法なの」述べています。4:00〜




 ひろゆき氏は「アメリカとドイツではペットショップで動物(の生体)を売るのは禁止されているので違法。だからアメリカとドイツではペットショップで動物(の生体)を置いていない」と述べています。今回はドイツについて述べます。
 結論から言えば、ひろゆき氏の「ドイツではペットショップで生体を売るのは禁止されていて違法。だから動物はドイツのペットショップで置いていない」という発言は真っ赤なウソです。それどころかドイツはペットショップのみに適用される法令がないという、ペットショップに対しては規制がゆるゆるの国なのです。ドイツでペットショップを規制する法令は動物保護法(Tierschutzgesetz)11条のみです。この条文ではペットショップを始め、ティアハイム、動物園、動物実験施設などの動物取り扱い業者を一括して規定しています。これらの業者の認可と動物を取り扱う専門能力がある職員の配置を義務付けているだけです。さらに2020年は、ペットショップの「専門職員の配置義務を撤廃する改正法案」が出されており、さらにペットショップに対する法的規制の緩和に進んでいます。

 ドイツでは犬に限っては、飼養の厳しい全般基準(営利業者以外にも、個人飼主や実験施設などほぼすべての犬の飼主や扱うものに適用される。例外は行政が公的動物収容所で保管する犬などです)が法令で定められています。ですからペットショップにおいてもその基準が適用されるため、犬に限りペットショップでの展示販売は厳しい基準があります。しかし犬であってもペットショップでの犬の販売を禁じる法令はなく、ドイツにある世界最大のペットショップで多数の子犬が売られています。
 その他の動物では、ドイツではペットショップでの例えば最小ケージ寸法などの法令による基準はありません。例えば猫ですが、最小ケージ寸法も販売の最低週齢規制もありません。法律上は、金魚の水槽のような狭いガラスケージに5週齢の子猫を詰め込んで展示販売することも合法です。その他にもドイツでは、エキゾチックアニマルのペットショップでの展示販売に対する数値規制もありません。
 そのためドイツのペットショップは取り扱いの動物生体の品揃えは世界の中では群を抜いて多く、規制がゆるいことからペットショップという業態が発達しています。店舗の設備投資額も大きく一店舗あたりの巨大化が進み、動物の飼育技術も高いのです。ドイツはペットショップ大国、ペットショップ先進国と言える国です。ちなみに人口比ではドイツの生体販売ペットショップの数は日本の1.3倍程度あります。それを裏付ける資料をいくつか示します。


Tierhandlungen – Geschäfte auf Kosten der Tiere 「ペットショップ 動物を犠牲にする店」 2012年7月14日

Viele der Tiere stammen von Züchtern, aus Tierheimen, aus dem Ausland ─ oder aus einer der ca. 4300 Zoohandlungen deutschlandweit.
Obwohl jedes Jahr Millionen Tiere in Tierhandlungen verkauft werden, gibt es in Deutschland, keine speziellen gesetzlichen Regelungen für den Verkauf von lebenden Tieren.
2010 betrug der Gesamtumsatz der Heimtierbranche nach offiziellen Angaben 3,7 Milliarden Euro, Tendenz steigend.

ほとんどの動物は、ブリーダー、ティアハイム、外国から輸入したり、またはドイツ全土にある約4,300のペットショップの1つから購入することができます(註 同時期の総務省の調査では、生体販売を行うペットショップの数は5045店舗です)。
毎年数百万の動物がペットショップで販売されていますが、ドイツでは生きた動物の販売に関する特別な法的規制はありません(現在ドイツにおけるペットショップの法的規制は、連邦動物保護法 Tierschutzgesetz 11条で動物を取り扱う業種に対しての包括的な規制の対象に含まれるだけです)。
2010年の総売上高はドイツのペット(生体)販売業の売上高は、公的統計ではの37億ユーロで増加傾向にあります。



Themen • Tierische Mitbewohner • Zucht und Handel Zootierhandlungen: Tierqual zu Dumpingpreisen 「テーマ・動物のルームメイト(註 ペットのこと)・ペットショップでの繁殖と取引」:安売り価格での動物の拷問」 2018年2月(ドイツPETAによる記事)

Zoohandlungen nutzen die niedliche Wirkung, die von jungen Kaninchen, Meerschweinchen, Hunde- und Katzenwelpen sowie vielen anderen Tieren ausgeht – ebenso wie die exotische Faszination von Reptilien und Amphibien.
Mit diesen Tieren ist ein lukratives Geschäft zu machen, denn der Handel mit sogenannten Heimtieren wächst seit Jahren.
Da in Deutschland spezifische gesetzliche Regelungen für den Zoohandel fehlen, befinden sich jährlich Millionen Lebewesen in einem quasi „rechtsfreien Raum“.

(ドイツの)ペットショップでは、幼いウサギ、モルモット、子犬、子猫、その他多くの動物がかもし出すかわいさの効果と、爬虫類や両生類のエキゾチックな魅力を利用しています。
いわゆるペットの商業取引が(ドイツでは)何年もの期間で成長しているので、これらの動物で儲けるビジネスをすることが可能となります。
ドイツではペットショップでの商業取引に関する特定の法的規制がありませんので、毎年何百万もの生物が「無法地帯」に近い状態で生きています。



(動画)

 BIGGEST PET SHOP IN THE WORLD - ZOO ZAJAC - DUISBURG - GERMANY 「世界最大のペットショップ−ZOO ZAJAC−デュイスブルク−ドイツ」

