全英ケネルクラブは雌犬の8歳以上の出産を認めている~殺処分ゼロ議員連「要望書」の大嘘

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(summary)
The Kennel Club(UK)
2) The dam has already reached the age of 8 years at the date of whelping, (relief from this restriction may be considered normally provided an application is made prior to the mating, the proposed dam has previously whelped at least one other registered litter, and the application is supported by veterinary evidence as to the suitability of the bitch involved in the proposed whelping).
記事、
・動物取扱業者に対する環境省の狂った数値基準の方針、
・「フランスでは猫の出産は1歳以上6歳までと規定されている」という殺処分ゼロ議員連のデマ文書、
の続きです。
犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟は、ペットの繁殖業者やペットショップの具体的な数値基準を法制化するように求め、環境大臣に提出する要望書をまとめました。それは見るに堪えない誤りが多数あります。しかし環境省はその要望書を参考にして、7月9日に方針をまとめたようです。「ブリーダーによる犬猫の出産上限」ですが、要望書の記述は全て誤りです。前回記事では「フランスでは猫の出産は1歳以上6歳までという規定がある」が全くの捏造である事を書きました。今回は「イギリスでの雌犬出産は1歳以上6歳までとする」の捏造であることを述べます。その様な規定はイギリスにはありません。全英ケネルクラブでは「8歳以上の雌犬の出産も条件付きで認める」という自主規制をしています。
まずサマリーで示した、犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟(以下、「本要望書」と記述する)が、「ペット繁殖業者とペットショップに対する具体的な数値基準の法制化を求める要望書を作成した」ことを伝えるニュースソースから引用します。犬猫の販売・繁殖業者への数値規制 議連や団体が独自案まとめる 2020年3月25日
身動きがままならないケージで飼育するなど、悪質な繁殖業者やペットショップへの行政指導を効果的にできるようにするため、具体的な数値を盛り込んだ基準作りが、環境省を中心に進められています。
昨年6月の動物愛護法改正の「宿題」で、超党派の議員連盟は独自案をまとめました。
ケージの広さや上限飼育数などを規制する議連案
取りまとめにあたった議連事務局次長の高井崇志衆院議員は、「問題のある業者を取り締まり、改善するためには具体的な数値が必要だ。自治体の職員が使いやすい基準にするとともに、欧州の先進国で行われているような水準の数値規制の導入を目指したい。たとえば、犬のケージの広さは小型犬で最低2平方㍍を確保してほしい」などと話す。
だが動物愛護法にはあいまいな表現しかないため、自治体は悪質業者に対する指導が効果的に行えてこなかった。
こうした状況の改善を目指し、昨年6月に議員立法で成立した改正動愛法には、環境省令により「できる限り具体的な」基準を設けるよう定められた。
同議連では半年にわたり業者や有識者らにヒアリングを重ね、海外事例も調査し、50の重点項目をベースとする基準案を作った。
「殺処分ゼロ議員連」が作成した「議員連基準案」の、イギリスの法令の誤りについて述べます。「殺処分ゼロ議員連」が作成し、環境大臣に提出した、議員連基準案はこちらです。
犬猫の殺処分ゼロを目指す動物愛護議員連盟 第一種動物取扱業者における犬猫の飼養管理基準に関する要望書(以下、「本要望書」と記述する)。「犬の飼養管理基準案 繁殖 繁殖回数 定量」から、「雌犬の出産は1歳以上6歳まで」(英国動物福祉規則)。以下に示したスクリーンショットが、その箇所です。
(画像)
犬猫の言殺処分ゼロを目指す動物愛護議員連盟 第一種動物取扱業者における犬猫の飼養管理基準に関する要望書から。4ページの記述。

結論から言えば、イギリス(UK)には、犬ブリーダーに関して「雌犬の『出産』は1歳以上6歳まで」と規定している法令は存在しません。参考法令として挙げられている「英国動物福祉規則」は、本要望書の他の記述から、The Animal Welfare (Licensing of Activities Involving Animals) (England) Regulations 2018を指すことは間違いありませんが、本法では「犬ブリーダーに対するメス犬の繁殖頻度や年齢」に関する規定」はありません。殺処分ゼロ議員連には、該当する条文を原文で示していただきたいものです。
イギリスで犬ブリーダーに対するメス犬の繁殖頻度や年齢について規定している法令は、「犬の繁殖と販売に関する動物福祉に関する法律」(Breeding and Sale of Dogs (Welfare) Act 1999)です。さらにこの法律の「犬ブリーダーに関する雌犬の繁殖頻度や年齢に関する規定」は、本要望書の記述とは全く異なります。以下に、「犬の繁殖と販売に関する動物福祉に関する法律」(Breeding and Sale of Dogs (Welfare) Act 1999)から、該当する条文を引用します。
