スウェーデンの犬の去勢率はわずか1%~去勢の意識が低いヨーロッパ

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Sweden/Schweden
Dog castration
記事、犬の去勢が法律で禁止されているノルウェー~去勢への意識が低いヨーロッパ、の続きです。
日本では「動物愛護先進国欧米では犬の不妊去勢に対する意識が高く、当然のように行われている」という情報が流布されています。アメリカ合衆国では犬の去勢(以下の記述では雌の不妊含む)の意識は高く、犬の飼主が飼犬の去勢を行うのは当然という意識はあると思います。しかしヨーロッパでは北欧やイギリス、ドイツなどではそうではありません。特に北欧ではそうです。スウェーデンでは1988年まで法律で犬猫の去勢が禁止されていて、現在も去勢は動物虐待とみなされてほとんど実施されていません。またドイツでは下級審(アルゼイ地方裁判所)で、「犬の去勢手術は動物保護法に違反する行為である」という判決が確定しています。そのために犬の去勢率の統計推計値はありません。ドイツも犬は去勢率は低いと思われます。
サマリーで示した、日本で流布されている「動物愛護先進国の欧米では、犬猫の去勢を行うことが当然視されている。しかし日本ではそうではなく。日本は犬猫の不妊去勢の意識が低く実施率も低い」という情報ですが、このようなものがあります。いくつか例示します。
・ちばわんは「不妊・去勢手術こそが、動物愛護の第一歩である」と考えます。⇒詳しく見る 2017年7月25日
欧米先進国では、一般の飼い主の間でも不妊・去勢手術を施すのが当然のことと考えられているのに、日本ではまだまだそうなっていません。
日本が動物愛護に関して後進国と言われている理由は、それが最も大きな原因と言っても過言ではありません。
もちろん、ドイツでもノルウェーでも、不妊・去勢は動物愛護の観点から日常的に行われています。
法律で禁止などされてはいません。
・避妊・去勢手術 桜ヶ丘ペットクリニック
動物愛護先進国である欧州(イギリス、ドイツ、北欧諸国)では、自分の犬猫に避妊・去勢手術を受けさせることは、当然のことと考えられています。
今回記事では、スウェーデンでは犬の去勢(以下の記述では、雌の不妊手術も含む)率が極めて低いことを述べます。スウェーデンでは1988年まで、犬の去勢が禁止されていました。現在でも犬の去勢率は極めて低く、犬の去勢率はわずか1%です。それを裏付ける記事をいくつかあげます。
・Why You Should Consider NOT Spaying or Neutering Your Dog 「なぜあなたはあなたの犬を不妊去勢しないことを考慮すべきなのでしょうか?」 2018年6月25日
Some first-world countries view desexing to be inhumane
Despite the conventional wisdom that widespread early de-sexing is the only or at least best choice here in North America, this is not the norm in many European countries.
A survey of European countries reveals that Hungary has 57% intact dogs and the UK stands at 46% of intact dogs.
In some countries, spaying and neutering are considered to be inhumane and is even illegal.
In Sweden, 93% of females 99% of male dogs are left intact.
Under Norway's Animal Welfare Act, it is illegal to neuter your dog in Norway unless it was deemed medically necessary or for animal welfare reasons.
世界の先進国の何ヵ国では、(犬の)去勢(以下、不妊を含む)を非人道的であると考えています。
北米では広範囲にわたり、早期の犬の去勢が唯一または少なくとも最良の選択であるというのが従来の認識であるにもかかわらず、犬の去勢は多くのヨーロッパの国々では一般的ではありません。
ヨーロッパ諸国の調査によると、ハンガリーには無去勢の犬の57%がおり、イギリスでは46%です。
1部の国では、犬の避妊と去勢は非人道的であると見なされ、違法でさえあります。
スウェーデンでは、雌犬の93%、雄犬の99%が無去勢のままです。
ノルウェーの動物福祉法では、医学的に必要であると見なされない限り、動物福祉上の理由で犬を去勢するのは違法です。
・Demographic Data of a Population of Insured Swedish Dogs Measured in a Questionnaire Study 「アンケート調査におけるスウェーデンの去勢済みの犬の数の統計データ」 2001年(若干古いですが学術論文ですので取り上げました)
Until 1988 it was only allowed to neuter dogs for medical reasons.
In the present study, the majority (99%) of the dogs was not neutered, which was even higher than the figures reported by, who found 96% of males and 93% of females to be intact.
These figures differ markedly from a survey made in Australia, where 8% and 43% of the females and males were intact, respectively.
現在の研究では、(スウェーデンでは)犬の大部分(99%)は去勢されていませんでした。
これは雄犬の96%と雌犬の93%が無去勢であると報告された数字よりもさらに高かったです。
(スウェーデンでは)1988年までは、獣医学上の理由がなければ犬を去勢することができませんでした。
現在の研究では、スウェーデンの犬の大部分(99%)は去勢されておらず、雄犬の96、雌犬の93%が無去勢という報告の数字よりもさらに高かったです。
これらの数値は、オーストラリアで行われた調査とは著しく異なり、オーストラリアでは雌犬の8%と雄犬の43%が無去勢でした。
繰り返しますが、私は犬猫とも予期しない繁殖を防止するためには、去勢を行うことに賛成の立場です。ただあまりにも海外のデマ情報が蔓延しているので、それを正す記事を書いています。情報提供者は、公に情報を提供することに関してもっと責任と自覚を持っていただきたいです。
次回記事では、アメリカ合衆国、オーストラリア、ヨーロッパ、日本の犬の去勢率を比較したいと思います。先に結論を述べれば、アメリカ合衆国(北米)及びオーストラリアではきわめて犬の去勢率が高く、ノルウェー、スウェーデンの北欧は著しく低いです。サマリーで述べた通り、ドイツでは下級審で「犬の去勢は動物保護法に違反する」との判決が確定しています。そのため犬の去勢率に関する統計値はありませんが、かなり低いと思われます。日本はその中間と言ったところでしょうが。したがって一部で流布されている「日本では不妊去勢率が欧米に比べて低い動物愛護後進国である」は、根拠がないデマです。
(動画)
犬・猫で避妊手術や去勢手術ををする割合は? 2019年2月13日公開
犬猫67頭のうち、去勢している飼い主が51頭とのことです。母数が少なすぎるのと、犬と猫では、海外でも割合に大きな違いがありますので参考にはなりません。しかし日本は犬猫の不妊去勢に対する意識が比較的高い方と言えます。
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