希少生物生息地で27年行われたTNRは無駄だった~フロリダ州、キーラーゴ島

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(summary)
The TNR on Key Largo Island was ultimately a failure.
アメリカ、フロリダ州にある、キーラーゴ島は、絶滅が危惧される固有種が生息しています。キーラーゴ島の固有種である、ウッドラットもその一つです。キーラーゴ島では猫による希少種のウッドラットが野良猫による捕食被害にあっています。1993年からキーラーゴ島では野良猫対策としてTNRが始められました。その後27年間キーラーゴ島ではTNRは続けられましたが、希少種のウッドラットの猫による食害は続きました。つまり30年近く続けられたTNRは、希少種保護には何ら効果はなかったということです。猫の殺処分反対(TNR推進派)と、自然保護派の対立は先鋭化しましたが、結局は野良猫は捕獲した後に原則としてリリースせずに殺処分か飼い猫化等を行い、それができない猫は住民が資金を出し合って建設した、巨大な囲いに閉じ込めて、終生飼育することで同意しました。つまり30年近く、無駄なTNRという活動を行った実例です。
アメリカ、フロリダ州のキーラーゴ島はフロリダ州南部のエバーグレーズ国立公園内にあります。エバーグレーズ国立公園とは、フロリダ半島内部の原生の湿地帯が現存しているところで、世界自然遺産にも登録されています。また多くの固有種が生息していることでも知られています。
数多くの固有種が生息していますが、また非常に多くの外来種が進出しており、固有種の生存を脅かしています。キーラーゴウッドラット(以下、「ウッドラット」と記述する)は、キーラーゴ島に生息する固有のげっ歯類(ネズミ)で、猫の食害により絶滅が危惧されています。1993年からキーラーゴ島では野良猫対策としてTNRが行われていましたが、結局は猫によるウッドラットの食害はなくなりませんでした。猫の安楽死を含めた環境保護派とTNR団体の対立は激化しました。結局はキーラーゴ島は行政が捕獲した猫を安楽死を含めた処分を行い、それ以外の猫は住民が資金を拠出した巨大な檻に猫を閉じ込めて終生飼育することで合意が形成されました。つまり27年間行われたTNRは全く無駄だったということです。
Can We Save the Woodrat without Slaughtering Cats? In Key Largo, Fla., conservationists and feline lovers figure out how to get along 「猫を大量殺処分せずにウッドラットを救うことはできますか? フロリダ州キーラーゴ島では、自然保護論者と猫好きは合意する方法を見つけ出します」 2020年4月1日 から引用します。
All of the victims had been ambushed and mutilated; many had their throats ripped out.
It was the cats.
And the antagonism between the cat advocates and the conservationists intensified.
Because cats are found at population densities 10 to 100 times higher than those of similarly sized predators, their impact is far more profound than that of naturally occurring predators such as raptors, raccoons and snakes.
They have been implicated as a major force in the extinction of 14 percent of bird, mammal and reptile species on islands.
As free-ranging cats have been increasingly documented killing endangered wildlife, disputes such as the one in Key Largo have popped up around the world.
Cat supporters advocate for humanely trapping cats, sterilizing them and returning them to their colonies, or social groups, in the wild—a process known as trap-neuter-return, or TNR.
In 1993 TNR project reached Alan Litman, a resident of the Ocean Reef Club.
The occasional roundups for euthanasia, which did not sit well with many locals, were not working.
Cat feces were everywhere, and owners filed a never-ending stream of complaints about the noise of cat fights and the smell of territory markings.
Litman lobbied Ocean Reef to try TNR, and the club agreed, providing long-term funding to launch ORCAT.
It is not easy to sterilize enough cats to create a steady downward population trend.
Modeling studies have shown that upward of 90 percent of the cats need to be fixed to create a steady population decline, and trapping that many cats is nearly impossible.
Domestic cats reproduce so efficiently that even small gaps in cat colony maintenance can lead to a resurgence in numbers.
Additionally, the presence of cared-for feral cats has been found to encourage people to dump their unwanted cats in the same area—which is often a reason the strategy fails.
TNR is less effective at reducing cat populations than euthanizing the cats once they are trapped.
Woodrat population density was inversely proportional to the number of feral cats.
The cats were successful hunters, with an average of 6.15 kills a day.
The cats, however, did not eat all of their prey.
Shortly after the failure of the woodrat-breeding program, officials at Crocodile Lake announced an invasive-species management plan that would.
Some would be returned to Ocean Reef, and others would be delivered to animal control, where they could be reunited with owners, adopted, or humanely euthanized.