2 Licence conditions.
(2)
(f) that bitches are not [mated] if they are less than one year old;
(g) that bitches do not give birth to more than six litters of puppies each;
(h) that bitches do not give birth to puppies before the end of the period of twelve months beginning with the day on which they last gave birth to puppies; and
(i) that accurate records in a form prescribed by regulations are kept at the premises and made available for inspection there by any officer of the local authority, or any veterinary surgeon or veterinary practitioner, authorised by the local authority to inspect the premises;”
2条 犬ブリーダーのライセンス要件
2項
(f) 1歳未満で雌犬を『交尾(交配)』させることはできない。
(g) それぞれの雌犬に生涯の間に6回を超えて出産をさせてはならない。
(h) 雌犬が最後に子犬を出産した日から起算してから、12ヵ月の期間が終了する前に子犬を出産させないこと。
(i) 本規則で定められた形式の、正確な記録簿が施設に保管され、地方自治体の担当者、または任意の獣医師か地方自治体より施設の検査を許可された民間の開業獣医師のいずれかに検査ができるようにしなければならない。
犬猫の殺処分ゼロを目指す動物愛護議員連盟 第一種動物取扱業者における犬猫の飼養管理基準に関する要望書の、4ページの記述、「犬の飼養管理基準案 繁殖 繁殖回数 定量」から、「雌犬の『出産』は1歳以上6歳まで」(英国動物福祉規則)は、とんでもないデタラメ記述です。まとめると以下の通りです。
1、出典としているイギリスの法令が間違っています(「英国動物福祉規則」では、ブリーダーの雌犬に対する『出産』年齢に関する規定は皆無である)。
2、イギリスで犬ブリーダーの雌犬に対する繁殖頻度と年齢に関する規定は別の法律、「犬の繁殖と販売に関する動物福祉に関する法律」(Breeding and Sale of Dogs (Welfare) Act 1999)にあります。
3、さらに、「雌犬の『出産』は1歳以上6歳まで」も間違い。正しくは「1歳未満の『交配』を禁じる」のみで、出産の上限年齢を定める規定はありません。犬の妊娠期間は約2か月ですので、「交配」と「出産」では2か月も違ってきます。ひどい間違いです。
さらに「殺処分ゼロ議員連」による本要望書の、「雌犬の出産は1歳以上6歳まで」が全くの嘘捏造である、別の証拠があります。それは全英ケネルクラブによる自主規制です。全英ケネルクラブは「8歳を超える雌犬の出産による子犬は、条件付きで登録を認める」としています。一般的に強制力がない民間の自主規制の方が条件は厳しくなります。かりにイギリスで「6歳を超える雌犬の出産を法令で禁じている」のならば、全英ケネルクラブが「8歳以上の雌犬の出産による子犬の登録を条件付きで認める」という自主規制を設けるわけがありません。
この文書を読んだ時には、私は思わずコーヒーを吹き出しそうになったのですがね。Breeding Restrictions 「犬の繁殖に関する制限」(全英ケネルクラブによる文書) から引用します。
Breeding Restrictions
The Kennel Club will not accept an application to register a litter when:
2) The dam has already reached the age of 8 years at the date of whelping, (relief from this restriction may be considered normally provided an application is made prior to the mating, the proposed dam has previously whelped at least one other registered litter, and the application is supported by veterinary evidence as to the suitability of the bitch involved in the proposed whelping).
