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まとめ~殺処分数の国際比較は無意味






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domestic/inländisch

 記事、
イギリスの犬の死因の8割は安楽死~「殺処分数」の国際比較は無意味
続・イギリスの犬の死因の8割は安楽死~「殺処分数」の国際比較は無意味
日本では飼主が犬の安楽死を獣医師に依頼することはほぼない根拠~「殺処分数」の国際比較は無意味
アメリカの犬の死因の71%は安楽死であり、アニマルシェルターでの殺処分数は人口比で日本の46倍
ドイツの犬の死因の90%が安楽死~「殺処分数」の国際比較は無意味
偽ドイツ獣医師によるドイツでの犬の安楽死のデマ記事
の続きです。
 「日本は犬猫の殺処分数が多い動物愛護後進国だ」と主張する方が大変多いです。しかしそのような方に限って「殺処分」の定義を明確にしていません。殺処分の定義が不明確なまま感覚的に、さらに原典も調べずに「日本は犬猫の殺処分数が多い」と非難する人が多いのです。しかしアニマルシェルター(公営私営含めて)での犬猫の殺処分数に限っても、フランスは年間50万頭で人口比で日本の約30倍(*1)、オランダの犬では約40倍(*2)、カナダの犬では400倍近く(*3)もあります。公的アニマルシェルターでの殺処分数の公開を行っていない国(ドイツなど)があります。また民間人ハンターや警察官による合法的な駆除、統計に表れない飼い主が獣医師に依頼する安楽死を殺処分数に含めれば、殺処分数の正確な数の国際比較はほぼ不可能です。


(*1)
contre le euthanasie chat et chien en france

(*2)
Bert van Straten: Nederland euthanaseert ‘50.000’ gezonde honden per jaar! 「オランダは年間50,000頭の健康な犬を安楽死(殺処分)させる!」2015年3月18日 

(*3)
Some MUST READ Statistics On Canada's Pet Overpopulation Problem 「カナダのペット過密問題に関する統計を読まなければならないだろう」 2016年2月11日


 私は連載記事では、「アニマルシェルター(公的私的問わず)の公表された殺処分数だけで殺処分数の国際比較をすることは無意味」であることを述べました。殺処分は、次のように定義できると私は思います。また私がこのサイトで「殺処分」という用語を用いる場合は、以下の定義に従っています。

1、便益を目的としない(例えば食用や工業原料、実験のためなどを除外する)動物の人為的な致死処分。
2、それが合法的であること。
3、制度化されており、相当数があること。

です。

 以下は、連載の最初の記事、イギリスの犬の死因の8割は安楽死~「殺処分数」の国際比較は無意味、の記述の引用です。既にお読みになった方は読み飛ばしていただいても結構です。


イギリスの犬の死因の8割は安楽死~「殺処分数」の国際比較は無意味


さらにこれらが公的機関によって行われるものを「公的殺処分(行政による殺処分)」と私は定義しており、殺処分というワードをこのサイトで用いる場合はこの定義に従います。例えば、公的施設での殺処分数を国全体の数を統一した基準で集計して、正確な数を公表し、さらに公的な動物収容所(いわゆる「動物愛護センター」)で犬猫の殺処分を集約して行っている日本があります。
 しかし公的動物収容所での公的殺処分が厳然とありながら、その数を非公開としているドイツなどの国もあります。また民間のアニマルシェルターで相当数の殺処分を行っている国が多いですが、民間のアニマルシェルターの殺処分数は正確性に欠けます。また公開していない施設も多いです。例えばイギリスの動物保護団体のRSPCAのアニマルシェルターは、内部告発者によれば「収容した犬猫のうち、健康であるにもかかわらず約半数を主に銃殺していた」のです。しかしそれ以前の公式の発表では、殺処分率は約10%と公表していました。民間のアニマルシェルターが殺処分数を少なめに公表するのは、それにより寄付金がより多く集まることを期待しているからです。
 そのために、「犬猫の一次保護は行政が行い公的施設に収容する。公的な一連の殺処分や飼い主返還等の一連の処分後に民間シェルターに委譲する」制度を採用している国(イギリス、ドイツなど)や、州によって完全公立、施設は行政の所有で運用は民間、完全民間施設、といった複数の経営形態があるアメリカ合衆国などでは、アニマルシェルターでの殺処分数は正確ではありません。民間施設では、殺処分数を少なめに公表する、もしくは非公開だからです。