Fearing for the cats’ safety, an Ocean Reef resident donated $15,000 so that ORCAT could build a 500-square-foot indoor-outdoor.
In 2016 the ORCAT team began setting traps cats at Ocean Reef to keep them contained.
Any of their cats found in the wildlife refuge be kept permanently in the new enclosure.
キーラーゴ島の固有種で絶滅危惧種のウッドラットのすべての犠牲者は待ち伏せされ、ズタズタにされて、多くは喉を引き裂かれました。
それは猫の仕業でした。
猫の擁護者と、自然保護論者の間の対立が激化しました。
猫は、同程度の大きさの捕食動物の10倍から100倍の個体数密度で見つかり、その影響は猛禽類、アライグマ、ヘビなどの自然発生の捕食動物よりもはるかに深刻です。
猫はでキーラーゴ島の鳥、哺乳類および爬虫類の種の、14%の絶滅の主な圧力に関連しています。
放し飼いの猫が絶滅の危機に瀕している野生動物を殺すことが以前に増して報告されているので、キーラーゴ島のような紛争が世界中で高まっています。
猫の支援者たちは、人道的に猫を捕獲し去勢して、野生の一群や猫の社会集団に戻すことを提唱していて、これは、トラップニューターリターン(TNR)と呼ばれる方法です。
1993年にキーラーゴ島のTNRプロジェクトは、オーシャンリーフクラブの居住者であるアラン・リットマン氏に伝えられました。
必要な時に安楽死を行い、野良猫を排除することは多くの地元民と折り合いがつかなかったために、うまくいきませんでした。
猫の糞が町のいたるところにあり、住民は猫の喧嘩の騒ぎや縄張りの臭い付けについて絶え間なく苦情を申し出ました。
(住民の)リットマン氏はTNRを試すようにキーラーゴ島のオーシャンリーフの住民たちに働きかけ、自治会はこれに同意し、ORCAT(註 TNR活動団体)を立ち上げるための長期的な資金を提供しました。
安定して、個体数減少傾向を生み出すのに十分な数の猫を去勢することは、容易ではありません。
モデル研究では猫を安定して減少させるには、90%以上を捕まえる必要があり、そのような多くの猫を捕獲することはほぼ不可能であることが示されています。
イエネコは大変繁殖力が強いので、猫の一群の管理のわずかな間隙を縫って、数が再び増える可能性があります。
さらに世話を受けている野良猫の存在は、TNR活動家らが望まない猫を、その地域に捨てることを誘発することがわかりました-これはしばしばTNR戦略が失敗する理由です。
TNRは捕まえた猫を安楽死させるよりも、猫の個体数を減らす効果が低くなります。
ウッドラットの個体数密度は、野良猫の数に反比例しました。
猫は成功した捕食者で、1日あたり平均6.15匹の小動物が殺されました。
しかし猫は獲物を全部食べませんでした。
ウッドラット繁殖プログラムが失敗したすぐ後に、クロコダイル湖の行政当局者は侵略的な種の管理計画を発表しました。
猫の一部はオーシャンリーフに戻されますが、その他はアニマルコントロール(註 行政機関)に引き渡され、そこで飼い主に返還したり、飼猫になったり、人道的に安楽死させたりすることができます。
猫の安全を危惧して、オーシャンリーフの住民は15,000ドルを寄付し、ORCATが500フィート四方の屋外に猫を閉じ込める施設を建築できるようにしました。
ORCATチームは2016年に、オーシャンリーフで猫を閉じ込めるためにわなを設置し始めました。
野生生物の保護区で見つかった猫は、いかなるものでも新しいその檻の中に永久に保管されます。
日本においても、猫から食害を受けて絶滅が危惧されている希少種が生息している地域は多数あります。主に島嶼ですが小笠原諸島、北海道の天売島、御蔵島、そして非常に深刻な状況にある奄美群島の奄美大島と徳之島です。奄美群島ではTNR団体が当初TNRを強行しましたが、京都大学らの研究によればTNRの猫の現職と希少種の食害抑止効果は否定されています。
海外では、猫から食害を受けている極めて希少な生物の生息地で、猫対策をTNRだけで対処したという例はおそらくないと思います(もしあれば読者様はコメントください。正し原語の文献(学術論文などの信頼性が高い資料に限ります)をつけてください。日本の環境保全が取り返しがつかなくなることを避けるために、キーラーゴ島のTNRが無意味であったことを他山の石にするべきです。
(動画)
Everglades National Park 「エバーグレーズ国立公園」 2013/04/05公開
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