 世界最大のペットショップはドイツ、デュイスブルクにあります。犬猫はもちろんのこと、日本では規制が厳しく個人の愛玩用にはペットショップの店頭で展示販売されることはありえないワニの生体やニシキヘビ、希少なエキゾチックアニマルのナマケモノなども常時展示販売されています。




(動画)

 Dr. Matthias Reinschmidt führt durch unsere Erlebniswelten | KÖLLE ZOO 「ラインシュミット博士が私達の経験の蓄積された世界を案内します。KÖLLE ZOO」2013年11月23日

 ドイツの大手生体販売ペットショップチェーンの一角のコレ・ズー。この生体販売ペットショップチェーンは3,000㎡規模の店舗を21店舗チェーン展開しています。会社の定款で、犬猫の生体販売を行うと明記されています。ドイツの生体販売ペットショップチェーンの資本集約度と店舗の巨大さ、取り扱いの動物の生体の種類は日本は到底及びません。店舗数も多い。まさにドイツは生体販売ペットショップ大国、先進国です。




 なお今回記事で述べた、「ドイツではペットショップ等の動物取扱業者は専門能力がある職員を配置しなければならない」という動物保護法11条の規制を撤廃するという法改正の動きについては、また別の機会に取り上げます。
 日本では「ドイツではペットショップに対する規制が厳しい国」という情報が蔓延していますが、真逆の大嘘です。ドイツは比較的ペットショップなどのペット生体の販売規制が厳しい国が多いヨーロッパの中では例外的にペット販売に対する規制がゆるゆるな国です。ペットショップ独自に適用される規制法令はありません。またドイツはインターネットによる犬などのペット生体の販売に関しても、全く規制がありません。
 ひろゆき氏の「ドイツではペットショップで生体販売を行うことは禁止されている、違法」との発言は全く根拠のない、真逆の大嘘です。ひろゆき氏以外でも、全くドイツの法令やペット販売に関するドイツの情報を一切確認せずに単なる思いつき妄想で、多くの人の目に触れるマスコミに発言するなどしています。私は真似できません。誤ったことを述べるのは恥だと思いますし、またデマを流すのは有害だと思うからです。ひろゆき氏などデマ情報を平気でべらべら垂れ流す人たちは、知能精神が正常の粋に達していないとすら、私には思えます。
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No title

2021-7-24s,maコメント
環境省の委員各位に比べれば この人の社会的地位はそう高くないでしょう
環境省委員各位でさえもあの程度ですからね
動物あいごの庶民は推して知るべしかもしれませんが 「親しみ」を感じさせて fake情報を信じ込まされては それでなくても程度が低い動物あいごの行く末が案じられます
「さぎしもどき」・・・
当人もそう信じているのでしょうかね?
現実逃避して夢想にふけっているのか?
fake情報を垂れ流す人々が多すぎますね
信じる人々もいますから 日本の将来が危ぶまれます
動物のことだけではなく 何事にも付和雷同する「Change_000」のようなやり方にも????

Re: No title


s,ma様、コメントありがとうございます。

> 環境省の委員各位に比べれば この人の社会的地位はそう高くないでしょう

ひろゆき氏は、デジタル庁の外部委員です。
ですからあのバ環狂症の外部委員といって見れば社会的地位は同等です。
https://www.digital.go.jp/posts/HTQB-hAX
この委員会の人選を正式に発表する前に、菅首相から直接委員会の発足について助言を求められたとあります。
政府機関の委員会委員になることを事前に察知していた大物愛誤がひろゆき氏にデマを吹き込んで、デマ動画の拡散を促したとも考えられます。
政府機関の外部委員となれば、世間一般では専門家、有識者という認識ですので、そのような人物が発信している情報は間違いないと衆愚は思うだろうという魂胆ですね。


> 「親しみ」を感じさせて fake情報を信じ込まされては それでなくても程度が低い動物あいごの行く末が案じられます

知能の程度が低いひろゆき氏の支持者たちが、デマ情報に載せられるのは程度が低いですが、環境省の外部委員も同じレベルです。
むしろひろゆき氏のような、素人の無知蒙昧でも、より一般の衆愚の支持者があり、インターネットを用いたエセインフルエンサーの方が衆愚に対する影響は大きく悪質かもしれません。


> 「さぎしもどき」・・・

私が指摘した、海外の動物愛護に関するデマ動画(他にも複数あります)以外でも、ひどいデマ動画が多数あります。
それは他の専門家が指摘していることです。

> fake情報を垂れ流す人々が多すぎますね
> 信じる人々もいますから 日本の将来が危ぶまれます

同感です。
日本人の知能が劣化していると感じます。
ひろゆき氏の時流に先んじる、大衆を引きつける能力は認めますが、本質は無知蒙昧無学です。
それなのに偉そうに、超上から目線で知ったかぶりをする。
2ちゃんでも開設時期が5年遅れればこれほど成功しなかったと思います。
独特の流行語などを取り入れて、サブカルチャーとして先んじてその地位を獲得しただけです。
2ちゃんは驚くことに日本語と英文しか書き込みできません。
ドイツ語文字は化けます。
そのままURLを貼って画像が表示されませんし。
技術的には遅れています。


プロフィール

さんかくたまご

Author:さんかくたまご
当ブログのレコード
・1日の最高トータルアクセス数 8,163
・1日の最高純アクセス数 4,956
・カテゴリー(猫)別最高順位7,928ブログ中5位
・カテゴリー(ペット)別最高順位39,916ブログ中8位

1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
しかし私が管理人であるサイトは、このページのフリーエリアにあるリンクだけです。
その他のものは、例えば本ブログ管理人が管理人と誤認させるものであっても、私が管理しているサイトではありません。
よろしくお願いします。

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