 私は公的な動物収容所はもちろんのこと、民間のアニマルシェルターであっても、施設内での致死処分は殺処分に含めます。また犬猫を民間人ハンターや警察官が合法的に狩猟駆除や害獣駆除を行うことも殺処分に含めます。
 さらに、犬猫の飼い主が民間の獣医師に安楽死処置を依頼することも殺処分に含めるのが妥当と私は思います。なぜならば、不要な犬猫を人為的に致死処分することは、施設に収容し施設内で行うことと、施設外で行うことも等しく「その犬猫が不要であるから致死処分を行う」という意味では同じだからです。
 日本ですが、民間の獣医師は安楽死処置をほとんどの方が引き受けません。不要になってどうしても飼えなくなった犬猫は、日本では保健所が引き取ると制度化されているからです。日本と同様の、公的な動物収容所が不要犬猫を飼い主から直接引き取る制度があるのは、アメリカ合衆国の多くの自治体であります。(飼い主が民間の獣医師に安楽死を依頼する数も多い)。
 イギリス、ドイツなどは公的動物収容所がありますが、収容するのは野良犬猫(イギリスは犬だけ)です。もちろんそこでは公的殺処分を行っていますが、飼い主から引き取る制度はありません。イギリス、ドイツなどでは、飼い主が不要な犬猫を、民間の獣医師に安楽死を依頼します。飼主が民間の獣医師に犬猫の安楽死を依頼する数を殺処分数に含めなければ、公的動物収容所が飼い主から直接不要犬猫を引き取る制度がない国の場合は、そうでない国と比較して殺処分数の数字が実数より少なくなります。

 以上のように、殺処分数を公的な動物収容所(いわゆる「動物愛護センター」、アニマルシェルター)による公的殺処分数だけで国別の比較をしても無意味です。国によって制度が大きく異なるからです。公的な施設に収容した上での殺処分のみならず、「便益を目的としない」、「合法的な」、「制度化された」犬猫の殺処分は、公的施設内での殺処分だけではありません。例えばドイツでは犬などを警察官が市中で射殺する数は年間1万3,000を超えますが、これはこれらの条件をすべて満たし、なおかつ行政組織が行うものですから「公的殺処分」としてよいと思います。
 また先に述べた通り殺処分は私的なものも含まれ、私設のアニマルシェルターでの殺処分、飼い主が獣医師に依頼する安楽死は含まれると思います。さらにイギリスやオーストラリアなどで数多く行われているレースドッグの殺処分も含まれるでしょう。イギリスでは毎年1万頭以上の廃レースドッグの殺処分が行われています。これは犬のトレーナーなどが自ら拳銃で殺処分することが広く行われています。これは公的な殺処分統計には反映されません。イギリスではそれが合法です。さらには犬猫の狩猟が合法的な国では、民間人ハンターが狩猟駆除で射殺することも殺処分の範疇でしょう。




 連載記事では、イギリス、アメリカ、ドイツにおける民間での犬の獣医師による安楽死を取り上げました。これらの国では日本と比較すれば、飼犬の安楽死率が非常に高いのです。日本では、民間獣医師はほぼ安楽死を行いません。日本では「行政サービス」として、飼主から不要犬猫を引き取り、無料もしくは安価に殺処分を引き受けています。アメリカでも、多くの自治体が安価に不要犬猫の安楽死を引き受けています。しかしアメリカでは、民間の獣医師に安楽死を依頼する飼い主も多いのです。アメリカ国内に限っても、前者は殺処分統計に反映され、後者は数字に表れません。全く同じことをしていてもです。
 イギリス、ドイツでは行政が一般飼主から不要犬猫を引き取る、殺処分する制度はありません。これらの国では、飼主が飼犬猫が不要になり飼え亡くなった場合は、民間の獣医師に安楽死を依頼することが多いのです。民間のアニマルシェルターに引取りを依頼する場合は、獣医師による安楽死よりもかなり費用が高くなります。例えばドイツではティアハイムで犬を引き取る場合は200ユーロ前後かかります。対して獣医師に安楽死を依頼すれば、60ユーロ~程度です。そのような理由もあり、イギリスとドイツでは一般の飼主が犬を獣医師に安楽死を依頼することは大変多いのですが、それは公的な殺処分統計には現れません。事実上同じことであっても、日本の場合は全てが「公的な殺処分統計」に反映されます。

