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「日本は欧州に比べて殺処分数が多い野蛮な国」という、殺処分ゼロ議員連の牧原秀樹議員の無知蒙昧






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domestic/inländisch

 超党派の国会議員の任意団体、「殺処分ゼロ議員連」(犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟 があります。この団体に所属する国会議員のデマによる国会答弁や、前・元議員による海外の動物愛護に関するデマ情報の拡散は目に余るものがあります。また昨年は、動物取扱業者に対する数値基準を法制化する環境省の方針に応じて「要望書」を作成しましたが、「出典とした法令にはそのような規定はない」、「そのような法令、行政指導等が存在しない」、「誤訳」などの満載で、見るに堪えない内容です。まさに動物愛護に関する嘘プロパガンダ拡散団体で、日本の動物福祉の後退に大いに貢献しました。殺処分ゼロ議員連の創立当時から重要なメンバーである牧原秀樹衆議院議員も驚くべきデマ情報を拡散しています。


 殺処分ゼロ議員連(正式名称は、犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟。以下、「殺処分ゼロ議員連」と記述する」)ですが、創立当時から現在まで所属する国会議員による国会答弁などでの驚くべき海外の動物愛護に関するデマ発言や、前・元国会議員によるデマ情報の拡散があります。また昨年は殺処分ゼロ議員連は、動物取扱業者に対する数値基準の法制化に関して海外の法令や行政指導などを根拠としたとする要望書を作成しました。しかしその内容は、「出典とした法令にはそのような規定はない」、「そのような法令、行政指導等が存在しない」、「誤訳」、「無意味な民間の自主規制の引用」などの満載で、見るに堪えない内容です。これらは私は記事にしています。
 まさに殺処分ゼロ議員連は、デマ情報で日本の動物愛護行政をゆがめ、ひいては日本の動物福祉の後退を招いた有害な嘘プロパガンダ団体といえます。殺処分ゼロ議員連の創立当時から参加し、重要なメンバーである牧原秀樹衆議院議員も驚くべきデマを拡散しています。今回はその点について取り上げます。

 牧原秀樹議員は、新年あいさつ - サンフロント 21懇話会 2015年1月25日(静岡新聞社が開催した懇談会と思われる)で、「日本は欧州諸国と比べて犬猫殺処分数が多く、欧州各国から野蛮な国と非難されている」という趣旨の発言を行っています。以下に引用します。この懇談会では芸能人の浅田美代子氏らも出席し、まさに狂人たちが妄想で盛り上がっているといった様相です。


浅田:生体販売とかは先進国ではもうやっていません。(*1)
ドイツとかでもペットショップはありますが、食料など必要なものしか置いていません。(*2)
日本のようなゲージがあって、その中に子犬がいるようなショップは一切ありません。(*3)
生体販売は禁止しています。
米国ロサンゼルスもそうなりましたし、フランス、英国などにはありません(*4)(註 浅田美代子氏の海外の動物愛護に関する発言はその他にも荒唐無稽なデマ情報満載です)。(11ページ)

牧原:動物に関しては特に欧州が厳格で、日本の殺処分数を聞いたら「なんて野蛮な国だ」と思うに違いありません。(19ページ)


(*1)
おそらく生体販売を禁じる法律がある国は地球上で皆無と思われる。浅田美代子氏には具体的には国名を挙げていただきたい。

(*2)
Zoofachgeschäft
生体販売を行うペットショップはドイツでは4,100以上あり、人口比では日本(総務省調査)の1.2倍~1.3倍ある。世界最大の生体販売ペットショップはドイツのデュイスブルクにあり、犬猫ももちろん生体販売している。猫販売に関しては複数の店で確認している。

(*3)
ゲージではなく、Cage。浅田さんは最終学歴が中学とのことですが、高校1年レベルの単語をご存じではないのは仕方がなかったのですかね。

(*4)
フランス、英国では生体販売ペットショップを禁じる法令は存在しません。2015年1月当時は犬猫に関してもこれらの国ではペットショップで犬猫の生体販売を行うことに関しては法的規制はありませんでした。イギリスに限り2020年にペットショップでの6ヶ月齢未満の犬猫の販売をすることを禁じましたが、6ヶ月齢以上であれば合法です。それ以前は子犬の安売りに特化した巨大ペットショップチェーンが存在していました。フランスでは2015年当時から今日まで、犬猫販売をペットショップで禁じたことはありません。


