「猫は新型コロナウイルス感染の非顕性中間宿主である可能性がある」~東京大学医科学研究所

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(Domestic/inländisch)
「猫は新型コロナウイルスに感染するのか」。この点については私はすでにいくつかの記事を書いています。
・「猫は新型コロナウイルスに感染しやすい」という研究結果
・中国武漢の猫の15%が新型コロナウイルスに感染しているという研究結果
・新型コロナウイルスの猫から猫への感染の再現実験に成功~フランス
・感染症学の教授は新型コロナウイルスの猫から人への感染の可能性を示唆
「猫は犬、豚、アヒル、鶏に比較して新型コロナウイルスに感染しやすく、かつ体内でウイルスを十分増殖させる」ということが、すでに研究の成果として公表されています。「猫が新型コロナウイルスに感染しやすい」との中国の研究論文がネイチャー誌に掲載されたのは、今年の4月1日です。その後フランスの獣医大学で「猫から猫の新型コロナウイルス感染」に再現実験に成功し、さらに東京大学らの研究チームも再現実験に成功し、5月13日に公表しました。
サマリーで示した、「東京大学らの研究グループによる猫から猫への新型コロナウイルス感染実験」に関するプレスリリースはこちらです。新型コロナウイルスはネコの間で感染伝播する 2020年5月13日 以下に引用します。
本研究では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者から分離されたウイルスのネコにおける増殖能と感染伝播能を解析しました。
その結果、新型コロナウイルスは、ネコの呼吸器でよく増えること、接触感染によってネコの間で容易に感染伝播することが明らかになりました。
また、本ウイルスに感染したネコは明らかな症状を示さないことも分かりました。
本研究成果によって、新型コロナウイルスがネコの間で広がる可能性があることが示唆されました。
この成果は、行政機関が今後の新型コロナウイルス感染症対策計画を策定、実施する上で、重要な情報となります。
本研究は、東京大学、米国ウィスコンシン大学、国立国際医療研究センター、国立感染症研究所が共同で行ったものです。
研究チームは、ネコを感染から守るためにも、ネコを外に放さず室内で飼育することが必要であることを強調しています。
「新型コロナウイルスは猫から猫へ感染する。しかも感染は容易である」。この事実はすでに複数の再現実験により、確定したと思います。さらに今回の東京大学らの研究チームは、「感染したネコは明らかな症状を示さない」としています。
また本プレスリリースでは、「新型コ ロナウイルスがネコから人に感染した事例は報告されておりません」としています。しかしこの事実は「猫から人に新型コロナウイルスが感染しない」ことを意味するものではありません。これまでに、「人⇄人」、「人→猫」、「猫⇄猫」の新型コロナウイルスの感染が、実際の症例及び実験で確認されたということです。「猫→人」の感染は、現時点では「ある可能性」も、「ない可能性」もあるということです。またウイルスが変異し、仮に現時点ではなかったとしても、「猫⇄人」感染の能力を将来獲得する可能性も否定できません。
この東京大学らの研究チームによる発表では、イギリスの学術誌では日本向けのプレスリリースとは「猫→人」感染のリスクに対して、明らかにかなりの温度差があると感じます。それは、The New England Journal of Medecine における記事、Transmission of SARS-CoV-2 in Domestic Cats 「イエネコにおけるSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)の感染」 2020年5月13日 です。
本記事では、「猫→人」感染の可能性に対して、かなり強く示唆し、さらに「すでに猫は症状が顕在化しにくいために新型コロナウイルスに感染して人に感染を拡大させた『非顕在性の中間宿主』である可能性がある」としています。この記事によれば、本論文は、「猫はすでに新型コロナウイルスの中間宿主(感染動物)であり、知らないうちに猫から人へ感染が広がっていた可能性がある」と示しています。以下に引用します。
With reports of transmission of SARS-CoV-2 from humans to domestic cats and to tigers and lions at the Bronx Zoo, coupled with our data showing the ease of transmission between domestic cats, there is a public health need to recognize and further investigate the potential chain of human–cat–human transmission.
In 2016, an H7N2 influenza outbreak in New York City cat shelters highlighted the public health implications of cat-to-human transmission to workers in animal shelters.
Moreover, cats may be a silent intermediate host of SARS-CoV-2, because infected cats may not show any appreciable symptoms that might be recognized by their owners.
Given the need to stop the coronavirus disease 2019 pandemic through various mechanisms, including breaking transmission chains, a better understanding of the role cats may play in the transmission of SARS-CoV-2 to humans is needed.
人からイエネコ、そしてニューヨークのブロンクス動物園でのトラやライオンへのSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)の感染の報告とともに、イエネコ間の伝染のしやすさを示すデータと合わせて、人-猫-人の感染の潜在的な連鎖を認識したうえで、さらに調査しなければならない公衆衛生上ニーズがあります。
2016年にニューヨーク市の猫のアニマルシェルターでH7N2鳥インフルエンザが発生し、アニマルシェルターの従業員が猫からH7N2鳥インフルエンザに感染し、公衆衛生に及ぼす影響が明らかになりました。
さらに、新型コロナウイルスに感染した猫は飼い主が認識できるような明らかな症状を示さない可能性があるため、猫は新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の、非顕性の中間感染者(註 顕在化しない人-猫-人の感染を伝播させる感染動物)である可能性があります。
新型コロナウイルス感染症を阻止する必要性を考えれば、2019年に発生したパンデミック(感染爆発)の、感染の連鎖の破壊を含むさまざまなメカニズムを通じて、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の人への感染において、猫が果たす役割をよりよく理解することが必要です。
同じ研究チームによる研究でありながら、なぜ日本でのプレスリリースと、イギリスでの学術誌での紹介で、「猫からの感染の潜在的リスク」に対する言及で、なぜこれほどまでに温度差があるのか私は不思議です。明らかにイギリスの学術誌では、「猫は潜在的な感染源である」と強く示唆しているのに対し、日本のプレスリリースでは、わざわざ「猫から人に新型コロナウイルスに感染した例はない」と断わりを入れています。
やはり日本は外猫野良猫愛誤は、テロリスト集団並みと認識されているのでしょうか。実際に動物実験を行っている大学などの研究機関では、過去に動物愛護団体によるテロの被害を受けています。研究機関が愛誤に忖度したとすれば、正しい啓蒙も行えません。例えば、以下の動画のような攻撃的、さらに客観的な事実を受け入れない外猫野良猫至上主義者の愛誤は、非常に社会に有害な存在です。デマや誹謗中傷により、なにがなんでも外猫のリスクを否定し、「外猫野良猫至上主義」を固持したい意図がありありです。
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私が記事、「猫は新型コロナウイルスに感染しやすい」という研究結果、中国武漢の猫の15%が新型コロナウイルスに感染しているという研究結果、を公開する前のコメントに対して、Twitterで揚げ足をとるツィートをした人がいます。
このツィートでは「猫が新型コロナウイルスに感染しやすい」、「武漢の猫の15%の猫が新型コロナイルスに感染していた(抗体の陽性反応があるということは感染歴があるという証明です)」との私のコメントが、「エビデンスがないデマ」という趣旨で拡散されました。その後の記事をお読みいただければわかることですが、「新型コロナウイルス(COVID-19)は猫から猫へ感染する」論文は世界的に権威ある科学誌ネイチャーと、サイエンスに掲載されています。また「武漢の猫の約15%が新型コロナウイルスの抗体を持っている(感染したとの証明)」との論文は、論文の掲載サイト、BioRxivに収録されているものです。
おそらくこの揚げ足取りのツィートをした人物は、日本語検索だけしかしない人です。私のブログを毎日目を皿のようにしてあらさがしをし、この情報を日本語検索して該当する情報がなかったためにフライングしたものと思われます。まさに赤恥です。私は海外のニュースサイトを直接読んでいますので、日本のマスコミが日本語訳して再配信するより情報の入手が早いのです。その後日本のマスコミで「新型コロナウイルスの猫から猫への感染」の例が多く報道されています。