繁殖制限
全英ケネルクラブは、次の場合に、子犬の血統登録の申請を受け付けません。
2)母犬が出産の日にすでに8歳に達している(ただしこの制限は、交配の前に申請が行われた場合は通常は除外されます。繁殖が計画された母犬が以前に少なくとも1回の他の登録された子犬を出産していることと、申請が、計画された出産の該当する雌犬が出産に適合しているとの獣医師の証言によって支持されていること)。
またこのような資料もあります。2017年5月に、日本獣医師会誌(Journal of the Japan Veterinary Medical Association 70(5), 264-269, 2017-05)に掲載されたレポートです。このレポートでは主に欧米の犬ブリーダーの法的規制についてまとめたものです。
このレポートによれば、イギリスは、ブリーダーの雌犬の繁殖(出産ではない。通常繁殖の開始は交配と解される)の上限年齢を規定する法令はありません。以下に、その箇所のスクリーンショットを挙げます。
(画像)
諸外国における犬のブリーダー規制状況 礒村れん,杉浦勝明†(東京大学大学院農学生命科学研究科) (日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association 70(5), 264-269, 2017-05) から。
なおこの一覧ではフランスを、「犬の最低繁殖年齢(交配と解釈できる)」を「10ヶ月齢」とし、根拠法を、Code rural et de la pêche maritime Version consolidée au 5 juillet 2020 「農村法」としています。異なる法律で異なる規定があることは珍しいことではありません。ただあまりにも分量が多い法律で、該当する条文は確認できませんでしした。研究者自身が法令の原文を確認していない可能性はあります。
他の法令、ANNEXES de l’arrêté du 3 avril 2014 fixant les règles sanitaires et de protection animale auxquelles doivent satisfaire les activités liées aux animaux de compagnie d’espèces domestiques relevant des articles L. 214-6-1, L. 214-6-2 et L. 214-6-3 du code rural et de la pêche maritime において「犬猫とも交配なは2回目の発情以降」としています。

(動画)
#どうぶつ2020プロジェクト_牧原秀樹議員 2017/10/19公開 聞く方が赤面しますがね。
「2020年 日本のどうぶつ環境を 世界水準に」をスローガンに2017年9月より公益財団法人動物環境・福祉協会EvaはWeb上にてプロジェクトを開始いたしました。
2020年を一つの目標とし、Evaは動物たちそして私たちの社会が共に豊かなものとなるよう【私たちが目指すもの】として4つ掲げました。
①生体展示販売のない社会
相変らずの嘘捏造しかしない愛誤活動家と愛誤議員。生体展示販売(のペットショップ)は、アメリカ合衆国では日本の人口比で2.7倍、スペインでは2.7倍、イギリスでは1.6倍、ドイツでは1.2倍あります。これらは公的な商業統計、大手シンクタンクの資料で公開されています。杉本彩氏らには、「日本以外には生体展示販売(ペットショップ)がない」の根拠となる商業統計などを示すよう再三求めていますが、ただの一度もありません。
牧原秀樹議員は、犬猫の殺処分ゼロを目指す動物愛護議員連盟 第一種動物取扱業者における犬猫の飼養管理基準に関する要望書 の作成の責任者ですが、ここで示された海外の法令による基準はほぼすべてが捏造です。捏造の数値で「世界水準を目指す」とは笑わせる。捏造により立法に圧力をかけるとは、単なる道義的責任にとどまらな私は感じます。牧原議員は病的虚言の精神疾患があるのでしょうか?それとも絶望的な無知?しかし何らかの責任追及は必要でしょう。
しかしこの方が責任者の「犬猫の殺処分ゼロを目指す動物愛護議員連盟 第一種動物取扱業者における犬猫の飼養管理基準に関する要望書」ですが、裏を取れば即バレの捏造ばかり。よほどバカなのか、嘘をつくのならば口だけではなくちゃんと頭も使え(笑い)。
・「殺処分ゼロ議員連」による要望書はデタラメ羅列~読んだ人が悶絶死するレベル、
・「殺処分ゼロ議員連」による要望書はデタラメ羅列~「雌犬の出産は1歳以上6歳まで」という悶絶誤訳、
・「犬の出産の下限上限年齢を制限する法令はない」~西山ゆう子氏のデマ、
・「犬の出産の下限上限年齢を制限する法令はない」理由~西山ゆう子氏のデマ、
・「殺処分ゼロ議員連」による要望書はデタラメ羅列~ドイツの法令は妄想作文レベル、
・続・「殺処分ゼロ議員連」による要望書はデタラメ羅列~ドイツの法令は妄想作文レベル、
・「殺処分ゼロ議員連」の役立たずの偏向文書~なぜ立法の参考で法令ではなく強制力がない行政指導を挙げるのか?、
・イギリスの犬飼養の数値基準は殺処分ゼロ議員連の要望より緩い、
・アメリカの犬1頭当たりの最小ケージ広さの法定数値基準はハンカチ1枚分の広さ、
・アメリカの離乳前子猫1頭当たりの最小ケージ広さの法定数値基準はコースター1枚分の広さ、
・殺処分ゼロ議員連のペット業者に対する数値基準の法制化要望の決定的な欠陥
・動物取扱業者に対する環境省の狂った数値基準の方針
・「フランスでは猫の出産は1歳以上6歳までと規定されている」という殺処分ゼロ議員連のデマ文書
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