(動画)

 Tierquälerei - Welpen aus dem Schaufenster 2012年公開の、ドイツにある世界最大のペットショップでの子犬販売。当時このペットショップは売り場面積が8,000㎡でしたがその後も拡張を続け、12,000㎡になりました。犬の販売面積も増やしています。
 



(動画) 

Dogs 4 Us Demo Jan 2012.wmv 2012年2月1日公開。イギリスの巨大店舗で子犬の生体販売を主に行っていたペットショップチェーンの売り場。2020年まで営業していた。




(動画)

D'où viennent les animaux vendus en animalerie ? - La Quotidienne 2019年4月10日公開 フランスのペットショップでの子犬販売。




(動画)

 CAPS Investigation of Los Angeles City Pet Shops: Elia's Pet Shop 2014年4月7日公開 ロサンゼルス市では2013年に「犬猫ウサギに限り、保護団体由来の物しか販売できない」という条例が施行したが、形式的にでも保護団体を経由すれば全くペットショップでのこれらの規制対象の動物を販売できる。そのために従前どおり犬猫ウサギが普通にペットショップで売られている。なお、その他のペットに関しては生体販売の規制はありません。




 牧原秀樹議員の、「動物に関しては特に欧州が厳格で、日本の殺処分数を聞いたら『なんて野蛮な国だ』と思うに違いありません」との発言ですが、「日本はヨーロッパ諸国に比べて著しく犬猫の殺処分数が多い」という意味になります。
 主語が「欧州」などと大きくなるのは大概嘘つきか、無知のどちらかですが、牧原秀樹議員のこの発言も例外ではありません。牧原秀樹議員がこの発言を行ったのは2015年(平成27年)ですが、平成27年度の日本の犬猫殺処分数は約8万3,000頭です。対して同時期、もしくは新しい推計値で、この数よりはるかに多い犬猫の殺処分を行っているヨーロッパの国が多数あります。

 例えば日本の人口の約半分のフランスでは、年間50万頭の犬猫を殺処分しています(2012年と2019年推計)(*5)。この数は、人口比で2015年の日本の犬猫殺処分数8万3,000頭の、人口比で12倍以上になります。

 またスペインでは2013年の推計では約30万頭の犬猫を殺処分、2012年の推計では20万頭の犬を殺処分しています(*6)。この数はそれぞれ人口比で2015年当時の日本の犬猫殺処分数の約10倍、犬の殺処分数では約34倍になります。

 さらにオランダでは年間の犬の殺処分数が約5万頭と推計されています(*7)。2015年当時の日本の犬の殺処分数と比較すれば、人口比で日本の23倍の犬を殺処分していることになります(*8)。
 
 ヨーロッパでも東欧やEU未加入の旧ソビエト連邦構成国まで含めれば、人口比で日本よりはるかに多い、数十倍程度の犬猫の殺処分を行っている国があると思われます。残念ながら、これら国では統計が不備ではありますが。また殺処分数の多さ以外でも、西ヨーロッパの国でも、犬猫の福祉の遅れが指摘されている国は多くあります。次回以降では、フランスとスペインの犬猫殺処分について取り上げます。

(*5)
Die Situation der Tiere in Frankreich DAS STILLE LEIDEN UND TÖTEN DER TIERE 「フランスでの犬猫殺処分数は年間50万頭」とする記事(ドイツ語)
KOLUMNE: MEIN ERSTES MAL Mein erstes Mal: Einen Hund adoptieren 「フランスでの犬猫の年間殺処分数は50万頭」とするドイツ語記事 2019年

(*6)
DAS GROSSE GESCHÄFT MIT DEM AUSLANDSTIERSCHUTZ 2013年のドイツ語記事だが「スペインでは20万の猫と10万の犬が動物収容所で殺処分されている」とある。
T i e r s c h u t z n e w s 2012年のドイツ語記事。スペインでは年間20万頭の犬が殺害されている。

(*7)
Bert van Straten: Nederland euthanaseert ‘50.000’ gezonde honden per jaar! 「オランダは年間50,000頭の健康な犬を安楽死(殺処分)させる!」2015年3月18日 (オランダ語記事)

(*8)
犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況 環境省
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1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

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