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中傷を受けている該当する私の記事は、「猫は新型コロナウイルスに感染しやすい」という研究結果です。元となる論文が掲載された、世界的な権威ある科学誌のネイチャーの記事、Coronavirus can infect cats — dogs, not so muchをそのままリンクしているのですが(呆)。
このツィートをした人は英語どころか、日本語も不自由しているみたいです。何度も繰り返していますが、このサイトの読者様は、義務教育を修了した方を想定しています。もしこの方が義務教育を修了されてたのならば、頭が大丈夫ではありません。大変心配しております。
野良猫外猫愛誤の、なにがなんでも「自由に徘徊している猫は感染症をはじめとするリスクも被害も一切ない」という、嘘プロパガンダの固持に必死なのはわかります。しかし「猫(ネコ科動物)は新型コロナウイルスに感染しやすい」との論文は、すでに多くのマスメディアが報道しています。また「猫から猫に新型コロナウイルスが感染する」論文についても、日本の複数のマスメディアが報道しています。
新型コロナウイルスは新しい感染症で、まだよくわかっていない点が多いのです。感染症のリスク対応は、予防が原則です。「猫から人への感染」の可能性が否定できないのであれば、それに対した予防を講じるべきなのです。また仮に猫が新型コロナウイルスに感染したことにより人に感染させないとしても、猫の体についたウイルスにより、人への感染を広げる可能性があります。現に、アメリカCDC(アメリカ連邦疾病予防管理センター )とAVMA(全米獣医師会)は、猫などのペットから人が感染する可能性があるという前提の対策を推奨しています。単なる思い込みでの、根拠のない「野良猫外猫は安全」というデマを拡散することは有害です。

(参考資料)
・新型コロナウイルス 猫 感染 (日本語検索結果)
・COVID-19 Cat infection (「新型コロナウイルス 猫 感染」 英語検索結果)
・新型コロナウイルス 武漢 猫 感染 15% (日本語検索結果)
・COVID-19 Wuhan Cat Infection 15% (「新型コロナウイルス 武漢 猫 感染 15%」 英語検索結果)
(追記)
ごく新しいニュースですが。オランダ政府は「オランダ国内のミンク毛皮獣養殖場の従業員が、ミンクから新型新型コロナウイルスに感染した」と発表しました。イタチ科動物はこれまでの実験により、猫とともに新型コロナウイルスに感染しやすい動物とされていました。
これらの事実を考えれば、東京大学らの研究チームの仮説、「猫は新型コロナウイルス感染の非顕性中間宿主である」はかなり信ぴょう性が高いと思われます。症例が見つかっていないだけで、すでに猫から人への感染がある可能性は高いと思います。この件について新しいニュースが入れば、改めて記事にします。
・Dutch farm worker contracted coronavirus from mink: agriculture minister 「オランダの毛皮獣養殖場労働者がミンクからコロナウイルスに感染しました:農業大臣」 2020年5月19日
・オランダの農場労働者、ミンクから新型コロナウイルスに感染 2020年5月20日
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