 それと今回記事では、ドイツは公的な、つまり行政が行う殺処分が法律で定められ相当数が行われているにもかかわらず、日本のように国全体の集計が行われていないことを述べます。またドイツの各州は、犬等の公的な殺処分数を非公開にしています。
 ですから「ドイツでは殺処分の公表値がない」ということで、日本では愛誤による意図的な「ドイツでは殺処分がゼロである」というデマの流布に悪用されてきました。なお行政機関のみならず、民間の動物保護施設もかなりの高率で殺処分を行っていますが、多くは非公開、もしくは極めて少なく公表しています。ドイツでは、公の公的殺処分数の公表はないですが、例えば州議会で犬の殺処分等の処分等と予算が審議され、議事録が公開されていたり、住民の情報公開請求で州が情報開示した資料などが散発的にあります。例えば次のような資料です。


vom 09. September 2008 (Eingang beim Abgeordnetenhaus am 10. September 2008) und Antwort Sicherstellung und Beschlagnahme von Hunden in Berlin (オリジナル文献がネット上で削除されたため。キャッシュコピー) 「2008年9月9日(2008年9月10日にベルリン州下院議会が受領)ベルリン州での犬の押収と没収についての回答

 ベルリン州下院議会議事録ですが、この中ではベルリン州が年間540頭の犬を捕獲または飼い主から没収し、殺処分などの一連の処分を行ったことが発言されています。それに対する処分の内訳と予算についての質疑応答です。この質疑からは、ドイツには公的な動物収容所があり、行政が野良犬の捕獲を行い、犬の公的殺処分数も一定数あることがわかります。


Gedanken / Hinweise zu den Urteilen in Hessen 「考察 ヘッセン州の判断における注記」 2004年3月8日

 これは情報公開請求により、ドイツ、ヘッセン州が「禁止犬種法」に基づく犬の強制殺処分数について述べられた記事です。ヘッセン州では、2000年から2003年間にかけて456頭の犬を法律で禁止している犬種というだけの理由で、飼主から没収して強制的に殺処分していました。この数は人口比で日本の公的殺処分の約半分です。この数には野良犬を捕獲したが健康上の理由で安楽死させられたもの、咬傷事故により没収して強制的に殺処分されたものは含まれません。ドイツは公表していないだけで相当数の殺処分数があります。また民間人の狩猟駆除、警察官による犬などの射殺、一般飼主が獣医師に依頼する安楽死などもすべて「殺処分」の定義に含まれますので、殺処分数の実数が大変多い国です。

 このように、「公表された殺処分数」だけで、殺処分数の国際比較をすることは無意味なのです。しかし公表された数値だけで「日本は殺処分が多い」と愛誤は主張しています(しかし公表された数値だけの比較でも、日本はすでに国際的に極めて殺処分が少ない国です)。愛誤が意図的に世論を誤誘導させようとしているのか、真正無知なのかは私は分かりません。このような悪質な情報操作に、日本の大衆が騙され、踊らされていることに私は懸念を感じています。


(画像)

 Statistiken 「ティアハイム アルテントレプトゥ 殺処分統計」から。犬猫の年間殺処分率が36%のドイツのティアハイムの年次報告書。殺処分の数を公表しているティアハイムはごく少ないですし、法律の公表義務もありません。また公表値を少なくするなどの虚偽を公表したとしても処罰する規定がありません。このような状況で「寄付金が欲しいから殺処分数を低く見せたい」という思惑があるティアハイムが正直に正確な数値を公表しますか。大学の調査では、ティアハイムの犬の殺処分率は26.2%で日本の公的な犬の殺処分率の22%より高いのです。

 2014年には、犬猫総収容数140に対して、殺処分(Euthanasien)が34頭、施設内死(verstorben)が15頭でした。総収容数に占める殺処分+施設内死の割合は36%です(日本の自治体の殺処分数の計算方法に基づく)。年次報告書を出しているティアハイムとしては、この殺処分数・率は特別高いとは思えません。

ティアハイム 殺処分率
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1959年生。
大阪府出身、東京育ち(中学は世田谷区立東深沢中学校、高校は東京都立戸山高校です)。
現在は、兵庫県西宮市在住です。
一人暮らしです。

趣味はクルマをコロガスこと(現在のクルマは4代目のメルセデスベンツです。ドイツ車では5代目)、庭での果樹栽培、家の手入れ掃除です。
20歳代前半から商品先物、株式投資をはじめ、30歳で数億円の純資産を得るが、その後空売りの深追いで多くを失う。
平成12年ごろから不動産投資を行い成功、現在50数戸を無借金で所有。
不動産投資では、誰も見向きもしなかったキズモノ、競売物件などをリノベーションする手法です。

なお、SNS、掲示板、QandAサイトなどでは、多数の本ブログ管理人の私(HN さんかくたまご)(武田めぐみ)のなりすまし、もしくはそれと著しく誤認させるサイトが存在します。
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